ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 分類でさがす > 県政情報 > 県の広報・広聴・県報 > 平成28年11月2日 新潟県知事 定例記者会見

本文

平成28年11月2日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050612 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成28年11月2日(水曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目
    • 「新潟-台北線定期チャーター便」の新規就航について
    • 新潟県介護技術コンテスト2016の開催について
  4. 質疑項目
    • 知事就任後1週間の感想について
    • 柏崎市長選・刈羽村長選について
    • 「新潟-台北線定期チャーター便」の新規就航について
    • 日本海横断航路について
    • アルビレックス新潟のJ1残留への期待について
    • 小泉元首相との面会について
    • 知事の政治姿勢等について
    • 参議院選挙制度改革について
    • 原発関連問題について
    • TPP協定の国会審議について

知事発表

「新潟-台北線定期チャーター便」の新規就航について

 かねてより誘致に取り組んできた、ファーイースタン航空(遠東航空)の「新潟-台北線」が11月4日(金曜日)から新規就航します。初便にあわせ、(就航記念)セレモニーを行うとともに、寺田副知事を団長とする訪問団が、台北に向けて出発します。運航期間は平成29年3月末までで、以降は検討中です。路線を維持するため、特にインバウンド、アウトバウンド双方の観光客の利用確保など、様々な活動に県を挙げて取り組んでいきたいと思います。

報道資料(「新潟-台北線定期チャーター便」の新規就航について)[PDFファイル/78KB]

新潟県介護技術コンテスト2016の開催について

 11月13日(日曜日)に新潟県介護技術コンテスト2016を開催します。県内介護事業所に勤務する介護職員が3名1組となり、「入浴ケア」「認知症ケア」「食事ケア」の3分野について(それぞれ1名ずつ設定課題に応じた)実技を披露していただき、優秀者、チームをそれぞれ表彰します。今回が初めての取組ですので、今回に関しては率直に言ってそれほど参加者が多いわけではないのですが、徐々に参加者が増えるように継続的な取組に努め、介護事業、介護という職業に対する県民の皆様方の意識をより向上させていきたいと思います。県としてもより多くの方が介護(の職)に取り組んでいただける環境をつくっていきますし、そのための支援をさせていただきたいと思っています。

報道資料(新潟県介護技術コンテスト2016の開催について)[PDFファイル/131KB]

質疑

知事就任後1週間の感想について

Q 代表幹事
 知事就任後、1週間が経ちました。事務部局からのレクチャーも続いていると思いますが、1週間を経ての感想を伺います。

A 知事
 わかっていたことではありますが、やはり県庁というものの規模を実感しているところです。レクチャーもまだ途中なのですが、これだけ多くのことを管掌している非常に大きな組織なのだなと思っています。責任も非常に重大であり、その責任をきちんと果たしていきたいと感じています。

Q UX
 この1週間を振り返って、どのような1週間でしたか。

A 知事
 基本的にはレクチャーが非常に多かったので、たくさん情報をいただいたと思います。レクチャーの中で職員の皆さんそれぞれの顔も知り、それぞれの説明ぶりもわかりましたし、いろんな方々と知り合いになれたと思います。また、途中で、他の方々からご挨拶もいただきましたので、現状把握の第一歩を踏み出した1週間ということかと思います。

Q UX
 (1週間経つのは)早かったですか。

A 知事
 早いです。次々と(いろいろなことが)起こりますから、あっという間に(1週間が過ぎた)と思います。随分たくさんいろいろな話を聞いて、いろいろな方にお会いしたのですが、まだまだこれから、これまでの倍くらい続きますので、早かったと感じると同時に、まだここかというところもあります。

柏崎市長選・刈羽村長選について

Q 代表幹事
 今月下旬に柏崎市長選と刈羽村長選が行われます。東京電力柏崎刈羽原発の立地地域での選挙となりますが、知事はどのような意味を持つ選挙と考えていますか。また、どのようなことが争点になると思いますか。

A 知事
 複数の意味があるのだと思いますが、それぞれの自治体における首長を選ぶわけですので、当然の大義として、それぞれの自治体における課題を解決するのに最もふさわしいと思われる方をそれぞれの自治体の方々が選ぶということに尽きるのだろうと思います。その中で、再稼働を含めて原発とどう向き合うのかということが大きな争点になるのは当然ですので、そのことに関しても住民の皆様方の判断が出てくるのではないかと思っています。

Q 新潟日報
 それぞれの選挙について、現段階でいずれかの候補を支持する考えはありますか。

A 知事
 現在のところ、そういった考えは基本的にありません。少し言い方は難しいのですが、(私が)支持する・しないということではなくて、やはりそれぞれの自治体の住民が選ぶことだろうと思います。私が何か発言することで、(住民の)皆さんに予断を与えるのもあまり望むところではないと。現時点では、私としては住民の皆さんの選択を静かに見守るのがあるべき姿ではないかと考えています。

「新潟-台北線定期チャーター便」の新規就航について

Q 新潟日報
 台北線が復活することへの期待と、今後の新潟空港の活性化に向けた展望、方向性をあらためて聞かせてください。

A 知事
 期待は非常に大きいです。台湾はアウトバウンドでも、デスティネーションとして非常に人気のある場所です。また、インバウンドでも、新潟県に宿泊する外国人の宿泊数をみると、(国籍別では台湾が)2位ですので、非常に発展性のある路線だと思っています。新潟県を挙げて観光客数の向上に取り組んでいる中で、大きな期待を持てる路線の一つだと思いますので、ぜひ維持、発展させていきたいと思っています。
 (空港の)活性化に関しては、新潟空港の使い勝手や使う意義を高めていけば、当然(新潟空港は)使われる空港になると思います。その第一が路線であるというのは論を俟たないので、路線の中でも特徴のある路線を集め、新潟県の現在の立ち位置にふさわしい路線を確保していくということ(が新潟空港の活性化に繋がるの)だと思います。台湾の方々は雪も好きなので、台北線はまさにピッタリです。これを皮切りに、新潟にふさわしい路線を順次開拓していき、特徴のある魅力的な空港をつくっていきたいと思います。

日本海横断航路について

Q 新潟日報
 (韓国企業が提訴した損害賠償請求訴訟の)第1回口頭弁論の期日が11月24日に決まりました。そのことに対する受け止めと、県の対応について聞かせてください。

A 知事
 提訴されてから一月以上経っています。(第1回口頭弁論が)これくらい(の期日)に設定されるのは当然ですので、裁判の通常の過程として設定されたものと思っています。一つのスケジュール感が出てきましたので、これに合わせて可能な限り迅速に対応していきたいと思っています。現在、県では、(この案件について)担当していただいている弁護士と(情報を)共有しています。訴訟は相手があることなので、こちらのことをそれほどつまびらかにできないところもあり、(県の対応については)きちんと方針が固まったところで、訴訟の進行に合わせながら発表させていただくことになりますが、現在、県として鋭意準備しているところです。

Q 新潟日報
 県として11月24日までに何らかの対応を打ち出す可能性はありますか。

A 知事
 それぞれの段階に応じて(適切に対応する)ということになるのですが、もちろん(可能性はある)ということになります。どの段階で(打ち出すか)というのは今は申し上げづらいところがあり、相手方の対応もにらみつつですが、もちろんその可能性はあります。

Q 朝日新聞
 泉田前知事は、(新潟国際海運は)第三セクターではあるけれども、主体は新潟国際海運であるという立ち位置でしたが、そことの違いを知事としてはどのように受け止めていますか。また、今ほどの話で、弁護士とも共有しているとのことでしたが、それは新潟国際海運の弁護士と(共有している)ということでしょうか。

A 知事
 (泉田前知事の)立ち位置自体は、法律の構成上、そのとおりだと思います。明らかに別法人であり、それは相手方もわかっていることです。向こうも契約している以上はプロとしてやっているわけで、(新潟国際海運と新潟県が)別法人であり、有限責任であるという大前提は向こうもわかっていることですので、その考えは当然だと思います。一方で、県民の皆さんからいただいた大事な税金から出資させていただいているわけですので、別法人ではありますが、出資が棄損しないように、きちんと運営する責任というのは県としても当然あるのだと思います。出資者の責任と同時に、ある種共同事業をしている者の責任もあると思います。県はある程度旗振りをして、リーダーシップをとって事業を担っている主体なわけです。本件に限らず、県は公的機関として、協賛している事業のクオリティーを確保するためのある種の監督責任のようなものがやはりあるのだと思います。そういった責任をきちんと果たしていくというのが私の姿勢です。それは決して泉田前知事の姿勢と違うものではないと言うか、見方が違うだけです。私としては、県は出資した者としてその出資をきちんと保つ責任、そして共同で事業を進めていくための監督責任があると思っており、その責任はきちんと果たしていくべきと思っています。

Q 朝日新聞
 今、新潟国際海運は破産の手続をしていて、そちらもパナマの方で進んでいるのですが、それを取りやめるだとか。

A 知事
 新潟国際海運が破産ではないですよね。

Q 朝日新聞
 すいません、(新潟国際海運の)子会社の方です。NAFJ.PANAMAが破産の手続を行っているわけですが、そのことに対して破産手続を中止するようになどといったことを言うつもりはあるのでしょうか。

A 知事
 株主の権限の中で精査した上で(破産手続の中止が)適切と考えれば、株主の立場で言うことはあります。ただし、現時点で本当にそれが適切かどうかは把握していないので、どう言うかはわかりませんというのが正しいところです。さらに申し上げると、私が現在把握している限りでは、NAFJ.PANAMAはそもそも責任財産を有していない会社なので、破産手続をしようがしまいが、相手方にとってはおそらく大差はないと思います。責任財産があればこそ、それをどう分配するかという問題が出てくるのです。そもそも(責任財産が)ない状態ですので、そこはいずれせよ手続上、最も適切なものにすればよいと現時点では把握していますが、その部分に関して株主としての注文はもちろんつけさせていただくことになります。

Q 朝日新聞
 注文をつける可能性もあるということですね。

A 知事
 そうです。(状況を)把握した上で、その可能性もあるということです。

Q 新潟日報
 詳細な方針については今は話せない部分もあると思いますが、大きな方向感としては、知事がこれまで言っているとおり、和解と言うか、軟着陸というような方向と捉えておいてよろしいでしょうか。

A 知事
 全体的な方針に変わりはありません。

Q UX
 軟着陸とのことですが、24日の第1回口頭弁論の前に何か働きかけるような、裁判前の動きというものも視野に入っているのでしょうか。

A 知事
 あらゆる選択肢が視野に入っています。ただ、それ以上のことは言えないというところです。

Q 毎日新聞
 先ほどの話だと、立ち位置は前知事と変わらないということですが、(新潟国際海運は)県の出資法人であるということで、県としても責任はあると。

A 知事
 出資者としての責任と、共同事業者としての両方の責任があると思います。

Q 毎日新聞
 今のやり取りを伺っていると、どうも県が被告のようにも聞こえてくるのですが。

A 知事
 県は被告ではありません。

Q 毎日新聞
 今のやり取りを聞いていると、どうも県が被告のようなやり取りとなっている感じがします。先方にも当然顧問弁護士がいるわけで、知事の言う立ち位置でどこまで介入できるものなのですか。

A 知事
 県は全く被告ではありません。こちらとしては被告だとは全く思っていませんと。ただ、それは決して開き直っているわけではなく、向こうも立派な商業体なわけです。自分のビジネスパートナーがどのような主体で、そのビジネスパートナーがどの程度の責任財産を持っていて、取引がフェイルした場合に何が起こるかというのは、向こうも当然自分の責任で判断する義務があるわけです。落ち度と言うと怒られてしまいますが、もし向こうの責任に属することがあるならば、それに関してこちらが何かするというのは、そもそも責任がないという話になると思うのです。あくまでも立ち位置としては、新潟国際海運の責任は責任で、それはもう主体なのは間違いないと。ただし、一方で、(県にも)先ほど言った二つの責任があると同時に、事実上、誰がリーダーシップをとれるのかということがあるわけです。得てして、混乱の渦中にいる当事者というのは、必ずしも事態を収拾できないこともあります。県としても共同事業を行った者として、この事態がいつまでも紛糾しているのは望ましくないので、県としてのリーダーシップを発揮して、事態収拾にも努めていくことになるかと思います。

Q 毎日新聞
 一般的な話で恐縮なのですが、例えば被告になっている会社が機能していない場合に、そこに出資しているところが、代わりに対応するではありませんが、そこに介入と言うか、アドバイスと言うか、関与していくことはあり得る話ですか。

A 知事
 それはあり得ます。出資しているわけですから。そこが全くダメになってしまったら、出資がゼロになってしまうわけです。その財産を守るために、当然介入すると。出資したものについてはもう知らない、出資した以上は(あとは)出資された側がいかようにしてもよいということであれば、全く無関心でよいと思いますが、県としては出資したものを守る義務が当然あるわけですので、介入していくことは、私としてはむしろ普通の姿ではないかと思います。それこそ事実上の話もやはりあるのだと思います。例えば、県が協賛した何かのイベントなどで、あまりにクオリティーが低いと。それで県としてのイメージが非常に害されることになれば、それは(県が)運営主体ではないにしても、県として当然指導すべきであると。それが公共団体の役割だと思いますので、そういう意味では公共としての役割ももちろんあると。二重、三重の意味で、私としてはこの状況に関して県が看過すべきではないと思っています。

アルビレックス新潟のJ1残留への期待について

Q 新潟日報
 明日、サッカーJ1リーグ・アルビレックス新潟の試合があり、J1残留をかけた試合となります。知事も試合会場に行くと聞いているのですが、J1残留に向けての期待等があれば聞かせてください。

A 知事
 主力選手が(試合に)出られないところが非常に不利ですが、得失点差上は多少なりとも(アルビレックス新潟に)有利ということで、(J1に残留できるかどうかは)非常に微妙なラインと伺っています。新潟の活性化という点でも大きな意味があるので、ぜひ全力でがんばって、J1に残留していただきたいと思っています。勝負は勝負ですので(何が起こるかわかりませんが)、いかなる結果であろうとも闘志を失わないことが大事であるといった辺りもお伝えできればと思っています。

小泉元首相との面会について

Q 朝日新聞
 4日(金曜日)に小泉元首相が県内入りし、「エネルギーから考えるにいがたの未来」というイベントで講演されるのですが、お会いする予定はありますか。

A 知事
 現状ではお会いする予定になっています。

Q 朝日新聞
 それは会場でということですか。

A 知事
 会場です。ただし、スケジュールがぎりぎりになってしまっているので、場合によっては私が会場に伺うのが遅れてしまい、お話する機会が失われる可能性はあると。私が時間どおりに間に合えば、それほど長い時間ではないですが、お話できるように予定はされているということです。

Q 朝日新聞
 それは知事の方からお願いしたのですが。それともあちらから会いたいと。

A 知事
 間に立っている方がぜひにということです。私も小泉さんも、どちらも特段(会いたいということは)言っていないと思います。

Q 朝日新聞
 主催者の方が。

A 知事
 (間に)入ってくださったということになります。

知事の政治姿勢等について

Q NHK
 今日の議会運営委員会で今月16日から臨時議会が開かれることになりました。初日には知事の所信表明が行われますが、現段階でどういうことをお話ししたいですか。

A 知事
 もちろん所信ですので、これからどのように県政を運営していくかということをお話しすることになるかと思います。それをどのような言葉に落として、具体的にどこまで言えるのかと。選挙で公約を言ったときとはまた違うわけですから、具体的に言う部分はもはや具体的でなければいけないし、わからない部分はわからないと言わなければいけませんから、どの部分が具体的であり、どの部分を目標として言うのかというのは今詰めている最中ではあります。大筋としてはやはり今までの県政を継承しながら、公約でお約束させていただいた「現在と未来への6つの責任」を入れ込んでいくような内容になるかと思います。

Q NHK
 原発の話は、先日の就任会見でも冒頭にお話されたように最重要テーマかと思いますが、それ以外の政策についても当然説明と言いますか、所信を述べられるのかと思います。その辺りはいかがでしょうか。

A 知事
 (もちろん)説明します。それをどの程度まで言えるのかというのがはっきりしないと言いますか、まさに今詰めているところです。また、その質問に対してあまり私がここで話すのもいかがなものでしょうか。県議会で最初に話さなければ、それこそ議会軽視になってしまいますので、議会の中できちんとお話させていただければと思います。

Q 新潟日報
 今日、知事は議会の各党会派への挨拶に回りました。最大会派の自民党(の幹部)にも会われましたが、その後の取材では、自民党の幹部の方々から、我々は県政野党だという話がありました。今日、会ってみての率直な感想はいかがでしょうか。

A 知事
 きちんとお話をさせていただきました。与党・野党という区分けは自分の中ではそれほどしていないのですが、それぞれの立ち位置の違いはある中で、やはり同じ部分として、よりよい県政を目指していくということに関しては相互に確認がとれたと思っています。

Q 新潟日報
 よりよい県政を目指していくということについて確認がとれたということですか。

A 知事
 そうです。

Q 新潟日報
 各党会派、特に自民党と対峙していく中で、気をつけたいという言葉が適切かどうかわからないのですが、こういう点を心がけていきたいというところはありますか。

A 知事
 まさに今お話があったように対峙しないことを心がけたいということでしょうか。どの会派であれ、また誰であれ、いただいた言葉やいただいた提案をしっかりと受け止めて、それにきちんと対応していくと。もちろん立場の違いがありますから、全てに応えられるということではないと思うのですが、だからこそ応えられない部分についてはきちんと応えられない理由をご説明させていただきたいと思いますし、応えられるものに関しては本当に最大限反映させていただきたいと思いますので、そういった対応にひたすら専念したいということでしょうか。その中にあまり対峙というようなものを持ち込まずにやっていきたいと思っています。

Q UX
 (知事就任から)1週間が過ぎた今日、各会派への挨拶回りをされたわけですが、このタイミングというのは前から考えていたのでしょうか。

A 知事
 (タイミングについては)それほど考えていません。特に具体的に考えていたわけではないのですが、(県政のことを)全く把握しないで挨拶だけというのも先方に失礼なところがありますので、とりあえずある程度把握した上でと。一方で、時機を失しすぎずと思っていましたので、そういった中で、相手方の都合も私の都合も合ったということでこのタイミングになりました。

Q UX
 急遽決まったような感じですか。

A 知事
 急遽ではありません。比較的前から擦り合わせて、このタイミングになりました。

Q 新潟日報
 知事は50万票を超える得票で当選しました。しかし、相手方候補(である森氏)も約46万票を獲得しており、多くの人が期待を込めて投票したわけです。今回の選挙戦で、相手方候補が知事にふさわしいと思った県民もいますし、政党を見ても、先ほどから話に出ているように自民党や公明党は相手方候補を支持していたわけですが、米山知事を支持しなかった方々の声や、(相手方候補の)政策で期待されていたものなどをどのように取り込んで県政運営を図っていこうとしているのか、基本的な考え方があれば聞かせてください。

A 知事
 ほぼ同数の方が相手方候補に投票されたわけですので、もちろん(そういった方々の声も踏まえて)きちんと取り組まさせていただくと。選挙のときに示す政策は、結局どれを優先するかということで違いが出てくるだけです。相手方候補が出された政策が県民の皆さんの役に立たないわけでは全くないと言うか、むしろ非常に役に立つからこそ出されているのであって、単にトーンの違いでしかないわけです。本当に有用な政策であるということは大前提として、必要なものはどんどん採用させていただきたいと思っています。
 ただ、実のところを言うと、選挙戦なのでお互いに戦い合いますが、言い方の違いはあったにせよ、よく見ると双方の政策にそれほど違いがあったのかというところはあります。選挙でのスローガンとしては違っていますが、実際に実行する政策書を見比べた場合、実はそれぞれにそれほどの違いがあったわけではないのだと私は思っています。そういう意味で、そもそも論としてかなり重なっている部分があるのです。(相手方候補の政策に)取り組むも何も、(それほど違いのない政策に)取り組ませていただくわけですので、両方の意味で、相手方候補が提言された政策に関しては真剣に検討し、取り組ませていただきたいと思っています。
 付言するならば、名前を出すのも恐縮ですが、森氏の長岡市長時代の政策は、非常によいものがたくさんあります。長岡市千秋の子育ての駅「てくてく」などは、私も感動するくらいすごくよいと思っていましたので、そういった森氏の政策でよいものに関しては本当に勉強させていただき、今後に生かしていきたいと思っています。

Q 新潟日報
 選挙戦術上の考えがあったのかもしれませんが、知事は、インフラ整備の考え方について、街頭演説やブログなどでいわゆる(森氏との)違いを打ち出していました。その辺りは今振り返ってみてどうでしょうか。

A 知事
 その部分での大きな違いというのは、私のカラーとしてあるのだと思います。それがなくな(り、森氏と全く同じ政策にな)ってしまうと、本当に何のために選挙をしたのかということになります。そういう意味で、インフラ整備に関しては、大原則論としてやはり身近なインフラ整備が優先であると私は考えています。ただ、森氏も、身近なインフラ整備についてもたくさん打ち出されていましたので、そういう意味では非常に被る部分もあるだろうと思います。もちろん大規模なものに関しても否定するものではなく、優先順位を考えたときにどうなのかということであると思っています。

参議院選挙制度改革について

Q 新潟日報
 知事も以前出馬したことがある参議院の選挙制度改革について伺います。今夏の参議院議員選挙では合区を導入し、一票の格差を一定程度縮めたわけですが、そうした中でも違憲状態だという司法判断が出たり、そうではないという司法判断が出たりするなど、判断が分かれています。知事は参議院選挙制度の一票の格差についてはどうあるべきと考えていますか。既に四国や山陰地方で都道府県代表として(参議院議員を)出せない地域が出ているわけですが、このような状況の中で、知事としてはどのような方向性の改革が望ましいと考えているのかを聞かせてください。

A 知事
 私は(今、行われている議論が)少し不思議な感じになっていると思っているのですが、一票の格差があまり大きくてはいけないというのは民主主義の大原則だと思いますので、それは守られるべきことであると。一票の格差があってもよいというのは論理的整合性が保てないと思います。そのことと、各(都道府)県から一人は代表を選出したいというのは全く別の原理で、本来は両立すべきことなのだと思います。各(都道府)県代表が欲しいから、一票の格差は守られなくてもよいということではないと。要は、各(都道府)県代表もあるべきだし、一票の格差も守られるべきという方向だと思います。
 一つの方向性として、実は(議員)定数を必ずしも減少させなくてもよいのではないかという議論があってよいと思っています。全国比例もあるので、全国比例の定数とうまく調整していけば、各(都道府)県から一人は(参議院議員が)必ず出た上で、かつ(議員数は)人口比例という制度もおそらくつくれるだろうと。まだ詳細に検討したわけではないので、もしかしたら(私の考えを採用するためには議員数が)絶対に増えなければいけなくなってくるのかもしれませんが、比例(区)の議員も数としては結構多いので、ざっと見た印象ではそうでもないのではないかというところがあります。逆に比例(区)の定数は絶対に保持しなくてはならないかと言うと、原理原則的にも絶対というわけではないだろうと思いますので、私としては両方の要請を満たす選挙制度を柔軟に考えていくのはどうかと考えています。議員の数を増やすと税金の負担が増えるということになるのですが、それは議員報酬を減らせばよいのではないかと。議員報酬はこれだけの金額でなくてはならないというのは論理的な要求では全くないわけですので、予算の制限はあるかもしれませんが、極めて柔軟に(考えると)。そういったことを行えば、いろいろな要請を満たしながらより良い制度をつくれると思いますので、そういった形でより良い制度をつくっていくことがよいのではないかと思います。

Q 新潟日報
 比例(区)と(定数を)調整したり、あるいは場合によっては定数そのものを増やすことで、一票の格差(の解消)と都道府県代表とを両立させることが可能ではないかということでしょうか。

A 知事
 可能ではないかと。思いつき的には非常にそう思います。逆に言うと、一票の格差は非常に守らなくてはならない原則だと思うのが一つと、都道府県の(定数)1というのは論理的要請ではないのですが、現状としてやはり郷土意識というのは(都道府)県単位でありますし、違うと言われてもやはり(都道府)県単位だと。事実として(都道府)県単位で郷土意識が醸成されているし、郷土に一人(参議院議員が)欲しいというのは事実上の要請として非常に強いでしょうと。この二つはやはり叶えられるべきではないかと非常に思います。残りの定数や報酬に関しては、さして叶えられても叶えられなくてもよいと言うと参議院議員の先生には怒られるかもしれませんが、そちらは現実に合わせて柔軟に変えられることではないかと。そうであれば守られるべき原則を上から順に守るような制度にすべきではないかということを、県としての意見とは少し違いますが、私個人としては思うということです。

Q 新潟日報
 特に憲法改正までは必要ないと。

A 知事
 少し不思議な議論ですよね。憲法改正するということは、一票の格差を逆に無視してよいという議論に繋がるのではないでしょうか。やはり一票の格差は無視してはいけないのだと思うのです。民主主義の根幹を崩してしまいます。

原発関連問題について

Q 新潟日報
 既に原発関連のレクも受けていると思いますが、実際に知事になって、原発問題で新たに気付いたことや、早急に取り組まなければならないと感じたことなどがあれば教えてください。

A 知事
 大きな問題となっている部分については、事前に把握していたこととそれほど乖離があるわけではないと理解しています。レクを受ける中で、私の想像以上に、県職員の方々がいろいろな制度等を把握していて、いろいろと詳しく検討していることがわかったのは本当にありがたかったですし、そういった細かいことに関してより知識が増えたのは本当にありがたく思っています。それと同時に、原発自体の話ではないのですが、汚泥の処理等に関して現場の意見も上がってきていますので、いつまでとはなかなか言いづらいところもあるのですが、ある程度時間を決めた上で、現場にあまり負担がかからない方向で、ある程度の解決策を見出していかなければならないと考えています。

Q 新潟日報
 汚泥に関して言うと、前知事は東電に引き取らせると当初から言っていましたが、そうではない解決方法もあり得ると考えているのですか。

A 知事
 現在たまっているものに関しては、原則どおり東電に(引き取ってもらうべき)と思いますが、さらにその後(出てくるものをどうするのか)というところがあるのです。その後の汚泥処理で生じる、より放射能レベルが下がったものに関してどうしていくのかと。常に続いていくことであって、その点に関してはあるところで線引きするなり、解決法なりを見出していかないと、この問題がずっと発生し続けてしまうことになります。今あるものは今のものとしてしっかりと引き取っていただくよう求めさせていただきますが、今後のルールづくりに取り組まなければいけないと把握しています。

Q 新潟日報
 原子力防災の関係でも、安定ヨウ素剤の配布など、しっかりと決まっていないことがたくさんあると思いますが、その辺も。

A 知事
 それも順次対応していくことになります。急いで対応させていただきたいと思います。

TPP協定の国会審議について

Q 新潟日報
 国会でTPP協定と関連法案の審議が行われていますが、知事はこの動きをどのように見ていますか。

A 知事
 (2日午後の衆議院特別委員会で)採決するという報道があったかと思いきや、それがいきなり流れたというような状況になっており、二転三転しているなと。非常に重要な問題なので、軽口がセンセーショナルに流れるようなことではなく、与野党ともにきちんと議論を尽くしていただきたいというのは原則論としてあります。
 TPPに関しては、少なくとも当県の農業に対する影響は極めて甚大だというのが正直なところです。国会が判断することではありますが、特に本県選出の各国会議員の先生方には(TPPが本県農業に)甚大な影響を及ぼすことをきちんと念頭に置き、議論に反映していただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 影響が大きいというのは、国別の(輸入)枠が設けられているような部分を指してのことですか。

A 知事
 コメに関してはそうですが、新潟県の農業はコメだけではありません。畜産もあります。畜産に関して言うと、関税は何十分の一くらいになってしまうわけで、そちらも非常に影響が大きいと思います。今ほど農業に対する影響と言いましたが、もちろん(農業分野以外でも)より幅広いところでいろいろな影響があるだろうということですので、議論の場である国会では、そういったことをきちんと踏まえた議論を行っていただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 今後、県として申し入れたり、意見書を出したりなどといったアクションは考えていますか。

A 知事
 そのつもりではいます。ただ、(法案成立に)間に合うのかという大問題があります。ここに来て(衆議院特別委員会での)採決スケジュールが不透明になったので、今後どうなるのかというところはあるのですが、少なくとも与党としては11月中(の法案成立)を考えているように報道されています。それまでの間に我々のアクションが本当に間に合うのかというのは関係各所と相談させていただきたいのですが、仮に一定の結論を得たとしても、県として言うべきことは当然あると思います。そういう意味で、タイミングを問わないということであれば、県としての要望をきちんと出させていただきたいと思っています。

Q 新潟日報
 タイミングを問わないというのは、例えば採決後でも(意見書を出したりなどといったことが)あり得るのか。

A 知事
 まさにそういうことです。いずれにしても、タイミングを問わないのであれば、(何かしら)出させていただくということで、タイミングとして間に合うのかどうかということに関してはわかりませんと。そもそも、いきなり急転直下(で採決)となるかもしれないわけですし、タイミングが一体どこになるのかもわかりません。

Q 新潟日報
 (国に出すものとしては)どのような内容になるのですか。

A 知事
 それは当然、結論次第です。現時点ではどちらの結論になるか決まっていないわけですので、どちらの結論に対する(意見となるの)かということになります。いずれにしても、仮に成立した場合には県としてこのような影響があるので、それならばきちんとした対策を打ってもらわないと困るということだし、逆に未確定な状態で、かつきちんとした対応がなされないということであれば、それで進めてもらっては困るという要望になるかと思います。要は県の立場で、県としての利益をきちんと確保してもらわないと困るということを、それぞれの状況に応じて言わせていただくことになると思います。

Q 新潟日報
 形としては要望書になりますか。

A 知事
 要望書になると思います。ただ、あまり現時点で言えることではなく、どのような形になるのか議会にもご相談させていただくことになろうかと思います。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

このページはリンク自由です

Adobe Reader<外部リンク>

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)

<外部リンク> 県公式SNS一覧へ