本文
令和2年10月27日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和2年10月27日(火曜日)
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(10時01分~10時03分)
4 質疑項目(10時03分~10時51分)
・原子力防災訓練について
・技術委員会における福島第一原発事故検証の報告書について
・ゼロカーボンへの取り組みについて
・文化芸術団体への支援について
・人事委員会勧告について
・イノベーション創出支援事業の補助対象事業者の決定について
・佐渡汽船について
・年始休暇の延長について
知事発表
(イノベーション創出支援事業の補助対象事業者の決定について)
お手元にイノベーション創出支援事業の補助対象事業者の決定というのがございますが、これはアフターコロナ、ウィズコロナの時代で、経済社会、あるいは人々の働き方や生活スタイルも大きく変わっていくであろうという中で、地域の課題を、もっとICTやデジタル技術などを活用して、解決をしていく、新しいビジネスモデルの創出を支援していこうということで、イノベーション創出支援事業ということで募集をかけていたのですが、そのうち既存の、もう既にコンソーシアムを作って応募していただいた部分について、対象事業者を決定したというものであります。もう1つ、オープンイノベーションということで、課題を提示し、それに解決策をまた提案していただいてマッチングさせるという、そちらの方はまだもう少し時間がかかりますが、後日また対象事業者を決めて発表させていただくことになると思います。詳しくはこの後、(担当部局から)ブリーフィングさせていただきますので、ご確認いただきたいと思います。私の方からは以上です。
イノベーション創出支援事業の補助対象事業者の決定について [PDFファイル/100KB]
質疑
Q 代表幹事(朝日新聞)
先週、原子力防災訓練が行われました。24日のぶら下がり取材で、知事は来年以降もやれていない訓練を積むことで対応力を上げていきたいと仰っていたようですが、今回の訓練で見えた課題も踏まえて、次回以降どのような訓練が必要と考えていらっしゃいますか。また、昨年の訓練後に東京電力と人員や資機材に関する協定を結んだように、新たに必要と感じた事項があれば教えてください。
A 知事
今回の原子力防災訓練の評価といいますか、振り返りについては今、訓練参加者からのアンケートですとか、第三者に評価を委託していたものですから、その評価結果を踏まえて取りまとめをしているというふうに聞いていますので、それを踏まえて市町村、あるいは国などのご意見を伺いながら、どんな項目で訓練をやっていくべきかというのはこれから考えていきたいと思います。少なくとも今年度ということで言えば、冬季の避難訓練がこれからですので、それもしっかり取り組んでいきたいと思っています。本当に感想だけですけれど、柏崎市の櫻井市長と糸魚川市の米田市長と、ちょうど避難されてきた方々が避難所に入る部分の訓練を一緒に拝見していた際に、誰が来たかという本人確認で、氏名や住所などをカードに書いていただく仕組みになっているのですね。その手続きは、今回の訓練では省略をして、紙は既に書かれた形ということでの訓練だったのですけれども、これを実際に書くとなると、これは別に原子力防災に限らないのですが、自然災害でも一時期に避難者がやって来たときの本人の確認、そしてそれを当然避難所の運営のためにも把握しておく必要があるわけですけれども、その情報の収集の仕方をもっと合理的にできないのかと。例えばマイナンバーカードが普及すれば、読み取りだけでいいよねといったような、そんな会話を櫻井市長も仰っておられたので、例えばそうしたことが避難所運営の1つの課題としてはあるなというふうに感じました。いずれにせよ、アンケート結果等を取りまとめた上で、検討していきたいと思います。
Q 代表幹事(朝日新聞)
今ほどのお話は原子力に限らずという・・・。
A 知事
そうですね。今のお話は避難所運営の合理化というか、例えば密を避けるにも、そうした方法を取り入れた方が合理的ですよね。そういったことは今後考えていく必要があるのかなと感じました。
Q 新潟日報
原子力防災訓練に関して、今回3日間あり、住民参加でいろいろ人が動いて実際にやってみて、去年も2日間あったと思いますけれども、そういう場面を知事はいろいろご覧になったと思いますが、現時点の県の広域避難計画の実効性がどれほどのものかということについて、どのように感じられましたでしょうか。
A 知事
どれほどのものかというとよく分かりませんが、一人一人の対応力の向上を図ることが大切、あるいは、その組織の対応力の向上ということが重要だと思っています。
Q 新潟日報
計画をブラッシュアップする、訓練を繰り返して・・・。
A 知事
書き物を立派にするということは、もちろん最終的にはそういうものはあるかもしれませんが、動く組織や人の能力を上げること、対応力を上げることが本来の目的だと思います。
Q 新潟日報
現時点でやはり事故のリスクはあるわけで、今事故が起きたらその計画にある通り、最低限、UPZ圏の住民の方々約45万人が被ばく防護を着実にできるのか、そこが実効性だと思うのですけれども・・・。
A 知事
できるように、書いてあるものが実現できるように、力をつけていくということだと思うのです。およそできないようなことが書いてあるのであれば、それは実効性のない計画ということになりますから、直していかなければいけないですよね。
Q 新潟日報
訓練を見て、できそうかどうかというそのあたりは・・・。
A 知事
それは全く、できるかできないかなんていうのは軽々しく言い切れるものでもなくて、できるように対応力を付けていくということ、訓練して、その能力を上げていく、習熟していくということだと思います。
Q 新潟日報
ちょっと質問を変えて、ご覧になって、難しそうなところというのはありましたでしょうか。
A 知事
先ほどの冒頭のご質問と同じで、どういう課題があるのかというところは、今アンケートなり第三者評価なりの振り返り作業をやっていますので、それを見ながら考えたいと思います。私の単なる感想で言えば、櫻井市長が仰ったような、確かに本人確認のところの作業というのは時間がかかって密になるよなというような、そういったところは直感的に感じられる課題ということだと思います。
Q TeNY
先般行われた訓練について、先ほどから質問がありますけれども、知事がご覧になって、先ほどの本人確認以外で何か気になった点はありますか。
A 知事
特にありません。
Q TeNY
本人確認の部分が一番・・・。
A 知事
いやそれはむしろ、櫻井市長と米田市長と3人でいるときに、櫻井市長が仰ったことで、そうだよね、ここは一気に来てしまうと密になるかもしれないねというのは感じたことであります。
Q TeNY
実効性というのは、まさにやってみないと分からないのが実効性でもあるとは思うのですけれども、その意味で、実効性の程度というのは再稼働の判断にどのくらい影響してくるのでしょうか。
A 知事
先ほどのご質問と絡むかもしれませんけれども、実効性という意味は、その言葉の捉え方にもよりますが、要はその計画に沿って人が動けるかどうか、組織が動くかというところがポイントなのです。だから、およそ動けないような計画であれば、それはまさに絵空事の計画であり、まさに実効性のない計画なので、それは直していかなければいけないでしょうし、あとは書いてあることをその通りに動けるかというところを今まさに習熟をして、対応力を上げているというのが今の状況だと思います。
Q 代表幹事(朝日新聞)
昨日、3つの検証委員会の技術委員会(新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)が福島第一原発事故の検証報告書を提出されたかと思います。1つの区切りとも捉えられますが、受け取ったご感想をお願いします。 あと、中島座長から、多様な可能性を否定せずに教訓を引き出そうとしたというような発言も聞いておりますが、今回、知事自身、中身を読まれているようであれば、その内容についてご所感をいただけますでしょうか。
A 知事
その場でも委員長に感謝の言葉を申し上げましたけれども、平成24年から、8年余りの長期にわたって、委員の皆様には、真剣に議論を重ねていただいたこと、まずそのことに感謝を申し上げたいと思います。その上で、まさに今仰っていただきましたけれども、いろいろな可能性を排除せず少しでもその可能性があったことであれば、それは課題として捉えるという姿勢で臨まれたということで、合計133もの課題や教訓を抽出していただいたということで、こうした教訓課題を踏まえて、引き続き本来の技術委員会にお願いをしている事項というのは、柏崎刈羽原発の安全性の確認でございますので、その本来お願いをしている仕事に引き続き取り組んでいただきたいというふうに思っています。内容は恐縮ですが、そこまで読み込んでおりませんが、やはり結びと序文のところが委員長自ら思いを込めて書いておられて、その中でも最後の結びのところに書いておられましたけれども、最後に安全を確保するのは人だと。そういう意味で人材の育成、人を育てる努力を惜しまずにやってほしいというところは、大切なご指摘だなというふうに思っています。
Q NHK
昨日の技術委員会の関連なのですけれども、これから本来業務として、柏崎刈羽の安全対策にどう生かされるかの検証が進められます。明日も(技術委員会が)ありますけれども、その議論、検証にどういうことを期待したいかという点と、最終的に何か報告書であったり取りまとめみたいなものを依頼することになるのか、出口についての見方を教えていただけますか。
A 知事
期待することは、客観的、専門的に確認していただきたい。技術委員会の前にもちろん国の規制庁の審査が行われているわけですけれども、国の規制基準に適合しているかどうかというのは国が一元的に判断したことではあるわけです。それを、別なものの見方でチェックしていただいているということですので、十分に確認をしていただきたいと思っています。最終的に全て確認が終わったというところで、何らかのシグナルはあるのだろうなとは思います。
Q NHK
シグナルというのは、知事への報告とか・・・。
A 知事
そこは、これまでの技術委員会の世界で、どんな形で区切りをつけてきているのかというところは、やはり何か、一定の議論の結果はこうであったというようなものが、何らかの形で報告なりがあるのかなと自然には思います。これまでのやり方なども含めて事務的に確認していきたいと思います。
Q NHK
あわせて、また早いと言われてしまうかもしれませんけれども、3つの検証が終わった中でどう判断、議論していくかという観点で、終わった段階でだとは思うのですけれども、例えば、県民の方に説明をする場を設けたりとか意見を聞く場を設けたりとか、そういったことについては今お考えではないでしょうか。
A 知事
それはこれまでも議会等でのご質問で繰り返しお答えしていますが、検証作業が終われば、それを県民の皆さんと情報共有をしますと。つまり、説明なりをする段階が必要だと思っています。
Q NHK
意見を踏まえて最終的に判断されるという・・・。
A 知事
そうですね。
Q 毎日新聞
技術委員会の報告書の件でお伺いします。少し基本的なことになるのですけれども、福島事故に関する検証の3つの検証委員会というものは、立て付け上、福島事故を検証するというものになっているかと思うのですが、最終的に知事が再稼働のことについて議論、判断をするというときには、これから技術委員会で始まる柏崎刈羽の安全性の検証というところも含めて判断することになる・・・。
A 知事
そうですね。安全性の確認という言い方をしています。
Q 毎日新聞
あくまで、柏崎刈羽の部分も終わってから、避難委員会(新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会)と健康生活委員会(新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会)の方が終わって・・・。
A 知事
検証総括委員会(新潟県原子力発電所事故に関する検証総括委員会)も。
Q 毎日新聞
検証総括委員会も終わって、そのタイミングで・・・。
A 知事
それで材料が出揃うことになると思います。
Q 毎日新聞
あくまで、技術委員会で柏崎刈羽の・・・。
A 知事
柏崎刈羽の安全性の確認も今進めていただいていますので、その作業結果も、今ほどのご質問とも関連するかもしれませんけれども、一定の区切りがあってのことだと思います。
Q 毎日新聞
その3つの検証委員会の中の1つである技術委員会の1つの部分が、今回で、昨日の提出で終わったということになるかと思うのですが、そのことについて、知事の判断のタイミングに向けて一歩近づいたということではあるかと思うのですが・・・。
A 知事
これから議論が始まるための材料に、入り口に近づいたということですね。
Q 毎日新聞
入り口に近づいたということについては、どのような所感を。
A 知事
別に、淡々と、条件が少しずつ近づいているだけのことだと思います。
Q 毎日新聞
検証総括委員会について、一度、2018年の2月に開かれて以来、開かれていない状態が続いていて、運営要綱などでは、知事の求めに応じて開くということが決められているかと思うのですが、今回、技術委員会からこういった報告書が提出されたということで、何か知事からそういった求めをするということをお考えになっていたりというのは。
A 知事
そうですね。各3つの検証の進捗に応じて、検証委員会のメンバーにもお知らせしていく必要があるとは思っていますので、どこかで、後の検証の方の作業がどんな段取りかは分かりませんが、二度も三度も短い期間にやるというよりも、どこかでまとめて報告をし、議論の準備をしていただくというのは、考えなければいけないとは思っています。
Q 毎日新聞
他の2つの委員会でも、徐々に中間的な取りまとめですとか、ある程度の取りまとめに入ろうという段階にはきている・・・。
A 知事
そういう雰囲気は感じていますが、まだ具体的に、3月のいつだとか、あるいは4月のいつだとか、そういうところまではまだ承知しておりません。いずれにせよ、新しい情報の塊があって、検証総括委員会の方も開催を考えたいと思います。
Q 毎日新聞
他の2つの委員会の様子も・・・。
A 知事
そのタイミングで、仮に何か取りまとめが行われるのであれば、それを待ってからの方がいいかなと思いますし、まだ時期が分からないということであれば、今回、技術委員会の部分は出たので、そんなに置いておくのもいかがかなという状況です。
Q 毎日新聞
これから、そういった時期についても、知事の中で・・・。
A 知事
私の中ではなくて、各検証委員会の作業の状況を伺いながら、検証総括委員会をどのタイミングで開くべきかというのは考えたいと思います。
Q BSN
昨日の技術委員会の報告書について、福島第一原発事故から9年が経ち、検証が始まって報告が上がってくるまで8年かかっています。今の東京電力の柏崎刈羽原発に対する、再稼働するかしないかというところは別にしましても、報告書で上がってきた133の課題と検証をどう生かしていくかということについては、再稼働議論とは別にして、これから報告書を何か使っていくといいますか、検討していくということは考えていますでしょうか。
A 知事
課題も踏まえて、技術委員会が柏崎刈羽の安全性の確認をするというところで生かされていくものだと思います。
Q BSN
現時点で、この福島の課題と教訓を、何かこの時点で県でどうこうしていくということはない・・・。
A 知事
この時点で技術委員会が、抽出された教訓や課題を踏まえて、専門家の立場から安全性の確認をご議論いただけると思います。
Q BSN
柏崎刈羽の安全性というのを踏まえた上でということになる・・・。
A 知事
先ほどのご質問にお答えしたように、もともと3つの検証を進めると同時に、別トラックで、安全性の確認という、技術委員会にお願いしている作業があるわけです。そちらの方はまだ続いているわけです。今、福島の事故原因の検証というところから多くの課題や教訓が導き出されて、その安全性の確認のところに一種の材料が入ったわけですから、それを踏まえて、安全性確認の議論が、今でもオンゴーイングですけれども、続くということだと思います。
Q BSN
規制委員会等も新たな規制基準や、東電自身もそれよりさらにまた別の角度でのブラッシュアップのようなこともされていると思うのですが、福島第一原発事故からもう9年が経っている中で、県としての何か検証や、あるいはブラッシュアップのようなものは反映されていないと思うのですが、この時間についてはどのように考えていますか。
A 知事
県としての検証が今続いているのです。
Q BSN
その結果が、今の柏崎刈羽原発に反映されていない状態が9年間続いているということについては、どのように考えていますか。
A 知事
今の柏崎刈羽原発も含めて、原子力発電所を動かすための規制は、新たに国の規制庁が策定しているわけです。それは当然、福島事故の原因等を踏まえた知見が反映されています。さらには福島事故に限らず、その後の科学技術の進展が反映されて、今の規制基準ができあがっているわけで、それに適合しているかどうかという審査は、これまで規制庁が進めてきて、今かなりの部分が終わろうとしているという状況です。
Q BSN
県の技術委員会としての議論の結果が何か反映されることは、いまだないということになっているわけですけれども、これについてはいかがですか。
A 知事
いまだないというのはどういうことでしょうか。技術委員会は議論を今続けているのです。国の規制基準に適合しているというふうに判断した国のその判断、評価について、技術委員会もそれをレビューしています。疑問と思うところは照会をかけ、説明を求め、現に技術委員会に出席してこれまで国も説明をしてくれていますし、東京電力も技術委員会に対して説明している。それを技術委員会として確認しているという作業を続けてきています。
Q BSN
その作業を続けてきてはいるのですけれども、その結果が、東電なり、柏崎刈羽原発なりに、技術的なのか、あるいは人的に何か反映されている・・・。
A 知事
反映されているからこそ、反映された国の規制基準が既にできていて。
Q BSN
国の規制基準ではなくて、県の技術委員会としての議論が何か反映されているかどうかということです。
A 知事
例えば技術委員会が、国なり東京電力からヒアリングした結果は、当然何らかの形でフィードバックをされていると思います。東京電力自身は受け止めていると思います。ヒアリングの中で気づいたことがあるかもしれませんし、例えば技術委員会がヒアリングした、あるいは質問をした、あるいは何らかの要請をしたことで何か変化があったかどうかということは実務的に聞いていただきたいと思います。
Q 新潟日報
昨日、菅首相が2050年までの温室効果ガスの排出ゼロを所信表明で宣言されまして、県の方でも知事が9月議会定例会でゼロカーボンを宣言されたと思います。菅首相の所信表明での宣言について思うところ、所感があれば教えてください。
A 知事
偶然といいますか、私も9月の議会で表明させていただいて、新しい菅内閣で最初の所信表明の中でも宣言をされたということで、国を挙げて地域を挙げてゼロカーボン、2050年に温室効果ガス排出ゼロというところを真剣に取り組んでいかなければいけないということで、思いを強くしたところです。具体的なやり方は、以前にもご質問いただきましたけれども、県も今年度計画を作りますし、政府もゼロカーボンの取り組みを進めるための、促進するためのいろいろ制度を、新しい事業を考え始めているというふうな話も報道では見られますので、そうした政府の取り組みとしっかり歩調を合わせながら、着実にやっていきたいと思います。1番大事なものは、やはり県民の意識にそれを浸透させなくてはいけないですよね。やはり生活のスタイルとか、場合によっては働き方とかも変えていかなくてはいけないものにもなるでしょうし、車の使い方とかですね。そうした啓発には、まずしっかり取り組んでいかなければと思っています。
Q 新潟日報
まさに仰っていただいたところだと思うのですが、環境省の方でも地球温暖化対策推進法を改正してゼロカーボンを宣言したところには財政的な支援をみたいなということで、新潟県も対象になるかと思いますが、そのあたり期待することはありますか。
A 知事
そういう支援制度ができれば、ドライブがかかっていくとは思いますけれども、それもまだ報道だけで、どんなものになるのかもよく分かりませんので、これからしっかり情報を集めながら、県内でもゼロカーボンを目指して取り組んでいきたいと思います。
Q 新潟日報
県の方で、先日、文化芸術団体の公演、3密を回避しながら再開していく事業の後押しの公募を始めたところだと思うのですけれども、知事は新型コロナの影響でなかなか発表の場がない文化芸術団体の支援にずっと力を入れてきたと思うのですが、この再開に向けた取り組みについて、何か期待することがあれば教えてください。
A 知事
どの部分を仰っていますか。これまでいろいろな文化芸術団体、スポーツ団体もそうでしたけれども、いろいろな形で活動が回復できるように、努めてきたつもりではあるのですが、4000万円ぐらいの募集のものですか。
Q 新潟日報
11月1日から、対価を得て開催するところも、開催に関する関係経費の補助・・・。
A 知事
上限100万円から200万円ぐらいでしたね。そういう意味では、例えば新潟ステージチャンネルを作ってのオンラインでの発表だとか、あるいはその相談体制、窓口を作ってとか、いろいろ何とか元気になってもらいたいという思いでやってきた中で、今回のご指摘のものは、直接的にお金を少し、特に感染防止対策を講じると費用が増える部分、かかり増しの部分を支援することで、通常の状態で公演なりをやったと同じようにやれるようにという趣旨で設けた支援事業であります。有効に活用していただいて、何とかいわゆる公演とか展覧会とか、いろいろな事業がやれないでいる文化団体の皆さんの少しでも足しになればというふうに思っています。例えば今まで100人入れて何とか公演ができたものを、どうしても100人入れようと思えば、もっと今までよりは広い劇場なり、広い部屋が必要になる。そうすれば当然コストが上がる。その部分を少し支援することで、踏み切ってもらう。公演をやることに躊躇している団体等に踏み切っていただきたいという背中を押すようなイメージですけれども、活用してもらいたいと思いますね。
Q 新潟日報
関連してなのですけれども、今、報道でもいろいろあるかと思うのですが、「鬼滅の刃」というアニメーションがかなり人気で、10日間で100億円の興行収入ということで、県内でもかなり映画館に入り込みがあって、芸術関係者など、そういった方たちはヒットで、(感染症)対策をすればその映画館も安心していけるのではないかと、文化活動という鑑賞の場の再開の後押しになるのではないかみたいな期待の声もありますけれども、知事そのあたりいかがでしょうか。
A 知事
私自身は、鬼滅の刃と結び付けて、発想していなかったのですけれども、もし何かそういうものにも役立つのであれば、それはそれで結構なことだとは思いますが、今回の制度はそれに使えるのかな。
Q 新潟日報
使えるのかちょっと分からないですが、入り口として、今まで自粛していた観客の人たちが映画館に足を運んで・・・。
A 知事
主催者側ではなくて、今度見る側の方も安心して足を運べるというところの、何か手当があった方がいいねというのは、そうかもしれません。
Q 新潟日報
ヒットと結び付けてというのはあまりないですか。
A 知事
今のご質問は、マインドの話ですね。確かにそういう効果もあるかもしれません。そういう非常に関心が高いものを見に行くことをきっかけとして、今までと同じように足を運ぶことに、抵抗が低くなるというのは、そういう効果はあるかもしれません。
Q 新潟日報
知事自身はまだ見ていない・・・。
A 知事
まだ見ていないです。
Q 新潟日報
見る予定は。
A 知事
見る予定は、今のところないです。
Q 新潟日報
先日、人事委員会からボーナスに関して、0.05カ月分の引き下げの勧告が出ましたけれども、ボーナスの引き下げの勧告自体は10年ぶりというような形で、コロナ禍でこういった対応になったと思うのですけれども、そういった勧告が出たことについての受け止めをお願いします。
A 知事
それは人事委員会の従来通りの調査の結果ですから、客観的に受け止めるべきものだと思います。
Q 新潟日報
コロナ禍の影響がやはり色濃く出ているなとか、そういったことは。
A 知事
本当に微々たる数字だとは思いますけれどね。国家公務員の方も同じように人事院が既に(勧告を)出していましたので、同じような傾向なのかなとは思っていました。
Q 新潟日報
知事ご自身は元官僚であって、人勧制度の大切さみたいなものは理解されていると思いますが、そういった意味で、久しぶりにマイナスになったというのはやはりそれなりに重く捉える・・・。
A 知事
これまでも経済の状況に応じて歴史的には上がり下がりしておりますので、その経済の状況に応じた、客観的な調査結果の上での判断ということだと思います。
Q 新潟日報
また組合側との交渉がこれから始まっていくと思うのですけれども、既に県職員の方々は4年間、3%の縮減ということで、対応がなされていると思うのですけれども、県としてはどのように対応したいというのは。
A 知事
今後判断していきますけれども、基本的には人事委員会の勧告は尊重していくべきものというふうには考えています。
Q 新潟日報
尊重すべきものというのは、0.05カ月分下げるというような形になっていますけれども、それに沿った形になるのかなと・・・。
A 知事
基本的には人事委員会の勧告を踏まえて対応しなくてはいけないというふうに思っています。
Q 新潟日報
マイナスになった場合ですと、いわゆるダブルパンチ的な部分で、もう既に下がっているところにさらに下げてしまうような形になって、組合側からの反発がかなり予想されると思うのですけれども、知事としてはどのように対応していきたいというふうに思いますか。
A 知事
これから対応を決めるところですので、今ここで確定的なことは申し上げられませんけれども、基本的には基準の議論ですから、基準は上げるべきもの下げるべきものは、自然体で委員会の勧告を受け入れていくべきだと思います。その上で、今、特別に臨時にお願いしているものについての扱いをどうするかというのは、もちろん議論としては残るでしょうね。
Q 新潟日報
つまり、潜り込ませたりとか、3%のところに潜り込ませるとかというテクニカル的な・・・。
A 知事
今この場でお答えできるものではありません。
Q 新潟日報
これは月例給の話ですけれど、今年だと知事が直接出向いていって、組合側にお願いするという場面もありましたけれども、必要に応じては、知事また自ら・・・。
A 知事
そんなことを今、あらかじめ言うような話ではありませんし、前回は臨時に異例の削減をお願いしたというところで、お願いにあがりました。
(イノベーション創出支援事業の補助対象事業者の決定について)
Q 新潟日報
今日の発表事案のアフターコロナを見据えたイノベーション創出支援事業について、今回コンソーシアム既成部分が9件出ていますが、まずこのラインナップを見て感想や期待は。
A 知事
随分いろいろな分野から、比較的短い募集期間であったにもかかわらず、想像以上に本当に多くの事業者から手を挙げていただいたこと自体は、一種の驚きと同時にうれしいですよね。これだけやる気のある人たちがいるということで、まさにイノベーション、新しいことに挑戦する社会にしていきたい。それによって新潟県の経済を元気にしていきたいということを常々申し上げてきた者としては、非常に関心が高いことについては、うれしいなと思います。ただどうしても20件以上応募があった中で、全部を受け入れるわけにいかなかった中で、審査の結果、9件になったということです。分野も随分いろいろな分野にわたっていますので、バランスよく選定できたのかなというふうに思っています。
Q 新潟日報
仰る通りその分野自体が、防災から土木から教育まであると思いますが、特にこれが気になるなとか・・・。
A 知事
特にというのはないですけれど、どれもこれもこれからやる事業なので、うまくいくかどうかというところはあると思いますが、非常に意欲的な事業がたくさんあるなという印象を持っています。
Q 新潟日報
もう1つの部門もまだこれから・・・。
A 知事
オープンの部分は、これからですね。
Q 新潟日報
こちらについての期待も・・・。
A 知事
これももちろんありますね。オープンイノベーションでこういう事業を募集するのは珍しいと思うのです。方や課題を提示して方やそれにマッチング、私ならこういう解決方法を持っているよというのを言っていただいて、マッチングさせていくっていうのは、非常にこれも意欲的な事業の進め方ではありますので、どういう成果が出てくるのか楽しみではあります。
Q 日本経済新聞
先日、佐渡汽船との4者でのトップ会談が行われたと思うのですけれども、(佐渡汽船の)尾崎社長が会談の中で、今期末の債務超過を回避するために、行政にもさらなる支援をお願いしたというふうに仰っていたのですけれども、県としてはこの点どのように対応していくお考えでしょうか。
A 知事
明確に社長からそのような要請がございましたので、それを受け止めて、早急に関係市町村と相談をしたいと思います。
Q 日本経済新聞
今期末の債務超過の回避ということであまり時間もないと思うのですけれども、早急にと仰っていたのですが、今後どういったスケジュール感で進めていかれますか。
A 知事
私だけのスケジュールではなくて、それは例えば、「あかね」の売却の模様(によります)。売却は、どういう金額で売却できるかとか、そもそも売却する相手がすぐ見つかるかとか、かなり今後の経営に大きな影響を与えます。価格によっては、それこそ(経営状況の)景色も大きく変わるので、まずその見極めも必要だと思っています。できるだけ債務超過の、佐渡汽船の決算期末は12月31日ですので、それまでに何らか新しい対応ができればいいと思っていますし、そうしたいと思っています。佐渡汽船の決算の状況をにらみながら、一方で、あかねの売却がどんな状況で進むのか。そうした動きも見据えての行政の支援のあり方。これらが全部絡み合っていますので、いきなり、いつまでに答えを出しますなどはなかなか申し上げにくいのが実情です。
Q 日本経済新聞
根本的な問題として、輸送量を増やしていくというのも今後重要になっていくと思うのですけれども、コロナウイルスでインバウンドも見込めない中で、島を訪れる観光客の需要喚起策としては、県としてどういったことができるとお考えでしょうか。
A 知事
これは別にコロナウイルスに限らず、多くの全国の地域が悩んでいるところでもありますので、なかなか万能薬があるわけでもありません。佐渡に関して言えば、「Go To キャンペーン」の効果もあるのかもしれませんが、ここに来て足元では、10月の佐渡汽船の輸送人員の状況などを断片で聞いている限りでは、かなり回復してきているとは思っています。佐渡に関して言えば、例えば世界遺産、佐渡の金銀山の世界遺産登録という大きなインパクトのある出来事が今進んできていますので、そうしたものが大きく交流人口に影響を持ってくると期待はしています。それ以外にも、これは全ての地域に共通することですが、例えば受け入れ側の魅力アップ、例えば宿泊施設での魅力の向上など、あるいはアクセスの利便性をもっと上げるなど、そうした、当然ながらその受け入れ地域の地道な努力も当然やっていかなければいけないと思います。もちろんプロモーション、宣伝、そういったものの効果的な情報の発信などもです。あるいは、もう少し戦略を絞り込む。例えば、今回、非常に佐渡は教育旅行が増えています。それは、修学旅行がいろいろなコロナウイルスの影響等で場所の変更を余儀なくされたような学校が増えたということかもしれませんが、教育旅行が好調と聞いております。例えば、引き続きそういった教育旅行により力を入れて、誘致を進めていく。これはプロモーションのやり方の1つの戦略ということかもしれません。佐渡には観光交流機構もございますし、そうした関係の組織や、もちろん市町村と相談をしながら、県としても応援していくということかなと思っています。
Q 新潟日報
カーフェリーの再導入を佐渡市は求めていますけれども、知事ご自身は、理解するけれどいろいろと課題が多いというようなことを仰っていました。その点からすると、やはり経営改善の方を優先すれば、なかなかカーフェリー(再導入)との両立が難しいのではないかと思うのですけれど。
A 知事
そこは、解決策があるかどうかです。つまり、経営改善は経営改善で放っておけない至上命題だと思いますし、一方で佐渡市が仰るような物流への影響や、もしも1隻がドックに入ったときに1隻だけになってしまうということへの懸念など、あるいは上越市が心配されるような観光への影響など、様々な影響は十分理解できます。そうしたものと、一方で例えばフェリーにすればスピードが落ちるので、1往復や1.5往復になったときに利用者の満足度がどうなるのか、利用者が離れてしまわないのかなどの客人の影響ですね。それと今言ったフェリーの運営のためにどれほどのコストが(かかるのか)、船員が間違いなく多く必要になりますし、岸壁側の支援要員も増えると思いますので、そうしたコストがどういうふうになるのか、そうした様々な課題をそこはそれで議論し、乗り越えなければいけないですよね。その工夫が、例えば今、船の技術もそれなりに進歩していると思いますので、フェリーであっても、よりコストがかからないようなものがあるのかもしれませんし、その辺はいずれにせよ、これから関係者で議論を進めていくべきものと思っています。
Q 新潟日報
急ぐというよりは、少し長期的な視点で議論していくと。
A 知事
もちろん今日明日の話ではないです。そもそも、そういうフェリーの出物があるかという、先ほどのあかねの売却ではないですけれど、いい船があるかどうかなど、やはり時間はかかりますよね。
Q 新潟日報
先日、政府の方で年始の休暇を1月11日まで延ばしてほしいというような延長要請を企業や自治体にもされるというふうに報道されているのですが、県の方で従来なら1月3日までという休暇を、もう1週間程度延ばすという対応をするかどうかというのは・・・。
A 知事
少なくとも、今の時点で私は考えておりません。
Q 新潟日報
今後、検討するとか、要請がある・・・。
A 知事
国から何らかの要請があったとはまだ報告を受けていません。その呼びかけも、詳しく私もよく分かりません。休みにしてくれという意味なのか、職員が一人一人(休暇を)取りやすいようにしてほしいということなのか、一律に会社を休業にするというところをイメージされているのか、その辺の正確なところはちょっと理解できていません。
Q 新潟日報
分散して休暇を取る、1月11日までにするなど、いろいろなお考えがあると思うのですが・・・。
A 知事
一斉に窓口を閉めてしまう、会社を休みにするというところまで言っておられるのか、確かに(来年の)1月3日が日曜日で4日が月曜日だから、そこからみんなが一斉に、もちろんリモートでやっている人もいるかもしれませんけれども、みんなが出勤することになると、一斉に密集状態が戻るようなことを避けるために、休みを比較的分散して取れるように各事業者、あるいは会社なり、企業なりに協力してほしいと、社員が柔軟に休みの期間を延ばせるように協力してほしいというような趣旨なのかどうか、すみませんが私自身が把握できていないということです。
Q 新潟日報
そういった分散休暇や休暇をちょっと延ばすなど、そういう考え方については。
A 知事
それは従来から言われていることで、働き方改革の1つでもあります。有給休暇はしっかり取ろうよというところでもありますし、そのこと自体はウェルカムですし、当然だと思いますが、何度も言うように、一斉に閉めましょうとか、(いつから)ここから空けましょうというような話までイメージされているのかどうか、ちょっと理解していないのですけれど。
Q 新潟日報
詳細はちゃんと・・・。
A 知事
仰るように、報道されているような、何か国からの要請が来るのかどうかも確認したいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)