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平成29年5月31日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成29年5月31日(水曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(10時00分~10時05分)
- 「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について
- ワーク・ライフ・バランスの推進に関する研修の講師派遣について
- 出水期前の呼びかけについて
- 質疑項目(10時05分~10時41分)
- 弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施について
- 「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について
- 受動喫煙対策について
- 土砂災害防止法に基づく基礎調査結果の公表について
- 政務活動費について
- 「原発ゼロの会」との面会について
- 朝型勤務について
- 北朝鮮に対する姿勢について
- 日本海横断航路について
- 小池都知事について
- 新潟空港のアクセス改善について
- 知事の政治姿勢について
知事発表
「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について
「にいがた子育て応援企業」認定制度を創設します。今ある「ハッピー・パートナー企業」又は「イクメン応援宣言企業」に登録されている企業を、包括して「にいがた子育て応援企業」に認定させていただくものです。認定させていただきますと、連携金融機関の金融商品について教育ローン等の優遇が受けられます。また、子育てに関する有給休暇制度を創設すると、奨励金30万円が支給されます。また、企業名並びに取組内容を県のホームページなどの媒体で紹介させていただきます。認定条件としては、「ハッピー・パートナー企業」の場合、育児休業制度、職場復帰支援など「男女共に仕事と家庭・その他の活動が両立するための取組」の6項目全てに該当する企業が対象となります。今回の新しいところとして重要なのは、子育てに関する有給休暇制度を(企業が)創設する(場合に奨励金を支給する)ところです。休暇の対象となる子どもの範囲が義務教育終了年の3月31日までであることが条件です。要するに、中学生まで(休暇取得の)対象にしてくださいということです。また、子どもの学校行事への参加や子どもの看護などで、1年間に5日以上の休暇を取れるようにしていただけますと、制度を作ったときに30万円を支給させていただきます。ちょうど軌を一にして国の取組とも一致しているところですので、子育てのためにお休みを取りましょうということで、子育てを支援させていただきたいと思っています。詳しくはホームページをご覧いただければと思います。
報道資料(「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について[PDFファイル/287KB]
ワーク・ライフ・バランスの推進に関する研修の講師派遣について
企業等の社内研修に、ワーク・ライフ・バランス推進担当の講師として、社会保険労務士を派遣させていただきます。ワーク・ライフ・バランスなどは簡単と思いきや、やはり簡単ではありません。社会保険労務士にはいろいろなノウハウもあります。派遣費用は無料で、1回90分程度、最大2回までとなります。
報道資料(ワーク・ライフ・バランスの推進に関する研修の講師派遣について)[PDFファイル/270KB]
出水期前の呼びかけについて
これから出水期を迎えますので、水害や土砂災害の危険性をお伝えして、日頃からの備えについて、県民の皆さまに呼びかけさせていただきたいと思います。今、インターネットで県の情報は非常に集めやすくなっています。インターネットサイト「河川防災情報システム」「土砂災害警戒情報システム」や、テレビ、ラジオ等で情報を収集して、ぜひ気をつけていただければと思います。最近、「避難準備情報」が「避難準備・高齢者等避難開始」に変更されました。これが出ましたら、ぜひ高齢者等、避難が大変だという方は避難を開始していただきたいと思います。もちろん日頃から洪水や土砂災害のハザードマップを確認して十分備えていただきたいと思います。新潟県は災害の多い県ですので、ぜひ皆さん気をつけていただければと思います。
報道資料(出水期前の呼びかけについて)[PDFファイル/1.91MB]
質疑
弾道ミサイルを想定した住民避難訓練の実施について
Q 代表幹事
北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射する中、本県では6月12日に燕市でミサイル発射を想定した避難訓練が行われます。訓練の目的と、県として今後にどのようにつなげていくのか、あらためて伺います。併せて、県民や訓練に参加する地域住民の方々へ呼びかけなどありましたらお願いします。
A 知事
Jアラートにより弾道ミサイルに係る情報が伝達された場合に取るべき行動について、実地で訓練してみて県民の皆さまに理解を深めていただきたいと思っています。まずは訓練に参加した方々が、何をすべきであったか、何ができなかったかが分かると思いますが、ぜひその結果を広くインターネット等を通じて公表させていただいて、皆さんに共有していただきたいと思います。また、その問題点が把握できましたら、それに対する対処法を考えさせていただきたいと思います。参加する皆さんには感謝を申し上げます。いろいろお忙しい中で大変とは思いますが、皆さんの経験が、万が一のときに役に立つわけですし、また、それが共有されることで多くの方の役に立つと思います。全くそれが役に立つ場面が来ないとしても、そこで把握された問題で、よりよい備えができますので、いずれにせよ大変県にとって有用ですので、大変とは思いますが、ぜひお付き合いいただければと思います。
Q 代表幹事
結果をインターネットで公表すると仰いましたが、結果というのは避難にかかった時間とかそういう。
A 知事
そうですね。概略と言いますか。それほどいろいろな問題点が次々出てくるということはそれほど想定していませんが、もしそういうことがあればそれも公表させていただきたいと思います。
Q 新潟日報
(訓練の中で)確認したい部分がいろいろあると思いますが、現時点で、この点について課題があるので(訓練の中で)チェックしたいというような部分はあるのでしょうか。
A 知事
今回の訓練は、そこまでものすごくないと言いますか、県外に(弾道ミサイルが)落ちたときの対処ということなのですが、実はそれが重要だということをよく確認するというところに主眼があると思っています。ミサイルが飛来したときにJアラートが鳴ったら、伏せてくださいとか耳を覆ってくださいと言うのは、ばかばかしいという意見もありますが、実はそれは結構重要なのです。爆心のところは、もし(ミサイルに)核が積んであったら、事実上なすすべはありません。ところが、それこそ隣県で風が来るとか、遅れてきた爆風などでけがをするということがあって、それを最小限に抑えていくことが、実はすぐに爆心の方に(対応に)行くことにつながるわけなので、アラートを聞いたらこうしましょうということが徹底できることが、まずは重要なことだと思います。意外に、実際に聞いてみると、想像と違うということもあるかもしれないので、それを実際にやってみるということかと思います。
Q 新潟日報
今回、燕市が手を挙げた理由として、訓練の対象地区が原発から30km圏内で、原発の関係で何かやりたいと思っていたところ、北朝鮮の関係で(訓練の実施が)あるので、手を挙げたという話を市長がされていました。今回は直接リンクするかどうか分かりませんが、原発の訓練と言いますか、その辺りは今回全く関係がないのか、それとも何かしら確認事項があるのでしょうか。
A 知事
基本的にはさして関係はないと思います。原発とリンクした(訓練)ということではないと思います。ただ、もちろんあらゆる訓練は重なっていると言えば重なっているわけですから、そういう意味では、多少なりとも重なりはあると思いますが、すごく重なり合うということは想定していません。
「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について
Q 新潟日報
「にいがた子育て応援企業」認定制度の創設について、狙いと期待をお聞かせください。
A 知事
子育て支援を県がやると、ささやかになって大変恐縮ではあるのですが、ささやかながらもこういったリーディングカンパニーを作っていって、そういう慣習と言いますか、子育てというものに社会で、企業で協力していくのだという雰囲気を醸成していきたいと思って、認定制度を創設させていただきました。その雰囲気が実際により広がっていくように期待しています。
受動喫煙対策について
Q 新潟日報
本日は世界禁煙デーということです。外国人観光客の受入という面も含めて、受動喫煙対策が最近議論になっているわけですが、一方で、たばこを吸う人への配慮という論点もあるかと思います。受動喫煙対策とか、あるいは官公庁を始め、禁煙の施設が広がっているということに関して、知事のお考えをお聞かせください。
A 知事
私自身はたばこを吸わないですし、医者の立場では、基本的に(たばこは)発がん性がありますから、可能な限り受動喫煙というのは減らすべきだと思います。ただ、発がん性があるものは世の中にたくさんあるわけです。日光も発がん性がありますが、日光を浴びるのは、人の好きというところはあるわけで、他人に影響を及ぼさないなら、それはそれで何か言うところでもないと。分煙をきちんとしていただくことを推進していくことなのかと思います。
Q 共同通信
受動喫煙について伺います。東京都の小池知事が、公共施設や飲食店の完全禁煙を原則とするということを都議選の公約に掲げるという話がありますが、そのコンセプトをどのように評価しますか。
A 知事
公共施設は、少なくともオープンなものに関しては、原則完全禁煙でいいのだと思います。ただ、喫煙スペースがあってもいいと思います。喫煙スペースを否定する理由が、あまりよく分からないと思います。それ(喫煙スペース)は別に、人に迷惑をかけないわけですから。私はあまり詳しくはありませんが、今どきの技術があれば、それほど外に煙を漏らすこともないでしょうから。そういう意味で、喫煙スペースを否定するのはよく分からないなという感じです。また、飲食店においても、私も隣で喫煙されるのは、嫌いでもありませんが、好きでもありませんので、ぜひ分煙していただきたいと思いますが、分煙しているならば、こちらとしては特段文句はないと言いますか、お好きなようにということです。そういう意味で、分煙していただけるなら、そこまで厳格にしなくてもいいのではないかと私は思います。分煙していただけるならば、私自身は特段不満はありません。
Q 新潟日報
新潟県庁内にも、喫煙スペースがあります。厚生労働省が進めている方向では、官公庁の建物の中は禁煙ということになっていくと思います。そこのところは、今まで議論がなかったと思いますが、県庁内から(喫煙スペースを)全てなくすべきなのか、それとも分煙で対応できるのか、その辺りはどのように考えていますか。
A 知事
(分煙したとしても)臭いがあるから嫌だという話で、国がそうするならば、あえて反対もせずに従いますが、私自身は外に煙が漏れないようなスペースならば、あってもいいのではないかと思います。ただ、過大なお金がかかるならば、それは自分たちでやってくださいという話です。たばこを吸うことは、ある種自分の娯楽ですから。ある程度のお金でできるのであれば、公的にやればいいし、一定以上のお金がかかるのであれば、自分の家でやってくださいと。そういう意味で、県庁にはそういうスペースがないから、禁煙にしますということもありだと思います。それは分煙スペースにかかるお金次第なのではないかと思います。
Q 新潟日報
国が官公庁内で(の喫煙)はダメですと言えば。
A 知事
それはそれでいいと思います。私は基本的に、分けられればそれでいいではないかということですが、一方で分けるのにもお金がかかりますから、官公庁でやるべきでないというのであれば、お金という視点ではありだと思います。確かに、余計な喫煙スペースを作るために、高いお金をかけなくていいわけです。非喫煙者の意見で恐縮ですが、一応理屈は通りますよね。自分の好きなことをして人に迷惑をかけるので、そのお金を公が払う必要はないと。たばこを吸いたいのであれば、ご自宅でどうぞというのは、例えば大音量でロックを聴きたいというような話であって、大音量でロックを聴きたいのであれば、ご自宅でどうぞと。わざわざ大音量でロックを聴くスペースを公が作る必要はないですよねという議論と同じようなものだと思います。そうであるならば、別にそれでいいということです。
土砂災害防止法に基づく基礎調査結果の公表について
Q 新潟日報
先週の木曜日に加茂市長が会見を開きまして、県の公表した範囲は非常に広すぎて荒唐無稽だというような言い方をしていたのですが、それに対する知事の受け止めをお聞かせください。
A 知事
もちろん県は県としてきちんとした調査をした上で発表していますので、県としてはもちろん荒唐無稽と考えているわけではありません。ただ、見解の相違というのはあるでしょうから、荒唐無稽ということであれば、県の調査が間違っているということだと思うので、別の科学的データを示していただいて、そちらが正しいということであればもちろん修正させていただきたいと思います。
Q 新潟日報
米山知事批判のような部分もありまして、(知事は)市町村の意見をよく聴くと言っていたのに、聴いてくれないというようなことを言っていたのですが、それに対して何か反論などあればお聞かせください。
A 知事
それはしょうがないと言いますか、私はよく聴いたつもりですし、私は時間をかけてご理解をお願いしたつもりなのですが、それをどう取るかというのは取る側の自由なわけですから、そう取られるのはしょうがないかなと思います。加茂市長がどう感じるかは加茂市長の自由と言いますか、私としてはそれに関しては特段の意見はありません。ただ、私としてはきちんとお話をお伺いして、きちんと説明させていただいたつもりです。
Q 新潟日報
(基礎調査結果の)公表だけで十分住民は分かっていて、(区域を)指定する必要はないという言い方をしていたのですが、それについてはどのように思われますか。
A 知事
加茂市長がそうお考えになるのはお考えになるとして、そういう法体系にはなっていないわけです。基本的に危険であれば指定しなければいけないと。危険だという結果が出ていたにもかかわらず、十分な根拠なく指定しないでいたときに、万が一被害が出た場合に、行政の責任問題が生じ得るのだと思います。指定しないという判断を誰がするのかと言うと行政がするのでしょうから、それは責任問題が生じるのだと思います。そのときに耐えられるのかということは当然考えなければいけないですよね。加茂市長がそうお考えになること自体は、加茂市長のお考えですから、こちらとして言うことはないのですが、新潟県としては当然行政として果たすべき責任は果たしていきますということに尽きると思います。
Q 新潟日報
指定は必要だということ。
A 知事
(法令で)必要ということになっていますよね。
政務活動費について
Q 朝日新聞
今日の午後、新潟市民オンブズマンが県議会に(新潟県政務活動費の交付に関する)条例の改正を求める陳情書を提出するということで、内容は事務所費の関係ということです。親族が所有する(建物の賃料を)事務所費で払うことは、全国のいろいろな訴訟で返還命令が出ていたりして、おそらくそういったところを踏まえて、始めからそのルールを盛り込むべきだというような趣旨だと思われるのですが、政務活動費の取扱いについての知事のお考えを教えてください。
A 知事
私もそこは適正にするべきだと思いますが、ちょっと内容を把握していないので。確かに親族は難しいところはあると思います。何親等までを(親族と)言うのかみたいなところも出てくるのでしょうから。きちんとしたルールができて線引きができるなら、それはあってしかるべきだと思います。私も最初のころは実家が事務所だったりしたわけです。そのときは事務所費はもちろん払っていませんが。(親族が所有する建物を事務所として)使うのは別にいいと思いますが、事務所費を計上するのは違うでしょうというのは、通常の感覚としてあると思います。一方で、遠縁のおじさんに無理やり頼んで(建物を)使わせてもらっているなら多少はお金を払わなければいけないみたいなところはあるのでしょうし、いずれにせよ一定のルールに基づいて運用されるべきことだと思います。
Q 朝日新聞
どこかで線引きをして、条例に(盛り込む)ということに関しては。
A 知事
もちろんそれはそれであっていいと思います。ただ、そこは議会ともよくお話をしてということになるかと思います。コンセプトとして、それは正しい方向だろうと思います。
Q 朝日新聞
市などが多いのですが、一般企業の経理請求と同じような形で、(政務活動費を)後払いにするところが増えていますが、こういった制度についてはどうお考えでしょうか。
A 知事
それもそれでいいと思います。特段、先払いである必要がすごくあるわけでもないと思います。後払いが5年先とか言われたら、大変だという話になるのでしょうが、合理的な期間なら全然それはあり得ると思います。そこはむしろ議会で検討することではないでしょうか。議会で決めていただければと思います。
「原発ゼロの会」との面会について
Q NHK
一昨日、「原発ゼロの会」の皆さんとお会いになられましたが、あらためて受け止めをお聞かせください。
A 知事
原発ゼロの会は超党派の議員議連ですから、原発問題について、幅広い視点からいろいろ提言されている議連だと思います。非常に参考になりましたし、また、県での検証を進めていく上でも、国のご協力をいただくところは多々ありますので、ぜひ力を合わせて、県としては県の検証を進めていきたいですし、県民の安全というものを確立していきたいと思っています。
Q NHK
議論の中で、立地自治体の産業振興策、新エネルギーや交付金等についての言及がありましたが、あらためてお考えをお聞かせください。
A 知事
交付金については、ひたすら交付金をくれと言うのはどうかというところはあると思いますが、ちゃんとリスクに見合うと言いますか、あまりはっきりしないものについてはどうかと思いますが、避難計画等に必要なものは当然交付金でと思います。一方、自然エネルギーの方はぜひ推進させていただきたいと思います。(自然エネルギーは)原発とは無関係に推進すべきことではあると思います。原発もウラン燃料は無限ではなく、何であれ終わるわけです。立地自治体というのは、(自然エネルギーについて)最初に手を付けていく1つの場所ではあると思いますが、そこに限らず自然エネルギーの更なる発展に取り組んでいきたいですし、送電に関しては電力会社の協力を得なければいけないわけですし、その制度については国の協力が要りますから、ぜひそこは幅広く働きかけさせていただきたいと思います。
朝型勤務について
Q 時事通信
ワーク・ライフ・バランスについて伺います。県では一昨年から朝型勤務が7月、8月と行われていたと思いますが、使われ方がすごく少なかったということを伺っています。今年どうしていかれるのかということと、知事の朝型勤務ですとか働き方に関するお考えをお聞かせください。
A 知事
留学中はサマータイムがありましたので、全員朝型勤務なわけです。早いうちに出勤して、勤務が終わった時点で日光があるという状態になるわけです。あれは非常にいいです。最初の日は一瞬時差ぼけみたいになって困ってしまうのですが、仕事が終わってまだ陽が高いと、さあ飲みに行こうかとか、さあ公園に行こうかとなると。ご家族がいる人はきっとご家族で楽しまれるのだと思います。もちろん県庁でもそれができる部署でやるのはいいと思いますが、推進するという大前提で、部分部分でやってもどうなんだろうなという感じであまり使われなかったのだろうなということは想像に難くありません。サマータイムが良かったのは、みんながそうで、みんながちょっとウキウキした感じになっているから、さあサマータイムだ、外に行こうという気持ちになって、良心の呵責なく遊びに行けるのであって、サマータイムが使えない人もいる状況で、自分だけ使うというのは、日本人的にはなかなか心理的ハードルが高いのだろうなと思います。プレミアムフライデーも、結局自分だけできて、他人はできないという状況で、心置きなく楽しめるという民族性ではないというのが1つのハードルになっているのだと思います。ぜひ推進していくという前提の中で、本当に使われるかということに関してはちょっと微妙なところはあるのだと思います。本当に推進していくためには、サマータイムの導入みたいなことを考えるべきなのかなと思います。
北朝鮮に対する姿勢について
Q 産経新聞
先日、(日朝政府間の)ストックホルム合意から3年が経ちました。特定失踪者の家族会も立ち上がり、一方で(北朝鮮との)膠着状態が今も続いています。本来は国同士でのことではありますが、このような(弾道ミサイルを想定した住民避難)訓練を実施せざるを得ない現実があるわけですが、その辺りを踏まえ、県のトップとしての北朝鮮に対する姿勢を伺います。
A 知事
できることを全部やるということだと思います。もはや万景峰号は(新潟に)来ていないのであまり関わりはないのですが、もし関わりがあるようなものがあれば、圧力をかけていくことになるのだと思います。我々からすると(北朝鮮の行動は)「こんなこと」と思いますが、それは、明らかに不合理だからなのです。北朝鮮にとっても、こちらからあらゆるものをシャットアウトされて、得なことなど何一つないはずです。煽るつもりは全くありませんが、万が一挑発を繰り返していて、米国が(軍事行動を)実行に移したら、普通に考えて一番損するのは北朝鮮なわけです。(北朝鮮が)極めて合理的でない相手ということは、このような訓練をしているという時点で、明白だと思います。合理的でない相手との交渉は極めて難しいと言いますか、悪意はあっても合理的な人というのは、相手の悪意を前提とした合意を作っていって、相手にとって損にならないことをやれば、そのとおりに動いてくれるので、いいと思うのです。(北朝鮮が)そういう相手であれば、特定失踪者を含めて、拉致被害者の救助はもっと早く進んでいるのだと思います。全く不合理な相手というのは本当に困ります。こちらとしても打つ手が限られてしまうと言いますか、こちらが何をしたら相手がどう出るのか予想が不可能なので、極めて困惑しますが、やはりメッセージを伝え続けると。こちらとしてはぜひ(危険な挑発行為を)控えてほしいと思っているし、怒っているのだということを伝え続けるということになると思います。
日本海横断航路について
Q 新潟日報
昨日、日本海横断航路のあり方検討委員会の初会合が開かれまして、新潟国際海運の清算について、委員から大きな異論はなかったのですが、これについての受け止めをお聞かせください。
A 知事
それはかなりの確率で予想されていた反応で、それを前提に進めていきたいと思います。しかるべき手順と言いますか、こちらから提案はしていますが、プロセスが大事ですから、プロセスとして皆さんの意見を聴かせていただいて、これでいいということで合意ができていけば、それに従って粛々と進めていくということになるかと思います。
小池都知事について
Q NHK
昨日、小池都知事が「都民ファーストの会」の代表に就任する意思を示されました。これで名実ともに小池新党となりましたが、受け止めをお伺いします。
A 知事
県政を離れた個人的な感想としては、私は維新の党にいたわけですから、その組織体(都民ファーストの会)がどの程度のものか、何となく想像がつくわけです。私は政党を移ったわけですが、自民党と民進党と維新の党を比較できるので、大体想像がつくのです。支持者、支持体制まで含めてきちんとした体制までもっていくというのは相当時間がかかると思います。今は二大政党がだいぶ崩れているのかもしれませんが、自民党と民進党の2政党に関しては、国政政党としての体制というのがあると思います。維新の党はそれを目指しましたが、そこに至ったようにはみえないと。それこそ私は、新潟県連の代表代行で、分裂したあとは代表だったわけです。党本部はどこでも作れますが、きちんとしたサポート体制まで作るのは非常に時間がかかることだと思います。そういう意味では、都民ファーストの会ができたとは言え、現時点においては上部構造だけと言いますか、選挙を戦うときのそれぞれの組織があり、それぞれのトップがいるだけで、それを支える党員みたいないものがまだいない状態だろうと思います。維新の党みたいな形で、地域の中できちんと残っていけば、それはそれで成功なのでしょうし、そうなるかどうかの試金石はこれからではないかなと思います。
Q NHK
(米山知事の)就任当初にも質問がありましたが、小池都知事と連携されるのかどうか。
A 知事
一般論としては、例えば小池都知事が新潟県に来て、オリンピックについての講演をしてくださるなら、県民生活・環境部を挙げてセッティングをするというような、その程度の連携は多々あると思いますが、それ以上のものに関しては特段の予定はないです。
新潟空港のアクセス改善について
Q 新潟日報
昨日、新潟空港アクセス改善協議会の第1回が開かれ、その後のぶら下がり取材の中で、知事は四半世紀続いてきた新幹線の議論について、結論付けをしていくという話をされていましたが、新幹線(の延伸)を含めて、ここで一度論点整理をする必要があると思うに至った理由、経緯について伺います。
A 知事
これはずっと議論になっていて、ずっとこのままにしておくというのも1つの手だと思うのですが、知事になって以前から言っているところではあるのですが、高度成長の時代は終わったわけです。皆さんもご承知のとおり、予算は増えていかないわけです。国の予算も県の予算もひたすら同じなのです。それを忘れた議論がなされているところがあって、ずっとこの問題が燃え続けるということは、要するに「400億円使う、使わない」と言い続けることは、逆に400億円を他に使いづらい状況がずっと維持されるということなのです。(空港アクセス改善のために)400億円を使うなら使うでいいのですが、使うというのであれば400億円を他に使わないということなのです。当然、予算は一定ですから。逆に使わないということであれば、それはないという前提で予算を作っていいのですねということになるわけです。この議論をいつまでも生煮えにしているのは、あまりプラスではないのです。結局、動きが取れない状態が何となく続いていくことになるので、そこは整理すべきかと思って、今回検討するための協議会を立ち上げさせていただきました。
Q 新潟日報
昨日のぶら下がりでも、協議会の中でも、主に新幹線の話をされていたかと思います。在来線(の延伸)についても300億円程度かかるということで、それについても知事としては、生煮えは良くないというお考えをお持ちでしょうか。
A 知事
在来線と新幹線はほぼ同じコンテキスト(文脈)で話されていますから、独立していないですし、実のところ相当似た構想と言いますか、結局費用も同じくらいですし、そういう意味では一緒に検討をしていいのかなと思います。
Q 新潟日報
鉄道の乗り入れということで、一緒に考えていくということですね。
A 知事
そうですね。
Q 新潟日報
総合計画の検討が先に始まっていたかと思いますが、総合計画と今回の空港アクセスの協議会での議論の兼ね合いについて知事はどのように考えていますか。
A 知事
徐々にそこは、時期的なところはありますが、兼ね合っていくということです。この問題をいつまでも抱えておくと、どっちつかずの総合計画になっていくと思うので、そこはある程度の仕切りをしていくことになるかと思います。
知事の政治姿勢について
Q 新潟日報
小池都知事は、首長の立場で議会の過半数と言うか、多くを握ろうということで、今回(の都議選で「都民ファーストの会」から)候補者を出したりするわけですが、維新の会も(当時大阪府知事だった)橋下さんが似たようなことをしていたと思います。首長がそういう形で議会の多数派を握るために地域政党を作ってやっていくとか、その辺りについてどのように見ていますか。
A 知事
良い悪いという話はありますが、ほとんどの首長は基本的には自民党系ですから、それを今さら悪いと言うのも、ダブルスタンダードと言いますか、それが悪いと言うのであれば、そもそも自民党系の首長は悪いのではないかという議論にならざるを得ないはずなので、何か新しいものだけに文句を付けるというのは、ダブルスタンダード感を感じます。結局建前としては、首長と議会というのは、ある種の緊張関係、チェックアンドバランスということなのでしょうが、政治というのは常に多数派工作ですから、別にいいのではないですかと言うか、良いも悪いも実際どうしたってそうなりますよねということだと思うので、特段それ自体が良い悪いということはないと思います。
Q 新潟日報
米山知事も県政では少数与党という状況ですが、新党を作って、これから多数派を作っていきたいというような思いはあったりしますか。
A 知事
新潟県はなかなかそういう状況にはなくて、もうちょっと緩やかな話で、ご理解いただける議員の方を増やしていきたいと思っているというところです。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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