本文
平成29年1月18日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成29年1月18日(水曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(10時00分~10時05分)
- 除雪作業中の事故防止について
- バックカントリーにおける遭難事故防止について
- 質疑項目(10時05分~10時51分)
- 中央日本四県サミットの成果等について
- 糸魚川市大規模火災への対応について
- トランプ氏の米国大統領就任等について
- 新年度予算編成について
- 錦鯉の「県の鑑賞魚」への指定について
- 除雪作業中の事故防止について
- 給付型奨学金制度について
- 原発関連問題について
- 寒波による県内産業への影響について
- 知事就任3か月の所感について
知事発表
除雪作業中の事故防止について
県民の皆さんへの呼びかけです。先週末からの寒波と大雪によって、1月16日に十日町市で除雪作業中に死亡事故が発生するなど、雪下ろし等除雪作業中の事故が多く発生しています。昨日、市町村防災担当課や消防本部等に対して、雪処理事故防止の協力依頼に係る緊急情報を通知したところですが、私からもあらためて県民の皆様に対して、除雪作業を行う際の注意事項を呼びかけたいと思います。事故があった場合に発見が遅れないように除雪作業は2人以上で行い、やむを得ず1人で行う場合には、周りに声を掛けてから行ってください。また、ハシゴからの転落事故が多くなっています。ハシゴはしっかりと固定して、昇り降りは慎重に行ってください。また、命綱やヘルメットは必ず着用するように心がけてください。空き家の屋根の雪については、降雪後に雨が降ると、屋根雪が見た目よりも非常に重くなり、倒壊に繋がるおそれもあります。お住まいの住宅だけでなくて、管理している空き家の除雪についても適切に行ってください。
バックカントリーにおける遭難事故防止について
1月10日に南魚沼郡湯沢町の神楽ヶ峰において、県外のスノーボーダーとの連絡が取れなくなり、この冬初となるバックカントリーでの遭難事故が発生しました。事故の経過ですが、1月10日に県外スノーボーダーの方が地元スキー場に日帰りの登山計画書を提出。11日に連絡が取れなくなったことから家族から在住する県外の警察署に届出があり、そちらの警察署から地元警察署に連絡が入りました。12日には早朝から捜索を開始しましたが、悪天候のため午後0時30分で捜索を打ち切り、悪天候のためヘリコプターによる捜索も断念しました。13日に早朝から捜索を開始しましたが、午後3時に捜索終了し、ヘリコプターは悪天候のため使えませんでした。14日に早朝から捜索を開始しましたが、午後1時30分で悪天候のため捜索を打ち切り、ヘリコプターによる捜索も断念。発見されないまま本日に至っています。本日やっと天候が回復しましたので、午前9時から県警ヘリコプターによる捜索を行っています。
近年、県内においてバックカントリーでのスキーやスノーボードを行っていて、雪崩や道に迷うなどして遭難する事故が連続して発生しています。県では関係団体と連携して、県民を始めとした皆様に、新潟のバックカントリーを安全・安心に楽しんでいただくために、事前の準備を十分に行って入山するように注意を呼びかけています。バックカントリーでのスキー・スノーボードは、冬山登山と基本的には同じですので、天候・地形等の状況により、非常に危険が伴い、常に遭難の可能性がつきまといますので、やられるのであればこの危険性をしっかりと認識してください。また、天候の急変や雪崩の発生など、どんなに経験を積んだ人でも、自然の大きな力には抗うことは非常に困難です。バックカントリーでスキー・スノーボードを行うに当たっては、自分の技量を過信せずに、危険性をしっかりと認識して、正しい知識と装備を持って入山することが肝要です。また、入山に際しては、天候・雪崩の状況の確認、地理地形とルートの確認、登山用の装備、登山計画の策定と登山届の提出など、十分な準備を行い、知識や経験に優れ、入山等の的確な判断ができる山岳ガイドなどを活用して、単独での入山は避けてください。
報道資料(バックカントリーにおける遭難事故防止について)[PDFファイル/711KB]
質疑
中央日本四県サミットの成果等について
Q 代表幹事
新潟、長野、山梨、静岡の各県知事が集う「中央日本四県サミット」が16日、山梨県で開かれました。知事就任後、初めて周辺県との会議に臨まれましたが、サミットの成果を伺います。また、今後の近隣県との協力・連携について展望をお聞かせください。
A 知事
一番の成果と言うと、やはり連携ができるということが決まったということだと思います。その大きな1つの柱としては、バックカントリーも含めた山岳観光におけるガイドや標識等に関して4県共通で取り組んでいくということが確認されました。標識等は共通であればあるほどわかりやすいわけですから、こちらはぜひ取り組ませていただきたいと思います。また、新潟県では、日本山岳ガイド協会の「コンパス」というサイトで簡単に入山届が出せるのでやってくださいということを(ポケットティッシュなどで)案内しているのですが、こうした案内に関しても4県共同で取り組もうということで決まりました。また、観光やU・Iターンについても、特にU・Iターンについては、ある種ライバル同士ではあるのですが、U・Iターンを考えている方にきちんとした選択肢を提供することも重要であるということで、4県協力して取り組みましょうということも確認できました。そうした複数の事項において、共同で取り組むことが決まったということは非常に成果があったと思います。
Q 新潟日報
中央日本四県サミットで安全対策が議論されて、例えば山梨県から、首都圏での安全登山に対する共同キャンペーンなど、4県連携していこうという提案があったり、山梨県で、遭難者が位置情報を(県警に)メール送信(できる)システムを導入して、7人ぐらい救助したという紹介があったのですが、県としての更なる取組ですとか、あるいは近隣県との連携によって効果を高めるなどのお考えがあれば伺います。
A 知事
ぜひやらせていただきたいと思います。近隣県の表示の仕方と合わせた形で、これからより詰めていきますが、新潟県では基本的にはスキー場からバックカントリーに入っていく方が非常に多いわけですから、スキー場における周知等に取り組みたいと思います。また、「コンパス」というのは基本的には登山届ですから、「コンパス」の中でやるのがいいのか、別途、今ほどお話があったようなメールだけである程度位置情報を出せるようなアプリみたいなものを作るのか、その辺も検討したいと思います。(冬山での遭難事故は)どうしても毎年起こることですから、(事故を)防ぐように対策を打ちたいと思います。
Q 新潟日報
今回、中央日本四県サミットということで、静岡、長野、新潟、山梨という枠組みで知事会議が開かれましたが、他にも埼玉、群馬、新潟や、山形、福島、新潟などの枠組みがいくつかあります。見るところ、北陸新幹線沿いの長野、新潟、富山、石川のラインの枠組みがない状況です。こうした知事会議はどこかの県が呼びかけて始めるケースが結構あるかと思いますが、その辺りについてどのように考えていますか。
A 知事
呼びかけてもいいでしょうね。ただ、いろいろな経緯もあることですから、果たして新潟県が呼びかけるのがすんなり行くのか微妙なところもあるのかもしれませんが、ぜひ北陸新幹線を使った広域観光というのはこれから出てくる課題だと思いますので、呼びかけるなり、全国知事会議において関係各県の知事の方々とお話するなり、少し考えてみようと思います。
Q 新潟日報
今後、観光の連携ですとか、強化を打ち出す中で、現状(その枠組みが)ないということはどのように考えているのでしょうか。
A 知事
北陸新幹線自体が新しい新幹線なわけですから、(枠組みが)なかったこと自体は、単に歴史的経緯なのだろうと思います。さしたる意味があるわけでもなく、これからより広域観光に取り組むということであれば、それはできていくと思います。遅かれ早かれできるのかなというところもありますから、タイミングを見たり、お話を伺いながら考えたいと思います。
Q UX
標識等に関して4県共通で取り組むという話がありましたが、どのようなことをイメージしているのでしょうか。例えば、今シーズン中にどこかの場所でそういった動きがあるのか教えてください。
A 知事
今シーズンと言うか、冬の間に冬山で何かするというのはなかなか難しいので、冬山(での標識の設置)はもう無理だと思います。今シーズンと来シーズンの切れ目は私にはよくわかりませんが、少なくともこの夏に、一定のものはしたいと思います。夏のうちに用意しておいて、次の冬山(シーズン)のときにきちんと周知できるようにするということです。新潟県においては、(標識を設置すべき場所は)必ずしも山の中ではなく、スキー場に(設置すべき)というところも多々あると思うので、夏の間に、スキー場の皆さんやスキー場を抱える自治体の皆さんとよく相談させていただくと。特に新潟県としてはやはりバックカントリー(への対応)が先に来るところだと思いますので、こちらへの周知方法を考えさせていただきたいと思います。もちろん新潟県での冬山登山も多々ありますので、冬山登山に関しても山道の標識の整備を行ったり、「コンパス」などを活用した登山計画書の提出の周知(のための標識)というものも設置していきたいと思っています。
Q 共同通信
先ほど登山道の標識について言及されていましたが、従来は山岳会の方など、地元の有志が「落石注意」、「ここは何合目」といった標識をそれぞれに作り、設置していることが多いと思います。(この標識について)共通のものを作るというのは、行政で設置していくということですか。
A 知事
設置自体は行政でも行うのですが、予算の問題もあるので市町村等にもお願いすることになると思います。まさに言われたとおり、それぞれが作ったものは現地(状況等を)を反映していて本当によいのですが、一方でわかりづらかったり、読めばわかるもののぱっと目に入ってこないというようなところがあると思います。非常口(のマーク)みたいに共通であれば、ぱっと見た瞬間にわかりますよね。そういった意味では、行政でやるべきことはもちろんやるのですが、同時に、今までの(有志の)皆さんのやり方もそのまま尊重していくと。ただ、できる限りではありますが、共通フォーマットに合わせてくださいとお願いすることになるかと思います。
糸魚川市大規模火災への対応について
Q 代表幹事
22日で糸魚川大火の発生から1か月となります。あらためてこれまでの対応の評価と今後の復興に向けた展望を伺います。
A 知事
もちろん初期消火ができなかったわけですから、その点は非常に反省点も多いですし、もちろん被災された方には非常に大変なことだとは思いますが、死者がなく、比較的混乱を生むことなく、被災された皆さんに年を越していただけたということに関しては一定程度の対処はできたのではないかと思っています。また、国、その他関係機関のご協力を得て、がれきの処理や復興に関しても非常に手厚い支援を頂けるということも、比較的迅速に決定ができて、非常によかったと考えています。とりあえずの対処は一段落したわけですが、これから復興に向けて作業が本格化しますので、地元のきちんとした同意を取りつつ、より防災に役に立ったり、より賑わいのある街づくりをしていくことになります。新しい考え方も入れながら、それを現在の国や県の制度等と合わせていく作業になりますので、これからが行政としての本当の正念場を迎えると思います。市、県、国が力を合わせて取り組みたいと思います。
Q TeNY
先ほど、初期消火ができなかったことについて反省点が多いという発言がありましたが、あらためて1か月が経って、初期消火が今回なぜできなかったのかと、今後県としてどのように体制を構築されていくのかをお聞かせください。
A 知事
1つの大きな理由は風であったわけです。少なくとも初期の段階で4台のポンプ車が駆けつけたということに関してはきちんとできたのだと思います。そこから延焼したのは、風の影響が非常に大きいのですが、では(普段)風が吹かないところに突発的に(風が)吹いたのかと言うとそうではなくて、従前から風が非常に吹くことはわかっていたし、少なくとも過去に大火のようなものはあったわけですし、あれほどに類焼するとは思っていないにせよ、そういうことが起こり得るというのはわかったことです。そういう意味では、一般論としてはそれなりの体制はできていたと思いますし、(対処を)したと思いますが、その地域に特有の事情に対して、きちんと対処するだけの消防力を持っていなかったということが今回の非常に大きな反省だと思います。その地域の事情というのは、非常に風が吹きやすいというのも1つですし、私は燃える前の状況は詳しくはわからないのですが、ただ燃えたがれきを見れば、木造(の建物)だったのだろうなというのは大体想像がつきましたし、非常に(建物が)密集していたのだろうなというのは大体想像がつきました。そういう意味では、街並みというのもあったのだと思います。街の現況と自然状況に対しては、もう少し消防車の台数も多くてよかったでしょうし、水がすぐに尽きてしまったわけですから、水もより多くてよかったのだと思います。あとは街自体も、もう少し防火建築にしていれば、随分違ったのだと思います。(焼けずに残った)「奇跡の1軒」が大いに話題になりましたが、あれ以外にも、少し防火をしていたのだろうなという建物が、焼けてしまってはいるのですが、結構外形が残っていたりするのです。そういうことに街全体で取り組んでいれば、あれほど類焼しなかったのだろうなと想像されました。基本的には市町村になるのですが、市町村と協力して、各地域の危ないと言いますか、火事が類焼しやすいところをピックアップして、どこから取り組むかを検討していくことになると思います。消防車の台数を増やすことは最初にできることですが、次に水の供給能力を増やすとか、(建物を)防火壁にしていくとかは、そこそこ手間が掛かる話なので、それも今のうちからしっかりやっていくことだと思います。その辺りも、防災局等でよく検討して対策を練っていきたいと思います。
Q TeNY
今回、出火から約2時間弱で上越消防への応援をされ、更に1時間後に県の広域応援要請をされたと思います。この応援のタイミングに関しては、非常に基準が曖昧な部分があると思いますが、今回の応援をされたタイミングについてどのように感じているのか、また、この点に関して課題をどのように感じているのかをお聞かせください。
A 知事
後知恵というのは悪い意味ではなくて、後ろから振り返ることは非常に重要なことだと思います。後ろから振り返れば、(タイミングが)遅かったと。だからこそ類焼したわけです。ただ、あの時点でそれを予想できたかと言うとおそらくそうではなくて、現地の方や消防の方からも聞いたのですが、最初は鎮火できると思っていたということです。(出火元の)中華料理店は小さいですし、割に早期に(消防に)連絡もあって、消防署も駆けつけたので、みんなが鎮火すると思っていたと。そうしたら、あれよあれよと周りに(火が)広がって、慌てて(応援を要請した)ということです。それはあとから振り返ると間違っていたと。ただ、そのときに判断できなかったことを責めるような問題ではないと。しかし、あとから(振り返ると)間違っていたことを今後に生かすという意味では、きちんと自然状況等を考えれば、そういうことは起こり得るということを今度はきちんと考えておくべきだと思います。今回の状況などを周知して、風が強かったり、住宅密集地域では早期に(対処)するようにしましょうということを市町村と県でお話をして、1つの合意事項をつくっていくことになると思います。
トランプ氏の米国大統領就任等について
Q NHK
20日にトランプ新大統領が誕生します。あらためて県に与える影響、効果、期待を伺います。(トランプ氏が米国大統領選挙に)当選(して)から今日までに、トヨタのメキシコ新工場に対する厳しいトランプ氏からの反応があったりして、少し状況が変わってきているかなと思いますが、いかがでしょうか。
A 知事
トランプ新大統領は、世界中の誰もが思っているところでしょうが、読めないというところが正直なところだと思います。ただ、今ほど質問の中でご指摘があったとおり、基本的には保護主義と言いますか、保護貿易を志向されているのかなというところがありますし、その中で日本も対アメリカ貿易黒字国として1つのターゲットになっている可能性もあります。そうすると、特に日本は貿易立国であるわけですから、日本の貿易というものに対して非常にマイナスの影響があり得るのかもしれないと思います。本県は、有名なところでは燕三条の洋食器等、様々な輸出産業を擁しているところですから、その影響というのはよく注意しなければならないと思います。一方で、その辺に先立ってトランプ氏の経済政策によって、アメリカ国内での好景気がおそらく伝播するだろうというある種の期待感があって、世界的な株高というものがあったわけですので、必ずしも悪いばかりと決まったわけでもなく、もしかしていい方向に行く可能性も十分あるわけですから、あまり予断を持たずにどちらの方向にもなり得るということで考えていくことになると思います。また、TPPに関しては、(トランプ氏が大統領に就任する)明後日にある程度わかることですので、発表を注視していきたいと思います。
Q 産経新聞
オバマ大統領の8年間の任期が間もなく終わりますが、オバマ大統領のリーダーシップについて、米山知事はどのように見てこられたかお聞かせください。
A 知事
私はオバマ大統領はよかったと思います。極めて理想家でしたし、その理想を着実に実行していったというところがあるのだと思います。いろいろな評価があるのだと思いますが、「オバマケア」というのはアメリカの福祉政策的には極めてエポックメーキングなものです。特に外交に関してはいろいろな意見があると思いますが、オバマ外交が必ずしも成功しなかったから、中東における紛争が解決しなかったという見方もあると思います。ただ、政治と言いますか、歴史の問題は2つを一遍に比較して見ることはできないので、オバマ大統領よりももっと強硬な手段をとっていた場合、それこそブッシュ前大統領のようなことをしていた場合に、果たしてうまくいったのかと言われると、その保証もないわけです。むしろブッシュ前大統領のとき、アフガニスタン侵攻がISを生んだというところもあるわけですから、与えられた状況の中ではあれがベストであったかどうかはわかりませんが、私自身としては、(オバマ大統領は)大変努力もされたし、全体的には成功されたのではないかと思います。私自身も、あのような形のリーダーシップは好みではあります。きちんと自分の行くべき道を示して、議論を重ねて合意を取っていって、途中妥協は重ねるけれども、最終的にはきちんとした成果を出すという形だったと思います。ある種実務型と言いますか、そのような実務型のリーダーシップは私自身は好みですし、オバマ大統領は成功されたと思っています。
Q 毎日新聞
先ほど、記者会見でやるべきことと仰いましたが、記者会見でやるべきことをどのように捉えていますか。
A 知事
この記者会見は、県知事、県庁としての記者会見であるわけですから、県組織として、パブリックに決定したことは、記者会見でやるべきだと考えています。
Q 毎日新聞
知事ご自身の中で、記者会見はどのような位置付けですか。
A 知事
まず、組織内の意思決定があるわけです。組織内の意思決定というのは、あるタイミングで決まるのですが、それはあくまで組織内のことですから、変えてもいいわけです。それはあくまで組織内の決定ですから、理屈として別におかしいことをしているわけではないわけです。しかし、それでは物事は決まりがつかないと言いますか、あるところでパブリック(公)にして、県民の皆さんとのある種の約束みたいなものができあがっていくというのが、この記者会見という制度だと私は認識しています。例えば、雪下ろしについて呼びかけますというようなことが約束かと言われると、約束と言うより呼びかけではあるのですが、いろいろなニュアンスがある中で、県としてきちんとしたスタンスを公式に示すというのが、この記者会見だと思います。ここで発表したことは、ぜひマスコミの皆さん(から、県民の皆さん)にお知らせいただいて、それを元に(県民の皆さんが)県政を判断していただくことになるのだと思います。
Q 毎日新聞
トランプ次期大統領の先日の会見では、記者の質問を遮ったり、全く(質問に)答えなかったりなどのやり取りがあったのですが、そこに関してはどのように捉えていますか。
A 知事
トランプ次期大統領のやることはトランプ次期大統領が決めるという以上のことではありませんが、私がそのようなことをするかと言えばする気はないと言いますか、私自身は今までしたつもりはありませんし、私自身としてやりたいことでは全くないと思っています。
Q 毎日新聞
そこでメディアとの在り方という話がテーマとして出てくるわけですが、知事は就任されて間もなく3か月を迎えるわけですが、どのように捉えていますか。
A 知事
私とメディアの関係ですか。
Q 毎日新聞
個別の関係と言うよりも、知事として一般論的な考え方です。
A 知事
まさにメディアは媒体です。もちろん実際には人間同士がやっていますので、好き嫌いはあると思いますが、それは関係ないと言いますか、メディアは基本的には言葉どおり媒体だと思います。こちらとしては、県民の皆さんと県を繋ぐ媒体だと思っていますので、頂いた質問に関しては、知る限りきちんと答えさせていただきますし、質問は遮るのは意味がないと言いますか、最後まで聞かないと答えていいかどうかもわかりませんので、質問はきちんと聞かせていただきます。
新年度予算編成について
Q UX
初めての予算編成を迎えていますが、今の進捗状況や、自分の色をどこまで出せるといった手応えみたいなところを聞かせてください。
A 知事
進捗としては、いろいろな政策を具体的なところに落としているところです。予算額は相当程度決まっているわけですので、新しい政策と従前から行っている政策のどちらにどう配分するのかがこれからというところです。今の進捗としては、それぞれの政策のアウトラインができていて、それぞれに掛かるざっとしたお金が出ている状況で、今度はそれぞれを擦り合わせて、一定の枠内に収めるということを行っていくことになると思います。 カラーに関しては、少なくとも立案の段階ではカラーと言うか、こうしたいというものは多々あって、それに対するいろいろな形はできているわけです。ただ、先ほどの話に戻るのですが、既存の事業との兼ね合いで(自らの思いがあるものを)どれくらい行っていくのかということになると、新しい事業と分類されるものがそれほど多く出てきたり、額として大きくなるわけではないと思います。ただ、項目としては、それぞれに特徴のあるものを出していく予定です。
Q UX
特に自民党は予算案を見て知事の評価を判断したいということを言っていますが、そういった声についてはどのように考えていますか。
A 知事
自民党に限らず、それは当然のことだと思います。県知事と言うか、行政の大きな仕事は年間の予算編成ですので、それで評価していただくのは当然だと思います。
錦鯉の「県の鑑賞魚」への指定について
Q 朝日新聞
今日の午後、錦鯉を「新潟県の鑑賞魚」に指定することについての検討が始まるのですが、知事としての錦鯉への思いや、何かエピソードなどがあれば聞かせてください。
A 知事
自分の感覚と県民の皆さんの感覚が本当にマッチしているかどうかよくわかりませんし、だからこそ検討委員会(での検討)が行われるわけで、(最終的に指定するのかは)その結果を受けてということにはなりますが、私自身の感覚としては県のシンボルとしてふさわしいですし、かなり多くの人はそう思っているのではないかと思います。特に根拠はないので、きちんとした検討結果を受けて判断しますが、少なくともそれ(検討結果)を聞いていない段階での個人的な感覚としては、さほどの違和感はありませんし、皆さんも自然にそう思われるのではないかと思います。自分の郷里の話ばかりで恐縮ですが、私の出身地は魚沼市で、魚沼市で育つと、全てのお米は魚沼産コシヒカリだと思って育つわけです。私は高校から(県外暮らし)ですが、高校や大学(への進学)で外の地域に行って、初めてそうではないお米を食べてビックリするというのが大概のエピソードなわけですが、私にとっては錦鯉も似たところがあります。私の出身地の辺りでは、庭のある家が割と多いのです。相当な割合で庭があり、庭には相当な割合で池があり、池には相当な割合で錦鯉がいると。だんだん割合は減っていくのですが、最終的におそらく5軒に1軒くらいは錦鯉がいるという状況で育ったので、シンボルも何も、錦鯉は日本中どこにでもいるものだと思っていたら、やはり神戸に行ったらいなかった、そもそも庭に池がある家はなかなかなかったというのが私としてのエピソードです。逆にそういったものは、むしろ地域の特徴であることを示していると。B級グルメというのは、その地域の人が当然だと思って食べていたものが真のB級グルメであるというようなところがあって、それと同じように、おそらく錦鯉も普通にいるものだと思っているからこそ、県としてのシンボルとしてふさわしいのではないかと思います。もちろん大変美しいですし、海外からの人気もあると(いうところもシンボルとしてふさわしいと思います)。
除雪作業中の事故防止について
Q 新潟日報
屋根雪の除雪に関して、県としては(屋根への)アンカーの設置を推奨していると思いますが、映像などを見てもほとんど普及していない感じを受けます。アンカーの普及について、知事の考えを聞かせてください。
A 知事
普及するとよいとは思います。ただ、また自分の話で恐縮なのですが、私も雪下ろし(作業をすること)の極めて多い地域で生まれ育ったわけですし、現時点でも行ったりするわけです。(命綱の使用を)呼びかけておきながら、それではあなたは使っていますかと言われると、屋根の構造自体、アンカー(フック)を引っ掛けるところがあるのかとなって、(命綱を繋ごうにも)どこにどうしようというところが難しかったりすると思います。ただ、私自身も実際に落ちたことがあります。今、生きているのは、落ちたけれども死なずに済んだからで、あのときにアンカーがあれば随分よかっただろうなと思うところもあります。それ(アンカーがあまり普及していないというの)は正直な現状だと思います。アンカーはもちろんあった方がよいし、今も(設置を)呼びかけているのですが、現在の皆さんの住宅の構造等から本当に使いやすいかと言うと、そうでもないというのが実情だと思うのです。アンカーについては、やはりこれからいろいろな業者さんと話をさせていただきたいと思いますが、おそらく住宅の方にも多少なりとも工夫が要るのだと思います。建てるときでなくても、(あとから付けられる)設置型のようなものはきっと出てくると思います。屋根に何か挟むような、付けやすいアンカーみたいなものが出てくると思うので、そういったもの(の設置)をご相談させていただきながら、よいものができ次第、順次広報にも努めていくということで、取り組みたいと思います。同時に、もちろん(アンカーの活用を)した方がよいのですが、しなかったり、構造上の問題でできないということも多々あると思いますので、そういった場合も含め、ぜひ複数で作業していただきたいと思いますし、状況を過信しないなど、いろいろなことにも心がけていただきたいと思います。
給付型奨学金制度について
Q 新潟日報
13日に、新潟県女性議員の会の方々が(知事への予算要望に)来られましたが、給付型奨学金制度についてのやり取りの中で、知事から「制度設計を行うのと同時に、基金を創設し、(制度開始の)準備を始めていきたい」という旨の話があったかと思います。基金設置の目的と時期に対する知事の考えを聞かせてください。
A 知事
県の収入はある程度ぶれますので、一定の基金を積み、そのぶれを吸収できるようにしておくということです。毎年、「これが今年の分(の予算)」というようにしていると、場合によっては税収が非常に少ない年もあるわけですが、そのときにいきなり支給要件(をきつくして、支給対象を)を減らすというわけにはいかないわけです。そういったことに対してきちんとアベレージすると言うか、(税収変動の)影響を受けないようにするために、今から(基金を)積むことにさせていただきたいと思います。この手のものに関しては、基本的にそうするものなのだろうと思います。
(基金の創設について言及したのは、給付型奨学金を)きちんと行うつもりであることを示したという、ある種の広報的な意味もないことはないです。
また、やはり予算を考えたときに、どの施策も全部必要なものなわけです。そうすると、やはり今のうちにきちんと枠を空けておかないと、いざというときに実施できなくなったりしかねないわけです。そういった意味でも、しっかりと再来年度から(制度を)開始するために、今からきちんと(基金を)積んでおくというのはあるべき姿だろうと思いますので、最終的にどうなるのかはこれから決めていくことになりますが、(来年度から基金を)積ませていただきたいということで調整しています。
Q 新潟日報
新年度早々にもと考えて。
A 知事
基金(の創設)はそうです。再来年度からきちんとした形で(制度を)スタートさせていただきたいと思っています。
Q 新潟日報
基金規模についてはどのように考えていますか。
A 知事
考えてはいますが、今は調整中です。規模を言うと(数字が)一人歩きしてしまうので、固まったら記者会見で発表したいと思います。
Q 新潟日報
基金を設置するとなると、支給の条件と言うか、(支給)対象者もある程度決めなくてはならないと思いますが、その辺りは知事の中ではある程度固まっているのですか。
A 知事
ある程度の目算はあります。(県内の生徒の)大体何%(を対象にする)という目算はあって、そうすると大体このくらい(の金額になる)というのがざっとわかるわけです。ただ、それは非常にざっくりしたものですし、給付型奨学金や医療に関する政策というものは対象者が非常に多く、少し(支給の)条件が変わると(対象者が)かなり大きく変わったりします。大変恐縮ながら、お話したあとにまだまだ調整が行われたりし得ると思うので、それも決まったところできちんと報告させていただきたいと思います。
Q 新潟日報
今、県が行っている奨学金は、大学生や高校生で対象(となる基準)が分かれて決まっていると思いますが、給付型奨学金に関しては主に大学進学する方を対象にするということですか。
A 知事
そこもいろいろと調整しますが、基本的には高等教育の方に向くのだろうと思っています。決して高校を全く対象にしないというわけではないのですが、現状において多くの方は、少なくとも高校までは大体近隣で進学していると。もちろん違う人もいるので人によりますし、それぞれの負担はあるのだと思いますが、高校までは何とかなっているというのが1つの現状と認識しています。そこ(高校)から先は、それぞれの家庭の経済状況によって選択肢が変わったりするところがあると思いますし、あまりそういった違いを作らないようにするという(のが給付型奨学金の)趣旨ではあるので、大きな枠としては、どちらかと言うと高等教育の方(が対象)になるだろうと思います。
Q 新潟日報
基金に繰り入れるお金の財源をどこから持ってくるかという話なのですが、何か当てにされている。
A 知事
それはあります。
Q 新潟日報
それはいろいろな(事業の)予算から広く浅くかき集めてくるのか、どういったイメージで。
A 知事
一定の安定財源というものがあるべきだと思っているので、そちらの方向で調整しています。
Q 新潟日報
もう少し具体的に。
A 知事
変わってしまうと申し訳ないので、そちらも(発表は)決まってからです。
原発関連問題について
Q BSN
原発事故に関する県独自の検証委員会の設置について柏崎市長が疑問視しているような発言をしたことに対し、知事は前回の記者会見で「見解の違い」と発言されました。見解の違いとして捉えているのは具体的にどの辺りか聞かせてください。また、今回の柏崎市長の発言を受けて、県と地元の認識と言うか、意見の違いを感じているかどうかを聞かせてください。
A 知事
事故原因(を検証する県技術委員会)のことでしょうか。少なくとも避難計画の検証に関して言うと、そもそも(避難計画は)市町村が策定するというのが現在の制度ですので、策定した人が検証するのが一番よいと。策定し、かつ実行するのは市町村ですので、(地方自治体が)検証することについては、私はよいと思います。もちろん国が大きな基準を作ったり、それ(自治体の避難計画策定)に対して指導していくべきだとは思いますが、そこは本当に見解の相違ということになるのではないかと思います。少なくとも避難計画に関しては制度趣旨上も、実行上のことからも、市町村であり、またそれを広域的に調整する県が検証していくというのがあるべき姿ではないかと思います。
事故原因(の検証主体)に関してはいろいろな意見があると思います。ただ、事故原因(の検証)を誰が行うのかということについては、特段、法的な枠組みがあるわけではありません。それでは国が行うのかと言うと、特に国が行うという法律があるわけではありませんし、別にどこが行ってもよいわけです。政府も国会も事故調査を行い、それぞれ(調査報告書を)出されているわけですので、それとは独立して県が行うことにも特段の問題がないと言うか、県が行ったら県が責任を負うという話ではないと。もちろん行っ(て発表し)たものに対する責任はあると思いますが、お互いの責任の所在によって、どこが行わなければならない、どこは行ってはいけないということはないと私は認識しています。違う見解があるのは別に構いませんが、そのことによって特段協力関係が崩れることもないと思います。
Q BSN
考え方の違いにより、(県と柏崎市との)協力関係が変わることはないということですね。
A 知事
そう思います。
寒波による県内産業への影響について
Q 共同通信
先週末の寒波によりいくつかの事故は起きたものの、心配されていたスキー場の少雪問題等についてはある程度解消が進んだのではないかと思います。(今回の寒波の)レジャー産業面における県内への影響について、知事の受け止めを聞かせてください。
A 知事
いろいろな事故も起きましたので、手放しで喜ぶのは事故に遭った方々に対して申し訳ないのですが、レジャー産業、特にスキー場に関してはよかったというのが率直なところだと思います。しかも、まとまった雪ですので、おそらく今後の天候の如何に関わらず、シーズンの結構な部分(の営業)が保障されたようなところがあると思います。少なくとも2月の半ばくらいまでは雪がなくなるスキー場が出てくることはなかなか考えづらい状況ですので、万全な安全対策をした上で、県外・県内の皆さんに雪山の楽しさ、雪の楽しさを味わっていただきたいと思います。
知事就任3か月の所感について
Q 新潟日報
来週で知事就任から3か月となります。総括的なことは来週聞くとして、対話型県政を掲げられていることについてお聞きします。初の野党系知事ということになりますが、いろいろな政党、市町村、あるいは他県や、県庁内部も含め、(対話という部分に関しての)今のところの滑り出しと現在の自己評価を聞かせてください。
A 知事
初めてのことで、こういうものだとしかわからないので、あまり評価しようがありません。ただ、こういうものとしかわからないという前提でお答えすると、何とか大過なく(ここまで来れた)と言うか、誰かと対話できないという状態にはならずにここまで来れているのではないかと思います。人との比較は全くできないという前提はありますが、その上でお答えすると、少なくとも悪くない滑り出しだったのかもしれないと思います。
自己評価は相変わらず50点です。よい部分もあり、悪い部分もありということですので、今後、その点数を高めていきたいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)