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令和3年2月17日 新潟県知事 定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0359317 更新日:2021年2月18日更新

(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>

 

1 日時 令和3年2月17日(水曜日)

2 場所 記者会見室

3 知事発表項目(10時30分~11時25分)

・令和3年度当初予算案について
・新潟県行財政改革行動計画の取組状況等について
・令和2年度2月補正(冒頭提案)予算案について
・令和3年2月議会定例会提出議案について
・令和3年度組織改正について

4 質疑項目(11時25分~12時25分)

・令和3年度当初予算案等について
・新型コロナウイルス感染症(変異株、ワクチン接種)について
・東京2020オリンピック聖火リレーについて
・柏崎刈羽原子力発電所における東京電力の不祥事案について

 

知事発表

(令和3年度当初予算案について)

(新潟県行財政改革行動計画の取組状況等について)

令和3年度当初予算案の概要と書いた、資料の1-1がお手元にあるかと思います。これに基づいて、これを中心にご説明してまいりたいと思います。資料の1-1、当初予算案の概要について、表紙をめくっていただいて1ページをご覧いただきたいと思います。予算案の全体のフレームであります。頭書きに書いてございますけれども、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、社会経済の変化も見据えながら、「住んでよし、訪れてよしの新潟県づくり」をさらに進める予算と銘打ってあります。予算の規模は、国もそうですが、今年度の補正予算と来年度の当初予算を合わせて、一体として予算を組むという考え方のもとに、いわゆる15か月予算として編成しています。予算規模、事業規模というか、予算の額としては、1兆4651億円。これは、令和2年度の当初予算と令和元年度の補正等を合わせたもの、同様のものと比べてみますと、2200億円あまりの増加ということになります。これは後でお話ししますが、大半は中小企業向け制度融資関係の金融的経費ということで、コロナウイルス対策で事業継続を進めるために、中小企業等を対象に実質無利子・保証料ゼロの融資制度を作って運用してまいりましたけれども、それに伴うものが大きな増加要因になっています。単純に予算規模を当初予算同士で比べますと、それでも1877億円の前年比増ということになります。規模はそういうことで、かつてない大きな規模になります。中越地震のときなどの、基金を戻した、解散したときのような特殊な事例を除きますと、最も大きな予算規模になっているのではないかと思います。予算編成にあたっての視点というところをご覧いただきたいのですが、まさに基本的な考え方を示しておりまして、新型コロナウイルスの感染拡大防止はしっかりやっていきますと同時に、社会経済活動をしっかり維持しなければならない。その両立を目指す。これがまず第一の柱です。2つ目は、そうした足元の取り組みもしっかりやりますが、同時に、先を見据えた、つまりポスト・コロナ、ウィズ・コロナの社会を見据えた取り組みも今から始めなければならないということで、分散型社会、あるいは脱炭素社会、デジタル化社会、こうした3つの大きな流れを捉えて、それを目指していく取り組みも、この予算に盛り込んでいます。これが2つ目の柱。そして3つ目は、冒頭申し上げました通り、切れ目のない15か月の予算として作ったということ。そして最後に、こうしたいろいろな政策、事業を進めていくのですけれども、同時に新潟県が直面している、抱えている深刻な財政の問題を克服するために、行財政改革を進めてきているわけであります。この行財政改革行動計画を一昨年作ったわけですけれども、行動計画とも両立させていかなければならないということで、特にこれから、令和13年度、10年後ぐらい、その頃に借金の返済がピークを迎えます。このピークをならしていく、平準化していくための努力が必要になっていくということであります。こうした4つの大きな柱を踏まえて策定したわけであります。その中で少し特徴的なことを申し上げますと、1ページ目の一番下段に書いてございます、歳入部分では、県税と譲与税を合わせまして、税収入が279億円ぐらい対前年度で落ち込むと見ています。一方で、いろいろな努力をしてきた部分もありまして、普通交付税と、それから事実上普通交付税に代わるものですけれども臨時財政対策債、これらを合わせますと346億円の増加ということで、歳入的にはこの交付税の増加に大きく救われているところがあります。その結果として、いわゆる財源対策的基金、そして同様な機能を持つ県債管理基金の公債費調整分、この2つを合わせて貯金を取り崩す額は、ここに書いてありますようにそれぞれ50億円と20億円、合わせて70億円の貯金の取り崩しというところで収めることができたと。前年は105億円取り崩す予算を組みましたので、35億円、さらに貯金の取り崩しを抑えることができたということでありますが、しかしこれでも、単年度の一般財源ベースでの収支が赤字ということは変わっていません。ただ、例年、結局堅めに収入を見積もっていれば多少増収したり、それから予定していた事業がいろいろな工夫によって少し少なくて済んだなど、さまざまな節約なども含めて、大体50億円ぐらい戻せるのです。それを考えると、だいぶ収支が償うところに近づいてきているということが言えるかと思っています。次の2ページ目に移って、歳出の方は、これは先ほどから触れてきていますが、感染拡大防止対策と社会経済活動の両立をしっかり図っていきますと。一番上の囲みに書いてありますけれども、感染拡大防止対策のワクチンの接種費用などを含んでいますが、医療提供体制の確保、そして社会経済活動の維持。もう1つ意識している柱としては、県民はいろいろなお立場の方がいます。非常に影響を強く受けている方々への生活の支援というところ。そして、昨年来何度か申し上げていますけれども、文化活動への支援。こうしたところにも配慮をしているつもりであります。真ん中の丸囲みのところは、先ほど申し上げました、ポスト・コロナ、ウィズ・コロナ時代の中長期的な取り組みとして大事な柱、切り口が、分散型社会、脱炭素社会、そしてデジタル化社会、この3つのキーワードをしっかり意識をした事業、政策を進めていかなければならないと思っています。切り方を変えて、新潟県総合計画等に沿って政策や事業を並べ直しますと、真ん中の四角囲みがありますが、強靱で安全安心な基盤整備というくくりの事務、事業群。真ん中の、産業構造の転換という政策、事業群。そして、ひとの流れを作り出すという、交流人口の拡大等を含んでいるわけですけれども、その範疇に入ってくる政策や事業。そして、教育が主にイメージされていますけれども、将来の夢や希望を育み叶える教育の推進という柱立てで、3ページ目から整理をし直しています。一番ベースに、県が抱える最も深刻で重要な課題が人口減少問題というところで、これについても後のページで整理をしています。あと、話題になりますのが、2ページ目の後半の部分に書いてございます、投資事業です。頻発化・激甚化する自然災害に対応するため、将来の公債負担を抑制しつつも、国も5か年加速化対策(防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策)というものをスタートさせますので、その対策の中に盛り込まれている、さまざま地方自治体にとって有利な財源が用意されていますので、これをフル活用して、防災・減災対策の投資事業の事業量を確保したというところであります。これは工夫をしたところでありまして、数字的には、令和2年度と令和元年度の補正を合わせたものが2113億円の事業量であったものを今回は2026億円ということで、微減ではありますけれども、ほぼ同等の事業量を確保することができたと。一方、県の持ち出し、いわゆる実負担については、1割カットすることができたということであります。それが、2ページの一番最後、再下段にまとめてございます。先ほど申し上げましたように、令和3年度当初予算での基金の取り崩し額は70億円。令和2年度では105億円でありましたので、35億円貯金の取り崩しを抑えることができたということであります。令和元年度と比べますと、令和元年度は234億円収支が赤字、つまり貯金を取り崩すということにしておりましたけれども、その状況から比べますと、この2年間で164億円を圧縮することができたということになります。以上が予算案の全体フレームであります。あとは、3ページ以下から簡単にかいつまんで主な事業をお話ししていきたいと思います。詳細はこの後、午後に各部局からご説明させていただきますので確認していただきたいと思います。まず、特にコメントしていきたいものを順番に言っていきたいと思います。3ページ目は、左上、感染拡大防止対策・医療提供体制確保ということで、先ほども触れましたけれども、ワクチンの接種体制を整備していくコールセンターの費用などが盛り込まれていますし、引き続き、病床を確保した費用補填、こうしたものを盛り込んでございます。医療機関への支援ということです。それから、3ページ目の下の段になりますと、これは社会経済活動の維持ということで、事業者支援の部分で、いくつか新しい政策、事業を盛り込んであります。一番上が、新型コロナウイルス対策事業継続応援金の第2弾ということで、これは、(国制度に基づく制度融資としては)無利子なのは3年間で4年目から利子が発生しますが、4年目の利子補給、利子に相当する部分を今現金で差し上げましょうという形で、要するに4年間無利子、無利子期間を1年延ばしてあげるのですけれども、その最後の部分を、今手元にお渡しする、そういう応援金の仕組みを、第2弾は売り上げの減少要件などを緩和することでもう少し幅広く事業者支援をしていこうと思っています。2つ目が、事業継続支援金で、これは直接的に非常に影響を受けている飲食事業者に対しまして、一定程度(売上が)減少している事業者に対して直接支援金をお出しするものであります。1事業者20万円、複数店舗をお持ちの方は40万円ということで制度を構築しています。それから3番目は、これは業種を問わないで幅広く、コロナウイルス対応で新しいサービスや新しい事業に、業態転換とまで言わなくても新規の事業に挑戦しようという方を応援する、新事業チャレンジ支援事業を設けております。これは国の方も、中小企業の業態転換を支援するという助成制度を設けることにしていますが、結構規模が大きくて足切りがありまして、150万円以上の事業が対象になるので、そこにいかない部分、もう少し小ぶりな、分かりやすく言えば、例えば飲食業で、今まではお店でしか出していなかったものをデリバリーもやってみますなど、そのための費用、これは150万円は多分かからないと思うのですね。そうしたものも今回の県のチャレンジ支援事業で支援していきたいと思っています。それから、県内宿泊需要喚起緊急対策事業、これは県民宿泊割引の再開でありまして、そのスタート時期はもう少し県内の感染状況を見極めなければいけませんけれども、落ち込んだ観光需要の回復のための支援をしたいと思っております。国も「Go To トラベル」を再開するタイミングなり再開の仕方をいろいろ検討されておられますが、Go To トラベルと併用することで、県民の県内の観光需要の回復を進めていきたいと思っています。あとは、最後に書いています、高速バスです。公共交通機関も大変大きな影響を受けている産業であります。佐渡汽船については、非常に急がれるということで12月の補正予算の中で一定の支援をしておりますけれども、高速バスも大変大きな影響を受けております。この高速バスの運行継続支援について、今回の予算に盛り込んでございます。その他にも、公共交通では、えちごトキめき鉄道や粟島汽船等、影響を受けている交通事業者がございます。今、いろいろな関係者と調整をやっておりまして、支援の内容が固まれば、順次支援していきたいと思っています。そして、右側4ページ目、先ほども少し触れましたけれども、非常に影響を受けている方々の生活の部分の支援、あるいは文化活動への支援を並べたものであります。上から、特に女性の、非正規雇用でサービス産業に従事する方々の離職、職を失うという方が多く発生しているという中で、もともと女性・高齢者向けの就業促進の事業をスタートさせていたのですけれども、それに付加する形で、新型コロナウイルス感染症の影響による離職者向けの、特に手厚い支援を進めていきたいと思っています。その関連で、ITのスキルアップ、IT関係は非常に伸びている産業でありまして、ここで働くことができればというところで、ITスキルアップの訓練事業を新たに設けています。それから、農業等で女性や障害者の方が働きやすいように、その就業環境整備、例えば着替え等の部屋、設備を作るなど、そうした就業環境の整備を応援していこうと思っています。4番目が、極めて具体的な話になりますけれども、離婚の際の養育費の支払いが滞るというケースが非常に多く、ひとり親家庭の生活が厳しくなるという事例が、もともとあったのかもしれませんが顕在化してきています。こうした養育費の確保について、書面で離婚の際に取り決めをしておくことが、書面を作ってきちんと約束をしておくことがその後の養育費の支払いに効果的であるということはデータ的に分かっているのですが、単に当事者同士の書面だけではなくて、公正証書化すると、取り立てが極めて容易になります。そうした公正証書の作成の相談支援などもやっていきたいと思っています。それから、ヤングケアラーという、この言葉も随分近年では使われるようになってまいりましたが、県議会でもこのヤングケアラーについていくつかご質問をいただいております。そうした事を踏まえまして、協議会を立ち上げて実態調査を始めたいと思っております。その他、低所得世帯に対する奨学のための給付金、特にオンライン学習を支援するための設備、器具の部分を支援していかなければならないと思っています。また、2つ目の丸にありますが、フードバンク。もともと非常に長い歴史を持っているフードバンクは県内にありますが、近年、こうしたフードバンク事業を始めるNPO等団体が増えてきています。そうした立ち上がってまだ歴史の浅い団体等はなかなか設備整備が十分にできていないところがありまして、大型の冷蔵庫や保管庫など、そうしたものの支援を進めていきたいと思います。結果として、例えば子ども食堂等を運営する団体への支援にもつながっていくと思っております。それは、その下の、地域の子育て力育成事業とも関係しておりまして、子どもたちの見守りの目を増やしていかなければいけないと思っております。地域の子育て支援活動を行っているNPOなどが、コロナウイルスの関係等で非常に活動をやりにくくなっているところがありますけれども、その支援を充実させたいと思っています。それから、外国人もコロナウイルスで大きな影響を受けている方々でありますけれども、今相談窓口があるのですけれども、外国人向けの相談体制に多言語通訳を(取り入れて)、その充実を図っていきたいと思っています。それから、自殺対策です。残念ながら、昨年の県内の自殺者数はその前の年に比べて増えています。こうした自殺対策についても充実させていきたいということで、新たに精神科医師による相談等を充実させていきたいと思っています。さらには、生活困窮者等への相談体制も充実させたいと思っています。最後の段が、文化活動であります。文化芸術団体も大きな影響を受けている分野でありますけれども、こうした文化団体と企業活動や商店街のイベントなどと上手くマッチングさせてあげることで、公演の機会、彼らが文化活動を行えるチャンス、機会を増やす試みを支援していきたいと思っております。あと、面白い話で、先端技術活用推進事業というのは、県内企業が非常にユニークな技術を持っておられまして、振動を伝えることができる技術があるのですけれども、例えば演奏を、YouTube等の音楽配信等で聞くだけでは、やはりリアリティというかリアルな臨場感がどうしても足りないわけですけれども、そういう意味ではコンサートなどとは、どうしても差が出るわけですけれども、振動させるという技術も活用していくことで、コロナウイルスの時代の中にあっても文化活動をより深く楽しめるように、そうしたことも支援していきたいと思っています。5ページ目は、先ほど申しました3つのキーワード、分散型社会への対応、デジタル化社会への対応、脱炭素社会への転換。そうした取り組みをここで整理しています。後からまた出てまいりますけれども、地域活性化リーディングプロジェクト、これは市町村と連携をして進めていこう、地方分散の受け皿になっていこうということで、湯沢と妙高で今年度から始めています。それを佐渡エリアや村上、上越エリアにも拡充していこうとしています。にいがた暮らし・しごと支援センターというのは、U・Iターンの相談窓口が東京都内に3か所ございまして、暮らしの部分の支援と仕事の部分の支援がそれぞれ、もっぱら仕事、もっぱら暮らしという形で上手く連携できていない部分もございます。これを統合しまして、暮らしと仕事と一体で、伴走型に支援をしていく。そうした体制を作っていきたいと思っています。あとは、新たに、楽天と連携をした、民間会員組織と連携をしたネットワーク形成事業なども始めようと思っています。それから、デジタル化社会は、県内産業デジタル化構想。これは今策定途上なのですけれども、今年度中に策定しますが、一旦中間報告と中間取りまとめをしてもらっていまして、いろいろな県内企業へのヒアリングなりアンケート調査を行ったのです。その結果から浮かび上がっている課題が分かっていまして、それを基に事業を組み立てているのですが、1つは意識改革です。5ページ目の一番下のところにありますが、経営者層がこのデジタル化ということについてまだまだ意識が及んでいないというところで、この意識改革。あるいは、そもそもその課題がよく分からない、どのように対応していったらいいのかというところでの、デジタル技術導入に向けた支援体制ということで、コーディネーターを企業に派遣して、伴走型で個別の課題を拾い出していく。そういうこともやろうと思っていますし、6ページ目の一番上、人材の育成です。特にその企業で技術責任者になるような人たちを育成していかなければならない。そうしたところに今回事業を組み立てています。行政手続きのオンライン化も進めます。それから、脱炭素については、まずはグリーン社会実現戦略検討事業ということで、息の長い取り組みでもありますし、さまざまな産業、運輸部門、あるいは生活、実に幅広い分野で取り組みを進めていかなければなりませんが、関係者の意識を盛り上げていくための戦略をまず作りましょうというところにお金を盛り込んでございます。と同時に、やれるところからやっていこうという中で、地域循環型再生可能エネルギー形成促進事業。地域循環型の再生可能エネルギーはいろいろな取り組みがあります。まだ研究段階的なものから実証事業的なものまで、レベルには差があるのですけれども、そうした挑戦する人たちを応援していこうと思っています。あとは、最後に書いてあります水素は、先般、新潟県水素拠点化推進協議会を、多くの関係者に集まっていただいた協議会を立ち上げておりますけれども、この活動を応援していこうと思っています。それから、もうすでに進めてきていますが、佐渡や粟島の自然エネルギーの島構想をいよいよ来年度策定をしたいと思っています。その次の7ページは、防災・減災対策をしっかりやっていきますということです。今回の豪雪でも大変残念ながら随分事故が起きています。屋根からの転落等、除雪に際しての事故が多発してございます。命綱を固定するアンカーを住宅に設置する取り組みを支援してまいりたいと思っています。ソフト部分では、防災アプリ、「新潟県防災ナビ」をさらに充実させようと思っています。そして、右のページ8ページに移りまして、安全・安心というくくりの中で、いくつか個別の話が列記してございますが、児童相談所。これは、児童の一時保護の件数が増えています。残念ながら長岡、上越の施設が老朽化していたり十分な設備になっていません。早急に増築なり改修していく必要がございまして、長岡はもう今年度に調査・設計しているのですが、来年度完成させて使えるようにしていきたいと思いますし、続いて上越も調査・設計に入りまして、令和5年度の早いうちには使えるようにしたいと思っています。それから、新潟県犯罪被害者等支援条例が先般制定され、来年度から施行されます。この関連予算を盛り込んでございます。それから、有害鳥獣。これも本当に昨年は被害が多発しました。有害鳥獣対策をしっかり進めるための費用も盛り込んで、特にICTを活用しての実態把握、実態調査、それから捕獲についても、旧来のやり方ではない、ITの活用で効果的なやり方もあるのではないかなど、さまざまいろいろなご指摘をいただいていますし、ご提案もいただいていますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。8ページの下の段は、地域医療の部分であります。先般、昭和大学との協定の締結などもいたしましたけれども、医師の地域枠です。入学時から県の修学資金を貸与する。新潟で医師として9年間働いていただければ返済を免除するという修学資金を貸与する、それを入学時から地域枠という形で予定する。この地域枠を拡充していこうと思っています。昭和大学で2名、新潟大学でさらに、現在でも22名なのですけれども、27名に増やしていただく。そのための費用を盛り込んでいます。一番最後の段は、いよいよ県央基幹病院の建設事業が始まっていきます。15億円あまりを盛り込んでおります。次の9ページは、健康づくりというところで、健康立県を進めるために、いろいろなヘルスプロモーションプロジェクトを幅広い関係者の皆さんと一緒に進めてきておりますが、もうすでに先進的な市町村も、全国でも県内でも一部、動機づけのためにインセンティブとしてポイント制度みたいなものを作る、マイレージやポイントのようなものを付与する仕組みを取り入れている市町村なども出てきていますけれども、県レベルでも始めようと考えています。右側の10ページ目、産業構造の転換というところでは、デジタル化の話は申し上げました。あと、防災産業クラスター形成事業というのは、先般、長岡技術科学大学とも包括連携協定を結びましたけれども、新潟県内に防災関連産業を集積させていこうという取り組みをさらに進めていきたいと思っております。プラットフォームを構築しようというのが来年度の事業です。次のページは、農林水産業です。付加価値の高い、儲かる農家、成長産業としての農林水産業を育てていこうということで園芸に力を入れてきていますけれども、引き続き水田のフル活用に加えて、今度は遊休畑でも園芸の導入を進めていこうという事業を盛り込んでいます。それから、米です。令和3年産新潟米作付転換緊急支援事業。一部、9月の補正でも盛り込んでございますけれども、さらに作付の転換を進めるためのインセンティブを付与する事業であります。それから、真ん中の下ぐらい、森林資源安定供給モデル事業。新潟県の林業ももう一段てこ入れが必要だと思っておりまして、川上から川下まで通した、園芸と同様に基本戦略を作っていきたいと思っておりまして、そのような中でこうしたモデル事業も進めていきたいと思っております。共同出荷など、共同の木材供給体制の構築を支援する事業であります。それから、スマート農林水産業も引き続き進めていきたいと思います。右側12ページ、先ほどお話をしたグリーン社会実現戦略の検討事業等を書いてございます。続けて13ページは、起業・創業。これは就任以来ずっと申し上げて取り組んできたことですが、昨年ようやく民間のスタートアップ支援拠点が8か所県内に整備され、それらがネットワークで結ばれる状態になってまいりました。さらにそのネットワークを生かして起業・創業を、起業家の卵たちを育ててもらいたいと思っているのですが、来年度の中で目新しいものとしては、企業内起業・第二創業。全く裸一貫で飛び込むということよりも、1つの企業の中から社内ベンチャーを作って育てるというのも非常に成長の可能性が高いと考えておりまして、企業内起業・第二創業を推進する事業を組み立てております。あるいは、兼業・副業を、外部の人材をうまく取り込んで経営革新を促すような取り組みを進めてまいります。事業承継のマッチングも支援してまいりたいと思っています。14ページ右側、地方分散の呼び込み、これは先ほどお話をさせていただきましたので省略をしまして、中山間地です。農村集落の将来プラン策定・人材育成支援。中山間地域は本当に疲弊が進んできています。何とか集落機能を維持し、もっぱら中心となるのは農業、林業でありますので、そうした事業が継続できるような支援を、今、地域振興局でサポートチームなどを作って行っている取り組みもありますけれども、さらにもう一段充実させていきたいと思っています。次のページにいきまして、交流人口の拡大です。「にいがた観光ファンクラブ」などを作って囲い込みをしていきたいという事業。あるいは、教育旅行です。これは本当に将来の新潟ファンを作るという意味にもつながりますし、非常に経済効果も大きいのが教育旅行です。この誘致をもっと力を入れてやっていこうと思っています。そのためには、地域の方の受け入れ側の体制も作らなければいけません。特に、やはり子どもたちの旅行にふさわしいプログラム、コンテンツを作っていかなければいけない。その支援もすることで教育旅行をもっと大きくしていきたいと思っております。15ページの下の方は、インバウンドデジタルマーケティング推進事業。いずれまた訪日外国人が大勢おいでになる時期が来ると思いますけれども、それに備えて、やはりマーケティングをしっかりやらなければいけない。しかもデータに基づくマーケティングをしっかりやっていきたいと思っています。16ページの上の方は、文化観光です。県内は本当に、実は小粒ながら良い美術館、博物館、あるいは偉人の顕彰館みたいなものがありますが、残念ながらポツンポツンと点で存在しているだけで、これをもっと連携させるとすばらしい観光資源になるのではないかというところで、文化観光の計画づくりをやっていこうと思っています。次のページが、交通ネットワークで、県内高速バスの運行継続支援のお話を先ほどしたところで、大きな影響を受けている公共交通への支援が必要だと思っています。それから、教育のところ、18ページは、統合型の校務支援システムを、いよいよ新潟県の全県立学校においてシステムを導入いたします。それから、安全なインターネット接続環境の構築も進めたいと思っております。あるいは、GIGAスクール構想を進めていく中で、ICTの支援員の配置を充実させる。このICTを使って離島や中山間地域の小規模高校でもしっかりと学びができるオンラインでの授業、遠隔授業の実証研究などを進めていきたいと思っております。COREハイスクールネットワーク構築事業と銘打ってあります。それから、いじめ対策も、高校レベルでは取り組んできていますけれども、中学校でもさらにいじめ対策をしっかり進めなければならないと思っておりまして、モデル校を選んで、学校の組織的対応力の強化、あるいはSNSでのいじめというのが大きな問題になっていますので、中学校段階からSNSの教育プログラムを作って実践していくといったことも必要だと考えております。そして最後は、人口減少問題です。これは19、20、21ページまで、若者、特に女性の県内定着、U・Iターン促進を強化していきたいと思っています。今年度もそういう方向で動いていましたけれども、より明確に令和3年度の重点テーマとして掲げてございます。個別の事業は一部触れたものもありますけれども、19、20、21ページをご覧いただきたいと思います。21ページで1つ、保育士の修学資金、ちょうど真ん中ぐらいに書いてございます。先ほどの、医師には修学資金制度がありますし、看護師についても修学資金制度を持っています。介護福祉士についても持っているのですが、保育士についても新たに修学資金制度を設けることにしております。以上が個別の事業で、22ページから簡単に触れていきますが、行財政改革もしっかり進めております。国への積極的な働きかけによって、いくつか制度改正も実現しています。5か年の加速化対策も実現しましたし、そういう意味で極めて有利な財源が用意されましたので、防災・減災対策をさらに進めることができるようになっています。それから、地方交付税を充実してもらいたいという中で、まず全体の一般財源総額を確保する働きかけを新潟県もやってまいりましたし、その結果として一般財源総額の十分な確保ができたと思っておりまして、新潟県にも来年度の交付税の増加を見込める状況になっています。交付税の算定方法の見直しについても個別にいろいろと働きかけてまいりまして、河川費の算定など、そのいくつかが実現しています。非常に細かく具体的ですけれども、県央基幹病院の一部の費用について有利な形をとることができました。あるいは、県債管理基金の運用方法も見直しまして、より運用収入を上げようということで工夫を始めています。来年度で1億円ぐらい、従来のものよりも運用収入を増やすことができると見込んでおります。平年度化する令和7年度ぐらいになりますと、従来のものよりも5億円ぐらい運用収入を増やすことができると見込んでおります。22ページの下の段の方、事務事業の見直しで26億円ぐらいカットすることができたと思っています。こうした歳入を増やす努力と支出を減らす努力の中で、先ほど冒頭申し上げましたように、総額35億円、収支の赤字を圧縮することができました。もう一息というところだと思っています。23ページは、さらに引き続きやっていかなければならない中で、組織も効率化していこうということで、地域振興局の見直しは昨年から進めてきておりますけれども、令和4年度の実施に向けて関係者への最後の調整をやっています。それから、本庁の中の小規模課については統廃合を進めています。定員の削減、合理化もやっております。出資法人の見直しも順次進めてきております。その他に、行財政改革の中で若手職員の政策提案を積極的に取り入れていこうということで、もう2年やってきてまいりましたが、来年度も引き続き進めていこうと思っております。23ページの一番最後に書いてあります歳入確保策は、ふるさと納税が順調に伸びています。3億円ぐらいに達したというふうに聞いています。そうした行財政改革をしっかり進めてまいりますし、24ページの投資事業については、冒頭もお話をしましたので省略いたします。それから、26ページ、結果として財源対策的基金の残高が、この行財政改革の議論を始めた平成31年の秋ぐらい、もう数年先に基金が枯渇するのではないかという状況の中からスタートしたわけですけれども、今の段階では最低限の、大きな災害が起きたときでも迅速に対応できる金額として230億円ぐらいは持っていなければ駄目だという中で、それは維持できる見通しが立ちつつあるという状況であります。資料は、1-2は主な事業、1-3は計数です。資料の2-1が行財政改革行動計画の取組状況ということで、これは今ほどお話しした中のものをまとめてありますので、ご覧いただければ大体お分かりいただけるかなと思います。資料の2-2が中期財政収支見通しで、この5ページだけは見ていただけますでしょうか。今後の財政収支見通しで、5ページの真ん中、収支不足額が丸く囲んでありますけれども、令和2年度で105億円の収支不足を見込んでいた、それが令和3年度予算ではマイナス70億円になりますというのはお話ししました。例年ですと、大体積み戻しが50億円ぐらいありますということで、令和2年度は今、豪雪対策、除雪費の増高等で、50億円丸々は戻せないのではないかというふうに堅めに見ていますが、令和3年度は50億円を例年ベースで戻せるということになると、基金の増減見込み額はマイナス20億円ということが立っています。令和4年、5年になりますと、これはあくまでも前提を置いた見通しで試算でしかありませんけれども、令和4年は収支不足額は37億円ぐらいまでさらに圧縮できると見込んでいまして、これに例年ベースの50億円の積み戻しができれば、結果として基金は減らないで増えるという、13億円増えるという見通しを立てております。令和5年度も26億円(増える)という試算が出ておりまして、結果として収支は均衡したということですね。そして、この2年間は少し貯金を増やすことができそうだということ。ただし、令和6年、7年になっていきますと、再びこの借金の返済が膨らんでいきますので、ピークは令和13年ですが、また収支不足、基金は減っていくことになりますので、これに備えて、もう一段の努力はしていかなければならないと。ピークを崩す。ある年だけ100数十億円の赤字をドーンと出すというわけにいきませんので、令和13年の山を目指して、その山を崩す、つまり備えていく。そういうことを引き続きやっていかなければならないという状況であります。予定より長くなってしまいましたが、私からは以上です。

資料1-1 令和3年度新潟県当初予算案の概要 [PDFファイル/4.58MB]

資料1-2 令和3年度当初予算案における主な事業 [PDFファイル/3.6MB]

資料1-3 令和3年度当初予算案(計数資料編) [PDFファイル/683KB]

資料2 新潟県行財政改革行動計画の取組状況等 [PDFファイル/131KB]

資料2-1 行財政改革行動計画(歳出歳入改革の取組状況) [PDFファイル/892KB]

資料2-2 行財政改革行動計画(中期財政収支見通し) [PDFファイル/6.08MB]

資料3 令和2年度2月補正(冒頭提案)予算案の概要 [PDFファイル/412KB]

資料4 令和3年2月議会定例会提出議案 [PDFファイル/981KB]

資料5 令和3年度組織改正の概要 [PDFファイル/1.27MB]

質疑

(令和3年度当初予算案等について)

 

Q 代表幹事(TeNY)

総論的な質問なのですが、課題が山積する中で、今回の新年度予算案を踏まえて、新潟の未来を、どのような未来を県民に示そうと考えていらっしゃるのか。知事の方針をお答えいただけたらと思います。

 

A 知事

どのような未来。非常に漠然とした・・・。

 

Q 代表幹事(TeNY)

予算案を通じて、どんな新しい新潟を作っていこうと思いますか。

 

A 知事

模範的な答えになるかもしれませんけれども、やはり足元で今、コロナウイルス対策で非常に県民も不安を持っているわけですし、そこをまずしっかりやるということは当然ですよね。それと同時に、繰り返しになりますけれども、大きな影響を受けている産業があります。飲食や観光、公共交通など、そのさらに間接的な影響を受けている産業、経済があるわけです。人が動かなくなったことによる影響が出ています。そこをしっかり立て直すことも同時にやらなければいけない。これは当然として、その先は、3つのキーワードを申し上げました、脱炭素、あるいはデジタル、あるいは分散。こうしたこれからの社会像と思われるものを目指して、その時代に、新潟県がやはり輝いている、存在感を持っている。中にいる人間から見れば、「住んでよし」という、そういう新潟県を、今から手を打っていかなければならないと思っています。それがまさに中長期の見通しのもとに、ポスト・コロナ社会を見通して、やっていくべきことを意識して予算を組み立てたというところです。ご質問に上手く答えられていないかもしれませんが、どういう新潟県にしたいですかと言えば、足元をしっかり固めた上で、この3つのキーワードに沿った、まさに「住んでよし、訪れてよしの新潟県」を作っていきたいということで、よろしいでしょうか。

 

Q 代表幹事(TeNY)

予算案はできましたけれども、知事の評価といいますか、どのように出来映えを。

 

A 知事

どうでしょう。非常に財政が厳しい状況の中にあっても、随分県庁職員の皆さんにいろいろな知恵を出してもらいまして、もちろん国の動きも追い風になったところもあります。そうした努力、汗の結晶としては、いろいろな課題、さまざまな課題にきめ細かく目配りできた、バランスのとれた予算案になったのではないかなと思っています。

 

Q 代表幹事(TeNY)

令和13年度に公債費比率がピークを迎えるということで・・・。

 

A 知事

公債費の実負担ですね。

 

Q 代表幹事(TeNY)

昨日、担当者の方が、乾いた雑巾をさらに絞るぐらいの改革が必要だというふうに仰っていまして、知事の受け止めと、あらためて、どのようにさらに財政改革を進めていくのか、知事の決意を伺えたらと思います。

 

A 知事

どのように進めていくのか、これはウルトラCはないので、実質2年、行財政改革行動計画を作りながら、新潟県の財政危機というものを世に明らかにして、県民の皆さんに理解を求めながら行財政改革をしっかり進めていきますという宣言をして、2回予算を作ったわけです。令和元年度に(行動計画を)作ったので、令和2年度の予算と今回の予算。着実に収支の改善を進めて来られていると思います。先ほどから繰り返している、もともと234億円の赤字だったものが105億円に、そして今度は70億円まで圧縮できましたということを話しましたけれども、本当に事務事業をゼロベースで見直して、聖域なき改革とまで申し上げましたけれども、もう隅々までチェックを入れて、そして、より効果的、効率的な事務事業に改善しながら積み上げてきた。これを引き続き、続けるしか答えはないのだろうと思っています。公債費の実負担は、令和13年に現在よりも100億円以上増えます。それを単年度で凌ぐというのはまず無理ですので、あまりにも影響が大き過ぎますので、乾いた雑巾をさらに絞るという表現を誰かがしたということのようですけれども、今から少しずつ絞って、痛みを和らげておかなければならないと思っています。

 

Q 新潟日報

全体的な話ですけれども、今回の予算の編成で、知事が仰る通りいろいろな新型コロナウイルスの対策で、足元の対策とか、長期の視点とか、それに行財政改革といろいろな課題があった中での予算だと思うのですけれども、知事としてこの予算編成で最も苦労した点はどこでしょうか。

 

A 知事

私が苦労したというか、各部局の職員が本当に苦労したと思うのですけれども、関係者との交渉、調整もあったでしょうし、国との調整もあったでしょうし、さまざま苦労したと思いますが、どれも意識しているつもりではありますけれども、私自身が一番意識した、こだわったというのは、冒頭でも少し申し上げましたが、コロナウイルスの影響をすごく受けている方々、その生活の部分でも影響を受けている方々への目配りと言いますか、これはしっかりやらなければならないと思っておりました。例えばキーワードで言えば、女性や、ひとり親や、外国人や、子ども、ヤングケアラーというのも言葉の中に入るかもしれませんけれども、こうした方々への行政の支援というものをやはりしっかりやらないといけないというのは、意識した点です。

 

Q 新潟日報

同じような質問になるかもしれませんが、最終盤の知事査定で、知事がこだわったり、追加で入れたみたいな、そういうものがあったら教えてください。

 

A 知事

特に、事務的に積み上げてきたものをガラガラ(崩す)とか、そういうことはなかったと思います。折々に昨年からもコミュニケーションをとっていますので、いろいろと考えてもらってきたものなので、そんなにガラガラということはないのですけれども、今申し上げたそういう生活支援の部分の他に、やはりコロナウイルスの影響を受けている事業者への支援というところ、どういう政策にしようかというところ、あるいはその規模については、最後まで議論が続いたところですね。最終的に事業継続支援金や事業継続応援金の第2弾という形になっていますし、さらには新事業チャレンジ支援事業というような形に落ち着いていますし、宿泊割引もその類いかもしれませんね。こういう形に収まるまでには、多少の議論を経ているのは事実です。

 

Q 新潟日報

令和2年度の予算編成ですとか、もともと知事就任以来、新潟県の財政のために、いろいろご自身のコネクションもあるのでしょうけれども、東京の霞ヶ関とか永田町には、これまでも何度も通って、いろいろ新潟県に、地方に有利な財源をとってきたという経緯があると思うのですが、そういったことを踏まえて、今回令和3年度の予算編成で、いろいろ引き続き有利な財源を持ってきたと思うのですが、なかなか新型コロナウイルスの影響で、県を越えて東京に陳情、要望に行けなかったのではないかと思うのですけれども、その辺り振り返っていかがでしたでしょうか。

 

A 知事

そうですね。確かに東京への出張等は、随分制約を受けました。やはり顔を見合わせてのフェイス・トゥ・フェイスでの話というものが持つ力というのはあると思いますので、電話やオンラインにはないものがあるので、それは確かにやりにくかったです。しかし、別に何かおかしなことを言っているわけではなくて、きちんとその背景があって、理屈があって、ここは困っているのだということを伝えることは、最低限メールでも電話でもできるわけでありまして、それはそれでいろいろな働きかけは、それなりにはできたと思っています。それも私自身だけではなくても、いろいろな形を通して働きかけはやっていますので、組織として動いていますので、それなりに効果、成果を生むことができたと思っています。

 

Q 新潟日報

行財政改革で、知事からご説明があった通り、かなり行動の成果が見えてきて、知事がずっと言っているワニの口というのがだいぶ閉まっているように見えますけれども・・・。

 

A 知事

まだ閉じてはいませんが、だいぶ開いていたものがすぼまっていますかね。

 

Q 新潟日報

その中で、中長期収支見通しの均衡というのもちょっと見えてきて、知事がもともと、行財政改革をやるにあたって、有識者会議でも、財政がかなり厳しくて、いわゆる緊急事態ということも言っていたと思うのですけれども、今この現状を見て、緊急事態という宣言解除ではないですけれども、その辺りの危機意識というのは。

 

A 知事

これは勘違いされないでいただきたいのですけれども、足元の収支赤字というところはワニの口が少し閉じ始めた、それはそうなのです。でもこれは、この課題は1つ、努力の成果が少し出てきていますが、まだ手つかずは、先ほどから話題になっていますけれども、令和13年をピークとする公債費、借金の返済の山は厳然として残っていまして、これにタックルしないと、まだ財政危機を脱したわけでも何でもないのです。大きく2つあった足元の収支の改善というところは少しずつ進んでいるという、その程度です。そういう意味では、まだまだ雑巾を絞らなくてはいけないところは残っています。特に触れなかったのですけれども、資料3は冒頭補正予算の概要(令和2年度2月(冒頭提案)補正予算概要)で、これは15か月予算ということで、補正予算は5577億円ぐらいですというのが資料3です。資料4は、議会に出す主な議案(令和3年2月県議会定例会提出の主な議案)ですけれども、この中で大きな新たな条例として、希少野生動植物の保護条例を新たに制定することにしているということを一言触れたかったのです。それと最後に今の話で、資料5は組織改正の概要(令和3年度組織改正の概要)の資料になっていますけれども、その中で行財政改革監を設置しますというのがありまして、そういう意味でこの行財政改革はまだまだ続く息の長い取り組みでありまして、それこそ安心したり、行革疲れが起きてしまいかねない中にあって、きちんと全庁的な立場で、行財政改革を進める組織を作っておきたいと思っています。

 

Q 新潟日報

行財政改革行動計画の期間が令和5年度までだと思うのですけれども、今のお話ですと、中長期的な、もう10年単位の話になると思うのですが、今後、現行計画というのをどういうふうに改訂なりしていくという見通しはありますか。

 

A 知事

行財政改革行動計画を、今この時点で見直す必要はないと思っていますが、計画は5年度までのものを書いていますので、引き続きしっかり計画に沿ってやっていく。そして、5年度の終了が近づいたら、それはその次をどうするかという議論は当然あると思っています。

 

Q NHK

同じく行財政改革についてなのですけれども、一旦は令和4、5年に収支均衡が見えるところまできたということで、あらためてなのですが、これはこれまでの県のどういいた努力の成果を結んでいると見ていますか。

 

A 知事

それはもうまさに小さな積み上げだと思いますね。先ほど来ご質問いただいていますけれども、国への働きかけが功を奏したものもあるでしょうし、それから例えば歳入を増やす努力、運用益を増やすことに取り組んだとか、そうした一つ一つの取り組みが集まって実を結んだ結果と思っています。ただ、これでゴールしたわけではないですので、まだまだ途上で先は長いと思っています。

 

Q NHK

その先は、令和13年に向けてもう一段の努力が必要というふうに仰っていますけれども、毎年、考えていくというふうにも紙にも書いてありますけれども、今の段階で言うとどんなことが必要だと・・・。

 

A 知事

先ほども同様のご質問にお答えしましたが、奇策があるわけではないので、そういう意味では愚直にというか、積み上げていくしかないのだと思います。要は、ある年だけ、例えば110億円の支出を増やすということは難しいわけですよね。ものすごく激変してしまうわけなので。そういう意味では、普通の考え方からすれば、それに備えて貯めておくということですよね。その作業をやらなくてはいけないのですよね。ですから、もう少し収支改善をやらなくてはいけません。山をならすことを考えていかなくてはいけない。そのことを表現しているのが、資料2-2の中期の財政収支見通し、7ページの中長期的な取り組みについてというところで、右側に基金取崩Bというこの山が分かっているので、この山を乗り越えるには基金積立Aという、この辺りで基金を積んでおくことで平準化していけるということをやらなければならないので、まさに基金積立Aというこの領域、面積を増やすには、もう一段の収支改善の努力がいるということだと思います。

 

Q NHK

収支改善にあたっては、もしかすると県民サービスの一部見直しということもあるかもしれませんが、県民への呼びかけがあれば。

 

A 知事

今まで、皆さんもどうでしょう、この2年あまりの予算編成の中で、もちろん個別にはいろいろな団体と調整をしたり、手数料の見直し等が一部ありましたけれども、人の評価なので何とも今、私から言えないかもしれませんけれども、非常に大きな負担をお願いするというものまでは、今のところまだ少ないのかなと思っているのです。ただこの先は、正直もちろん分かりません。新潟県という皆が乗っている船ですので、この船が沈まないようにするためには、時として大胆なことも必要になるかもしれませんが、できるだけ着実に安定してやっていきたいと思っています。

 

Q NHK

政策面で、地方分散への対応ということで、ポスト・コロナを柱として引き続き位置付けられた政策も拡充されていると思うのですけれども、今年度すでにテレワーカー向けの支援策なども実施されていて、利用は進んでいるものの、例えば計上している予算からするとまだまだそう多くはないという話も聞いています。人の流れとしてもやはり東京からの流れで言うと、神奈川や埼玉の近郊のところのボリュームは大きいというところで、新潟への流れを呼び込むという意味ではまだ道半ばではないかと思うのです。今回のこの政策を通じて、あらためてその機運をどう高めていきたいかというのは。

 

A 知事

コロナウイルスの影響化の中で、人や企業の地方分散が始まったと捉えていまして、ただこれが本当に続くかどうか、確かにまだ分からないところはありますが、何とかしてこの流れを呼び込みたいという努力がスタートしたばかりと思っています。ご指摘のように、今の現象は東京からは脱出するけれども、千葉、神奈川、埼玉に移っているだけと見えますよね。それでも昨年の下半期は、東京と新潟の間の移動だけで見ると、新潟の入りが多いのです。新潟の方は流入超過ですね。そこまでは数字が出てきているので、今回分散型社会への対応という中で盛り込んだ政策、最大限この事業、政策が効果を発揮するように努力していきたいと思っています。

 

Q 新潟日報

政策のところで、社会経済活動の維持に関してなのですけれども、予算額が大きいものも目立つかと思うのですけれども、以前、緊急事態宣言が再発令された辺りには、直接寄付のようなやり方がいいのか、需要喚起のようなやり方がいいのかというあり方について悩んでいらっしゃるようなところもあって、先ほどこの形になるまで多少の議論があったというお話もありました。具体的にどういった葛藤があったのか、どういった判断や工夫があってこういう形に落ち着いたのかというのを教えてください。

 

A 知事

議論ですから、いろいろな声があったということなのですけれども、事業者の継続、事業継続支援、あるいは雇用の維持というところに県として何がやれるかという話と、個別の事業者の経営の救済という形よりも、人の動きをより増やす、つまり需要や消費を喚起する。そちらにお金を盛り込んだ方が、より効果が上がるのではないかなどですね。そこは基本的な考え方、両方やればいいという議論もあるのでしょうけれども、限られた財源の中で、どこにどうお金を配分すると最も効果的なのかというところは、議論、議論でした。その個別事業者の救済というところは、難しいのですよね。どの範囲を見るかなどですね。また、困っている程度、損失が発生している程度を正しく客観的に把握できるのかなど、ここはもう去年の春からずっとその問題が続いているわけですけれども、国の方も、事業の組み立てが非常に難しいという問題を、この事業者支援、事業継続支援には孕んでいます。それをどう乗り越えるかというのがやはり議論であったわけです。こちらの消費喚起、需要喚起というところの方は、これはプラス思考の話なのでいいのですけれども、でも本当に効果が出るかどうか、それからどのタイミングで始めていいのかという辺りは議論になったところです。

 

Q 新潟日報

その中で、どういったところを重視してこの形に。

 

A 知事

それぞれの議論が落ち着いたらこういう形だということしか申し上げにくいのですけれども、これで最大の効果を発揮できるともちろん期待していますけれども、さらに事情を見ながら、改良を加えなければいけない部分もあるかもしれません。補正していかなくてはいけないのがあるかもしれません。

 

Q 新潟日報

3つのキーワードのうちの脱炭素について、昨年、2050年までのゼロカーボンを表明されまして、2021年度の位置付け、その取り組みに向けては。

 

A 知事

カーボンニュートラルは先ほど来、長々説明した概要の6ページにありますけれども、まずはこれも息の長い取り組みでありますので、関係者の意識をそろえていく戦略づくりというのが非常に大きいと思っています。これをまず来年度にやるべきこと。園芸などもそうだったのですけれども、紙(計画)を作ること自体が意味があるというよりも、その紙を作るまでの関係者間のいろいろな話し合いなどが共通目標づくりにつながり、認識の共有化につながり、実はこのプロセスが一番重要だというところがあるのです。同じように、グリーン戦略、カーボンニュートラル戦略というのは、本当にまだ、皆さんも頭では軽く分かっても、一体誰が何をどうしたらいいのだというところは、まだ議論はこれからというところだと思っておりまして、そこを深めるというのは最初にやるべきことかなと思っています。同時に、しつこいようですけれども、やれることは少しでも始めようという中で、地域循環型再生可能エネルギーの形成促進事業や、それからもうすでに水素という、これもカーボンニュートラルの世界の中、脱炭素の社会の中では非常に期待をされているものですけれども、この水素を、いち早く新潟県がその拠点となるべく手を打っていかなければならないという意識はありましたので、そのような事業も盛り込んだということです。

 

Q NST 

新型コロナウイルスに関連するものが多く盛り込まれていますけれども、本来知事が思い描いていた、やりたかったこととの乖離という点では、今回の予算編成はどのように受け止めていますか。

 

A 知事

いや、そんなに乖離はないですよ。本来というか、コロナウイルスがなかりせばというのは、それは分かりませんけれどね。コロナウイルスというものがもしこの世界で出てこなかったならば、今何をやっていたであろうかというのは、それは想像できませんけれども。確かにコロナウイルス対策に引っ張られるところはありますが、今もう、先ほどからやりとりしているように、ポスト・コロナの時代を見据えた取り組みもしっかり考えたつもりですので、そんなに、やりたいことがやれていない、思う通りになっていないなどという意識はあまりありません。

 

Q NST

そうすると、もどかしい思いというより、前向きな・・・。

 

A 知事

これはこれで与えられた環境の中で、先ほど評価ということも聞かれましたけれども、バランスのとれた予算案を作ることができたのではないかと思っています。

 

Q 毎日新聞

予算の全体的なところでお伺いしたいのですけれども、今年度、歳入の部分がかなり増えたかなと思いますが、その増えた大きな要因としては、国からの交付金がコロナウイルスのこともあって増えたというのはあるかと思うのですけれども、その国からの交付金の増によって歳出が増えたという要因の分析というか、どういうふうに捉えていらっしゃいますか。

 

A 知事

交付税が増えた理由ということですか。

 

Q 毎日新聞

理由というよりは、自主的な財源として県税が増えて歳入が増えたというよりは、外的な、国のコロナウイルスのこともあって、国がそういう政策をとったということで、県の財政も歳入が増えた・・・。

 

A 知事

たまたまラッキーではないかということですか。

 

Q 毎日新聞

と、捉えていらっしゃるのか・・・。

 

A 知事

いや、たまたまラッキーとは思っていません。

 

Q 毎日新聞

中期の見通しのところで、先ほどから雑巾をさらに絞る必要があるという話があったと思うのですけれども、知事としては、今後の見通しとして、さらに20億円とか30億円とか削っていくという話もあったと思うのですが、それの実現の難しさとか、見通しというはどういうふうに捉えていらっしゃるのか。

 

A 知事

それも同様のご質問を先ほどいただいたと思いますけれども、奇策があるわけではないので、まさに着実に積み上げていくしかないですよね。これは息の長い取り組みです。その時々の置かれた環境の中で、皆で知恵を出して、収支の改善をしていくということだと思っています。

 

Q 毎日新聞

乾いた雑巾という話もあったと思うのですけど、知事として今、雑巾が乾いていると思っているのか・・・。

 

A 知事

乾いた雑巾というのは私が言った言葉ではなくて、そんな話がありましたがというご披露をいただいたわけですけれども、それは疲れますよね。職員の皆さんには人件費(給与)のカットもお願いしていますし、それからいろいろな補助金、補助制度なども細かに見直して、ここに無駄がないかとか、そういうことを関係団体や関係者とずっと調整してもらっているわけですから、それを毎年毎年やっていくというのは、すごく疲れると思うのです。ストレスもある意味で溜まる世界だとは思いますけれども、でもそういう意味で、もう乾いたからこれ以上できないとなってしまったら、ここまで、まだ2、3歩かもしれませんけれども進んだものがまた元の木阿弥になってしまうと思っていまして、モチベーションを維持し続けるように、私も組織の皆さんにはお話し続けようと思いますし、何よりの県民の皆さんに理解をしていただかなくてはいけないと思っています。県民の皆さんが、そうだ、この自分たちが乗っている船が沈んではいけないのだというところを理解していただくことが、結果として県庁組織もさらにもう一段、努力をしようと知恵を出そうという気持ちにつながると思っておりまして、先ほども申し上げましたが、愚直に続けるしかないのだろうと。そういう意味では、今が乾いているか乾いていないということではなくて、まだゴールは相当先なので続けざるを得ないという認識です。

 

Q BSN

ポスト・コロナの地方分散のところで、まさにまだ始まったばかりというところで、先ほどの質問にありましたけれども、埼玉、神奈川、千葉の方に流れて、各地方もチャンスだと捉えて、新潟県と同じように対策を練っているところはあると思うのですが、新潟が選ばれるために何か鍵となるもの、あるいは新潟の独自策の必要性みたいなところはどのように考えていらっしゃいますか。

 

A 知事

仰るように、結局地域間競争になる部分はありますよね。これもまた何か秘策があるわけではなくて、我々が持っている強みというものをしっかり認識をして、その強みを押し出すということで、引きつけるということだと思うのです。それからその押し出し方も手当たり次第とか、数撃てば当たるという世界ではなくて、やはり効果的な押し出し方。それがこの資料の中にも、いろいろな事業のところに出てきますけれども、効果的な情報の発信の仕方とか、そのアプローチの仕方ですよね。押しなべてむやみやたらとアプローチしてもそれは効果が薄いわけで、どういう層にどういう情報を届けると効果が大きいかなどですね。きちんとしたマーケット分析のようなものをしながらやっていくことが、最終的に地域間競争に勝てるのかなと思っています。これは企業のいろいろな販売戦略と同じようなもの、似たようなものだという感じを持っています。

 

Q 時事通信

今回編成された予算の中で、これは全国に先駆けて新潟県が、新潟県独自の取り組みだと言えるものはありますか。

 

A 知事

全国の他の都道府県なり自治体がやっていない、これがお初だというものですか。そういうことであまり意識して調べたりしたことはないのではないかな。ぜひ後で部局にも聞いてもらいたいと思いますけれども、自信を持ってこれがお初です、初物ですと言えるものがあるのかな。えっ、というものはあまりないかもしれません。あまりそういう目で調べたりもしていないかもしれません。部局によっては、この事業こそ全国1番乗りみたいなものがあるかもしれませんので、聞いてもらいたいと思います。ヤングケアラーや、あるいは養育費確保支援なども、すでに取り組んでいる自治体は報道でもありますので、今これが全国初物ですというものは、明確に申し上げられません。

 

Q 読売新聞

行動計画を示された時に、現実的な目標、最低限の目標と理想的な目標ということで2パターンを示されたと思います。今現在の収支均衡を見通しで言うと、すでに最低限の目標は大きく超えて、ほぼ理想的な目標に近づいていると思うのですけれども、当初はかなり厳しいという見立てだったと思うのですが、そのようになってきたのは、どういうところが大きいと。

 

A 知事

それはもちろん、当初の計画は当然ながら厳しめに見ているというスタンスはあるとは思うのですけれども、やはり歳入の部分では、先ほどもご質問がありましたけれども、国の交付税制度について、県もいろいろな働きかけをやってまいりました。昨年で言えば、社会再生事業費というものを認められて、それが基本的な地方財政需要の中に組み込まれた。そのことによって、実は交付税がぐっと新潟県に配分されるようになったわけですけれども、そうした国への働きかけが実を結んできているというのも1つの要因かもしれません。それから、何よりもやはり、先ほど来、疲れてしまう部分もありますよねと申し上げましたけれども、随分と事務事業、政策の見直しをゼロベースで各部局にやってもらっています。それがやはり実を結んできているところがありますし、何よりも職員にその人件費のカットを臨時的にお願いしているということももちろん大きいですし、それから先ほども触れましたが、歳入も、運用益を平年化すれば5億円も運用金を上乗せできる見込みを立てている。そうした知恵も上手くいっている要因の1つだと思っています。そうしたさまざまな要因、これがあったから随分と進んだというものではなくて、積み上げだと思っています。

 

Q 新潟日報

今回、セーフティネットがだいぶ手厚くなっていますが、こういったセーフティネットの支援は継続性が大事かと思います。今回、国の臨時交付金を活用されて、新規事業や拡充がされていますが、次年度以降の継続性の部分はいかがでしょうか。

 

A 知事

そうですね。必要なものは何としても継続していく努力が必要だと思います。

 

Q 新潟日報

地方分散の部分で、地域間競争にどうしてもなるというところでしたが、今回、他とは差別化を図ったと言える部分は。

 

A 知事

先ほどの初物というご質問と近づいてくるかもしれませんけれども、大概の人が考えることは似てくるとは思うのです。地域活性化リーディングプロジェクトは、我々が持っている強みをしっかり拾い出してきてそれを市町村と連携をしてやっていくというのは、比較的珍しい試みだったのではないかと思います。

 

Q 新潟日報

歳出で、金融的投資が制度融資の関係で増えていると思うのですが、預託という意味で、返ってくる前提で貸しているのだと思うのですが、ただ、融資を受けた企業も、このコロナ禍が続くと企業によっては廃業なりをして、資金を回収できなくなってしまい、県としてもそれを負担する額が発生してくる場合もあると思うのですけれども、それが膨大になることへの懸念みたいなことを、現状、知事は考えていらっしゃるのでしょうか。

 

A 知事

これは、全国の問題ですからね。もちろん、仰る通り融資ですから、焦げ付いたときの問題はあります。それは最終的に補填していかなければいけないのですが、それは関係者でシェアをしながらということになると思います。それがどのくらいになるのかというのは今後の経済の動きによりますので、なかなか心配したとしても分からない世界ではあります。地方自治体で背負えないくらいの問題になるとすれば、そこは国も制度を作ってきた中で支援を考えてもらいたいと思いますが、今はそれを論じる段階ではないと思います。

 

Q NHK

組織改正について、大きく2つあります。まず、感染症対策の担当課も作られたと思いますが、規模や役割、また、時限的なものなのか中長期、恒久的なものなのかについて教えてください。

 

A 知事

感染症担当の副部長も設置し、感染症対策と薬務とを一緒にしていますので、暫定的ということではないと思います。ただ、感染症は終わったわけではなくて、まだ渦中にありますし、引き続き重要な業務で、いつ起こるか分からないものです。ある意味で、日本は、SARSやMERSが起きたときに、その騒ぎの中でそんなに深刻にならないまま過ぎてきたというところがあって、備えが十分できていなかったという反省の声もあります。そうしたことを考えますと、いつ発生するか分からない感染症への対応については、常に意識しなければならないテーマなのかもしれないと思っています。そういう意味では、組織としては、未来事までは分かりませんけれども、持続的な組織として捉えています。

 

Q NHK

地場産業・日本酒振興室を設置されると思うのですけれども、清酒振興の担当者は元々いらっしゃったと思うのですけれども、日本酒という観点で言うと、より体制的に強化するということなのか、それとも、単純に整理、組み替えという感じなのか、日本酒振興という観点で、この組織改正はどう見たらよいのでしょうか。

 

A 知事

日本酒という名前が付いた組織になったのですから、やはり重要視しているということで理解しています。(あなたは)期待されていますか。

 

Q NHK

予算も新しく入っていたりしたので・・・。

 

A 知事

そうですね。新潟が誇る最も強い魅力の1つだと思っておりますので、産業政策の中でも大事にしていきたい、支援していきたいと思います。

 

Q NHK

出荷量自体は年々減少してしまっていて、昨年1年間もコロナウイルスの関係で大きく減っていますが、そういったことなども背景にあるのかなと思ったのですが・・・。

 

A 知事

この(地場産業・日本酒振興室という)ネーミングはぜひ担当課に聞いていただきたいと思いますけれども、日本酒をすごく意識している、新潟の大事な産業として意識しているということの表れだと思っています。

 

Q 新潟日報

セーフティネットの部分についてはかなり細かいところまで目配りが利いているように見えるのですけれども、一方でウイルス禍によって、もともとあった社会問題が顕在化しているというところもあると思います。今回、ウイルス禍になったことで対策が逆にしやすくなったというか、なかなかそうでないと平時から見えない部分に手を付けやすくなったという意識はあったのでしょうか。

 

A 知事

手を付けやすくなったという言い方は語弊があると思いますけれども、仰る通り、潜在的にあったのです。それが今回のコロナウイルスで、生活のスタイルや経済等に大きな影響を与えた中で明るみになってきた、顕在化してきたという課題はあると思います。分かっていたけれどもより深刻度を増したという課題でもあると思っています。そこは、手を付けやすくなったというのではなく、行政として何らかの対応を取らなければいけなかったものであったと思います。ただ、その深刻度がよく分からなかった中で、今回顕在化したことによって、これはやはり何か手を打たなければいけないのだということが認識されたというところはあるのかもしれません。

 

Q 新潟日報

今年はウイルス対策を当然やらなければいけない予算なので、国の予算規模ももちろん大きくなりましたし、県予算も制度融資が多いとはいえ、いろいろとかなり目配りした事業展開にせざるを得ない部分があると思うのですが、いずれ収束していくことになれば、国からの予算の手当といったものも段々と平時に戻っていくタイミングが出てくると思います。令和3年度予算の話のときで申し訳ないのですが、今後の予算編成の中で、組織の中で段々と平時での予算編成を意識した形で、事業仕分けみたいなものを少しずつ意識しながら、3年度以降を見てもらうというようなことは・・・。

 

A 知事

まだ3年度の予算案を作ったばかりです。その先は、仰るようにポスト・コロナ、ウィズ・コロナの時代になったときにどういう予算立てをしていくかというのは、この先の話です。

 

Q 新潟日報

県の出資法人の見直しで、シンクタンクのERINA(公益財団法人環日本海経済研究所)の統合・廃止を含めた検討と書いてあるのですが、あらためてこちらについてご説明いただけますでしょうか。

 

A 知事

今、関係者と調整中でありまして、まさに途上です。記載しているように、いろいろな観点を踏まえて調整中としか、今は申し上げられないです。

 

Q 新潟日報

県の有識者会議(新潟県出資法人経営評価委員会)を見ていると、時代の変化にも対応していない、なかなか新潟県の経済に具体的なメリットがあまりないのではないかなど、厳しい意見があったと思うのですが、そういった観点も踏まえて今後見直していくのでしょうか。

 

A 知事

仰る通り、そういう厳しい声もあります。特に議会などからも言われています。そうした声があると同時に、ERINAが持っていた、あるいはこれまで積み上げてきた研究の業績を高く評価する声もあります。あるいは、研究の業績は確かにあったとしても、それが例えば経済とどうつながっているのかという指摘もありますし、さまざまな指摘があります。それらを全部含めて、どういう形に変えていけば最も合理的であり、まさに意味のある組織にできるかというところを、今まさに関係者と調整しているということであります。

 

Q 新潟日報

新潟県立大学との統合なのかどうかは分かりませんが、新潟県立大学との連携ということもあると思いますし、資料にも書いてありますが、その辺りは何か・・・。

 

A 知事

それも1つの方策だと思っています。ただ、これは決まったわけではなく、こういう方法があるよねというのは事実ですし、それをイメージしながら調整している部分もあります。

 

Q 新潟日報

歴史的に見ると、金子元知事の時代に「環日本海」というのが脚光を浴びて、県が主導してつくった当時は画期的な枠組みで環日本海というものを推し進めてきたと思うのですが、この辺りの重要性というものも変わってきたということなのでしょうか。

 

A 知事

私も、30年くらい前の環日本海という言葉をすごく覚えています。その頃、確かベルリンの壁が崩壊して東西冷戦が終わり、社会主義国だった国々との経済交流がどんどん伸びていくのではないかという、あるいは、朝鮮半島の国も東西ドイツのような統合もあり得るのではないかなど、まさに日本海を巡って、日本海を取り巻く国々が大きく変わっていくのではないかという機運がありました。ですから、環日本海という言葉にものすごく新鮮な響きがあって、将来への期待を感じさせる言葉だったと思いますが、ご指摘のように、30年経った今、随分その環日本海という言葉の響きは変わってきています。それは、まさに経済社会、世界の情勢が大きく変わってきた中で、少なくとも近年で言えば、環日本海という捉え方ではなかなか成長性を感じさせない、発展を感じさせにくくなっているという気はいたします。

 

(新型コロナウイルス感染症(変異株、ワクチン接種)について)

 

Q NHK

昨日も変異ウイルス(の感染者)が県内で13人確認されていまして、知事としての受け止めは。

 

A 知事

何度かご質問いただいていますけれども、変異ウイルスであっても基本的な感染防止対策には変わりはありませんので、そこはしっかり徹底してやっていただきたいということであります。ただこれも最終的にエビデンスが十分集まっているわけではないと聞いていますけれども、感染力が強い、感染しやすいということが報告されていますので、そこはより注意をして、感染防止対策をしっかりやっていくということだと思っています。なお、県内の変異したウイルスへの感染については、一応疫学ルートは追えておりますので、そういう意味で過度にご心配されないように、かなり前広に抑え込む努力を保健所等でやっておりますので、そこはしっかり対応していると申し上げたいと思います。

 

Q NHK

県民の中には、不安に思う方もいると思うのですけれども、今みたいな呼びかけ・・・。

 

A 知事

感染防止対策は変わりません。しっかりそれは徹底してくださいと。特に感染力が強い、感染しやすいというレポートが出ていますので、そういう意味ではより慎重にということだと思っています。ただ、過度に心配、何か特に重症化率が高いなどそういうものは、まだ固まっていません。そうでないというレポートもあれば、そうだというレポートもあるようなので、そこはまだ分からない世界の中では、基本的な感染防止対策をしっかりやっていくということに尽きるのではないかと思っています。

 

Q 新潟日報

今日から医療従事者向けのワクチンの先行接種が始まりました。県の予算の方でもワクチン接種体制の整備が入っていると思うのですが、ワクチン接種への期待や県の対応をあらためて伺います。

 

A 知事

これは縷々お話ししている通り、しっかりと体制を作って、市町村が担当する部分と県が進める部分とがありますので、連携をとりながら、市町村が行う部分も県として最大限支えながら確実に着実にやっていきたいと思っています。特に、最近、随分報道でもよく目にするようになりましたけれども、このワクチンの安全性や有効性ということについては正しく知識を提供し、理解していただいた上で判断していただけるよう、そういう環境を作っていきたいと思っています。

 

(東京2020オリンピック聖火リレーについて)

 

Q UX

今朝、島根県の知事が、島根県内で行う聖火リレーの中止を検討ということを表明されているのですけれども、新潟県としては今のところそういった考えはないという理解でよろしいでしょうか。

 

A 知事

島根県知事の発言は存じ上げませんけれども、今、新潟県で聖火リレーについてどうこうという議論はしていません。

 

(柏崎刈羽原子力発電所における東京電力の不祥事案について)

 

Q 新潟日報

一昨日、東京電力が柏崎刈羽原発の安全対策工事の未了についてもう1件公表したのですけれども、いわゆる不手際が止まらない状況なのですが、あらためて受け止めをお願いします。

 

A 知事

特にコメントすることはありません。もう言葉ではいいので、しっかりと行動と実績で示してくださいということを、それが信頼を勝ち得るために必要なことだと思っておりますので、それ以上特に申し上げることはありません。

 

Q 新潟日報

中央制御室に不正に入室した一連の問題を含めて、原子力規制委員会の更田委員長が、事故を起こした東京電力が再び原発を動かす適格性について、社会が判断するべきものだというような趣旨で発言されているのですけれども、そういった発言についてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

 

A 知事

社会が判断するべきだというその発言の趣旨までは、私も直接伺っていませんので分かりません。ただ、もちろん社会が判断する部分もあるのでしょうね。規制委員会としては、法文上定められた技術的能力があるかないか、的確に運転できる技術的能力を持っているかどうかというところは、きちんと判断していただく必要があると思います。

 

 

※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。

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