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平成29年8月10日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050430 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成29年8月10日(木曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目(10時00分~10時03分)
    • お盆期間中の交通事故防止について
    • 原発事故に関する3つの検証について
    • 建設現場への先進技術導入に向けたシステム開発企業の公募について
  4. 質疑項目(10時03分~10時53分)
    • 加治川治水ダムの放流事故に係る処分等について
    • 原発事故に関する3つの検証について
    • 新・総合計画の策定について

知事発表

お盆期間中の交通事故防止について

 これからお盆であり、お子さんはもう夏休みでしょうけれども、大人の方、ご家族の方みんなが夏休みの季節になるのだと思いますが、その間、交通事故に気をつけていただければと思います。暑い時期ですから、暑くて注意力が散漫になるというのもありますし、お盆になりますと県外から車で来られる方も多いと思いますが、慣れない道ということで事故も起こりやすくなります。また、お子さんもお墓参りのときなど長い道のりを歩いたりしますから、この期間は事故も多い時期ですので、ぜひ気をつけて過ごされていただければと思います。特にこの上半期で小学生の方の事故数が昨年に比べて増えておりますので、小学生の方は特に気をつけて過ごされていただければと思います。ご家族の方もお子さんと外を歩くときはよく気をつけていただきたいと思います。

原発事故に関する3つの検証について

 原発事故に関する3つの検証について、「健康・生活委員会」及び「避難委員会」の委員が決まりましたので発表させていただきます。委員の一覧は、お手元の資料をご覧いただければと思います。

報道資料(原発事故に関する3つの検証について)[PDFファイル/148KB]

建設現場への先進技術導入に向けたシステム開発企業の公募について

 建設現場への先進技術の導入に向けて、システム開発企業を公募します。新潟県では建設現場の生産性や品質、安全性の向上のために、AI、IoTを使った先進技術や自動化技術の導入を目指しております。この事業では「コンクリート構造物の品質確保」に着目して、建設現場のコンクリート打設作業を支援するシステムの開発を行います。契約締結の日から、平成30年3月26日までの間にシステムを開発していただくことになります。委託費用は800万円以内です。詳細については、ホームページをご覧になっていただければと思います。

報道資料(建設現場への先進技術導入に向けたシステム開発企業の公募について)[PDFファイル/99KB]

質疑

加治川治水ダムの放流事故に係る処分等について

Q 代表幹事
 先般、加治川治水ダムの放流事故で、関係者の処分が発表されました。処分の受け止めと、再発防止策についてのお考えをあらためてお願いします。

A 知事
 処分は前例や処分基準に基づいて適正になされたと考えています。ただそうは言っても、特に被害者、関係者の方で、十分でないというお気持ちもあろうかとは思いますが、いろいろな検討の中で決まったということでお許しいただければと思っています。問題は再発防止ですが、処分を受けた者を含め、逆に言うと処分を受けなかった者も含めてしっかりと反省して再発防止に努めるということが重要であろうと思います。本当にこの事故に遭われたお二人、関係者の皆さん、それ以外にも本当に不安な気持ちになられた皆さんに心から謝罪を申し上げたいと思いますし、再発防止に努めてまいりたいと考えています。

原発事故に関する3つの検証について

Q NHK
 原発の3つの検証委員会の人選が発表されましたが、あらためてどういった方を選ばれたかと言うか、狙いというのを教えていただけますか。

A 知事
 それぞれの人に、それぞれの専門があったりしますので、それぞれのということではあるのですが、基本的には専門的な知見を有する方で、かつ、意見の分かれるトピックに関しては双方と言いますか、3つあれば3つ、4つあれば4つということですが、それぞれの意見を代表されると言いますか、それぞれの意見を仰られる方をそれぞれ(の委員会)に配置したつもりです。ただ、なかなか全てを網羅できるわけでもありませんから、限界はもちろんある中で、場合によっては議論をする中で人員の補充等も考えていきたいと思います。

Q 朝日新聞
 健康・生活委員会と避難委員会のそれぞれのスケジュール感と、これらを統合する形で議論される「検証総括委員会」を含めたスケジュール感を教えてください。

A 知事
 スケジュール感は以前発表したところとそれほど変わっていないと思います。(委員の)皆さんの予定も合わせたり、議論の方向も確認しながらということになるので、決まっているわけではないのですが、とは言え、第1回の委員会は、9月中にはやらせていただきたいと思いますし、遠いところの方もいらっしゃるので、1か月に1回はなかなか大変なのだと思います。2~3か月に1回ぐらいのペースでやっていきたいと思っておりますし、大体、物事は1年もすれば中間報告はあるべきだというのは当然でしょうし、(各委員会から)中間報告が出てくれば、総括委員会の方でも中間総括みたいなものはあるべきだろうと思います。そのような形で進めていきたいと思っています。

Q 朝日新聞
 委員会ごとに進み具合が違うのか、どのようなイメージでしょうか。

A 知事
 あまり違うということは想定していません。事実上変わっていくことは、各委員のご都合や議論の在り方によってあり得ると思いますが、少なくともそうしたいということは全くなく、似たようなペースでとは思っています。

Q 朝日新聞
 これまで(検証には)3~4年かかるという見通し感を示されていましたが、先日の技術委員会での県側の説明では、(検証体制の)再編という中で、不明な点がその時点で残っているようなことがあったとしても、それはそういうものとして、こちらの理解である種区切りをつけるというような形にするというような説明があったと思うのですが、そこはどういう意味合いなのか、あらためてお聞かせいただけますか。

A 知事
 人間の知識というのは無限ではないと言いますか、人間の理解というのは無限ではないわけで、今、我々が持っている科学的理解の中で、ここまでしか分からないというところはあるのだと思います。大体、物事は3~4年も議論したり、きちんと検証すれば、そこから先に残っているものは、現在の科学的知見では分からないことだということになるのだと思います。それは科学技術の世界ではいつまでも何年でも、より理解が深まるようにやっていくべきだと思いますが、少なくとも行政という立場においては、現在ある科学的知識でそれ以上分からないものは分からないということで、それ以上の議論は行政がやることではないということで整理していくということだと思います。それがきちんと検証するということだと理解をしています。

Q 新潟日報
 健康・生活委員会と避難委員会で、どういうポイントと言うか、課題を明らかにして検証していくべきかという辺りをあらためてお聞かせください。

A 知事
 健康と生活はそれぞれ区分していますが、基本的には原発事故によってどのような影響があったかということでしょうね。健康というのは個人、肉体と言いますか、生命としての人間に対する影響でしょうし、生活というのは社会に対すると言いますか、共同体への影響というようなことも含めてなのだと思います。全体的には暮らしに対する影響ということで考えています。避難は言葉どおり避難でして、避難においては原発の事故がどのようなプロセスで起こって、少なくとも例えばフィルタベントということを考えるならば、一定のプルームが出るということも含めて考えるべきだということですし、またその際にはプルームが出る中で一体健康や生活にどのような影響が出るのかということも踏まえた上で避難計画が立てられるべきだと考えています。そういったことを踏まえた実効性のある避難計画というものが立てられるようにこの委員会を作ったということになります。

Q NHK
 2月頃の話ですと、6月をめどに始めたいというお話をされていました。先ほど、9月をめどにと仰いましたが、どのようなところがこの人選に当たって大変だったのかというのを伺います。

A 知事
 6月をめどに人選が決まったとすると、事実上7月に第1回があるわけですから、遅れとしては2か月と言いますか、夏休み前と思っていたのが夏休み後になったというところなので、そんなに大きく遅れたということではないのだと思います。もちろんそのまま受けてくださる方もおりましたが、なかなかできませんという方もおり、それから代わりの人を探していきますから、その分少し時間も要したということになります。これはやむを得ないと言いますか、基本的には学識経験者と言いますか、そういう方にお願いをしているわけなのですが、我々も決してこれを政治的な委員会にしたいとは思ってはいませんが、とは言え、多少なりとも政治的な色彩は帯びてしまうと言いますか、周りがそういうふうに見るかもしれないというところで、できませんという方が出てくるのは、それはやむを得ないところで、考えようによってはそこの想定が甘かったということなのでしょうが、ただ、このくらいのことは、当初から遅れることはあり得ますと言っていたかと思いますので、基本的には想定の範囲内であり、すごく苦労したということではないと思っています。

Q NHK
 3つの検証が今回スタートするわけですが、この委員会の判断がご自身の再稼働の判断にどれくらい影響するのかというのはどうお考えでしょうか。

A 知事
 影響するのではないでしょうか。これを踏まえてやるわけですから。

Q NHK
 参考にするのか、それともご自身であらためて判断をされるのか。

A 知事
 それは出てきた中身次第でしょうね。それはどんな中身によるかで全然違うのだと思いますから。出てきた中身によって考えることになろうかと思います。

Q NHK
 この3つの委員会の中に避難の関係の委員会がありますが、そのスケジュール感をお聞かせください。3~4年という括りをされていますが、一方で市町村からはなるべく早く県の計画を示してほしいという声も上がっている中で、避難についてはどれくらいのスケジュール感をお持ちでしょうか。

A 知事
 県としての役割は避難指針になるのですが、県の避難指針は今あるのです。避難計画というのは、それこそ完璧になるまでやらないとかという話では全くないわけで、毎回毎回新しい知見を得て良くしていくということなのだろうと思います。そういう意味で、現時点で通常の他の県にあるようなものは当県にもあるということです。検証を踏まえたものをこれから作っていくということであって、検証する以前のものとしてはあるということです。基本的には、まずは1年ぐらいの議論を反映して、そこは議論しながらの1年ですから、最初の1回目はそれほどいろいろ反映されていないのでしょうが、少なくともそのくらいで計画のブラッシュアップ版を作っていくということだと思います。それをまた実際にやってみて、検証したりすると。また1年の議論を踏まえたものを次の2年目に作るということを進めていきたいと思います。

Q 産経新聞
 避難委員会の中のメンバーについてお尋ねします。新潟国際情報大学の佐々木先生ですが、佐々木先生は米山知事が昨年の知事選に出馬されたときのいわゆる中心人物と言うか。

A 知事
 まあ、そうなのでしょうね。

Q 産経新聞
 その方ですよね。

A 知事
 そうです。

Q 産経新聞
 選挙戦を通じて、原発の再稼働に対しては、その当時は非常に否定的な主張をされる方の。

A 知事
 おそらく現在も否定的だと思います。

Q 産経新聞
 その中心人物だと思いますが、そういう方を入れているということについて、あらためてご見解を。

A 知事
 逆にそうでない方も入っています。再稼働というものに関して、意見は分かれているわけです。分かれているからこそ検証するわけですから。みんなが同じだったら、民主主義社会においてはほぼそうするということになるわけですから、そういう意味ではどちらの意見の方もいらっしゃるということかと思います。佐々木先生は、もちろん私も選挙戦を通じてもいろいろなお話をしていますから、基本的には非常に否定的だというのは承知していますが、避難ということを考えたときに、例えば事故原因とか健康とかは、かなり科学的、技術的な話だと思います。一方、避難というのは結構人的な話なのです。こちらに逃げますよと言って、皆さんが逃げてくれないと話にならないわけです。いくら科学的にこれが一番いいと言ったとしても。そうすると、避難しろという視点でなくて、市民の視点から見た、避難してくださいと言われる側の視点というのも必要で、地域の安全をどう管理するかというのを市民の側から見るというのも重要だろうと思います。そういうことで知見の高い方でございますので、有意義な意見を出していただけると考えています。

Q 読売新聞
 検証総括委員会ですが、健康と避難の委員会は9月に開かれるめどが高いということなのですが、検証委員会の委員が決まるタイミング、ないし、1回目の開催のタイミングがいつかということと。

A 知事
 検証総括委員会ですか。

Q 読売新聞
 そうです。検証総括委員会です。各委員会の委員長、副委員長等で構成することとありますが、検証総括委員会の委員長と副委員長というのは他の委員会の委員長や副委員長がなるイメージなのでしょうか。それとも違う人がなるイメージなのでしょうか。

A 知事
 総括委員会に関しては、構成ですが、まずは各委員会の委員長と副委員長が入ってもらいたいということです。そうしないと各委員会の議論が反映されづらいですから。各委員会でどのように総括したかというのをちゃんと反映する総括であるべきだということで入ってもらうと。各委員会から委員長、副委員長を出すと基本的には6人入るわけですから、それプラスあと3~4人ということでしょうね。私の一般的な感覚として、議論は10人前後以上になるとなかなか成立しなくなると思いますので、10人前後ぐらいに収めるということだと、プラスして何人かということだと思います。その中で互選によって委員長が決まると考えています。スケジュールについては、総括委員会はまだ決めていないです。新しく人も入れるべきだと思いますし、また総括というのはそれなりに検証が進んでからやることですから、全く検証が進んでないのに総括だけやっても仕方がないので、そこは数か月のタイムラグがあっていいと思っています。

Q 読売新聞
 検証総括委員会の委員長は、どこかの委員会に所属している人以外の人がなる可能性もあると。

A 知事
 可能性はあります。

Q 時事通信
 健康と生活の委員会に比べますと、人選の方で避難の委員会の方は大学の先生以外にも経済研究所の方ですとか、弁護士の方ですとか入っていますが、それは実効性ある避難にどう関わるのかを教えてください。

A 知事
 避難というのはそもそも、特に原子力災害時の避難の専門家というのは、本当の意味ではおそらくいないのです。1回起こりましたが、つい先般初めて起こっただけで、従前からそういうことがきちんと研究されていて、大学にそういう学部があるという状況ではないわけです。そもそも大学の先生で、従前からこれをやっていましたみたいな専門家がいる領域ではないというのが1つ。あとは先ほどもお話をしたとおり、避難というのは、必ずしも学問ばかりではないと言いますか、まさにどういうふうに逃げるかなわけですから、そのときの法律がどうかとか、そのときの人はどう思うかとか、そのとき一体どういう救急をするのかみたいな、多岐にわたるある種の行政プロセスに近いものなのだと思います。そうすると多様な方に対してお願いするということになるのだろうと思います。これでバッチリなのかと言うと、それは誰も分からないと言いますか、避難というものに対して一体どういう人を揃えればいいかということに関しても、ある種の試行錯誤だと思います。試行錯誤の中で、きちんと議論を見ながら、この分野が足りないよねということであれば、その方も補充してもいいとは思います。そういった中で、きちんとした避難計画を作り、検証していくということになろうかと思います。

Q 時事通信
 技術委員会は従来からあるものの、委員の方も基本的には変わらないということでしょうか。

A 知事
 技術委員会は変わりません。そのままです。

Q 時事通信
 先ほど、総括の検証委員会は3つの委員会以外の方も入れる可能性があるということでしたが、総括に求める役割と言いますか、ちょっと先のお話になりますが、どういった役割を期待されているのでしょうか。

A 知事
 まさに総括ですよね。極めて具体的には、報告書を書く役割ということなのでしょうね。もちろん各委員会でも書くのですが、そこは基本的には技術的なものでいいのだと思います。あまり文書として出すということではなくて、私も様々な学者の方と知り合いですが、立派な先生が必ずしも文章を書くのがうまいわけではないのです。専門はそういうものだと言いますか、細かいことに非常に集中していくと全体としての文書というのはできないところがあります。でも、各委員会(の役割)はある種そういう細かい議論をきちんとつぶしていくことだろうと思います。それを総括した上で、1つのまとまった形にするというのが総括委員会の大きな役割だろうと思います。文書を作るというのは、単に文書を作るのと違って、それならば事務局がやればいいのではと思うかもしれませんが、そこにある種の哲学があると言いますか、ある種の価値判断が入ってくるのだろうと思います。そこで最終的な価値判断をしてほしいとは思わないのですが、何せ一定の価値判断の中でまとめていくというのが総括の役割だろうと思います。

Q 時事通信
 そうしますと必ずしも学者の先生が入るというわけでは。

A 知事
 (学者)限りではないでしょうね。基本的には学識でなくて見識が高い方であるべきだと思いますが、必ずしも学者でなくてもいいと思います。

Q 新潟日報
 知事はこれまでも、ご自身でも直接アプローチして委員の打診をお願いされているという話もありましたし、私も知事の意向が働いているとお伺いしているのですが、佐々木先生についてはどういう経緯で選定に至ったのでしょうか。

A 知事
 佐々木先生に関しては、佐々木先生の参加したいというご意向も強かったですね。佐々木先生に求めるものとしては、逆にそれでいいのだろうと私は思っています。先ほど申しましたとおり、市民の側からの視点ということですから、市民の側からこういう視点を入れたいというのは、自分が参加したい人でないと、なかなかうまくいかないと言いますか、逆に立てた避難計画ならスッパリ従いますという方なら、それは大変有り難いのですが、多分議論の中であまり意見が出てこないですよね。決めてくださいという話になってしまうわけですから。避難計画に対して市民の声として物を言いたいという方のそういったものを期待しているわけですから。そういった方が参加したいという意識が高いというのもまた自然なことかなと思います。

Q 新潟日報
 それで知事が最終的に認められたと思うのですが、逆に佐々木先生を入れることで政治的な色合いみたいなものが知事もご懸念されているようなことが強くなりすぎて、要は一体なのではないかというような批判等も予想されるのですが、佐々木先生を外すという判断もあったと思うのですが、それについてはどうして積極的に入れることになったのですか。

A 知事
 いろいろな意見があるのです。これは極めてホットイシューですから。そのときに、とがった意見は外しましょうというのは、それは結局、問題を直視していないのだと思います。むしろ、とがった意見があるということは、逆の方にもとがった意見があるということですから、それであれば逆の方のとがった意見の方と、こちらの方のとがった意見の方と、両方入っていただいてきちんと議論をしていただくのが、この検証委員会の趣旨ということで、そのように配置したつもりです。

Q 新潟日報
 ただ、ご自身で入りたいという方を入れるというところの判断について、もし他にも入りたいという方がいるかどうかは別として、例えば県が公募したときに手を上げられるような方がいらっしゃった場合に、そういう選定の過程というのは、ちょっと不透明かなとも思うのですが、その辺りはいかがですか。

A 知事
 それはそんなことは全くないわけでしょう。常にあらゆることでそうだと思うのですが、自分がやりたくない人などは、先ほど人選の過程で断られて苦労しましたという話があるわけで、それはやりたい方がやるに越したことはないです。やりたい方が熱意を持ってやらなければいけないわけですから。例えば私も知事になりたくて知事になってるわけですから。やりたい人がやったら不公正だとか、個人の利益だなどということを言ったら、公職というのは成立しないと思います。公職というのは、基本的にやりたい人がやってくれるのが一番いいのだと思います。しかし、ただやりたいだけでやっても困るわけですよね。また、同じ立場の人が何人もいる必要はないわけです。こちらとしては議論のいろいろな論点は想定しているわけで、それぞれの論点について、大体世の中を見ていれば代表的な意見というのはあるわけですから、それぞれを代表すると言うか、この論点についての説明と言いますか、議論を展開していただきたいということに関して、ある程度のふさわしさというのはあると思います。経歴であったり、従前の活動であったり、それこそ見識という問題であったり、そういうものにふさわしいということであれば、その方を入れるというのは当然のことですし、逆にそうしていかないとあらゆる審議会というのはできないのだと思います。

Q 新潟日報
 昨日の日本記者クラブの記者会見の中で、原発の検証には3~4年かかるということについて、知事の任期というのが関係しているのですかという質問が出たときに、正直、任期が入っていないことはないというご回答がありました。ただ、3~4年と言うと、3年だと1期目の任期中なのですが、4年だともう1期目の任期が終わってしまうのですが、信を問う上で、知事の任期中に結論を出して、それを基に信を問うのか、その辺りは今のところどういうお考えなのでしょうか。

A 知事
 いずれにせよ、信を問わなければいけないということだと思います。結論が出ているにせよ、出ていないにせよ、それをきちんと明示して信を問うということだと思います。ただ、私自身としては最終的なものは出ないにしても、3~4年も経てば大概のことは方向性というのは分かるのです。不確定な部分が残ることは大いにあり得るのですが、大概のことは相当程度に分かった上で、不確定な部分があったらここは不確定ですよと言って、信を問うことになるのだと思います。

Q 新潟日報
 そうすると検証委員会で結論が出る前の段階で信を問うとなると、知事ご自身の判断で信を問うということになりますよね。検証委員会の答えがどちらに出るか分からないわけで、それとは別に知事の考えの信を問うという意味合いということですよね。

A 知事
 選挙とはそういうものですよね。当然何であれ、そこまでブラックボックスで話を進めるわけでは全くなくて、基本的には公開というふうに考えています。そうすると、その段階の議論はきちんとあるわけですし、それこそ検証委員会が本当に紛糾して、3年経っても全く五里霧中ということが起こったら、そうかもしれませんが、多くの場合は起こらないわけです。大概、相当程度には分かっていることで、もちろんそれを反映しての信を問うということになるのだと思います。

Q 新潟日報
 昨日の日本記者クラブの記者会見の中で、風評被害について、そういうものも検討課題としてあり得るというようなご発言もあったのですが、それは例えば健康とか生活の委員会の辺りで検討することになるのでしょうか。

A 知事
 先日、リサーチ(福島第一原発事故による避難生活に関する調査業務)を行う事業者を選定させていただきましたが、あの中でおそらくは入ってくるのだろうと思います。風評というものに対して、それほど一生懸命にやることは、すぐ限界に達するのだと思います。例えば福島県の農産物の出荷額とかはすぐに分かるわけです。出荷額が事故前はいくらで、事故後はいくらだと。そこまでは明らかな数値として分かる。ところが、どこまでが風評で、どこまでが津波による被害とか、もしくは就労者が減ったことによることなのかというのは、就労者が何人とか、耕地面積が何人というデータはあるでしょうが、切り分けは相当難しくなりますよね。そこは何とか仮定を置いて切り分けるとして、そこから先、この仮定が良い悪いという議論をしたところで、それはもはや完全に禅問答だと思います。そこはもうこういう仮定を置いたらこれくらいになると思いますというところにして、例えば数百億円なら数百億円、数千億円なら数千億円、1兆円なら1兆円ぐらいのレベルでしょうと。それは2兆かもしれないし3兆かもしれない。そこで細々とした議論をすることはあまり意味はないという形で話は終わるのだと思います。そういう意味で、風評被害というのは、そのレベルで済ますなら、むしろ計りやすい。要は農産物の生産額のようなものでしか基本的には済ましづらいと思うので、割とシンプルに入ってくるのだろうと思います。また、議論をずっと繰り返すようなことでもないのだろうと思います。いずれにせよちょっと推定になってしまうことなので。

Q 新潟日報
 任期前に結論が出ればそれで信を問うというのは分かりますが、任期中に結論が出なかった場合に、何をもって信を問うのかと言うと、今のお話ですと、ここまで議論をしましたという議論の過程について信を問うのか、それとも議論は途中であっても知事なりの一定の判断をして、それの信を問うのかどちらでしょうか。

A 知事
 それは当然、私としてはどうするつもりだというのは言うのでしょうね。その中に不確定な部分が入るかもしれませんが、私としては全体にこう考えていると言うことになると思います。3年後のことをここで言っても、そんなに大きな意味があるとは思わないのですが。

Q 新潟日報
 再稼働についての判断ということですか。

A 知事
 全てについてということでしょうね。

Q 新潟日報
 避難委員会についてですが、避難委員会は複合災害での避難についても、検討してもらいたいということでしょうか。

A 知事
 もちろんそうでしょうね。福島(第一原発事故)がそうなわけですが、多少なりとも複合的なことがあるからこそ、原発事故が起こるものなのだろうと思います。逆に複合的なものが全くないのに、単発で起こるようだったら、本当に厳しいと言いますか、そのようでは、規制委員会(の審査)でそもそも引っかかってもらわないと困るという話だと思いますから、多少なりとも複合的なものは入ってくると思います。

Q 新潟日報
 避難委員会の中で、東京の弁護士の先生を入れていらっしゃいますが、新潟県でも弁護士の先生はたくさんいらっしゃいますが、この東京の先生をあえて入れたのは何か特別な知見がおありなのでしょうか。

A 知事
 それほど詳しくは把握していませんが、比較的、こういった避難等に関わってきた方と認識しています。

Q 産経新聞
 昨日の日本記者クラブの新潟取材団の記者からの質問で、廃炉についての質問が出たかと思いますが、柏崎市の櫻井市長が廃炉を条件に東京電力に働きかけているということを踏まえての質問で、柏崎刈羽原発1号機の廃炉の検討の余地はありますかという質問に対して、廃炉にコミットしようとは思っていないと。その理由として、法律家だからなのか、法的枠組みというのが重要だといった理由で、コミットするつもりはないというお話がありました。今後、櫻井市長と廃炉のことについて、話し合う余地と言うか、双方の考え方を直に対面して話し合うというようなご意向はございますか。

A 知事
 そもそも、いろいろなところでお会いするので、いろいろなところでお話は伺うし、ご意向も確認させていただくのですが、同時にこれは別個というふうに考えていると言いますか、私は新潟県としての権限の範囲でやろうと思っているスタンスですから、安全ということに関してはもちろん考えるのですが、廃炉するしないということに関しては、私としては私企業が決めることであろうと思います。ただし、原子力規制委員会で(原発の運転期間を)何年というように切れば、もちろん法律の問題ですから、国の法律の問題になりますし、また我々としても40年以上使ったものに関しては安全を確保できませんということは言うのですが、逆に廃炉ビジネスという話に関しては、それは県の権限ではなかろうと思います。ただ、一方で、柏崎市長が言うのがいけないのかと言うと、別にそのようなことはなくて、我々もいろいろな企業に進出してくださいというような話はするわけですよね。原子力は置いておいて。全く権限がない中で、例えばどこかの会社に、県立の工業団地に進出してくださいませんかということは言うわけです。それは権限とは別個にやるわけです。柏崎市長が柏崎市長の立場で、権限とは別個の話として、廃炉にしてビジネスにしてくださいませんか、それなら柏崎市としては協力しますというのは、それは柏崎市長の立場としてあるのだと思います。柏崎市長の立場としてそれを進めるということに、特段こちらとして、悪いということは全くないと考えています。それは、柏崎市がある種企業誘致をしているのと似たような話であって、それに対して県が影響を受けることもないし、県が何を言うこともないということに尽きるのだと思います。

Q 産経新聞
 米山知事の今のお考えと、一方で、柏崎市の櫻井市長のお考え。それぞれ報道を通じて、柏崎市民は、一体自分たちはどうすればいいのだという不安感がずっと漂ったままだというふうに私は懸念しています。柏崎市民は、同時に新潟県民でもあるので、柏崎市民に対しては、どのようにそういった県としての権限の部分も含めてどのように理解を求めていかれますか。柏崎市民は、有権者でもあると思いますが。

A 知事
 論旨が非常に分かりづらいご質問をされているのだろうと思いますが、柏崎市で例えば企業誘致をされていると。それに対して、我々が何かを言うことはない。一方、例えば柏崎市の工業団地が、何か安全的な問題があるということであれば、もちろん県として安全に対する権限を行使すると。それらの結果として、企業誘致が決まる決まらないということは通常起こっているわけです。原発も全く同じ話でして、柏崎市長の立場としてそう言われるのは分かりますが、それはそれとして、県の方で安全に関する議論をきちんとしなければ、それは容認するとは言えませんよということは当然のことだと思います。それらが集まって最終的に決まることなので、いろいろなご不満もあるのかもしれませんが、それは別に柏崎市に特定のものではない。事故が起これば、柏崎市を越えて、県内の様々な地域に影響が及ぶわけですし、福島(第一原発事故)の話は福島県を越えて、いろいろなところに及んでいるわけですから。物事は何であれ、それほどシンプルではないわけですから、そういう構造になることはやむを得ないことなのかなと思います。

Q NHK
 この2つの委員会を設置した意義なのですが、健康と生活に関しては、例えば福島県が県民健康調査とか、独自に県民の健康に及ぼす影響を調べたりとか、避難者の生活実態調査というのを福島県がやったりとか、重複しているところもあるのかなという気がしているのですが、あらためてこの検証を新潟県でやることの意義を教えてください。

A 知事
 (福島県の調査は)重複というより、むしろ先行ということだと思います。先行している調査に関しては全て参考にさせていただいて、可能な限り関係者からご了解を頂く前提で、データも共有させていただきたいと思っています。それをきちんとレビューした上で何が必要かということを考えたり、また、それぞれの立場のデータはあっても、いろいろな解釈というのがありますから、どう考えるか意見が分かれているところもあるので、そこをきちんと議論していただいて、必要であれば、追加の調査もするということだと思います。その中で、大事なのは一体としてやるということだと思います。それらを踏まえた上で、最終的には原因とその影響をきちんと踏まえて、避難計画になっていくと。それは1つのところでやらないと、散発的にやっても全体像は見えないということで、まとめてやることに意義があると思っています。

Q 朝日新聞
 知事としては、今の任期の間に一定の結論を出したいというお考えでしょうか。

A 知事
 いいえ。特段そのようには考えていないのですが、それなりに(一定の方向性は)出ますよねということです。大体、3~4年考えて、全くその方向性が出ないというのは、それは実は考えていないのだと思います。大概はある程度出るでしょうということだと思います。ただし、何事も分からないことは分からないということですから、場合によっては分からないということが残り得るとは思いますということです。

Q 朝日新聞
 委員会としては、今の科学的な知見レベルなどで分かる範囲のところをまず一定の期間でやって、結論が出たとなると、委員会は廃止とは言わないまでも、一旦閉じるというような認識でいいのでしょうか。

A 知事
 ここまでという感じになれば、それをどうするかはともかくとして、それ以上議論しないわけですから、事実上、止まっている状態になりますよね。

Q 朝日新聞
 任期中に委員会の結論が出たとすると、再稼働に対する判断も任期中にされるということになるのでしょうか。

A 知事
 なるかもしれないですし、ならないかもしれないです。でも、基本的には方向性を示すことになるのだと思います。

Q 朝日新聞
 先ほど、最終的にはいろいろ踏まえた上で信を問うと仰いましたが、例えば結論が3年くらいで出たとして、知事のお考えが再稼働に向かったとしても、その任期中に再稼働それ自体がなされてしまうことはないということでしょうか。

A 知事
 それも含めて分からないです。3~4年というのは、おそらくそうだろうという話をしているだけであって、例えば2年で分かるかもしれないわけです。ただし、それはまた別の話で、それなりの当選の経緯があるわけです。そういったものが変わるに際しては、必ずしもどういう方法か分からないですが、それは相当きちんとした説明が必要だし、民主的なプロセスが必要だと思いますとお答えしているところです。もちろんそれを踏まえた在り方になるのだろうと思います。ただ、3年後のことをそれほど今言っても分からないということだと思います。

Q 朝日新聞
 民主的なプロセスと仰いますと、選挙が一番だと思いますが、それ以外の形での。

A 知事
 いろいろあり得ますよね。多々、想定としてはあり得るということだと思います。

Q NST
 ようやく人選が決まって、検証がようやくスタートラインに立ったと言いますか、どのようなご認識でいらっしゃいますか。

A 知事
 できて大変良かったと。皆さんそれなりに気が重いところもあるのだと思います。基本的には学者の方々ですから、好むと好まざるとにかかわらず、多少なりとも増える労力というものを受け入れて、引き受けてくださったことは本当に有り難いと思います。ただ、何事も中身が大事ですので、きちんとした議論にまとめていくということで、それは極めて責任の重いことだと思います。もちろんそれぞれの委員の方がやることではありますが、同時に、事務局としてきちんとまとめていくことが大事ですから、しっかりそうした検証ができるように取り組んでいきたいと思っています。

新・総合計画の策定について

Q 新潟日報
 先日、新・総合計画策定検討委員会の部会が、第1回がそれぞれ開かれまして、各担当課から、メニューがたたき台という形で出たのですが、このメニューをご覧になって、まず印象として知事はどのようにお考えでしょうか。

A 知事
 適切なメニューかと。

Q 新潟日報
 この中で、知事が特に力を入れてやっていきたいというような事業は、どこになるのでしょうか。

A 知事
 その手の質問は、よく言われるのですが、総合計画というのは、やはり総合計画ですから。しかも、行政というのはどこかだけやればいいというものではないのです。私も人間ですから、得意不得意があって、自分の得意なところを考えるのは楽ですし、楽しかったりするわけです。通常の人間はそんなものだと思います。皆さんもそうだと思います。たくさん仕事がある中で、自分がちょっとやるとすらすらできるところと、すらすらできないところがあると思います。得意不得意がありますから。でも、知事はどれにも力を入れなければいけないわけです。当然、元医者ですから、医療はやりやすいです。従前、私は土木をやったことはないので、インフラ整備のようなことは、新しいから難しかったりしますが、だからと言って、それは力を抜いていいわけではないわけです。基本的には、それは全てに力を入れますということに当然なるかと思います。

Q 新潟日報
 先日、学生との対話(平成29年8月4日開催の新潟学生タウンミーティング)の中で、知事は、積極的にしていきたいことを学生に聞かれて、ビッグデータと新潟市の居住性を高めるまちづくりの支援ということを仰っていましたが、項目を見る中で、そこの部分はなかなか見づらいかなと思ったのですが。

A 知事
 従前のものは、新しくはないわけです。新しく打ち出すというところでは、そういうところがもちろん出てくるわけですが、全体の総合計画としては、新しくないものも、同じ力でやらなければいけないわけだと思います。新しいものをつくるのは、多少なりともわくわくしますから、そこはやりますし、聞かれたら、今までどおりやりますというのは話としては面白くないでしょうから、ある種分かりやすく、新しいものを出すのですが、同時に、行政としてやるときに、今までやってきたことは手を抜いていいのかと言うと、全くそうではないと思います。(私としては)行政計画が総花的になることを批判する方が不思議な印象を受けると言いますか、行政の総合計画というのは総花的で、全てのものをきちんとやっていって、それぞれに対してきちんと目標があって、達成値があると。新しくて目を引くものも、今までどおりにやっているものも、同じ重要性で、同じようにしっかりやるということでいいのだと思います。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

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