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平成29年11月8日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成29年11月8日(水曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(10時00分~10時03分)
- 乳がん・子宮頸がんの休日広域検診の実施について
- 東京2020オリンピック・パラリンピック「フラッグ歓迎イベント」の参加者募集について
- 質疑項目(10時03分~10時37分)
- 北朝鮮による拉致問題について
- 原発関連問題について
- 国の予算配分について
- 第4次安倍内閣の発足につい
- ふるさと納税について
- 医師の偏在是正について
- 県内経済について
知事発表
乳がん・子宮頸がんの休日広域検診の実施について
乳がん・子宮頸がん検診を受けたことがない方を対象に、休日広域検診を実施します。対象者は、次の4つの条件を全て満たす方になります。過去3年間乳がんもしくは子宮頸がん検診を受診していない方。検診受診時に県内の市町村に居住している方。平成29年度に次の年齢に達する方、乳がんの場合は40歳から69歳、子宮頸がんの場合は20歳から69歳です。(住所、氏名、生年月日、)検診結果等を居住する市町村へ提供することに同意をする方です。日時は、11月19日(日曜日)10時から15時で、イオンモール新潟南、受付は1階マリンコートになります。12月3日(日曜日)10時から15時で、イオンモール新発田で、受付は1階セントラルコートになります。定員は、乳がん検診、子宮頸がん検診それぞれ85名です。検診は500円で受けることができます。乳がんと子宮頸がんは本当に早期発見であれば完治するがんですので、ぜひ(がん検診の)経験がない方は受けていただければと思います。これを契機にがん検診になじんでいただいて、疾患ごとに適切な(受診の)間隔がありますので、適切な間隔でがん検診を受けていただければと思います。
報道資料(乳がん・子宮頸がんの休日広域検診の実施について)[PDFファイル/90KB]
東京2020オリンピック・パラリンピック「フラッグ歓迎イベント」の参加者募集について
東京2020オリンピック・パラリンピック「フラッグ歓迎イベント」を行います。平成29年11月19日(日曜日)13時から15時半、開場は12時半からです。ホテルオークラ新潟のコンチネンタルで行います。入場は無料で、定員は500名です。ぜひ皆さんお越しいただければと思います。フラッグ歓迎イベントは13時から13時半です。イベントにはフィギュアスケーターの村主章枝さんと水球の保田賢也さんが来られます。そのあとに村主さんのトークショーを行います。いずれも参加無料ですので、ぜひ皆さんご参加いただければと思います。
報道資料(東京2020オリンピック・パラリンピック「フラッグ歓迎イベント」の参加者募集について)[PDFファイル/360KB]
質疑
北朝鮮による拉致問題について
Q 代表幹事
アメリカのトランプ大統領が初めて来日され、北朝鮮による拉致被害者家族と面会されました。改めて所感と、問題解決に向けて日米両政府に望むことなどがありましたらお願いします。
A 知事
とにかくお会いできて、拉致被害者家族の気持ちと言いますか、声をトランプ大統領が聞いてくださったというのは非常にありがたいことだと思います。また、これが世界中に報道されるわけですから、拉致ということに関して世界に知ってもらう契機にもなったと思いますので、そういう意味でも大きな意義があったと思っています。ぜひこれを契機に解決に向けて様々な方策をとっていただきたいと思います。同時に、前回(の定例記者会見で)もお話をしたところですが、基本的には拉致被害者は、まさに北朝鮮に拉致されており、北朝鮮政府の監視下にいる状況ですので、その部分に関しては気を遣っていただければありがたいと思っています。
Q 共同通信
先ほど、日米両政府に解決に向けて様々な方策をとってほしいというお話があったかと思いますが、確かに日米で圧力を強化するという話もあったかと思います。知事が言う様々な方策というのは、圧力の強化というものを指しているのか、それともそれ以外の何かを指していらっしゃるのか。
A 知事
言いづらいところもあるのですが、圧力を強化しただけで拉致被害者が戻って来るかと言うと、きっとそうではないわけです。圧力というのは、そもそも粒度が粗いと言いますか、全体的な話だと思います。そこから拉致被害者の(帰国)という話になったときに、そこは水面下でやることだとは思うのですが、圧力のこの部分を和らげるから返してくれというような、細々した交渉をせざるを得ないのだと思います。そうでない限り、すごく圧力をかけていたら、北朝鮮政府が自発的に、ミサイルも放棄する、核も放棄する、拉致被害者も返すから圧力を止めてくださいと言ってくるとは思えません。それは、ここまでやってくれたらここまでというような、ある種のバーター的な条件は、公言することではないですが、水面下ではやるべきことだと思います。そうしないと実際の帰還にならないでしょうし、もしくは、それも言いづらいでしょうけれども、せめて安全を確保してくれるならこう、安全を確保してくれなかったらさらにやるというようなのりしろも必要でしょうし、そういったことを日米、さらに各国連携してやるべきことだと思います。
原発関連問題について
Q 新潟日報
昨日、三者会談(柏崎市長、刈羽村長との意見交換)の中で、県の広域避難計画について策定するというお話がありましたが、現在(原子力災害に備えた新潟県広域避難の)行動指針がある中で、知事がイメージされている避難計画というのは、どういったものを策定するイメージで昨日お話をされたのでしょうか。
A 知事
より具体的にということでしょうか。結局あれはそれぞれを何と呼ぶかみたいな話があって、櫻井市長の主張の中には、行動指針をそもそも避難計画と言うべきだという主張もあると思います。名前を変えること自体はあまり本質的でないので、どちらでもいいとは思うのですが、いずれにせよ行動指針を、より粒度と言いますか、より具体的にして、各市町村の避難計画を統合したようなものにしていくということをイメージしています。
Q 新潟日報
他県では、県の名前が付いた避難計画というのもあるわけですが、大体が参考資料として避難経路を示されているというような形になるのが一般的だと思うのですが、そういうイメージで作られるということになるのでしょうか。
A 知事
いいえ。もう少しきちんとしたものを作るということです。どういう手順で避難していくかということをきちんと示していくことになるということです。
Q 新潟日報
今、避難(方法)を含めて検証作業をされていますが、その中で矛盾点だったり、改善しなければいけないものが出てきたら、それを踏まえたものにしていくという、そういうイメージで新しく作っていくという形ですか。
A 知事
そういうイメージです。
Q 新潟日報
避難計画の策定はいつぐらいにまでにというめどのようなものはお持ちですか。
A 知事
2~3年の中でということだと思います。
Q 新潟日報
そうしますと、検証作業を進めながら、訓練も実際にやってということを続ける中で作っていって、またアップデートしていくようなイメージでしょうか。
A 知事
はい。
国の予算配分について
Q 新潟日報
自民党の石・徹衆議院議員がブログで、「野党系が多数を占める新潟県は国の予算が下りてこない異常事態にある」と書いたのですが、これについて知事もインターネット上で反論されているのですが、この場で改めて反論があればお聞かせください。
A 知事
ブログで書いたとおりではあるのですが、事実として新潟県の公共予算の国庫支出金の額は、平成28年度が(全国)4位で、平成21年度で7位ですから、大体そのくらいなのです。それは県土が広いというのが非常に大きいのですが、いずれにせよ4位の額が来ている県を、新潟県だけ予算が下りてこないというのは明らかな事実誤認だと思います。また、人数割にしても新潟県(の人口)は大体230万人で、日本の人口の約2%に当たるわけですが、国全体の公共事業の国庫支出金のうちの3.2%から3.3%を占めていますので、人口比より多い。これも県土が広いというのが非常に大きく、特段優遇していただいているわけではなくて、広い県ほど多くなるということではあるのですが、いずれにせよそれも人口比よりは多いわけですから、明らかな事実誤認ということだと思います。また、そもそもという話で、人間ですからそういうことが現実として起こることは、必ずしも否定しようがないと言いますか、同じような案件があったときに、どうしたって親しい先生が言っていることの方についつい決まってしまうということが事実上あり得るということに関しては、必ずしも否定しないのですが、それはあくまで似たような案件において事実上あるということの範囲であるべきであって、同じような案件に関して、「野党議員が多いところの県はやりません、与党議員が多いところはやります」というのは、それこそ忖度政治と言いますか、極めて不公正な意思によって行政が歪められているということそのものなので、そういう状況が今ありますと言うことを自民党の議員が公言するということは、非常に問題があるのだと思います。自民党はそういうふうに政治をしていますと公言していらっしゃるということになるわけです。それは猛省を求めるということだと思います。また、政府としてもそうではないと言うべきところだろうと思います。あらゆる事業は、住民の方、もしくは事業そのものの必要性によって判断されるべきことであって、事実上人間だからそういうことが起こることはやむを得ないのですが、制度としてそんなふうにやっていいわけはないですから、よくよくお考えを改めた方がいいのではないかと思います。私はそういう意味でも指摘したのですが、相変わらずブログに載せている状態ですから、石・先生はそのようなご主張ということだと思いますが、それはすなわち不公正な行政をすると宣言されていると取られざるを得ないと思います。
Q 新潟日報
インターネットの書き込みとか見ると、石崎議員の文章は、新潟県民に対する脅しではないかというような書き込みがあるのですが、知事はその点についてはいかがですか。
A 知事
脅しと言いますか、公共事業ができないから与党議員を当選させろということにも取れますよね。それは直接そうは書いていないので、それは何とも言えないのですが、ただそういうふうにも取れるわけです。予算が欲しかったら与党議員を当選させなさいと言っているようにも見える。しかし、それは公然たるある種の利益誘導であり、場合によっては収賄みたいな話にもなりかねないという話だと思います。それは事実上あってもいいですが、公言するようなことではないので、そこに関してもよくよく反省されるべきところではないかと思います。
Q 新潟日報
泉田前知事の以前のブログも含めて、最近自民党の議員が県政に対して批判と言うか、私ならこうするというようなこともインターネット上で発信するケースが相次いだと思うのですが、その点についてはいかがですか。
A 知事
県政についてどうするかということであれば、県議会議員になられたらいいのではないでしょうかということだと思います。それを県に対してパブリックに仰りたいのであれば。それが制度ですから。国会議員でいらっしゃるわけですので、もちろん県に対してのご注文も県民の一人としてお受けしますし、また我々からお願いすることもあるでしょうし、協力してやっていくことはあるのだと思うのですが、自分が国会議員であるということを背景にして、県政について非常に強い注文を出すというのは、基本的には制度趣旨としては正しくないですよね。それは事実上いろいろなことがあるので、事実上あるとしても、それを公言されるということに関しては、私は少し違和感を感じます。
Q BSN
石崎議員のブログには国の予算が下りてこないのは異常事態という、結構エッジの立った言葉で表現されていますが、率直にこの文章を読んだときの感想を教えていただけますか。
A 知事
これもある種のフェイクですよね。まず異常事態は起こっていないわけですから。新潟県に予算が下りてないということは全くないので、フェイクなわけです。意図的にフェイクを流したのか、知らないで誤解して書いただけなのか、それは分からないのですが、いずれにせよ非常に感心しないと言いますか、意図的にフェイクなら非常に感心しないですし、単に誤解しているだけだとしても、国会議員が、しかも元財務省の方が予算について書くわけですから、基本的な数字ぐらいは確認していただかないと、その人の発言そのものが疑われてしまう。それも小さなミスではないですから。異常事態みたいな話をしているわけなので。中身に関しては先ほどの質問に対してお答えしたとおりですが、外形的なところとして、とりあえず確認した事実を書くという外形的なところにおいても極めて感心しないなと思います。
Q BSN
石崎議員にブログで書いたことの真意を聞いてみたところ、発端は知事が国会議員がまず予算を持ってきてくださいという趣旨の発言をされていることを受けて、そうではなくて一緒にタッグを組んで国からの予算を取っていきましょうという趣旨で書いたと本人が言っているのですけれども。
A 知事
ご本人がどういう意図か分からないですが、少なくともそういう趣旨には読めないですよね。それは通常の日本語として「異常事態」と書いているわけですから、それは明らかにそういう趣旨ではないですよね。それは通常の日本語として分かるように書いていただかないと、意図というのは心の中にあるだけなので、それは関係ないのかなと思います。また、その趣旨に関しても、新幹線の空港乗り入れに関して、石崎議員は期成同盟を作られています。私が申し上げたのは、それはまず県政の話ですからね。石崎議員は、米山知事に決断をさせようと公言されているわけです。国会議員がそもそもそういうことを公言されることがどうなのかと。県会議員ではないですからね。それが第一。とは言え、第二として、その主張は主張でいいとして、少なくとも国の予算が下りてこない、何か補助がない限りは、少なくともそれを決断するということは、県の予算を使うということなので、県の予算の他の部分が削られるのですというのは、私としては当然の指摘だと思います。さらに、石崎議員のその他の発言を伺うと、あれもするこれもする、しかも県がすべきようなことを言っているわけです。ご自分の公約の中で。保育等々に関して、あれもするこれもする、新幹線の乗り入れもすると。それは不可能ですということを言っているのです。新幹線乗り入れをしたなら他の部分は当然削られるはずで、そうでないと言うのであれば、ちゃんとご自分でこういう制度があると、こういう補助制度を国で作りましたと。だから新幹線を乗り入れても、400億円を使っても他は削られないのですよと言ってくださればいいのですが、そうでないのなら、それは無理ですという普通の指摘をしただけです。また、国としてやるにしても、例えば新幹線というのは、全国新幹線鉄道整備法という法律があって、それで新幹線(の整備)が決まるわけです。法制度というものが全くない状態で、ただ新幹線を引いてくれと言って新幹線ができるわけではないのです。そんなことは国会議員ですから、ご承知であるべきなのです。仮にやるとしても、県が個別の案件として新幹線の乗り入れを決断したから、では国会で400億円の予算が付くかと言うと、それはまず非常に高い確率で起こらないです。それをもう少し包含するような国家制度としてそういうものに支援するという制度があって、それに当県のこれは当てはまりますと。だからお願いしますと。そこで県と国会議員がタッグを組んでやっていくことはできるのですが、個別案件に関して、これに国の予算をくださいなどというのは、そもそもできない。制度上、言っていることがいろいろおかしいのです。それを指摘させていただいただけで、それに対して異常というようなことを言うのは、それは間違っていると思います。
Q BSN
インターネット上で知事と石崎議員がけんかしているように見受けられるのですが、その辺りの受け止めと、石崎議員は機会があったら米山知事ご本人と補助金のことですとかお話をしたいと言っているのですが、そういう機会があったらどうされますか。
A 知事
私はそもそもけんかしていないと言いますか、誤りに対して誤りを指摘しているだけです。また、よく私が噛みついているとかという言い方をされるのですが、もとより石崎議員は公言しているわけです。公言している言論というのは、反論されて当たり前なのです。それは別にけんかでも何でもなくて、公言するということは他人からの反論を受けるということなのです。私はそれに対して極めて事実に基づいて反論しているつもりです。それに対しては石崎議員は直接(会って)話さなくて結構なので、直接反論していただければいいと思います。私の反論に対してどう思われるのか。異常事態という言葉を公言されて、相変わらず残っているわけですから、それを訂正する気があるのかないのか。きちんとした文書をパブリックに出すべきだと思います。私と個別に話すことに意味があるとは思いません。個別に話して、「いやー」などと言われても、それはパブリックに出した文書に対して意味はないと思います。彼は言いたいことがあるのであれば、私に話す前にそれをきちんとした文書にして公にすべきだと思います。
Q 朝日新聞
一昨日、石崎議員を中心とする(上越新幹線の新潟空港)乗り入れを実現するための拡大準備会(上越新幹線新潟空港乗り入れを含む新潟新ビジョン実現の為の市民集会2017拡大準備会)の会合がありまして、石崎議員は挨拶で、知事は新幹線の(空港)乗り入れはまず国がお金を持ってくるべきだというような話をしていて、それに対して道順が違うという話をしていたわけですが、事実関係はどういうことなのか、お考えをもう一度お聞かせください。
A 知事
石崎議員は(新幹線の空港乗り入れを)やれやれと言っているわけです。石崎議員のその他の主張を確認すると、県はその他にもいっぱいやれと仰っているわけです。保育もやれ、あれもやれと仰っているわけです。それらを統合すると、基本的には(上越新幹線の空港乗り入れに)400億円使ったら、他の部分は削られるはずだということを私は言っているわけです。予算は突然400億円分も増えませんから。つまり、私の主張としては、百歩譲ってそれをやるという決断をするのであれば、県の予算は他のところで400億円分削られますよというのがまず私が言っていることです。仮にそれをやっても、他の予算は削られない、他もできますということであるならば、それは国の補助金がなければできない。理屈上、絶対にそうはならないわけです。だから、もし石崎議員が他のところは削らずに、新幹線を(空港に)乗り入れろと主張しているのあれば、それは国の予算というものがなければいけません。また、国の予算というものに関して、石崎議員の主張は、例えば県と国会議員が一緒になって財務省に(予算要望に)行けば、400億円の予算が国から取れるような主張ですよね。だから、それはまず(知事が)決断をすれば取れるのだという主張に聞こえますが、それは素朴な感覚としてはそういう考えもあるかもしれませんが、補助金というのはそうではなくて、きちんとした法制度があって初めてできるのです。例えば、整備新幹線を整備するときは、全国新幹線鉄道整備法という法律があって、その中でここの路線を作る作らないという話が出るわけなので、もし仮に国から400億円を取るのであれば、もう少し一般的な話として、新幹線乗り入れ援助法のようなものがないと、そもそもほぼ不可能なのです。個別案件に対して、いきなり400億円を補助するというのは、制度としてあり得ないわけです。そうであれば、国営でやるのかみたいな話になりますよね。一体そのお金をどのように(確保して)、どのような制度で(整備するのか)、新幹線は一体誰のものになるのか、そういうものが整理されない限り、そもそも補助金は取れないのです。もし400億円が国の補助金だと言うなら、何の制度を使って、どうやってやるのか。それがないならば、立法して(法律を)作ってもらわないといけないですよと、私は極めて真っ当なことを言っていると思います。石崎議員の主張は、そういうことをすっ飛ばして、県が決断をすれば(予算を)取れるみたいな話をしていますが、(石崎議員は)財務省の元官僚なのですから、具体的にどの補助金のどの制度を使って、どうやればどう取れるのか、きちんと示してくださいということなのです。示してから仰るなら分かりますけれどもという主張を私はしているだけです。
第4次安倍内閣の発足について
Q 時事通信
11月1日に第4次安倍内閣ができまして、全閣僚、副大臣などが再任されました。内閣に期待されることですとか、解決してほしい課題などがあればお願いします。
A 知事
「仕事人内閣」ですから実務的にいろいろしていただきたいというのは非常にあります。期待するところとしては、「人づくり革命」というのを打ち出されているわけですが、このネーミングがいいかどうかは個人的にはいろいろあるのですが、教育と言いますか、人材の育成が非常に重要というのは本当にそのとおりだと思います。それが実効的であるように、ぜひ進めていただきたいと思います。解決してほしい課題ということになると、それはたくさんあって、特に地方の課題は積み残されているのではないかというところがあり、よく喫緊の(課題)と言い続けている医師確保は、地方から見れば医師確保なのですが、国の制度として見た場合には、医師の偏在是正ですよね。やはり医師の適正配分はぜひやっていただきたいし、それをしないと専門医制度もあり、かつ地方における人口減少もあり、いろいろ維持が非常に難しくなると思うので、そこはきちんとやっていただきたいと思います。あとは、これはもうやらないという意思表示がなされているのかもしれないのですが、平成30年度以降の事実上の生産調整の終了について、継続しているという言い方もあるのでしょうけれども、それは方針としていいのですが、いろいろなことが起こってくると思います。起こってきたときにきちんと柔軟に対応するということはしていただかないと、いろいろ混乱が生じると思うので、実状を見て対応していただきたいと思います。また、地方創生等に関しては、引き続きご努力、ご尽力をいただきたいと思います。
ふるさと納税について
Q 時事通信
ふるさと納税の関係で、総務省が来年度から起業支援ですとか、定住促進に、寄付金の使途を使う自治体に対して、税制等を優遇するということで、返礼品の競争から使途への競争に変わってきたのかなというところもあるのですが、その件に関して県として何か対応することはありますか。
A 知事
もちろんそのように対応させていただくのですが、今、地方創生とかUターン促進のようなものに予算を使っていない県というのは、あまりないと思います。結局、大概の県がそういうところにすでに一般予算をいろいろ使っているので、そういうことならもちろんそちらに全部使っていますという建て付けにしますということで、みんながそういう建て付けにするだけであって、実態としては何も変わらないのではないかということはあります。もし、全然その手のことをしていない県があるとすれば、確かにそちらに(寄付金を)使って今までの使途を変えることになると思いますが、結局使途をどう書くかみたいな話で終わってしまうような話に見えます。意図はよく分かるのですけれども。そういう意味では、特に新潟県に関して見れば、あまり大きな影響は(なく)、それをこちらに使っていますというだけみたいなことになるのだろうと思います。
Q 時事通信
来年度に向けての返礼品も含めたふるさと納税の在り方ですとか、見直しなり、考えている点があればお願いします。
A 知事
私は、返礼品はもとより、あまり高いものを出すというのは趣旨として違うと。結局あれは税金なわけで、(主に負担するのは)国か県かですから、高いものを出して一つの県が得すればいいというのは違うと思います。(返礼品の上限は寄付額の)概ね3割程度という趣旨には賛成です。その中でいかに効果的に新潟県というものを知ってもらうかということで、返礼品を選ぶべきだと思うので、そういう意味では今までどおりではあるのですが、より総務省の仰る趣旨と同じ方向でやっていくことになるかと思います。
医師の偏在是正について
Q 新潟日報
知事は医師でもあるわけですが、先ほど仰った医師の偏在の解消ですとか、適正配置などに対して国はどういった方策をとるべきとお考えですか。
A 知事
現時点では県の権限を強くして、県限定の定員を増やせるみたいなものがあるのですが、あまり本質的ではないと言いますか、結局そうやって確保したからといって、その人がずっと(同じ県に)いるわけではないというところがあるわけです。やはり究極的には、人口割で医師の配置をしていくということなのだろうと思います。私は何度か言っているのですが、決して難しくないのです。医者は保険医登録というものをしているのですが、保険医登録をした人だけが保険診療をして、保険からお金をもらえるわけです。それを人数割にしてしまえばいいと。(例えば、)新潟県での保険医は、新潟県の人口(が全国の人口に占める割合)、要するに2%に相当する人数だけ保険医登録ができると。その他の人は保険医登録ができないから、自由診療は勝手だけれども、保険医として登録できないから空いているところに行ってくださいというふうにするわけです。そうすれば、東京で(登録の枠が)いっぱいになれば、順次(保険医登録したい)人は(地方に)流れてくるわけです。そうすれば(各都道府県における保険医の数は)基本的には人口割になるわけですから、それはあるべき姿だと思います。
Q 新潟日報
それは医者側は反対しないのですか。
A 知事
もちろん反対はすると思うのですが、理屈としては成立していると言いますか、別に医者の開業の自由を制限しているわけではなく、(開業する場所は)別にどこだっていいと。ただし、保険医としてやるならそうですよという話です。我々は被保険者ですが、被保険者は同じお金を払っているなら同じサービスを受けられるべきだということです。そうすると保険者(保険組合の方)は被保険者に同じようなサービスを提供するような体制で支払うというのは、やっていいわけですから、保険医登録を人口割にするということは、ほぼ法体系上の矛盾はないのだと思います。かつ、法律上の医師の権利を縛るわけでもないということだと思います。
Q 産経新聞
先ほど、基本的には人口割で医師の配置をしていくという究極的なやり方があると。これを例えば国に提言と言うか、こういうふうにしていくとどうだろうかというような提言をしていく考えはありますか。
A 知事
保険医登録の数を人口割にするということは、まず今年の春に県の国会議員団への要望ということで、国会議員にお伝えしております。また、自民党本部にもそのように要請しております。あとは、今般の北海道東北地方知事会においても、この旨提案させていただきまして、それはまとまった内容になっていますので、そういう意味ではいろいろなところで国に訴え、また他県の知事と連携して国に訴えているという状況です。
県内経済について
Q 新潟日報
昨日、中小企業の団体の方が、知事のところに施策の要望に来られたと思うのですが、その中で、悪い数字、指標というのは少しずつ減っているという仰り方の一方で、人手不足や事業継承などですとか、いろいろな課題も仰っていたのですが、今ちょうど株も二十数年ぶりに高くなっているのですが、知事は県内の景況感というのはどんなふうに見ていますか。
A 知事
緩やかに回復ということは間違いないと思います。また、株が高くなっているのも間違いないと。その原因は何かと言うと、おそらく非常に大規模な、異次元の金融緩和をしているので、現金が供給されれば、貸し出しに回りますから、そうすると、企業は貸してもらえると倒産しないですし、ある種の循環は生じるので、景気が一定程度よくなるというのはそのとおりだと思います。ただ、その割には皆さんが実感するところとして、ブームみたいな感じでは実感されないので、正直、金融緩和の分だけ少しよくなっているだけで、ものすごくいろいろなことがよく回っているわけではないと思います。かつ、人手不足というのは非常に深刻だと思います。
Q 新潟日報
そうした中で、団体の方々は予算を含めて県の施策にいろいろ期待するところがあると思いますが、来年度予算に向けての具体的な折り込み方と言うか、方向感みたいなものはどのようにお考えですか。
A 知事
予算のことなので断言はできませんが、承継や企業人材の育成のようなところにはいろいろな施策を講じていくことになると思います。短期の今すぐ倒産するというようなところは非常に減っているのは間違いないですから、長期的な視点に立って、人材育成であったり、起業等を促進してくことになるのだと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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