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平成29年9月20日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0050085 更新日:2019年3月29日更新

(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

  1. 日時 平成29年9月20日(水曜日)
  2. 場所 記者会見室
  3. 知事発表項目(10時00分~10時06分)
    • 「新潟県 新・総合計画(仮称)」素案に係る意見募集について
    • 平成29年度9月補正予算概要について
    • 平成29年9月県議会定例会提出議案について
    • 平成30年度当初予算編成について
  4. 質疑項目(10時06分~10時45分)
    • 衆議院解散総選挙について
    • 平成30年度当初予算編成について
    • 原発事故に関する3つの検証について
    • 新潟国際海運株式会社の解散について
    • 平成29年度9月補正予算概要について
    • 知事就任1年の成果について

知事発表

「新潟県 新・総合計画(仮称)」素案に係る意見募集について

 「新潟県 新・総合計画(仮称)」の素案について県民の皆さまからご意見を募集します。募集期間は本日9月20日から10月19日までの1か月間です。素案の閲覧・入手方法ですが、県のホームページに掲載しています。また、県庁1階の県行政情報センター、地域振興局、地域振興事務所、県立図書館での閲覧・配布を行っています。ご意見の提出方法及び提出先ですが、郵送の場合は、郵便番号950-8570と書いて、宛先に「知事政策局政策課計画斑」と書いていただければ、住所を記載しなくても届きます。また、ファクシミリや電子メールでも受け付けています。締切りは10月19日です。郵送の場合は締切り当日の消印有効です。注意事項としては、匿名の方のご意見は残念ながら受け付けないということでご了承いただければと思います。提出されたご意見に関しては十分に検討し、またその内容について公表させていただきます。提出に際していただいた住所・氏名等はもちろん公表しません。しかし、全く匿名ということになると、責任ある主張ということではないのかなということで、それは受け付けないという形で扱わせていただきます。

平成29年度9月補正予算概要について

 補正予算は、平成29年6月から7月に発生した豪雨災害の早期復旧・復興を図るために必要な経費を計上しています。その他の経費としては、地方創生関連交付金の活用を想定する事業や、県民の安全・安心の確保に必要な事業の他、国庫支出金の内示や、当初予算編成後の事由による重要性、緊急性のある経費等について計上しています。補正予算額は18,835百万円。その結果9月補正後の予算累計は1,274,433百万円となり、当初予算比で19,673百万円、1.6%の増となります。9月補正予算額の一般財源額は11,009百万円。一般財源充当額としては投資的経費の財源として充当する県債の他、国から決定があった普通交付税の増額分及び諸収入によって対応しています。

報道資料(平成29年度9月補正予算概要について)[PDFファイル/178KB]

平成29年9月県議会定例会提出議案について

 平成29年9月県議会定例会提出議案については、配布資料をご覧いただければと思います。

報道資料(平成29年9月県議会定例会提出議案について)[PDFファイル/128KB]

平成30年度当初予算編成について

 今後、新・総合計画(仮称)の策定と平行して、平成30年度の当初予算の編成を進めてまいります。基本的な考え方としては、命と暮らしが守られ、一人一人が未来への希望を持って自らの幸福を実現できる新潟県を創るための取組を進めてまいります。また、様々な分野の横断的な対策を必要とする、人口減少問題への対応に向けた施策を推進します。予算編成の視点としては、新・総合計画(仮称)における政策の展開を実現していくことになります。この他、事業のスクラップ・アンド・ビルドを積極的に進めて、より効果的・効率的な施策体系への再構築を進めます。また、事務の効率化、職員の適正配置等による内部管理経費の見直しを進めるとともに、県有資産の流動化、県債の有効活用等による財源の確保を進めます。新しい取組として、従来予算編成においては部局長枠予算というものがあったのですが、額としては(前年度と)同額で設定するのですが、まずは1回、スクラップ・アンド・ビルドをしていただいた上で、浮いた10%について新たな事業構築枠ということで予算編成を進めていきたいと考えています。投資的経費については、政府予算、地方財政計画等を踏まえて、編成過程で規模を決定していくことになります。予算規模については、現時点では経済情勢や国の制度変更等を注視して、編成過程において最終的に決定することになろうかと思います。

報道資料(平成30年度当初予算編成について)[PDFファイル/604KB]

質疑

衆議院解散総選挙について

Q 代表幹事
 安倍首相は10月22日の投開票を軸に、衆議院解散総選挙を行う方向です。知事はこの時期の解散についてどう受け止めておりますでしょうか。また、選挙で争点としてほしい課題がありましたらお聞かせください。

A 知事
 まだ決まってはいないのだと思うのですが、(衆議院の)解散そのものは日本国憲法上、総理大臣の専権事項ですので、それは総理が決められることであり、それに対応するのが政治というものであろうと思います。とは言いながら、必ずしも解散はしなくてもいいわけで、解散しなければ任期が終了するところで選挙になるわけなので、解散するならするなりのきちんとした理由がいるのだろうと思います。北朝鮮問題などもありますし、また森友・加計学園問題についての説明責任が果たされたのかということもありますので、このタイミングで解散することについてきちんとした説明は必要と考えています。争点は様々にあるかと思いますので、様々なことをきちんと争点としてということでしょうか。基本的には国政でしょうから、話題となっている森友・加計学園問題についてもきちんと争点になるべきであろうと思いますし、また、福祉・教育の費用負担、福祉・教育や財政再建に関してどのような優先順位で費用を割り振るのかということも、そもそもこれは総理の方が争点にしようというふうに報道されているところですから、当然争点になるべきだと思いますし、また、その中では当然、原子力発電ということに関しても、全国的な争点にされるべきことだろうと思っています。その他にも、もちろん拉致問題もそうでしょうし、北朝鮮対応もそうだということになろうかと思います。

Q 新潟日報
 知事は1年近く行政のトップを務めてきた立場から、地方の行政を預かっている立場から、この点についてはやはり議論してほしいとか、そういうところはありますか。

A 知事
 やはり地方の行政に携わっていると、地方行政的な、かつ全国的な手配が必要な問題は非常にあるわけです。いくつかありまして、アベノミクスが地方に対してどうなのかと言いますか、地方経済もしくは地方創生というものをどのように進めるかということに対して、具体的なご意見があって、争点になっていいのだと思います。このままで本当に地方は創生するのかしないのかということは争点の一つであろうと思います。また、全国的にはあまり言われないのですが、実は地方の大きな課題である医師の配分と言いますか、医療を含めた地方における福祉の維持というものも、全国ではなかなか言われないのですが、本来争点となるべきことだろうと思います。また、農政というのもやはり争点となるべきところなのだろうと思います。特に当県のような農業県においては、一体この農政で良いのか悪いのかというのは思うところがあるわけですから、それはもちろん争点になろうかと思います。確かにご質問のとおり、全国的にはさほど注目されないのかもしれないのですが、地方独特の課題というのは今言ったようにあるわけであり、当県で一番分かりやすいのは、おそらくは医師不足と農業と、他のところにも共通する地方の経済ということになるのだと思いますが、それは当然、地方選出の議員としてそれぞれの方が自分の考え方を示して、争点としていただきたいと思います。

Q 新潟日報
 新潟5区は別として、大体1~6区までの顔ぶれは予想がつくわけなのですが、知事としては特定の候補を支援なり応援をするお考えはあるのですか。

A 知事
 まだ決まっていないので、何かを言って、余計なことになるといけないので、決まってからその辺は考えようと思います。

Q 新潟日報
 誰がなるかは別として、知事と政治信条ですとか政策とかが合致する候補は支援したいというお気持ちはありますか。

A 知事
 それは基本的にはあります。民主主義政治家でありますし、県内の様々な課題を解くに当たって必要な国政での政策というのはあるわけですから、そういったことを推進される方を応援するのは、自然なことだろうと思います。

Q 新潟日報
 県議会においては、民進党系が知事与党となっているのですが、誰を応援するかというのは知事与党の存在というのは考慮されるのでしょうか。

A 知事
 あまりそれとは関係ないのではないでしょうか。そこは私の政治家としての選択でいいのだと思います。客観的に何がいいかというのはあり得ないわけですから、政治家としての主観で決めるしかないと思います。その中で県政の課題を解くにふさわしい主張をしてくださったり、ふさわしい議論などという言い方は少しせんえつではあるのですが、そういう力があると言いますか、そういうふうにやっていける方の応援をするというのは当然のことだろうと思います。

Q 朝日新聞
 北朝鮮の挑発行為が半ば常態化している状態で、政権が一時期でも空白になってしまうということについて、何かご懸念はありますでしょうか。

A 知事
 あるにはあるのですが、もはやそこを含めての判断ということだと思います。少し話がそれてしまいますが、私の落選経験の中でリーマンショックというのがあって、当時の麻生総理大臣がリーマンショックに対応しなければいけないから解散できないと言って、ずるずるとやって、結局リーマンショックは終わらなかったということもあったりするので、今後何が起こるかということに関して確定的なことは言えないと言いますか。予想はできるけれども確定的なことは言えない。今がいいのか、それともより一層危機が高まり、あとの方がよりまずいことになるのかみたいなことは、最終的にはなってみないと分からないので、もちろん懸念はあるのですが、そこは総理大臣が政治的に判断するということでいいのではないかと思います。ただもちろん、そう思っているということをきちんと説明しなければいけないということだと思います。自分の判断の根拠等についてはきちんと説明すべきだと思います。

Q 時事通信
 知事は先日、拉致問題の集会に出席されたかと思います。(拉致被害者の)帰国から15年というときには選挙モードにだいぶ入っているわけですが、知事として拉致の関連事業に関わっている中で、拉致問題への影響というのはどのようにお考えでしょうか。

A 知事
 選挙そのものは、ものすごい影響はないのだと思います。先ほど拉致問題も争点とは言いながら、違う意見の人がいたら恐縮なのですが、私の感じる限りでは拉致問題に関してそれほど国民の意見は分かれていないと言いますか、皆さん、全員帰還してほしいということにほぼ収れんしているのだと思います。確かに北朝鮮に対して対話なのか圧力なのかというのは意見の差はあるのでしょうが、それはあまり拉致に特異的な話ではなくて、(対)北朝鮮外交というような枠組みのことだと思います。もちろん選挙期間中は話が進まないわけですから、多少なりの影響はあり得るのですが、結局どこかのタイミングで、任期満了であっても選挙はあるわけですから、そういう意味では選挙が特段の影響を及ぼすということではないと理解しています。

Q 朝日新聞
 先ほど、(候補者の)支援の話が出ましたが、実際に候補者が固まって、公示日の前後になったところで、党から街頭で応援してくださいといった依頼があるのかと思います。原発は党ごとにかなり(主張の差が)ありますが、それ以外の地方創生、地方経済、農業の再生、人口減少、こういった問題はある程度(党ごとに主張の)差はあるにしても、どうやって新潟県を(活性化させるのか)というところは、多分皆さん考えられるところなので、そこのところであまり差がないとしても、党を問わず、要請があれば行く行かないを考えることになるのでしょうか。

A 知事
 そうですね。ただ、全く同じ意見の人が同じ選挙区に2人いたら、別に2人とも応援しても構わないと私は思います。全く同じ人がいたらということです。しかし、なかなか全く同じということはなく、それは皆さん同じように考える中で、しかし、それなりにスタンスは違うのだと思います。例えば、教育についてどう考えるかということに関しては、結構大きな意見の相違がありますし、比較的、私がそれに対して自己の意見を強固に持っていることに関しても、ご理解いただけているところかと思います。そうすると、当然そこの違いは出てくると思いますから、相応にやはり違いはあるのではないかと思います。もちろん支援というのは支援してくれと言われることが前提ですから、言われてもいないのに自分から行くということは、まずないわけですし、あとはもちろんスケジュールの問題もあります。そういったいろいろなことで決まることだと思います。

Q 朝日新聞
 昨年の知事選挙では、野党共闘という形で、おおむね野党の方の支援の中で当選されています。例えば、与党から要請がありましたと。そこで自分の考え方に仮に与党の方が近いとなるとそちらを応援に行くとなると、去年の経緯を考えると、ある種の変節ではないかといった意見になってくるのかと思いますが、そういった状況は想定されるのでしょうか。

A 知事
 逆にそうなった場合にということですが、そもそも去年の選挙がどうだったかと言うと、もちろん与党の先生方は、私を応援していないわけではないですか。相当ネガティブキャンペーンもやられたかなというところは、それが悪いというわけではなく、事実としてなくはないわけです。それぞれの政治的な考え方は、去年の知事選挙においてそれなりに明らかではあったわけです。原発以外の県政に対する政策に関しても、それなりにトーンの違いはあったと思います。どのように県政を発展させるかということに関してあったわけです。そうすると、それぞれの議員の先生方がそれぞれの場で、党の考え方もあるでしょうが、基本的には自分の政治的信条に基づいてそれぞれ応援されたわけです。そのときと整合的でないということが起こらないと、今ほど仰られたようなことは起こらないではないですか。私が変節しているのか、(応援に)呼ぶ方が変節しているのかといった議論に当然なります。それは単にこちらだけの問題ではないと言いますか、米山知事が言うことに全面的に賛成しますということなら、では知事選挙のときは何だったのかということになるわけです。ですので、基本的には県政のスタンスということで、不思議なことは起こりづらいのではないかとは思いますが、仮に思いっきり賛同してくださるなら、それはそれで断る理由はないということだと思います。

Q 朝日新聞
 解散というと、○○解散と言われますが、今回解散した場合は何解散と。

A 知事
 私は別にそういうネーミングが非常に上手なわけでもないですが、極めて端的に、客観的に言うなら、勝ちそうだから解散ということなのではないでしょうか。おそらくそれはそうなのではないかと。勝ちそうだから解散したんだろうということに関しては、誰も異論はないのではないかと思います。

Q 新潟日報
 候補の支援を考えるときに、原発再稼働への考え方や、知事は今検証のことを仰いましたが、原発再稼働について推進や反対など、いろいろ(立場が)あると思いますが、その点については考慮するのでしょうか。

A 知事
 少なくとも私が今進めていることに関して、賛成していない方を応援しに行くのは、なかなか筋が通らないと思います。それは当然、今進めている方向をご了承いただけるというのが大前提だと思います。

Q 新潟日報
 それは、例えば3~4年かけてきちんと検証した上でと仰っていますが、その路線に賛同してくれる人を。

A 知事
 そうでないと、なかなか応援しづらいですよね。

平成30年度当初予算編成について

Q 新潟日報
 先ほど、スクラップ・アンド・ビルドで(部局長枠予算の)10%(を事業再構築枠とする)という話がありましたが、5%でもなく15%でもなく、10%に設定した意味合いがもしあればお願いします。また、実際に1年近く知事をやってみて、各部局の事業にスクラップ・アンド・ビルドの必要性を感じていらっしゃるということなのかどうか、その辺りについてお願いします。

A 知事
 10%にものすごく根拠があるわけではないです。しかし、一般論としてよくある数字と言いますか、大体見直しをするに当たって、5%というのはほとんどしてもしなくてもということになりますし、15%は相当影響が大きい。10%は現状の中で必要な変更ということでは、一定のある種の基準と言いますか、あまり論理的に出てくるということではなく、経験則的基準と言うべきなのだろうと思います。それで決まったということなので、ものすごく10%に拘泥するわけではないということです。スクラップ・アンド・ビルドは考え方で、今行われている事業に非常に無駄があるということを言いたいのではないのですが、そもそも行政における無駄というのは非常に考え方が難しいところがあって、誤解をされると困ってしまうのですが、誤解を恐れずに言うならば、例えばある種の福祉というのは必ずそれによって県の生産が上がるみたいな、そういう意味でのリターンを期待していない政策はたくさんあるのだと思います。それはそれで最初から、明らかな形になるリターンがなくてもいいと言うならそれでもいいのですが、そういう中には、それにしても他のところに(予算を)割り振った方がいいのではないかみたいなものもあるわけです。それが思いっきり無駄というよりは、結局限られた資源の中でどこに割り振っていくかということでは、常にスクラップ・アンド・ビルドは必要だろうなと思う部分はあります。そういう視点でよく各部局長が予算をもう一度見直すということで、このように設定させていただいたということになります。

Q 産経新聞
 来年度予算の編成の中で10%を事業再構築枠とするという点の確認ですが、知事はかねがね例えば予算を編成するに当たって、合理性というものを一つのポイントとして挙げられていましたが、その合理性を示す上での一つの象徴として受け止めてもよろしいでしょうか。

A 知事
 ある種の合理性と言いますか、合理性というのはいろいろな基準があるので、決して数字として何か出てこなければいけないということではないのです。しかし、常に正当化という意味では、この政策はきちんとこの費用をかけるだけの価値があるのかと言いますか、価値がない政策などは大概ないのですが、常にお金というのは他にも使えるわけですから、これをするということは他をしないということだというのは、常に念頭に置いて選択するべきだと思います。そういう意味で、合理性と言いながら、結局は人間の判断になるのですが、それぞれの価値判断、それぞれの中できちんとした理屈付けでこの予算配分でいいのかということを考えてくださいということでしょうか。そういう意味ではある種の合理性なのでしょうが、合理性というのはたまに批判されるような、決して数字で見たというような話ではなく、きちんと理屈としてどこに優先順位があるかを考えてくださいということだと思います。

原発事故に関する3つの検証について

Q 時事通信
 昨日行われました避難委員会で、避難の検証の範囲ですとか、様々なことが議論になっていましたが、避難方法を検証する委員会で目指すものというのを改めてお聞かせください。

A 知事
 (検証の)範囲を含めて、各委員会の中で議論していくことだろうと思うのですが、大きな枠組みとしてはきちんとした避難ができると言いますか、実効的な避難計画というものを作る、もしくは、必ず作れるかどうかは分からないので、そこの成否も含めてということです。また、それは安全の基準によるのだと思います。全く逃げられないということもあり得ないのだと思います。そもそもあらゆる交通機関が止まっていたとしても、時間さえかければ徒歩で逃げられるわけですから。(安全な避難が)可能であれば、非常に安全な(避難)計画(を作ることになる)でしょうし、(安全な避難が)可能でないならないで、もし何かあった場合に安全でないから逃げないというわけにはいかないわけですから、できるところでの避難計画というのをきちんと作った上で、それがどの程度のリスクなのかということをきちんと評価するということだと思います。

Q 時事通信
 今県に指針(新潟県広域避難の行動指針)があるかと思うのですが、そこに(検証結果を)反映するという形での避難委員会。

A 知事
 もちろんです。完全に反映していこうと思います。それはいろいろな書き方があるのだと思います。指針のところはやはり粗い書き方になって、より詳しいところはさらに別紙というような形にはなるのだと思いますが、当然反映していくと思っています。

Q 時事通信
 指針をアップデートしていくというイメージでよろしいですか。

A 知事
 そうですね。アップデートしたり、追補していく。より詳細を書いていくことになろうかと思います。微妙に違うと言えば違うのです。検証はやはり検証であるので、ただ検証は当然(指針や避難計画に)反映するためにあるわけですから、反映して指針も当然できていくということになると思います。

Q 産経新聞
 昨日、避難委員会の冒頭で知事が仰った中で、各委員会の中でも避難委員会というのは非常に大きなチャレンジ、挑戦ですと。その理由についても触れていらっしゃいましたが、改めてどういった点が大きなチャレンジに当たるのかをお聞かせください。

A 知事
 そのとき申し上げたとおり、そもそも原発災害と言いますか、原発事故における避難の専門家というのは、いるのかもしれませんが、基本的にはあまりいないと言いますか、そもそも学問領域として確立していないのだと思います。その他の災害に関する避難というのは、意外に我々が知らないだけで、それぞれの専門家がいるのですが、原発をきちんと見据えての避難方法というのは全く確立していないというのが本当のところだと思います。海外等でいろいろな研究はされていますが、確立していない。大体抽象論になりがちなのですが、今回は福島第一原発事故という極めて具体的な事例がありますので、基本的には具体的な事例に沿って、具体的に(避難計画を)作っていくということは、ほぼなされていないわけです。当然いろいろな先行事例を参考にする前提ですが、まさに新潟が世界で初めてやるということになるのだと思います。初めての部分と、初めてでない部分はありますけれども。それは大きなチャレンジだと思います。そこをきちんと作っていったり、きちんと評価していくという、極めて意義のあることを我々はやっているということで全力で進めていきたいと思っています。

Q 産経新聞
 (避難委員会は)各専門家が全部で9名いらっしゃいますが、例えば名古屋大学大学院の山澤教授(の担当分野)は、環境放射能、大気拡散ですが、先日、放射能について(の専門家が)ご自身以外にいらっしゃらなくて非常に心細いと。そういうご意見に対して知事もフォローされていましたが、山澤教授が訴えたかったことの一つは、メンバー構成とか、その辺りに多少偏りを感じていらっしゃるように受け止めたのですが、その辺りについて改めてお聞かせください。

A 知事
 偏りということではないのではないですか。あれ(避難委員会の委員名簿)を見てお分かりのとおり、各専門家は確かに1人しかいないので、そういう意味では山澤先生に限らず、それぞれの専門家はそれぞれに心細いのだと思います。私が代表かみたいなところはあるのだと思います。ただ、議論というのは(委員が)ものすごく多くなってしまうとできないので、各専門家を2人ずつにすると単純に倍になってしまいますので、構成としてはあれでしょうがないのかなと思います。ただ、その中で必要な専門知識が十分でないということであれば、別途呼ぶことも可能ですし、もちろん委員は別に増やそうと思えば、いくらでもとは言えないですが、基本的には増やせるわけですので、そこは柔軟にこれから議論の推移を見守りながら対応していきたいと思っています。

Q 朝日新聞
 避難委員会について、事故が起きたときに安全に避難できるような計画かというところの実効性を検証することが前提だと思いますが、そもそもその「安全に」というところの軸足は、知事としてはどこに置くべきだと考えていますか。原発事故での安全な避難というのは、例えば建物が倒壊してとか、そういうものではなくて、放射能の被ばくとの関係になってくると思いますが、そこで「安全に」というのは、例えばゼロで、一切被ばくをしないで避難するということなのか、それともある程度というところを議論する必要があるのか、その辺りは。

A 知事
 もちろん、基本的にはゼロというのはないのだと思います。少なくとも福島第一(原発事故)が教えてくれたことは、緊急事態になったら早期にベントせざるを得ないということだと思います。それを遅らせれば遅らせるほど、傷は深くなるわけです。ベントする以上は、いくらフィルターを通しても一定のプルームは出るわけです。そういう意味では、そもそもゼロというのはないのだと思います。あとは、ゼロでなければ悪いという議論をしても、仮にあれを完全に廃炉にして、本当に全部なくなってしまえば、もう事故は起こらないのでしょうが、少なくともあそこに核燃料がある限りは、冷却できなくなれば、水素爆発までは起こりうるわけです。臨界に達しないにしても。そういう事故が起こったときは、もう安全だろうが、安全でなかろうが、逃げるしかないわけで、まさかそこにいるわけにはいかないということです。いずれにせよ、計画としてできるところまで、現実的にできるところまでをきちんと作っていく。その中で、それがどの程度の安全性なのかということをきちんと検証していくということになろうかと思います。

Q 朝日新聞
 その場合に、今の(新潟県広域避難の行動)指針というのは、元々、国の原子力防災計画がベースになっていて、どれぐらいの被ばくがあるのか分からない中で立てているものになるので、指針を見直す前提の議論となってくると、これでは被ばくをしてしまうとか、被ばく量が多すぎるとか、そういう議論が出てきて初めて指針の見直しということになるのかと思います。そうすると、健康・生活委員会とのリンクは絶対不可欠なわけで、そこをリンクする上で避難委員会がどこまで議論してリンクするのか、そういうスケジュール感を改めて聞かせてください。

A 知事
 まさに仰るとおりで、健康・生活委員会とリンクしながら、やっていくわけです。当面は、少し避難計画の方はあとにはなるのだと思います。ただ、本当に時間的にあとにする必要はなくて、まずは避難計画のところで、健康・生活委員会を考えなくてもいいような、論点の洗い出しとか、いろいろな検討をしていきましょうというところを進めていって、最終的な段階では、やはり健康・生活委員会の検証が出終わったあとにそれを反映してというのがありますので、最終的には遅くなるのだと思います。スタートは別に遅らせる必要はないと言いますか、そこは並行していけばいいと言いますか、(健康・生活委員会を考慮し)なくてもいい議論をしていけばいいわけですから、終わりの点は、明らかに避難計画の方が遅くなると思います。

Q 朝日新聞
 健康・生活委員会が先行してということですか。

A 知事
 健康・生活委員会が終わったあとに、それを反映しての避難計画の委員会は絶対必要になると思います。

Q 朝日新聞
 そうすると、健康・生活委員会では、柏崎刈羽原発で事故が起きたときに今のベースで避難をすると、どういった影響が起きるのかというところまで議論することになりますか。

A 知事
 ある程度そうですね。

Q 朝日新聞
 その上で避難計画を。

A 知事
 そうですね。ただ、それこそ長期の、例えば何十年後の影響みたいなものは(検証)しようがないので、それは分からないということだと思います。

Q 朝日新聞
 その場合は、例えばSPEEDIであるとか、東京電力のDIANAとかの活用も必要になってくるかと思いますが、そこは考えているのでしょうか。

A 知事
 もちろん考えます。だからこそ、SPEEDIの専門家が(検証委員会に入って)いるということです。

新潟国際海運株式会社の解散について

Q 新潟日報
 発表事項の9月補正予算の中で、日本海横断航路も話が出ていますが、確か明日だったと思いますが、新潟国際海運の解散の話(臨時株主総会の開催)もあると思います。解散について、知事としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

A 知事
 法律的には解散以外の手段はあったにせよ、実質的にはほぼそれしかないと言いますか、それは単に法形式としていくつかの選択肢があったかもしれないだけであって、事実上はあの残存資産で事業を継続することはあり得ないわけです。特別な感想はないと言いますか、もはや私が就任した時点で事実上決まっていると言いますか、状況として継続することは極めて困難な状態だったと思いますから、その意味では実質に対してふさわしい法的形式が整ったということなので、淡々と処理していくということに尽きるのかなと思います。

Q 新潟日報
 県議会の議論の中で、自民党などからは、まずは清算をしてからだといった順番についての議論があったわけですが、今になって振り返ってみるとその辺りはどのように受け止めていらっしゃいますか。

A 知事
 6月県議会でも話題になりましたが、この資料はあるのかという話のときに、それはあの会社にありますという話で、早々に解散したら、全部シュレッダーにかかっていたわけです。その意味では、まず解散するという選択肢も別に悪かったというわけではないですが、(解散する時期が)遅かったから悪かったわけではなく、むしろそこは時間をかけていろいろな検証をした上で、問題がなくなってから解散した方が、ある種今後の行政の一つの資料ではありますから、資料をきちんと保存するという意味でもよかったのではないかと思います。別に早期に解散したら悪かったと言いたいのではないのですが、実のところ大きな問題ではないと思います。

平成29年度9月補正予算概要について

Q 新潟日報
 9月補正予算の中で、新潟県教育支援システム整備費とありますが、知事がかねてから提唱していた、いろいろなやり方があるのではないかということで、教職員の多忙化とか、いろいろなことが課題になっている中で、今回補正予算で4,200万円ほど盛る中で、方向性としてこの辺りをどう充実させていきたいのか、あるいは、この政策に期待する点についてお願いします。

A 知事
 これは意外に隠れた目玉と言いますか、非常に効果があるのではないかと思っているのですが、医師もそうですが、教職員の多忙も様々な理由がある中で、一つは書類書きが非常に煩雑になっているというところがあって、極めてシンプルに、書類のひな形をデジタルデータで共有するだけで、実は相当仕事が楽になるのだと思われます。さらに、本当に事務みたいな話なのですが、教材作りというのは、時間のかなりの部分を、特に苦手な方にとっては非常に時間を費やしているところなのですが、これも別段自分のオリジナルである必要は全くないわけで、デジタルデータで共有できれば時間も削減できますし、さらに複数の先生方が出し合うことによって最も良い教材というものが県内で共有されることになるわけです。自分で持っているだけでは、どれが最も良いかが分からなかったのが、たくさんの人が比較することによって、これが一番良いのだ、これが一番分かりやすいのだという、資料の淘汰も起こると言いますか、より良いものが出てくるのだと思います。さらにその中で、教職員が使っていらっしゃる資料というのは教え方とかなりリンクしていますので、教え方についてもある種の切磋琢磨が起こると言いますか、この教え方が良いのだというのが洗練されていくのだと思います。もちろん今までもやっていたのでしょうが、学校単位だとほんの数人でしかなかったものが、県単位でできるわけですから、かなり(指導力の)向上に資するのではないかと思います。意外に地味に見えて、こういうことをきちんとやっていくことが、生産性の向上ということであり、働き方改革というものの本来的な中身だと思いますので、教職員の方々にデジタル化による働き方改革と言いますか、ITを活用した働き方改革をもたらすということで、実は非常に期待しています。

Q 新潟日報
 (システムの利用者は)小学校、中学校、高校の先生方になるということですか。

A 知事
 まずは小、中学校から始めて、高校に。と言うのは、小、中学校の方が内容としては基本的に似ていますから。高校も似ていると言えば似ていますが、多少なりとも高校は先生方の専門性もあって、すぐにということではないということです。

Q 新潟日報
 システムのイメージというのは、個々の先生が持っているパソコン上で、どこかにアクセスすると全部そういうものが見られるという、そんな感じのものですか。

A 知事
 まさにSNSに近いイメージです。例えば、「クックパッド(料理レシピサイト)」(のイメージ)でいいのではないでしょうか。「クックパッド(料理レシピサイト)」は、どのレシピがいいみたいな投票があるのかないのか分からないですが、あったりすればきっといいレシピが残っていきますよね。あれがあるだけで、相当程度に料理が簡単になると言いますか、お父さん、お母さんから教わるのもいいのでしょうが、1億人から教われば随分おいしいものを作れるようになるという形に近いかもしれないです。ちなみに医師の世界では、非常にそれが流行っていて、こういう患者さんに対してどういう処方をしたらいいですかみたいなものに、みんなが(知見を)出し合って、結構いいものが出たりするのです。そんな形かと思います。「クックパッド(料理レシピサイト)」が一般の方には一番イメージしやすいのかもしれません。

知事就任1年の成果について

Q 産経新聞
 間もなく知事に就任されて11か月になります。

A 知事
 9月25日で(就任から)11か月ですね。

Q 産経新聞
 選挙公約で掲げられた政策などで、ご自身が成し遂げたという手応えを感じられているものをお答えいただけますか。

A 知事
 成し遂げたものはないのではないですか。なかなか終わらないですから。でも、少なくとも、(原発事故に関する)3つの検証に関してはきちんと委員会が、相応のきちんとした委員の方々によってスタートしたわけですから、それはよかったなと思います。あとは、県民健康ビッグデータの方も、意外にあまり知られていないところで、スタートが大変だったのですが、このところ、きちんと設計図を書いてきちんと大きい方に進めていけるなという体制になってきたと思いますから、それは進んでいるのだろうと思います。あとは、先ほどお話した教職員(を対象とした支援システム)のところも、だいぶ体制としてできてきたのかなと思います。あとは、それぞれ個別にやっているつもりではあるのですが、すごく形としてばっちりですみたいなところよりは、これから一つ一つきちんと取り組んでいくということだろうと思います。

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。


(過去の知事記者会見の一覧はこちら)

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