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平成30年4月5日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式YouTubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
- 日時 平成30年4月5日(木曜日)
- 場所 記者会見室
- 知事発表項目(13時30分~13時35分)
- 「公的サポート」モデル事業地区の募集について
- 男性の育児休業取得促進助成金の交付条件緩和について
- 「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」総会の開催について
- 質疑項目(13時35分~14時23分)
- 中国訪問について
- 新年度の抱負について
- 平成30年度定期人事異動について
- 佐渡金銀山世界遺産登録に向けた取組について
- 原発関連問題について
- 旧優生保護法について
- アルペンスキーワールドカップ2020大会誘致について
- 県内の観光について
- 全国知事会について
- プロ野球チームの誘致について
- 新潟水俣病について
- 県内の大学について
- 新採用職員について
知事発表
「公的サポート」モデル事業地区の募集について
農業の「公的サポート」モデル事業の実施地区の募集を開始します。事業名は「公的サポート」モデル事業。募集期間は平成30年4月5日から5月1日で、募集の概要は、中山間地域等直接支払制度の対象地域において、急傾斜農用地が過半を占める集落協定及び個別協定を有する集落等を対象としまして、1ヘクタールあたり15万円を上限とする助成をすると。平成30年度から平成32年度の3年間助成をするというものです。これによって見込みを持って中山間地でもしっかりと農業ができるということを我々は検証しようと思っているわけですが、もちろん検証ですから結果ありきではなくて、もちろん意に反して、そう(期待した結果に)ならなければ、(期待した結果に)ならないということではあるのですが、ぜひ意欲のある団体、対象になる団体の方はぜひ手を挙げていただければと思っております。
報道資料((「公的サポート」モデル事業地区の募集について)[PDFファイル/121KB]
男性の育児休業取得促進助成金の交付条件緩和について
イクメン応援宣言企業の育児休業、男性の育児休業取得促進助成金の交付条件を緩和いたしました。これは去年からやっているものなのですが、イクメン応援宣言企業に対して、男性社員が育児休業を所得した場合に助成すると。男性社員にも企業にもそれぞれ5万円をお支払いするというものを去年からやっているのですが、去年はお子さんの出生後8週間以内、2か月以内という非常に狭い範囲だったものですから、非常に使い勝手が悪かったということで、対象期間をお子さんが1歳2か月に達するまでに延長しました。条件としましては、お子さんが1歳2か月に達するまでの間に開始する育児休業であること。開始だからギリギリでも開始すれば大丈夫です。連続14日間ということで、これは勤務を要しない日も含んでいいので、要は2週間で5日と5日休めば間の土日が入って14日以上になるということです。育児休業から職場復帰後1か月以上雇用は継続している。(退職前に取得する)最後の有給休暇でこれをやらないでくださいねということです。これでやっておりますので、ぜひご活用いただければと思っております。これを機に2週間ぐらい子どもと一緒に過ごしてみるというのは悪くないのだと思います。このようなパンフレットを各企業さんに配らせていただいております。これによって休業期間中の収入が、従業員の方にとっても、また企業にとっても一定程度保障されることになります。
報道資料(男性の育児休業取得促進助成金の交付条件緩和について)[PDFファイル/428KB]
「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」総会の開催について
「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」を4月22日、朱鷺メッセマリンホールで午後2時から午後4時まで開催します。記念講演の講師としては藻谷浩介さんをお招きしています。こういったところでぜひ県民の意識を高めて、いろいろ言われてはおりますけれども、ぜひ佐渡金銀山、世界遺産登録の国内推薦ということに今年なるように頑張っていきたいと思います。
報道資料(「佐渡金銀山世界遺産登録推進県民会議」総会の開催について)[PDFファイル/1.0MB]
質疑
中国訪問について
Q 代表幹事
知事は3月末に中国を訪問されました。食品輸入規制の緩和に向けた働き掛けなどが主な目的でしたけれども、訪問の所感や要請の成果についてお聞かせください。
A 知事
一番メインとなるのは質検総局(国家質量監督検験検疫総局)、名前は正確ではないかもしれないのですが、質検総局という食品の品質管理をしている部局が一番のメインの交渉相手ではあったのですが、本当に安全というものを非常に注意して見ていらっしゃるのだなと感じました。また特に放射能と言いますか、食品の持つ放射能について非常に注意しておられて、かつ中国の一般市民の方の関心が非常に高いのだということを率直な言葉で仰っていました。もちろん極めて技術的な方々なので、技術的レベルとして(放射能が)それほどでないということはもちろん分かっているというニュアンス、そうは言いませんけれども、ニュアンスとしてはそれは分かるのだけれども、やはり国民にきちんと説明できないと大変なことになってしまうというニュアンスではありました。そこでぜひいろいろな科学的なデータをくださいということでした。すぐ戻ってから科学的データをくださいというような要請も領事館を通じてありましたので、決して感触として悪くはないのだと思います。ただ、いろいろ事は非常に慎重に進めなければいけないと中国当局としては認識しているというのが感覚です。やはりそこは丁寧に説明させていただいて、それをクリアしていきたいと思います。
Q 代表幹事
関連して、今後、具体的な取組、やり方等々何かお考えがございましたら。
A 知事
まずは向こうから(資料の)一時要求みたいなものがあるわけですから、それに対してきちんとした資料を出した上で、また追加の資料等々を求められたら次々と出していくということになると思います。伺っている限りでは、それを使ってまた(自由民主党の)二階幹事長が行かれたりする時に、いろいろな検討をすると伺っております。
Q 新潟日報
中国に、質検総局に行った時に知事の側からどのようなことをご説明されたか教えていただけますか。
A 知事
こちらからは今まで新潟県の調査でこのように、米や玄米からは(放射性物質が)全く出ていませんというようなことを、基本的には出ていないという調査結果をお示ししました。質検総局からは、とは言えやはりそれだけではだめなのです的なところがあって、やはりなるほどと、時代の流れだなと思いました。やはり安全・安心といったお話が非常にあって、当然我々がそう言うのだから中国の人達がそう言うのも当然ではあるのですが、やはりそういうことに関してもきちんと説明できる資料をくださいということではありました。
Q 新潟日報
それが出ていないという、それだけではだめというとどんな資料が。
A 知事
事故の時にどのように放射性物質が飛散して、今どんな状況なのか。それが欲しいというのはそういうのに非常に興味があるということでしょうね。今出ていないというのもそうなのですが、可能性も含めてというニュアンスでした。無茶を言っているというよりは、やはりそういうことに対して非常に中国の消費者もセンシティブになっているのだというニュアンスでした。
Q 新潟日報
今仰ったような、どう事故の時に飛散したのかという資料はもう出して。
A 知事
今、作っています。中国語に訳すのに時間が掛かるので。作っているところです。
Q 新潟日報
それはでき次第出すということで、追加の資料ということだと思うのですけれども。今後、二階幹事長が訪中した時にまた検討するようなことを先ほど。
A 知事
そのように伺っております。
Q 新潟日報
知事としては国への働き掛けとか自民党への働き掛けのようなものは今後。
A 知事
はい。継続していきたいと思います。結構息の長い話になるという感じはあります。進まない感じでは全くないのですが、向こうは向こうでやりたいという気持ちはありそうな感じではあるのですが、いろんなところでいろんな資料を揃えていかなければいけないという感じではありました。
新年度の抱負について
Q 新潟日報
知事自身真価を問われているという2年目に入りまして、新たな新年度を迎えたわけなのですが、今年度初回、冒頭に当たって初心と言いますか、どのような年度にしたいということがございましたらお願いします。
A 知事
真価が問われるのですが、同時に、県議会もそうでしょうけれども、知事というのは(任期が)4年間あるというのは非常にいいことで、そこは真価は問われつつ、しかし落ち着いてやっていくということだと思うのです。4年間の中でしっかりとやっていくということだと思います。前回の予算ももちろんしっかり考えたことですけれども、前回はすでにできあがっている部分もあったというのと対比すれば、今回は比較的一から作っているわけですので、一から作ったものをいかによく執行するかということに努めていくということだと思います。予算は本当に執行の仕方によって全然変わってしまうので、それを予算組みをして終わりとしない、きちんと執行してまた次の予算に生かしていくということが今年度の課題だと思います。それをもう一回、もう一回と繰り返していくことでよくなっていくのだと考えています。
平成30年度定期人事異動について
Q 新潟日報
人事についてなのですが、人事について昨年この場でお聞きした時には、事務方のレビューに従って今回は(判断した)ということだったのですけれども、今年度ご自身で一から考えられたと思うのですけれども、去年に比べてどうだったのかということと、知事が人事に当たって、どこを重視しているのかというのを教えていただけますか。
A 知事
言ったわりには普通でしたねというのが大体の評価だと思うのですが、でも今年度は実際に分かると言いますか、それぞれの人が分かりますから、もちろん顔と名前が一致していない人は多々いるのですが、でもそういう方でも一応資料が残っているわけです。なるほどこの方が書いたこの資料はこれかというので。そうするとあの時のレク(説明)はこうだったなというのはわりとたどれるのです。私は人の顔と名前を覚えるのは、全然得意ではないのですが、比較的どういう説明をしたかは覚えてはいます。そういうことを一番重視すると言いますか、それはお仕事ですから、お仕事としての能力を一番重視するということだと思います。残念ながら、私は本当はもっと現場の仕事の方が主要な部分であることは多々あるのだと思うのです。私が知っているのは私にレク(説明)に来ているときだけしか知らなくて、そこで物事が決まってはいけないとは非常に思うのですが、その現場でやっている部分について私は正直それは分からないので、そこはピアレビューと言うのですか、同僚の評価というのが非常に重要になるのだろうと思います。やはり自分だけで決めてしまうと非常によくないと言いますか、自分だけで決めると結局自分が知っている場面だけになるのですが、それはその人の能力の一部分しかやってないわけなので、自分が知っている部分はきちんと考えつつ、しかし、ピアレビューとうまくミックスしていくというのが人事なのではないかと思っています。基本的に適材適所にできたのではないかと思いますが、それが本当に適材適所だったかどうかもまた今年度見ながら評価していくというのがあるべき姿だと思っています。
佐渡金銀山世界遺産登録に向けた取組について
Q NHK
佐渡金銀山の世界遺産の登録に向けて、3月の末に県と佐渡市で文化庁を訪れて推薦書原案を提出されたかと思うのですけれども、構成資産を半減、半数以下ですか、絞ったりとかいろいろ県と佐渡市の狙いがはっきりしてきたのかなと思いますけれども、その狙いを改めて教えてください。
A 知事
あれは、(国の)ご指導もいただいてということではあるのですが、唯一性というものを分かりやすくするというのが基本的な狙いです。その狙いの目的は、もちろんただひたすら選んでもらうことです。国に選んでもらわないとその次のユネスコ(国際連合教育科学文化機関)には絶対行けないわけであり、そこが理由です。私自身はどっちもあるのだと思います。(構成資産を)幅広く取った上で唯一性を主張するというのもあり、(構成資産を)少なくした上で唯一性をより強調するというのもあると思います。ただそこは、(国の)ご指導次第というところはあり、その中で厳選したことで、確かに焦点は非常に絞られますから、金銀山としての唯一性みたいなものは非常に分かりやすくなったと思います。町とかを入れると確かにいろいろあってよくなるのですが、町はどこでもあるので、唯一かと言うと唯一でないみたいなところは出てくる。主張がはっきりしたというのは非常にあると思います。
Q NHK
そうすると4度目(の推薦書案の提出)ということになるかと思いますけれども、ある程度これで絞れたなと言うか。
A 知事
そうだと思います。百舌鳥・古市古墳群も4度目です。だから今度こそということだろうと思います。
Q 新潟日報
推薦書原案を提出して、7月まで続いていくと思うんですけれども、今回3つに絞ったことで地元だと切り捨てられたというふうに考えてしまう人も中にはいて、7月までどう一体感を醸成していってどう盛り上げていくかということが重要になってくるかと思うんですけれども、知事としてはどのように考えていらっしゃいますか。
A 知事
我々が、そこは切り捨てではないですと言うことだと思います。加えて、佐渡は島であり、そういう意味では切り捨て感はなくて大丈夫だと思います。佐渡に来た以上は島にあるもの全部回るはずです。要するに、他のところであれば確かにわざわざ原案の中に入っていないものに関してはそこは行かずに他のところに行って少しおいしいもの食べましょうかという人は出てくる可能性はあると思いますが、佐渡でしたら、それはもう来た以上は佐渡にある関連のものは一通り回るでしょうという、わりに説得力のある説明であり、大丈夫です。原案に載っていないものも、パンフレットでは、関連施設として全部記載します。そのようなコースを作れば、大概の観光客の人は一通り回るという話でいけると思いますし、実際そのように作っていきたいと思います。実際、やはり、佐渡に来た以上は味わっていただくということですから、放っておいてもそのような観光になっていくと思います。私はそこは大丈夫だと思います。かつ、そうご理解いただけるようにしっかりと皆さんにお伝えしたいと思います。
原発関連問題について
Q NHK
原発の再稼働の関係ですけれども、県外のお話ではありますが、茨城県の東海第二原発に関してですけれども、原発立地自治体だけではなくて周辺自治体についても、再稼働についての事前了解を。
A 知事
30キロ圏ですよね。
Q NHK
ということですけれども、その受け止めをお願いします。
A 知事
それはもちろんあり得ることだと思うのです。そういう発想の元に県が基本的には同意に関わっているということでしょうから、それはそこの事業者とそのような同意ができるならそれはあり得ると思います。
Q NHK
県外の話でもありますけれども、今後、新潟県にどう波及させていきましょうかとか、どんなことが考えれますか。
A 知事
もちろん同じようにという声は、それぞれ関わってくる自治体がありますから、長岡市さんは代表ですが、当然そういう声は出てくると思います。ただ現時点ではということですが、その要望が全然悪いというわけではなく、それはそれで一つの考え方だと思うのですが、現時点では私自身は何度かお話しているとおり、そこは言い出すと、どこまでも広がって、最終的に新潟県内全自治体という話にロジックとしてはなるわけです。それはなかなか議論が非常にしづらくなってしまうので、基本的には現在ぐらいでいいのではないかと私自身は思っています。ただ、そうでない議論も全く排除するものではないと思っています。
Q NHK
ご自身が旗振り役になってということで。
A 知事
結局どこまで(同意が必要なのか)という話になってしまうので、30キロなのか40キロなのか50キロなのかという話になってしまうので、区分けとしては立地している立地自治体と、残りは全部県がとりあえずはまとめるというところでいいのではないかと私自身は今のところ思っています。
Q 時事通信
昨日、柏崎市の櫻井市長が柏崎刈羽原発の安全協定に関して、周辺の自治体と同じ内容で安全協定を結ぶというのは違うと、ちょっと濃淡があるのが大事とお話されていましたが、知事として安全協定という形では、あくまで立地自治体と県と事業者が結ぶべきとお考えですか。
A 知事
先ほどの話とかぶりますが、結局合意形成をどうするかという問題だと思います。うまく合意形成ができるのであれば、理屈としては全自治体が結んでもそれはいいと思います。それは間違いなく合意形成ができないと思います。民主主義における合意形成というのは、それぞれの意見を出し合った後に、最後は何かのプロセスで結論を出すということなので、そうすると今のぐらいの数にしておかないと、非常に分かりやすい立地自治体と残り全部というぐらいにしておかないと、原案も作れないし合意形成のプロセスすら見通せないということになると思います。まさに茨城の東海第二原発の懸念材料として出されているのは、それぞれの自治体の意見が食い違った場合にどうするのかという話だと思います。住民投票をしたいという意味ではありませんが、県で言えば、理屈としては例えば住民投票をすればいいという理屈があると思います。ところが県内の全自治体といった場合に、一体住民投票はどのような単位でやるのか。市町村ごとにやって、さらに市町村ごとの多数決になるのかといった、そういった議論が巻き起こってしまうので、それは収束しないということになると思います。民主主義におけるプロセスというのは、理想論として全員の同意があるべきだというのは分かりますが、同時にプロセス論として結論を導き出せるプロセスも考えておくべきだと思います。そうすると、今の図式ぐらいにしておかないと、どのように収拾してよいか分からなくなってしまう。現実な方法がなくなってしまうと思います。
Q 時事通信
核燃料税の関係で、柏崎市が(使用済核燃料の)累進課税を検討するための協議を始めたということで、核燃料税の配分に関しては、市長からも見直してくださいという申し入れがあったと思いますが、今回は税収が増えることが予想されますけれども、それに関して改めてお願いします。
A 知事
見直しに関しては、それぞれの経緯ややりとりがあり、どこに決めても理屈が立つ話だと思いますが、なぜかと言うと必ずどこでなければならないという話ではなくて、従前の経緯からは私は県の主張通りでいいのかなと思いますが、そこは根気強く話しあっていきたいと思います。累進化の話に関しては、非常に仰るとおりのところはあると思います。ただ、新しい論点ですし、新しい議論の提起なので、今後の議論の進み方を注視することになると思います。国が議論をどう受け止めるかちょっと不透明ということだと思います。
Q 時事通信
核燃料サイクルを促進して欲しいというお考えもあるようですけれど、そこはやはり難しいですか。
A 知事
現時点では、技術的に全く目算が立っていないということですから、もちろん目算が立てば、それはそのとおりなのでしょうが、逆に目算が立っているのに核燃料サイクルを動かしていなかったら、何でなのかという話になるかと思いますが、現時点では動かすとは言いながら、どのようにしてと言うと、ほぼ断念状態なわけですので、なかなか難しいのでしょうね。
Q 新潟日報
(原発立地)周辺市町村から、うちも事前同意に加わりたいという声があった場合は、反対はしないということですか。
A 知事
議論としては分かりますということだと思います。私自身は先ほどの理由で、それをしていくと合意を得るプロセスがどんどん複雑になっていって、非現実的な案なのではないかと思いますというのが正直なところです。距離によってグラデーション(関心の濃淡)が変わりますから、先ほど言ったように、市町村における多数決の住民投票による、さらに(市町村単位の)多数決みたいな話になって、市町村ごとの人口数が違うのに、それが比較できるのかみたいな話になって、相当混乱してしまうと思います。私自信は賛成ではないけれども、議論としては分かるということです。
Q 新潟日報
協力して一緒に東京電力に行って欲しいという場合は、もしかしたら協力できないかもしれない。
A 知事
それはそうかもしれないです。そこは、あまり現実的な案には私は見えないと言いますか。気持ちはよく分かるのですが、特に自治体ごとに(意見が)分かれてしまうので、より一層意見の集約の仕方が分からなくなるわけです。直接民主主義なら直接民主主義で、全員一人一票だから分かるし、代表民主主義なら代表民主主義でそれで分かるのですが、それぞれ独立した各自治体ごとの同意になった場合に、意見がほぼ割れると思われる中で、どのような結論になるのか、まるで分からなくなると思います。
Q 新潟日報
そこは逆に言うと、知事が知事の責任で周辺自治体。
A 知事
やるしかないのではないのかなと。それがいいと言うわけでも、私が正しくできるというわけでもないですが、やはり民主主義はプロセスの制度でもあるので、どのようにして結論を出すか見据えないやり方というのは、あまり正しいことだと思わないということです。
旧優生保護法について
Q 新潟日報
旧優生保護法下で強制的な不妊手術をされていた問題なのですけれども、中央の方での救済に向けた動きがだいぶ出てきて、与党のプロジェクトチームの方から厚労省の方に調査という要請があって、さらに都道府県の方に資料の調査とか保全というような要請と言うか指示をしていると思うのですけが、それとは別に被害者の相談窓口の設置とかということを求める声も出てはいるのですけれども、調査の現状と相談窓口とかというそういうところも含めた対応方針とか現状があれば伺いたいのですが。
A 知事
(資料の)調査は、まず県庁内にあるかというのは、それは全部調査して、ない。全然隠蔽でも何でもなくて、本当にないという状態です。県医師会もやはりないということなのです。あとは、年齢上関係がありそうと言いますか、基本的にはこれは昭和30年、40年代がほとんどで、あとからは数件なので、30年、40年代ぐらいにしていた可能性のある先生にお聞きしているのですが、ほとんど優位な情報は出てこないという感じです。やった記憶はあるのだけれども、個別のことは全然分からないなというぐらいです。30年代、40年代に第一線にいた先生は、もはや70、80歳(正しくは80、90歳)になってしまっているので、なかなか有意な情報が今のところないというのが現状です。もちろんあれば保全させていただきたいと思っております。窓口(の設置)も、検討はするということですね。作る検討はしてもいいというところではあるのですが、今のところ、例えば県庁に「そういうことなのですけれども」という相談は1件も寄せられていないです。ただ、おそらくですけれども、対象となりうる人には網羅的に調査をするようになるのだと思います。今の国動きを見ていれば。それに合わせて、その時に、例えば「これはどう書くのですか」みたいな問い合わせがあり得ると思うので、窓口というのは作っていきたいと思っています。現状では、国の調査がどうなるか待ちながら、それに合わせていきたいと考えています。
Q 新潟日報
県としての現状の調査の範囲と言いますか、どんなところまで想定されているのでしょうか。
A 知事
あまりにも分からないので、もう網羅的にやるしかないのだろうと思うのです。ただ(女性の手術に関しては)男性に言う意味はないですし、年齢上も絶対違うという方もおられるわけなので、年齢・性別、あとは対象の方で網羅的にやるのでしょうね。医療機関に対しても、対象となったような方に対しても、同じようにそのようにしていくのだろうと予想していますし、それ以外の方法があるというは感じがしないです。当たりをつけられる元がほとんどないという状況です。
Q 朝日新聞
国の動きを見ながら窓口を作る検討はしてもいいかなという。
A 知事
はい。むしろすべきと言うか、きっと調査の段階で、それは調査で、書き方が分かりませんといった質問は多々あると思うのです。それは必ずしも国に行かずに県に来るということも多々あると思います。
Q 朝日新聞
窓口の役割、国の動きを見ながら来る窓口の役割というのはどういったもの。
A 知事
その(調査の)意義を説明するということはあると思います。まずは書き方みたいなものはもちろんあるのですが、書き方みたいな質問はもちろんすぐ答えられるのでしょうけれども。同時に、我々は関心がありますから意義は分かっていますが、おそらく分かっていない人も多々おられるのだと思います。一体どのような趣旨の調査なのかといった話が多々あると思うので、それに対して国の法律が間違っており、手術をされた方は全く悪くなく、おそらくはこれで分かれば、その時の進行状況ですけれども、賠償の対象になる可能性もあると思われますし、そもそも現状把握が必要ですというような、そういう調査の意義をきちんと説明するということだと思います。また医療機関には、医療機関の先生が悪いわけでもないわけなので、そういうことではなくて調査ですということを言うことになると思います。
Q NHK
東京都の方だと全ての都内の医療機関とかに照会を掛けているという話らしいのですが、新潟県の方でも同様のことをやっているということなのでしょうか。
A 知事
照会の仕方によって同様と言えるかどうかだと思いますが、東京都がどのぐらいものすごいことをやっているかどうかはともかく、新潟県はそこまで網羅的にということではなくて、それぞれ医師会にお伺いして可能性のありそうなところをピックアップしてもらえますかと言って、可能性のありそうなところを聞いてもらえますかというぐらいな感じです。そこまで網羅的にやっていない。それは事実ではあると思います。そこはやはり正直二度手間になるところもあって、今のところある意味でサンプル調査みたいな状況なのですが、国の調査(の要請)が出た時点でやることでいいのではないのかなとは思うのです。今はものすごく網羅的にやってもほぼ二度手間と言いますか、おそらく同じことをもう一回やることになると思っております。
Q 読売新聞
先ほどのご発言の中でちょっと聞き間違いだったら申し訳ないのですけれども、調査対象が男性はないというご発言があったように思うのですけれども、他県では提訴の動きとかが。
A 知事
すみません。女性の手術は女性がという意味で、男性の手術は男性と。それぞれの手術ごとに性別がということです。失礼しました。そういう意味です。
アルペンスキーワールドカップ2020大会誘致について
Q 新潟日報
2020年のアルペンスキーのワールドカップについて伺いたいのですけれども、(本日)午前中には湯沢町長との面会がありましたが、確認ですけれども、県が主体となって誘致する方向で調整に入っているという理解でよろしいでしょうか。
A 知事
(誘致)について調査を始めているということです。
Q 新潟日報
まだ実際に県が主体となって誘致に取り組むかどうかとの方針というところまでは、まだ言えないということでしょうか。
A 知事
そうですね。それができるかどうかの検討を進めるという状況です。
Q 新潟日報
もしもこれで進めるという方向で調整を進めていく中で、開催の自治体というのは、湯沢町ではなくて県が主催の開催自治体として実行委員に入るということになっているのでしょうか。
A 知事
その方向でできるかどうかを検討していくということになります。
Q 新潟日報
あくまでも今検討していくための協力を要請しているという。
A 知事
そのとおりです。
Q 新潟日報
改めてなのですが、県にとって今回誘致をする場合のメリットと、あるいは逆に誘致に当たっての課題となることというのはどういうことが考えられるでしょうか。
A 知事
メリットはやはりインバウンドと言いますか、国内でもいいのですが、新潟県の観光のメインであるスキーの知名度というものを確立していくことだと思っています。インバウンドはよく知事が先頭に立って頑張れと言われるのですが、私はもちろん先頭に立って頑張るのですが、いくら中国に私が行っても「米山って誰」という話でしかないわけで、それは大海の一滴なわけです。私は(県が)東京オリンピックを誘致できるとは思いませんが、平昌は今まで知らなかった街を今は世界中の人が知っているわけです。やはりこういった大会というのは、特にスキーといった分かりやすいこのスポーツでというようなものに、観光地にとっては非常に価値があることなのだと思います。そういう意味で最大の目的はスキー観光への波及効果だと思いますし、それがさらにスキーで有名になったところは世の中全体で知っているわけですから、ワインで有名なボルドーは世の中全体で他のところでも知られるわけですから。それによって県全体の観光がよくなっていくということを期待していますし、また観光と同時に観光によって経済的な波及効果も期待しています。課題は(大会)運営ですから、それ1回で終わってはよろしくないわけなので、常にワールドカップが来る県という状況にしていくために、スムーズな運営をしていくことが大事だろうと思いますし、またスムーズな運営においてはお金は非常に重要な問題ですから、いかに資金をきちんと、スポンサーを集めていくかというのもあると思います。そして今言ったとおり目的はそれ自体が目的ではなくて、そこからスキー観光や選手の育成にということですから、そういった本当の目的にきちんとつなげていくということが大事だと思っています。
Q 新潟日報
具体的に例えば全日本スキー連盟とか、国際スキー連盟から県に対しての働き掛けというのもあったでしょうか。
A 知事
もちろん調査を進めているところです。
Q 新潟日報
誘致をしたいという思いはあるのですか。
A 知事
そうですね。なければ調査をする必要はないですからね。
Q 新潟日報
誘致したいという思いがあって、今はまだ調整中だということですか。
A 知事
調査中、検討中というところです。
県内の観光について
Q 新潟日報
観光について関連して伺います。先般、日本版DMOに佐渡観光協会が登録されまして、これで本県関係の法人が4法人になりました。今、国の主導でDMOをめぐる動きが活発になっておりますけれども、県内の状況をどのようにご覧になっているかお伺いします。
A 知事
それそれ熱意があるところが次々と手を挙げていただいて非常にいいのだろうと思います。いかにうまくやっていくかということなのだと思います。あれは日本型と書いてあるように、普通のDMOと書いてないように、やはり日本は日本で特殊な事情があると言いますか。よく例になっているヨーロッパのDMOみたいに機能するためには、関係者がある程度の割り切りはいるのだと思うのです。ある程度のリーダーシップと言うか、人材と言いますか。日本でそこまですぐにいくかというと、それはなかなか難しいところもたぶんあるのだろうなと。もちろん皆さん非常にリーダーシップを持った有意な方がやってくださってはいるのですが、そこをうまく行政も後押しをしながら日本版DMOが日本版DMOとして機能するように努めていくことが重要だと思っています。
Q 新潟日報
県内も各地で勉強会が開かれたりしておりますけれども、なかなか難しいといお話もありました。進めていく上での課題ですとか、県の果たす役割というのはどの辺りにあるでしょうか。
A 知事
何事もなのですけれども、本当に私自身も知事をやっていて思うのですが、リーダーシップと最近はやりのフォロワーシップというのがあるのです。リーダーシップをきちんと発揮するというのは大事なのですけれども、それを支える人が支えてくれてこそきちんとできるというのがあって、その両方がないと物事は進まないのだと思うのです。DMOというのは実は行政組織、ちょっと位置づけは不透明、よく分からないと皆が思っているところはあると思うのです。リーダーシップがある人がやっても、一体その人の言うことを聞くべきなのか聞かなくてもいいのかみたいなところがあって、場合によっては意気込みほど進まない可能性は出てしまうのです。そこをきちんとオーソライズするのが県の役目なのかなと。県はある種パブリックセクターなので、県の言うことは一応聞こうといった空気はありがたいことに新潟県はあると言いますか、他県もあるのかもしれないですが、いずれにせよあるので、そこはうまく県がそこの間を持ってリーダーシップを発揮しやすいように、逆に言うとフォロワーシップを調整すると言いますか。かつ、それをフォロワーシップを発揮しやすいような、こういうリーダーシップの出し方がいいのですよみたいなことをうまく助言、アドバイスするというのが重要だろうと思っています。
全国知事会について
Q 時事通信
別の話題になりますが、全国知事会の会長に埼玉県の上田知事が立候補を表明されたということで、多くの支持が集まっているということですが、米山知事自身は今まで支持をされたりだとか。
A 知事
もうしました。それでいいと言うのも何ですが、はい支持しますという感じで支持しました。
Q 時事通信
上田知事が適任だと思われる理由についてはどのように。
A 知事
ご発言も知事会を見ていても、しっかりとしたと言うと僭越ですが、いろいろなしっかりした発言をされていますし、あとは拉致問題ももちろん熱心に取り組んでおられて、少し政治的なことを言うなら、拉致問題関係で新潟県とは比較的つながりが強いと言いますか、いろいろと一緒にお仕事をした機会も多く、さらに政治的なことを言えば、言われてみれば思い出したという話ですが、(私が)民進党時代に上田知事を招いた集会をやったことがあり、そのような意味では私自身全く支持しない理由がないということです。支持させていただきました。
プロ野球チームの誘致について
Q BSN
春を迎えて、新潟県にもプロ野球チーム(誘致する)という話もありましたけれど、そこから話が止まっていて、県立野球場も前知事時代の公約で造られた球場ですが、例えばプロ野球チームを新潟県に誘致するような、県民の機運もあるとは思いますが、そういったことでの活性化みたいなものに関しては、今どのようにお考えですか。
A 知事
午前中に新潟アルビレックス・ベースボール・クラブが、(県庁に)来られて、(新潟にプロ野球チームが)あればいいですよねという話はさせていただきました。それは、(プロ野球球団を増やすという機運が)あればもちろん手を挙げないということは全くなくて、手を挙げるのですが、同時に(機運が)あるという空気でもないと言いますか、機運があまりないというのが事実だと思うのです。私は後ろ向きではないのですが、日本のプロ野球は、もはやある種の伝統と言いますか、随分歴史も長くなってこの形が定着してしまっています。セリーグ、パリーグの各6球団が、何試合でやっていくというのが定着してる中で、プロ野球球団を増やすという機運が盛り上がりますかね。数を増やすと全部変わるではないですか。リーグ戦の数から、かつ、あらゆる記録が比較できなくなってしまいます。試合の数が変わってしまうから。最多勝投手みたいなものが比較できないし、いろいろなものがいきなり変わってしまう。しかも、人口が減っていく中で、各球団が有為な人材を獲得できるのか、みたいな話もあります。巨人ファン、阪神ファン、何々ファンという人たちがグループ分けされており、ここで(球団を)増やしたいという人は何人いますかというのは、常識論としてそうではないでしょうか。もちろんそのような(球団を増やして欲しいという)声はあるし、地方としてはそれがあればもちろんやらせていただきたいのですが、それは我田引水と言いますか、地方の希望が前面に出過ぎていて、本当のところもう1、2チーム作って、プロ野球を思い切り作り変えるという労力を費やしたいと思っている人は、日本野球機構の側にもファンの側にもほとんどいないのではないですか、というのが私は正直なところだと思います。別に否定をするわけではないですが、そこにすごく労力をつぎ込むというのは、労力をつぎ込んでいること自体を正当化しているような気がします。
新潟水俣病について
Q UX
高裁の判決で行政訴訟、損害(賠償訴訟)の判決で、結構喫食の立証だったりとか、いわゆる病像の部分で大きくかけ離れた判決が出たなというふうに思うんですが、その辺りについて知事の所感と言うか、高裁判決、同じ高裁で、異なる判決が出ることについてはどのようにお考えでしょうか。
A 知事
そんなに違ってなさそうには、そこまでよく読んでいないのですが、立証、喫食のところなんかは違うのかもしれないですが、症状等から、それほど違うわけではないのかなというふうには見ておりますが、というところでしょうか。
Q UX
結構その、原告の方の証言というのが立証に直接つながるというのがたぶん行政訴訟のベースなのかなと。今回については、信用できないだとか、説明が他の可能性もあるとかっていうことで、結構その証言自体の信頼性っていうことについて問題視されたように思うんですけども。
A 知事
それは、どのような証言であれ、証言単独で、証言というのはすべて信用できるというのは判決としてはあり得ないと言いますか、あらゆる証拠は証拠力があるかないかというのを調べるわけで、逆にその証言として信用できないというのはその人が嘘を言っているとかという話ではなくて、ご本人はそう思っているが周囲の状況から考えればそれはその言ったとおりではなくて、こういうことによって生じている可能性があるということを、法律用語で言うと冷たくそう聞こえるということだろうと思うので、そういう意味ではものすごくそこでかけ離れているということではないと思います。
Q UX
今回、最高裁に上告ということになりましたけど、まだ全然分からないと思うんですけども、審査会での審査への影響とか、今こう想定できることとかっていうのはありますでしょうか。
A 知事
もとより最初の行政訴訟の判決の方が大きな影響があることではあると思うのですが、その影響が非常に大きいのですが、今回の件は先ほど言ったとおりそんなにそことかけ離れているということでもないので、その中に対してさらに大きな影響があるということではないと思います。
県内の大学について
Q 朝日新聞
県内の大学のことについてお伺いします。4月に新潟食料農業大学が開学しまして、国公私立合わせて17になりました。少子化などで定員割れのある学部がある大学がありますけれども、その中でさらに大学を新たにつくるという動きもありますが、そうした動きをどのように思いますか。
A 知事
そこは事業者の方々がよく検討するべき段階に入っていると思います。それは、何も本県だけの話ではないので、ありとあらゆるところで全入状態と言いますか、いろんなところで定員割れ状態が生じているわけですから、そこはよく検討していかなくてはならないのだと思いますね。かつ、行政も今までは、基本的に社会減というか、社会流出を防ぐためにも、県内での大学設立というものに対して、比較的何というか、ちょっと緩い基準で支援していたみたいなところは、なくはないと思うのです。そこはある程度はあったと思うのです。それは政策目的があるので、それはそれでいいのですけれども、ちょっと今後は本当にそれが社会減(対策)につながるのかと言うと、すでにたくさん学部がある中で、社会減対策という政策目的もちょっと微妙になりつつあるという中で、そんなに今までと同じような行政の支援があるということは前提にしないでくださいねということはあるのだと思います。その辺も含めて事業者の方には、とは言え、基本は民間がやることですから、逆にそこがクリアされるのなら、我々として文句を言うようなところは全くないわけなので、自前でやる以上はどうあれ、我々がとやかく言うようなことではないことになるので、その辺の状況を見ながらやっていただきたいというふうに思っています。
Q 朝日新聞
県としても戦略の中で、人口減の、人口流出の歯止めをかける策として、大学の質を高めるということに力を入れていられていると思うのですけれども、そこに関してはちょっと検討する余地が。
A 知事
質の方はいいのですけれども、今までは何となく量の拡大というものがあったと思うのです。だから大学の設立というものを、比較的、量の拡大として支援していたので、今までのことを否定するつもりは全くないのですけれども、今後の量の拡大に関しては、それはそろそろ政策目的としてもどうなのだろうということはあるので、そこのところはよく考えて事業計画を作ってくださいということだと思います。逆によく考えて(事業計画を)作ったなら、県としてそれを否定するものでは全くないと言いますか、それはプライベートとしてやられるわけですから、民間としてあるわけですから、ということだと思います。
Q 朝日新聞
国公立大学は比較的堅調な中で、私立はわりと厳しいところもあるかと。文部科学省の方でも、私学の助成を、経営が悪化しているところに関しては減らすという方針を打ち出している中で、国公立と私立のバランスであったり、それぞれのあり方についてはどのようにお考えですか。
A 知事
そこは状況を見ながらなのでしょうけれども、だから国公立はいらないというわけでは全くないのだと思うのです。それは本当にどのくらいがいいのかというのは非常に難しいのですけれども、私自身が行った感覚からも国公立ぐらいの学費で行ける大学が一定数あるべきと言いますか、やはり私立は高いのではないかという、負担なのではないかというところがあるわけです。国公立は国公立でこのレベルでは維持されるべきという(ふうに思いますし)、私立が困っているから国公立は減るべきだというふうにはちょっと思えないです。その程度は維持した中で、あとは私立の方が、民間私立として、状況をよく見ながら、適正な事業計画のもとに運営してくださいねということであり、まさに苦しくなったときに、あまりパブリックセクターからの支援みたいなものを期待しないでくださいねということだというふうに思っています。
新採用職員について
Q 産経新聞
4月2日にまた新たに新採用職員へ辞令交付されましたけれども、その時の挨拶で三つのアドバイスを伝えられて、人口減少問題が深刻化する30年後を見据えて考えて生活してくださいというお話がありましたけれども、反対に、キラキラした新採用職員の方々を見て、知事として思いを新たにする、何かこうフレッシュな方々を見て、何か感じるところというのはありましたか。
A 知事
もちろんあります。私もこういう頃があったなという。それこそ、バッドジョークを言いそうになったのですけれども、私もフサフサだった頃があったなとちょっと思ってしまったのですけれども。それはちょっと流していただいて。本当に、1、2年目の頃というのは、ビギナーだからどこまででもできると思っているところありますよね。自分はどこまでも、偉くもなるに違いないし、大きな仕事もできるに違いないと思っている時期ではないですか、たぶん多くの人が。30年後の自分像だから、あまり現在とつなげなくていいわけですから、そこは大きく。大きく思っているというのは、まさに三つのアドバイスがあるみたいに、それと現実のギャップを理解するのも重要なことだけれども、大きく思ってい続けるというのも重要なことと言いますかね。偉くなりたいとか大きな仕事がしたいという漠然とした話ではなくて、大きい、具体的なこれをしたいと、きっとあると思うのです。そういうものを皆さんにずっと持ち続けていてほしいと思ったのですが、同時にご質問に対する答えとしては、じゃあ僕は持っているかみたいな、そういうのは感じはしますよね。J-POPの歌詞みたいになってしまいますけれども、20歳の僕に対してちゃんと胸を張れる自分でいますかねというところは感じます。それは、胸を張れない部分もあり、胸を張れる部分もあるのですけれども、そこは当時の気持ちをしっかりと思い出してやっていきたいと思います。
Q 産経新聞
胸を張れる部分と胸を張れない部分。
A 知事
(胸を)張れる部分は、それでもちゃんと30年後にドロップアウトしないで生きてるなというのは、意外にこれは偉いことだというのはあるのだと思うのです。(胸を)張れない部分は、私くらいの世代の人たちはみんなちょっとあると思うのですけれども、私たちの世代の時には、Japan as No.1(ジャパン・アズ・ナンバーワン)だったわけなのですよね。Japan as No.1(ジャパン・アズ・ナンバーワン)で、本当に当時の夢としては、日本(人)が世界中を、ジャパニーズビジネスマンが世界中を渡り歩いているはずであり、本当にひたすら経済的発展を遂げているはずであり、人口減で悩んでいるはずではなかったのですよね。その間過ごしてきて、人口減になってしまって、これは前世代のせいだという立論もできるはできるのですけども、おれたちがこんなに苦しんでいるのは我々の上の世代が悪いのであるという立論はできるのですけれども。しかしもう50歳になってみると、相当程度自分のせいですよね。それはあなたが、我々が20歳の時、30歳の時にきちんと上の世代に言わなかったからでしょうと言うか、20歳の時、30歳の時にきちんとその問題を、当時の力関係でできなかったと言えばできなかったですけれども、問題として提起して、きちんとそれをやるために動かしていなかったのですよね、それの結果、我々は今50歳になって、この問題に直面することになったのですよというのは、明白にあるわけです。そこは本当に、我々は(20歳から)30年間生きてきた世代として自分たち自身に降りかかっている問題としてもそうですし、下の世代に対しても申し訳なかったと言いますか、できませんでしたというところはありますよね。ちょっと夢に浮かれてしまって、我々などまさにバブルの夢に浮かれてしまって、きちんと目の前の問題を解決することに力を尽くしてこなかったなという。それは市川さんも同い年ですからね。
Q 産経新聞
胸が痛いです。
A 知事
市川さんの質問が出ると、締めという感じになりますね。
Q※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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