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平成28年10月25日 新潟県知事 就任記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成28年10月25日(火曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(11時00分~11時03分)
知事就任あいさつ - 質疑項目(11時03分~11時56分)
- 原発関連問題について
- 知事の政治姿勢等について
- 日本海横断航路について
- 給付型奨学金について
- TPPについて
- 人口減少対策について
- 子ども医療費助成について
- 子ども病院について
知事発表
知事就任あいさつ
本日新潟県知事を拝命しました米山です。これから県政4年間が始まります。まずもって県知事選挙の大きな争点となりました原発再稼働問題については、選挙戦の中でお約束させていただいたとおり、まずは徹底的な検証を県技術委員会で進めさせていただきたいと思います。その検証が済むまでの間、もちろん再稼働の議論はできないと。また現状についてお話させていただけるなら、現状の理解では、県民の命と暮らしが守られない現状においては再稼働は認められないと。この立場は堅持させていただきたいと思っています。一方で就任前から様々な対話を求める声をありがたいことに頂いています。対話を閉ざすことはないということで、関係各所ときちんとした協力体制を築きつつ、この問題にしっかりと対処していきたいと思っています。本件に関しては大きな争点となりましたが、私は命と暮らしを守る、そのシンボルであったと思っています。決してワンイシューであったのではなくて、大きな命と暮らしを守る県政をしてほしいという県民の皆さんの声の一つのシンボルが原発再稼働問題であったと思っています。つまり県民の皆さんのより大きな期待は、命と暮らしを守る県政を実現することにあると考えていますので、子育て支援、医療、介護、しっかりとした体制をつくっていきたいと思います。それと同時にそれを支える産業基盤、都市基盤をしっかりとつくっていきたいと思います。暮らしやすい街、防災にきちんと対応した安全な街をつくらせていただいて、その中でいろんな企業が発展していく新潟経済をつくっていきたいと思います。また、喫緊の課題となるであろう日本海横断航路問題に関しては早急に事態を把握して、可能な限り早い対処に努めさせていただきたいと思います。以上さっと流させていただきましたが、県政の課題がそれぞれありますので、その全てに対して真摯に丁寧に全力で取り組ませていただきたいと思います。その中でここにいらっしゃる皆さんが私の姿勢や取組を県民の皆さんに伝えていただいて、きちんと情報を共有していくことは非常に重要だと思いますので、皆さんにもご協力いただければと思います。
質疑
原発関連問題について
Q 朝日新聞
本日政府の方で東電委員会(東京電力改革・1F問題委員会)というものが開かれておりまして、原子力分野の子会社化などが俎上に挙がっております。選挙期間中、泉田知事は東京電力の組織のあり方に疑問を呈しておられ、ツイッターなどでも疑問を投げかけて、分社化や柏崎刈羽への本社設置などを問いかけ、(米山知事は)お答えもされておりました。そのお考えをもう一度確認させてください。
A 知事
従前のお話はそのとおりでして、県民の命と暮らしを守るためにベストな組織再編というものに関しては我々の方でもご提案させていただきたいと思っています。現在政府の方で議論に上っているものがどのようなものか詳細を私は把握していませんので、それについてどう考えるかは詳細を把握してからになるのですが、そういう提案がなされているということに関してはいい方向に行っているのかなと原則としては思います。中身がわからないのでそれはどちらかはわからないのですが、少なくとも安全を確保するために組織的な対策も打つという大原則においてはいい方向に行っているのかなと認識しました。
Q 朝日新聞
泉田知事は柏崎刈羽に東京電力の本社を置くべきだと主張されていました。米山さんも候補者のときに最も有効な策の一つだと仰っていました。そのことについてあらためて言葉でお願いできますでしょうか。
A 知事
まさにそのとおりで、それは有効な策の一つだと思います。ただ具体的に、実際にどうするのかということに関しては、その他にも有効な策があるかないかきちんと検討して、その実現性等々もきちんと検討してからのことになりますので、それも俎上に上っているのかどうか承知していませんが、有効な策の一つとしてご検討いただければと思っています。
Q 産経新聞
新知事は今回の選挙戦で、県民の命と暮らしが守られない現状においては(柏崎刈羽原発の)再稼働は認められないと踏み込んだスタンスを述べております。一方で、今後の原発の依存度をどのように描いているのかというところも県民の気になるところなのですが、今後来年に向けて政府のエネルギー基本計画が改訂の時期を迎えて、今原発の電源比率を2030年度に20%から22%に引き上げるというのが政府の方向性です。そういった中で柏崎刈羽原発を抱える新潟県の今後の県政の行方というのは非常に影響を与えるものだと思うのですが、あらためて一政治家として、あるいは新知事としてその辺の持論について伺えればと思います。
A 知事
国のエネルギー政策に関しては県知事の職務というよりは一政治家と言いますか、一個人になるのかもしれませんが、一政治家としての見解、しかも現状における見解としては、私はなかなかこれから原発依存度を上げていくことに賛成という気持ちではないということです。上げることになりますと、電力需要を減らさない限りは新たに増設していくなり、出力を増やすのか、いずれにせよどちらかの形で今よりもよりということにはなるのだと思うのですが、果たしてそれをしていく中できちんと安全を確保する体制が整っているのかと。またいろんな処理に関してきちんとした手当ができているのかということに関しては、少なくとも現状においてはやはり疑問を感じざるを得ません。少なくともそれに対して一政治家として賛成という気持ちではないということになります。ただそれは県政とは別の議論だとは思います。もちろん県政と関わる部分もあって、県政の中でいろんな代替エネルギーに対する支援策みたいなものをやっていくことは、きっと側面からむしろ(原発依存度を)下げる方向に働くのだと思いますが、繰り返しになってしまいますが、県政とは別な議論の中でそちらの方に賛成という気持ちではないということです。
Q 時事通信
県と東京電力の合同検証委員会が今泉田知事の発案で続いております。これに関して年内にも再開されるのではないかという話もありますが、知事が仰っている検証というのはどのような点を重視して進めていくのかということと、見通しがあれば教えてください。
A 知事
重視していく点はやはり合理的な判断ということなのだと思うのです。結局、ここまでできる、ここまですべきだ、現代の科学技術レベルでここまでは当然検証されるべきでしょうというレベルはあるのだと思うのです。合理的かつ網羅的と言うか、ごく一般的な科学知識の中で考えてやるべきところはやはりきちんと全てを尽くすのだということだと思います。さらにその中に最終的な目標として、まさに言ったとおりなのですが、命と健康の安全というものがどう確保されるのかということに関する具体的な検証ということになるのだと思います。やはり抽象論で終わらせてはいけないと。かつそれに対する不備であったり、必要な措置であったりすればそれもきちんとなされていくということで、完全な回答などは常に出てこないのですが、安全に対する一つの判断指針となるレベルまできちんと徹底的な検証を進めたいと思っています。それがどのぐらいの期間で終わるのかということに関しては、これはちょっとわからないと言いますか、まずは現状をよく把握させていただいて、現代の検証レベルというものと、これから残っている課題をきちんと私の目からも確かめさせていただいて、スケジュール感をしっかり把握していきたいと思います。
Q 時事通信
国との関わりを申しますと、公約でも仰っていた避難計画の策定というところは大分国との折衝も必要になってくるかと思います。泉田前知事は国とのやり方についても次期知事には期待したいというお話をされていましたが、その辺りはどのようにお考えですか。
A 知事
私はそこはきちんと国とお話させていただいて、検証を踏まえてきちんとした避難計画を策定させていただきたいと思いますし、その中で必要な対策等々に対しては、国にもしっかりと打っていただきたいと思っています。それは両立することだと思うのです。かつ両立しながらより検証が深まっていくと言いますか、結局、やはり最終的な目標というのは命と暮らしの安全を本当に確保できるかどうかということに関してきちんと検証することで、その中に避難計画も当然含まれるわけですから、どこまでできるのか、それはつくっていかないとわかりません。だからそこはきちんと国と話してどこまでできるのかきっちり詰めながら双方にフィードバックしていく、原因の検証ともフィードバックしていって、しっかりしたものをつくっていきたいと思います。
Q 日経新聞
福島第一原発事故の検証についてお聞きします。先ほど、時期的なことはわからないとの話でしたが、任期中の4年間で何らかの結論が出ない可能性もあるのでしょうか。
A 知事
4年で(結論が)出ないという言い方は、あまり正しくないと思います。もちろん検証していく中で、やはりとても時間がかかるということはあるにしても、その場合は検証できない理由があるわけです。ここまで行ったという中間報告もあり得ます。中間時点では(検証は)このくらいの感じまでできていて、ただこの点についてはわからない部分があり、それ(の検証)にはこれだけの時間がかかると。いずれにしても理由があるわけですので、それをきちんと示していくことになると思います。先ほど話したように、具体的にどうなるかはわからないのですが、普通に考えれば4年間で(結論が)出ないなんてことはないだろうと思われるでしょうし、私もそう思いますので、常識的な流れの中で行わせていただきますし、もしも仮にすごく遅れるようなことがあればその理由をきちんと提示させていただくことになると思います。
Q 新潟日報
福島第一原発事故自体の検証の他に、健康問題の検証や原子力防災の検証についても触れられていたと思いますが、現在の県技術委員会には、(その分野の)専門家がほとんど入っていないのが実情です。この辺りについてはどのようにしていこうと考えていますか。
A 知事
福島の健康(問題の検証)に関しては福島県等で進めているところもあります。すぐとは約束できませんが、福島県の検証や国の検証も含め、いろいろなところと協力させていただきながら(県としての検証を)進めていきたいと思います。(県技術委員会に関しては、)専門家が足りない部分に関してはもちろん補充させていただきますが、(他の主体による検証との)両建てだと思います。全てを県で行っていくのは極めて非現実的ですし、非合理的ですので、現在、福島県や国、あるいは東電が進めている検証を生かしていくと。ただ、最終的には県の判断となりますので、県の中で判断できる体制を整えていきたいと思っています。
Q 新潟日報
県技術委員会の中に、例えば、防災部会や健康部会みたいなものを設けるようなイメージではないのですか。
A 知事
現段階で約束できることは非常に少ないのですが、それもちろん考えています。ただ、他の主体が進めている検証を生かしていく一方で、例えば避難計画などに関しては、まず県や国でいろいろなことを進めながら策定していくのが筋だと思いますので、できあがったものについて最終的に判断していただく場を県技術委員会に設けるということも考えられます。今は複数の可能性があり、どうすると特定できない形にはなりますが、それらも含めて考えていきたいと思っています。
Q 新潟日報
中越沖地震のときは、原発を再稼働する前の県技術委員会において、まだ議論が不十分だという専門家ももう議論は尽くしたという専門家もおり、そういった中で再稼働という判断が行われました。検証の議論が煮詰まってからの話にはなるのですが、議論はどこまで行うべきか、例えば全員一致が望ましいのか、それともやはり最後は多数決で進めていくべきと考えているのかといった辺りはいかがでしょうか。
A 知事
現時点では何もわからないところですが、そもそも全会一致となるならそれがいいわけで、誰が見てもダメだというものに対してわざわざ何かする必要はないわけです。議論が紛糾したときにどうするかというのは、そのときに考えることになろうとは思いますが、最終的にどう解決するのかも含めて、それは知事が責任を持って判断することだと思います。それは、どうするかもそうですし、一体どういった決定方法を採るかということも含めてです。そもそも判断する、しないも含めて(そのときに考える)ということにはなると思いますが、私としては漠然としたまま置いておくようなことは考えていません。
Q 新潟日報
経済産業大臣や東京電力の幹部から面会を希望する声が次々と上がっていますが、今のところ米山知事としてはいつ頃どういう順番で会いたいという考えがあれば。
A 知事
私はともかく、相手方は非常に忙しい方々でしょうから、あまり手ぶらで行って、こんにちはと言って帰ってはあまり意味がないと思うので、現状でわかる部分を把握させていただいた上で会うというのが生産的だと思いますので、1か月くらいの間を置かせていただきたいとは思います。把握したら把握した状況で、それは完全ではないでしょうが、早期にはお話をさせていただくということで、お互いの立場の確認になるかもしれませんが、それ自体は重要だと思いますので早期にと思っています。順番に関しては、私自身はそういうことを気にしない方であるので、むしろ先方のご都合、ご意見を伺って、どの順番で伺うのが一番よろしいでしょうかという形で決めさせていただくことになるのかなと思います。
Q 毎日新聞
知事ご自身と原子力政策の関係について伺います。選挙期間中にも仰っていたかと思うのですが、1999年9月のJCO臨界事故、事件とも言われますが、そのときに当直でいらっしゃったというお話がありました。そのときの状況と、そのときどうお感じになったかということをあらためてお聞かせいただけますか。
A 知事
そのときの状況は、選挙期間中も言いましたが、ご承知のとおり私は当時非常勤でした。滅多に放射線障害を受ける人はあまり来ないわけです。事実上、誰一人来なかったわけです。放射線医学総合研究所も、非常勤でもちゃんとやってよというくらいの認識だったのです。あの時点では誰もが日本で本当に重大な事故が起こると思っていなかったのです。放射線医学総合研究所ですら思っていなかったのです。まず最初に運ばれるのが放射線医学総合研究所であると決まっていたのに、本当のところ、大量急性被ばくに対する治療施設はなかったのです。だから、当時の雰囲気はみんな大慌てで、しかも、しまった当直は米山だよ、どうするんだという、本当に施設を挙げてちょっとパニック状態ではあったのです。それは施設が悪いというよりは、国全体として想定していなかったというのが本当だと思います。その中で常識的ないい判断だったと思いますが、これはそんな原則にこだわっている場合ではないと患者さんの命を救うために今すぐ東大のICUに入れるべきだという判断が、放射線医学総合研究所の頭越しになされて、放射線医学総合研究所の皆さんは私を含めて、すごい会議をしていた割にあれっという感じではあったのですが、正しい判断だよねということでそうなったというのがあのときの状況です。そういう意味で、本当に日本は、少なくともあの時点で、相当程度に原子力災害というものに対して無防備だったのだと思います。私は実体験しているわけですから、無防備だったということに関してかなり現場として確証があります。その後の福島(第一原発事故)のときにどの程度無防備だったかということに関しては、現場にいたわけではないですから、報道で知る限りですが、結局あの事故があったあとでも再び無防備だったのだと思うのです。本当に重大事故、過酷事故が起こるとは、文章上はあり得ると思っていたかもしれないが、心底は思っていなくて、その対処はしていなかったということだと思います。少なくとも2回想定外みたいなことが起こって、うまく対処することができなかったわけですから、3度やってはいけないでしょうと。やはりこれを契機にきちんとした検証をして、事故がある前提で物事を組み立てるということが必要だと思います。
Q 毎日新聞
2回の事故があった中で、極めて合理的な理由で今も検証が必要だと仰っていますが、そういったこともある一方で、知事ご自身としては、ブログ等で論理的にお話になっていて、ある意味原子力発電、原子力というのは必要なものだとかつて仰っていました。そういったことがあるにもかかわらず、そのようなお考えをもっていらっしゃるというのは、どういった経過がおありだったのですか。
A 知事
結局最後の判断というのは、どんなに論理を尽くしても、まずは前提によりますが、あとは価値判断と言いますか、どちらを信じるかに最終的にはなるのです。基本的に答えというのは、サイエンスの世界ですら、どちらかに落ちるものではないと。当時の私の話というのは、最終的には科学で解決できるだろうと。最後は信頼になるのです。結局、今はわからないわけですから。今の私の考えは、最終的にはこれはもう難しいのではないかという疑問文です。断定するつもりはありませんが、現状を見る限り難しいのではないかということが、判断がぐっと別れている違いになっているわけです。それを変節だと言われれば、ご批判はきちんと受け止めますが、そこはやはり目の前で起こった事態を見て最終的にどう判断するかは、それは人間がやることですと。どのような科学的決定であれ、最後は人間の価値判断になるわけですから、私としては現在起こった状況を見たときに、少なくともこの現状をこのままにして、もう一回事故が起こらないということを信じることはむしろ不合理であると、最終的な判断が変わりましたということです。
Q 毎日新聞
その判断が変わられた時期というのはいつですか。
A 知事
正直に言って、そんなに遠くはないです。私がいろいろ言われるのは、ブログをオープンにしているからであって、今後も削除する予定もありませんし、それこそ見てくださいと。ここ数年は懐疑的な論調が大分出てくるのです。事故が起こったときも私を含め多くの方は、時間はかかるにせよ収束するだろうと思ったと思うのです。(事故が)起こったら、ゼロになるなどということは世の中ないにせよ、少なくとも何らかの形であの燃料が回収されて、少なくとも地層処分的な形で、少なくともいろんなことがある程度はなるだろうと思っていたと。ところが、いつまで経ってもならないですし、これは福島の方々等のお気持ちもありますので、私があまり言えることでもないですが、原状回復は極めて道のりが長いように見えます。見えるという方が現実的な評価なのだと思います。これが即座に数年内にある程度の収束をするという方もおられますし、それを否定するものではありませんが、どちらの確率が高いですかと言われたら、それは相当時間がかかる可能性の方が高いというのが、ここ最近、私を含めて明らかになってきた判断なのではないかと私は思っています。そういう意味では、そういう方向に変わったのはここ1、2年です。いろんなことを言われる方はおられますが、私は段階的に変わっていったというのが本当に正直なところで、どこだというターニングポイントがあるわけではありません。見る限り、これは私が今まで考えていたのとは違うのかなとは思っているということです。
Q 毎日新聞
それを言葉にして立場を発せられる機会と、知事選に立候補されるタイミングが合ったということですか。
A 知事
そうなんでしょうね。それを自分の中で思っているからと言って、それを言うタイミングというのはまた別ですから。パブリックに対してそれを話すタイミングというのは、ちょうど合致したということではあるのでしょうかね。結果として、ということになりますが。
知事の政治姿勢等について
Q 産経新聞
米山知事は長い間、国会議員を目指されていたと思います。本日から知事に就任されましたが、国政への未練はありますか。
A 知事
ないですね。とにかく(県知事は)非常に重責ですので、これを果たすのに精一杯と言いますか、精一杯やっても追いつくかどうかですから、(未練は)全くないですね。
Q 産経新聞
これまでは国会議員を目指されていて、今回は県民を守る知事というお立場です。もう覚悟を決められていると思うのですが、どういうふうにその辺りの折り合いをつけていかれたのでしょうか。
A 知事
意外にさして苦労していないと言いますか、いずれにせよ行政というものを通じて、もしくは制度というものを通じて、幸福という言い方は少し口幅ったいところもあるのですが、皆様の幸福を増やしていく、また不幸を減らしていくということに関して、実は基本的には同じですから、方向性が同じ中で自分のできることをするということだと私は思っているので、折り合いに関してはさして苦労もなく折り合いはついておりますということになります。
Q 新潟日報
県議会の対応なのですが、来月には臨時議会もあります。県議会最大会派の自民党に対してどのような姿勢で対峙されていくのかあらためてお考えをお願いします。
A 知事
私はこれも極々正攻法と言いますか、真正面からと思っています。県議会自民党の先生方もよく存じている方がほとんどですし、基本的にはよりよい県政ということで方向性は一致していると思っています。こちらの方で目指すべき方向をきちんと提示させていただいて、もちろん事前であれ、議会中であれ、修正を求められた点に関しては真摯に検討させていただいて、適切と思うのものに関してはもちろん反映させていただくという、当然のことをきちんとやっていけば、私はご協力を得られると考えています。
Q NHK
今日は秋晴れの中、知事にご就任され、魚沼から県庁に初めて登庁されて、多くの方に出迎えられたと思うのですが、まず知事になってみてどんなお気持ちかというところをお願いします。
A 知事
本当に責任は重いというのがありますよね。実は行政はスーパーマンではないわけなので、何でもかんでもということではないのですが、いずれにせよこれだけ多くの方々の幸・不幸を左右してしまうわけですから、その責任をしっかり果たしていかなければならないなということを痛感しています。同時に非常にやりがいのあることで、きちんとできればという希望を込めてなのですが、ぜひいい4年間だったなと思っていただけるように、なるべく希望を持って全力で取り組みたいと思っています。
Q NHK
登庁してみて、武者震いであったりとか、ついにというお気持ちだったのか。
A 知事
噛んでしまったりはするのですが、すごく緊張したり、すごく怖くなったりはあまりしないタイプなのかなというところがあって、ある種開き直りなのでしょうね。これだけの責任はもちろん非常に重いのですが、もうやるとなった以上、全力でやるのだということで覚悟を決めているという感じですかね。
Q 新潟日報
先ほどのあいさつの中で、県民との対話を重視するという主旨のことを仰っていたかと思うのですが、それについてタウンミーティングですとか、何か仕組みとして現在考えていらっしゃるものはありますでしょうか。
A 知事
タウンミーティングは一つの検討課題だと思っています。それを実施するマンパワーがきちんとあるのかというところ等々があるので、即座に何かを言えるわけではないのですが、そういった定期的に県民の皆さんと対話していく機会というのは持ちたいと思っています。現時点で具体的に言えるところではないのですが、関係部局と調整させていただいて、決まりましたら発表させていただければと思います。
Q TeNY
新知事に就任されて、県民は今、知事はどんな方なのだろうわからないところがあると思うのですが、一言で私はこんな人だと言うと、どんな人だと言えるでしょうか。
A 知事
楽天的ですよね。一言で言うならばたぶん楽天的なのではないでしょうか。5回選挙を受けられる人は相当楽天的でないといけないと言いますか、よく皆さんから、今回の選挙で当選すると思っていなかったでしょと聞かれるのですが、私は全ての選挙は当選すると思ってやっています。そのぐらいですから、全般に楽天的なのだと思います。あとは、基本的にオープンだとは自分で思います。私自身も自分を開示する方ですし、だからこそ逆にいろんな方からもどんどん言っていただきたいということでしょうか。ちょっとラテンな感じになってしまって言い方が伝わるかどうかわかりませんが、楽天的でオープンな人だと自分では思っています。違うかもしれませんが。
Q TeNY
選挙戦を通じて様々な政策を訴えておられたと思うのですが、新知事独自のカラーというのはどんなところで打ち出していきたいと考えておられますでしょうか。
A 知事
意外に楽天的でオープンと言っておきながら、むしろきめ細かさと言うか、現状に応じている現実的なところでカラーを出していきたいと思っています。そうは言っても、自分では意外に実務的だと思っていて、まず本当に目の前の小さな問題をきちんと解決することが実はかなり重要と思っているタイプです。そういった小さな問題をきちんと解決していくというところにまずカラーを出させていただければと思います。
Q 産経新聞
今、新知事米山さんがカラーを出すというお話があったのですが、今後実際に県政の実務を設計していく中で、脇を固めるブレーンであったり、どういうふうに知識を集約していくのか、体制づくりで何か方向性がありましたらお願いします。
A 知事
とりあえずたった今副知事の皆さん、知事政策局の皆さんともお話して、皆さん有能な方ですので、現状のスタッフの皆さんにお願いしてきちんと体制を固めていきたいと思います。たった今何か新しい方を入れるということは考えていません。
Q 新潟日報
市町村との関係なのですが、前泉田県政において、市長会と町村会が泉田県政に関する検証をまとめて、かなり批判的な内容も含まれていて、それを含めて関係がよくないという状況もあったと思うのですが、米山知事としては市町村長との関係をどのようなものと捉えていて、どのようにしていきたいか、その辺りを伺います。
A 知事
これもそれこそ正攻法でと言いますか、市町村と県ではもちろんしっかり協力していかなければならないわけですし、それこそ目標は同じなわけです。市町村は県の中にあるし、県は市町村からできているわけですから、相互に補完しあう間柄なわけです。きちんと市町村の方々のご要望を伺わせていただいて、もちろんこちらからの要望というのは当然あるわけですから伝えさせていただいて、なおかつきちんとお伝えする中で修正してほしいということに関しては真摯に検討させていただいて、きちんと修正していくという、ごく正攻法の中で私はきちんとした関係がつくっていけるのだと思います。特にこれもスケジュールがわからないのであまり先走っても言えないのですが、それぞれの市町村の現状をぜひお伺いに行きたいなとは現時点では思っています。本当にスケジュール上できるかとか、それはちょっと置いておいてですが、可能であればぜひそれぞれの市町村でお話を伺う機会が持てればとは思っています。
Q 新潟日報
市長会と町村会が相手候補を今回推薦したことが今後の県政運営に関係してくるかどうかということと、原発については、柏崎市長さんとか刈羽村長さんとかつて知事と三者で話し合うような場もあったと思うのですが、今のところそういうのがなくなっているように思えて、原発立地地域の首長さんとのコミュニケーションの取り方はいかがでしょうか。
A 知事
まず最初の方の質問ですが、前市長会会長が相手候補という話は全く関係ないと言いますか、私はそういうのを気にするタイプでは全然ないので、全く関係ありませんと。複数候補がいればどちらか応援するのは当然でして、それは何の問題があるのでしょうと私自身は思っているので、何の障害にもならないと思います。柏崎、刈羽の両首長さんともぜひお話し合いの機会を持たせていただきたい思います。これから選挙もありますから、立場が違うのか違わないのか現時点で判明してないわけですが、立場が違おうが違うまいがそれは当然違うことも違わないこともあるわけですから、それぞれの立場を前提として、しかしよりよい方向性と言いますか、歩み寄れるところはあるわけですから、ぜひきちんとした、それも定期的なお話し合いを持たせていただいて、一つの方向性を見いだしていきたいと思っています。
Q 新潟日報
政策について伺います。選挙戦の中で、現在と未来の6つの責任というのを掲げられて、原発政策ですとか、給付型奨学金ですとか、そういうところはかなり明確に見えたのかなという感じがするのですが、一方で箇条書きと言いますか、項目立てに骨子の部分が結構あると思うのですが、こういったところについてどのように政策の肉付けをしていくのか。例えば泉田前知事の時代には最上位計画の「夢おこし政策プラン」などがあったのですが、新たな米山県政としての方針ですとか、新たな計画みたいなものを考えていくのか、政策の肉付けと方向性についてもし何かお考えがあればお願いします。
A 知事
これからまさに関係部局とよくお話し合いをさせていただいて、一番いい方法でということにはなります。当然ご指摘のとおり、現時点では箇条書きであったり、大きな方針でしかないので、これでは実行できないと言うより、実行の検証が難しいですよね。実際に下ろしていけませんから。具体的なプランをつくっていて、実行できかつ検証できる形にしていきたいと思います。ただスケジュール感やどういう形で発表するのがいいかということに関しては、まだ把握していませんので、ここに関しては皆さんときちんとご相談の上決めさせていただいて発表させていただければと思います。
Q 新潟日報
イメージとしては、新たなものをつくっていくという形ですか。
A 知事
大きなイメージとしてはそうなるとは思います。それは知事も替わったわけですから、泉田さんのプランをそのまま修正していくというのは、なかなか入れずらいと思いますよね。大きな方向として、もちろん考え方は継承しながら、むしろ新たなプランの中に泉田さんの今までのプランの引き継ぐべきところをちゃんと継承していくことになるかとは思います。
Q 新潟日報
民進党県連が鷲尾代表代行になって、米山さんを支持したいという考えを打ち出しましたが、それについての受け止めをお願いします。
A 知事
大変ありがたいことだと思います。また、今回の選挙で出口調査ではありますが、民進党支持層の方の8割を超える方からご支持いただいていると伺っています。民進党の方々から寄せられている期待は非常に大きいわけですから、それにきちんと応えるというのも非常に重要なことだと思っています。ご支持いただいたことを重く受け止めさせていただいて、皆さんのご期待に沿える県政をつくっていきたいと思います。もちろん相手方候補をご支持いただいた方もほぼ同数いるわけですから、その方々のお気持ちもきっちりと受け止めてという前提ではありますが、それをきちんと受け止めて県政運営を進めていきたいと思います。
Q 共同通信
知事はかねて、保守派であるという立場を自認され、いろいろな機会で公言されてきたわけですが、今回は保守かそうでないかと言うと、対立軸に当たる政党からの支援を受けて初当選されたということになります。知事の政治的信条や立ち位置は、今も保守なのでしょうか。
A 知事
何をもって保守と言うかによると思います。右と左という分け方は好きではありませんが、右と左があるならば私は真ん中辺にいるわけです。多分に誰もがそう言うのかもしれませんが、それを左の方から見れば保守ということになるのでしょうと。右の方から見たら左と言われるのかもしれないと。政治信条として何を保守と言うかによるのですが、少なくとも現在の日本の大きな枠組に関して、経済政策などいろんなことを変更すべき点はあるとして、ただ現在の日本の大きな枠組を変えなければならないと思っていないと言いますか、例えば国際的な枠組の中でもこの枠組の中でやっていくのだということに関しては全く変わっていません。それを保守と言うのであれば、本当に保守だと思います。ただそもそもちゃんと保守を標榜した頃から、ある種のリベラル感は非常にある人間だと思います。人間の自由は大事だと。自由は大事ということは保守であろうと思っていると言いますか、そこは何かちょっとねじれているところがあって、アメリカ的な保守は自由が大事なわけです。個人の自由というのは尊重される。個人の自立というものは尊重されると。それは保守であるという考え方ではあるわけです。ただ日本では、自由や個人を尊重したりすると何か革新的なことであったりするなら、それは革新なのかもしれませんが、それは昔からそうだと。昔から私が言っている保守というのは、少なくとも現状の枠組というものを是認していて、かつ個人の自立というものを非常に尊重すると。それが保守なら保守で、全く変わっていませんと。その上で、そもそも右と左という区分け自体が少々おかしいところがあると思っていて、世の中的には革新と言われる方々と一緒に選挙をさせていただきましたが、少なくとも自由の尊重ということに関してはかなり共通しているわけです。そこに関する違和感は全くありませんと。ご指摘のあるとおり、例えば共産党と外交政策であったり、日本の大きな枠組に関して意見が違うところはありますと。ただ私は別に意見が違うところは本当にそのままでいいと思っていると。共通できるところで共通すればいいのであって、意見の違うものが残っていることに何の問題があろうかと思っています。一緒にやったことに関して特段の違和感も全くありません。原発はもちろん大きな争点ではありましたが、本当に大きな争点は、先ほどお話ししたとおり、基本的には命の尊重であり、暮らしの尊重であり、そこが今までの政治の中で積み残された部分に関して大きく一致したのだと思います。政策で一致している以上、特段の問題はないし、問題も感じずに選挙を戦うことができました。
日本海横断航路について
Q 新潟日報
日本海横断航路についてですが、冒頭の発言でも状況を把握して早い対応と言われましたが、あらためて日本海横断航路についてはどのような対応方針を現状でお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
A 知事
大きな方向としてはやはりいつまでも争うことでもないとは思っています。本当に細かいことはわからないわけなので、既に訴訟になっている話なので、あまり手の内、方針を言ってしまうとまとまるものもまとまらなくなってしまうのですが、大きな方針としては可能な限り県民の負担を減らしつつ、可能な限り速やかに、可能な限り円満に、かつきちんとした原因(の解明)、再発防止策を打って解決していきたいと思っています。
Q 新潟日報
確認ですが、その方向性とともにこの問題がそもそも起きてしまった責任ということについては、米山知事になられてからもそれは明らかにされるということでよろしいでしょうか。
A 知事
そうですね。そのつもりです。やはり訴訟は我々とは無関係なところでプロセスが進んでしまいますから、その訴訟中にあまり明らかにしてはいけない部分もあるのです。そちらが先に進んでしまいますので、訴訟は県民の負担をなるべく減らす方向でまとめるというのがまず第一ですし、それと同時にもちろん原因の解明についてはプロセスを進ませていただいた上で、ちょうどいいタイミングできちんと公表させていただきたいと思っています。
給付型奨学金について
Q 新潟日報
選挙戦の期間中、給付型の県としての奨学金制度の創設を訴えていらっしゃっていたかと思うのですが、他県でも同様の県単独の給付型奨学金はいくつか例があります。成績で区切ったり、所得制限をかけたりといういろんなやり方があるのですが、現段階でどのようなやり方を考えていらっしゃるかと、いつ頃までに実現したいというビジョンがありましたらお願いします。
A 知事
まず制度設計に関しては大変恐縮ですがこれから検討させていただきたいと思います。それと言うのは、国も今打ち出そうとしていて、国と同じではない、むしろ国を補うような形にしたいと思っています。そうすると国の制度の長所・短所をよく見極めつつということになると思います。いずれにせよどこかで線引きをしなければいけないところはありますから、その線引きの仕方はよく検討させていただきたいと思います。タイムスケジュールに関しては、あまりはっきり言えないところが多々あって恐縮なのですが、今期に関してはパイロット的になるか、もしくはそれこそ調査になってしまうかもしれないと。来年の3月までの間でできる範囲でということになるかと思います。ぜひ来期には実質的な規模でとは思っています。
TPPについて
Q 農業新聞
知事は、選挙戦の公約でTPPに反対の考えを示していたかと思いますが、あらためて反対理由を聞かせてください。また、反対の立場で、今後、どのような行動を起こしていこうと考えているのかを聞かせてください。
A 知事
多少訂正させていただきたいのですが、そもそも私はTPPに賛成か反対かという議論にはあまり意味がないと考えています。TPPというのはTrans-Pacific Partnershipという文字のとおり、極めて大枠のものでしかないわけです。TPPへの賛否というのは、結局、条約に対して賛成か反対かということだろうと思います。TPPの枠組の中でも全く異なる条約ができあがり得ますので、(TPPという)枠組に対して賛成・反対と言っても意味がないわけです。
私が反対と言っているのは、現在、自民党が批准に向けて俎上に載せている案に関してで、この点について言うと、全く聖域は守られていないと。もちろん交渉の中で守られない部分が出てきてもやむを得ないところはあるのだと思いますが、あまりにも乖離が大きいと。よく精査してからでないと確定的なことは言えませんが、現状において、ぱっと見た印象としては、本県も含め、日本の農業に対する影響は極めて甚大であるように見えます。そうではないと言うならば、その点について検証が必要だと思いますが、(現在の案については)とても県として賛成と言うことはできませんと。これから起こる不確定な部分を予想していくわけなので、絶対なんてことは言えないわけですが、TPPが批准された場合にどのような影響が県に及ぼされるのか、また日本全体の需要ということもあるので日本全体にどのような影響が及ぼされるのかを、やはり県としてきちんと予想、検証し、問題点としてきちんと国に提示させていただきたいと思っています。県として問題点や、これでは賛成できない、あるいは反対だということをきちんと伝えさせていただきますが、制度上、決定するのは国なわけです。国会で起こることに対して県が何かできるわけではないので、国会において決定した時点で、その内容に応じて、きちんとした対策をあらためて求めさせていただくことになるかと思います。
人口減少対策について
Q 新潟日報
人口減少は非常に深刻なのですが、どのような対策が必要だと今考えていますか。
A 知事
人口減少対策は本当に全てをやるしかないというところなのです。私はいつもどのような対策でも思うのですが、まずは守ると言いますか、まずは結局人口減少の一つの大きな理由は社会的な流出なので、社会的流出をしないと。それは基本的には新潟県が子育てをしやすい、暮らしやすい、雇用があるというところなんだろうと。雇用がないとか、暮らしづらいというだけで転居する人はそんなに多いわけではないのでしょうが、それも一つの理由ですから、地味に見えても、子育て支援をしっかりする、教育等に関する支援をする、医療体制を整える。やはりここは暮らしやすいなといつまでも新潟県に住みたいなと思っていただいて、それが地味に見えて、一つの対策だろうと思っています。産業振興も当然です。そういったきちんとした守るところをやった上で、あとはやはり出生率を上げていくことが必要になっていくかと思います。それに関しては、私は基本的には若年層の特に必ずしも収入が多くないという方々に対するある種の生活支援なのだろうなと思います。支援の方法はなかなか難しいところもあるのですが、五月雨式の言い方になりますが、例えば空き家などがあれば、空き家対策と含めて、若年層に比較的安価で貸し出すというようなことをさせていただいて、若年層が家庭を持ちやすい、お子さんをつくりやすい環境をつくっていくことが重要かと思います。
子ども医療費助成について
Q 新潟日報
子ども医療費助成について、これまで市町村から様々な意見が挙がってきたところでもあります。現状でどういった方向で市町村への補助を進めていきたいと考えていますか。
A 知事
これは既に大分要望があるところですから、皆さんの仰ることももっともだとは思いますので、可能な限りとは思っています。ただ一方で、子育て助成はきちんとした制度設計をしないと、すごく膨らみすぎるところはあるのだとは思います。完全に無料にしてしまうと、例えば子どもが転んで膝をすりむいただけで病院に行ってしまうみたいなことも起こりうるわけです。それが起こってしまうと、かえって他の方が医療を受けられないみたいな形で、お子さんに対する医療の供給体制がむしろ逼迫してしまうところはありますので、大枠としては皆さんのご要望に応えて拡充していくという方向の中で、具体的にどうやっていくかに関してはきちんと詰めさせていただきたいと思っています。
子ども病院について
Q 新潟日報
本県には小児科医療の拠点がないため、子ども病院をつくってくださいという声もあるのですが、現時点で必要性というのはお感じになっていますか。
A 知事
それは、あればあった方がいいと思います。特に小児の高度医療はかなり特殊な領域ですから、きちんとしたものがあるところとないところで大分違うというのは実感としてわかります。大変恐縮ながら、お子さんは成人と比べて亡くなりやすいのです。ちょっとしたことがすぐできるかどうかで、亡くなるか亡くならないかは大分変わるのです。ですので、あった方がいいということに関しては、もちろん同意します。ただし、ただでさえ小児科が少ない中で、かつ小児の専門医は全国的に見て、例えば小児の重症疾患のようなものに対してきちんと対処できる医師自体が決して多くありませんので、技術的にどこまでできるかということに関しては、やはりなかなかすぐに目算がつくことではないと思います。ですので、ご要望としてはよくわかりますし、きちんと受け止めさせていただきますが、現時点では各医療機関の小児医療の拡充という方が現実的であろうと。将来の課題ということになるのかなと現状では把握しています。それもよく状況を把握してから、きちんとした方針を示させていただきたいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。