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令和5年8月23日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和5年8月23日(水曜日) 10時01分~10時37分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(10時01分~10時05分)
4 質疑項目(10時05分~10時37分)
知事発表
まずはこのところの高温と少雨、渇水被害の応急対策支援ということで、お手元に資料がございますけれども、これまでも渇水被害に対応するため、様々な取り組みを進めてまいりました。県の方でも技術的な情報提供や指導もしてまいりましたし、場合によって要望にお答えする形で消雪用の井戸なども活用できるようにする、あるいは多面的機能支払交付金の充当を徹底するように、市町村等と連携してまいりましたけれども、さらに今後もしばらく高温、少雨が続く可能性が高い、被害の拡大が懸念されるということで渇水対策の支援を深掘りしていきたいと思っています。内容的にはここにありますように、平成30年も渇水の被害が拡大した年でしたけれども、そのときの対応なども参考にしながら、一つ目は農作物への干ばつ被害を軽減するために、既に農業者等が行っているポンプの借り上げや購入といった費用を補助している市町村がたくさんございますけれども、そこに対して県も支援をするということが一点目。二つ目は、干ばつの応急対策ということで、土地改良区などが行う水路の造成や用水施設の設置といったものへ支援をするものです。三つ目は、実際に水が枯れて(農地の基盤に)ひび割れが入って、これを来シーズンに向けて復旧させるにはかなりの作業が必要になる。そうした干ばつ被害が発生しているものについての復旧事業に要する経費を支援するものです。詳しくは、この後また(部局による)ブリーフィングをさせていただきたいと思います。
(資料1)農作物等への渇水被害応急対策支援について [PDFファイル/171KB]
もう一つは「(新潟県)国際交流推進基金」、これは公益財団法人の環日本海経済研究所が昨年度末に解散しましたが、その際に県に寄付をされた財産の一部を基金として設置すること、これは2月県議会(定例会)で、条例で認められたところですけれども、この基金を活用して補助事業を開始したいと思っています。基金の規模としては10億円くらいですが、そこから生まれる利益から事業を行うということで、予算規模としては1500万円程度で、基本的には県内の大学等が他の学術機関と連携して行う共同研究ですとか国際会議・シンポジウム、あるいは人材育成に向けたシンポジウム・イベント、一部県内の国際交流団体や経済団体が行うような事業も含めて、県のさらなる拠点性向上に資するような事業を応援してまいりたいと思っています。私の方からは以上です。
(資料2)「新潟県国際交流推進基金」による新たな補助事業について [PDFファイル/91KB]
質疑
Q 新潟日報
渇水、高温の被害について伺いたいのですけれども、進行中であるとは思うのですが、現状で県内全体の農作物や水産などの一次産業における被害の状況というのは・・・。
A 知事
ここは難しくて、明らかに今年の稲がもう取れないというような状態の、被害としてある程度見えているものは、面積的にはそう大きくはないのですけれども、精査中と聞いていますが現段階での数字で、これも正確には部局に確認してもらいたいのですけれども、米やえだまめ、他の園芸作物を入れても数百ヘクタール、500~600ヘクタールだったと思いますけれども、そのくらいです。全体で15~16万ヘクタール近くの作付面積の中で、割合としてはそれだけなのですが、問題はこれから高温障害も含めて次々と被害が、例えば米の白濁等が起きれば値段としては下がっていく。そうしたものを含めた被害ということになりますと、今の段階では見通しがつかないです。
Q 新潟日報
品質低下の部分は、少し時間をかけて見ていかないと・・・。
A 知事
そうですね。
Q 新潟日報
主に米が、もう少し時間をかけて被害の状況を見ていかなければいけない・・・。
A 知事
米は特にそうですね。心配はされますけれども、何とも言えないです。
Q 新潟日報
被害の現状の面積はどのくらい・・・。
A 知事
枯死や葉枯れをして収穫できないとか、そうしたものは今申し上げたように、正確な数字は確認していただきたいと思いますけれども、今の段階で集められている情報ですと、500~600ヘクタールくらいというところで、全体の15万(ヘクタール)から見れば、そのくらいです。ただこれは、情報が入ってくると広がる可能性は十分あります。
Q 新潟日報
過去と比較してもそれほど・・・。
A 知事
平成30年が直近の渇水に見舞われた年でしたけれども、それを超えるかどうかというところだと思います。今日、明日にも雨の予想も一部中山間地、山沿いではあるようですので、それが実際に降るかどうかも当然関わってくると思います。
Q 新潟日報
500~600ヘクタールというのは農産物で、水産や畜産にも少し影響が及んでいる・・・。
A 知事
家畜のへい死が牛や鶏で出ていますが、暑熱対策は平成30年以降、あるいはその前後から高温が続くというところでだいぶ進んできている。例えば扇風機や水の供給等で対策が講じられてきていることもあって、(平成)30年の時に比べても現状ではまだ少ないです。
Q 新潟日報
毎年のように猛暑になっていて、今回も渇水の応急対策ということで支援を始めるということですけれども、応急ではなく恒常的に渇水や高温への備えが必要になっているのではないかという現場の農家の声も聞こえています。平成30年以降は対策を取ってこられて・・・。
A 知事
家畜のへい死ということに関して・・・。
Q 新潟日報
一次産業全体についてなのですけれども・・・。
A 知事
地域によると思います。例えば、今回の事を契機に、ため池の設置等を考えていきたいという地域も出るかもしれません。
Q 新潟日報
猛暑が恒常的に、毎年起こっている状態の中で、例えば県は技術的な対応としてコシヒカリBLの高温耐性化を進めたりしていますけれども、そういった高温の耐性化の改良を、より一層ほかの作物にも進めたり、渇水の備えを応急的にではなくて常に起こるものとして対策を取っていかなければいけないといった必要性はどのようにお考えでしょうか。
A 知事
高温障害の部分と水の部分と分けて議論は必要だと思います。水は、新潟県は幸い大きな川をたくさん持っているところもあって、このような状態であっても問題がない地域もたくさんあります。ただ天水田の雨水等に頼るところ、あるいは中小河川や湧水等でどうしても雨量によってかなり変動するような地域は、より対処能力を上げておく必要がある地域もあると思います。そこは先ほど申し上げたようにため池の新設等、やはり地域によってはいろいろ考えていかなければいけないところはあると思います。これはもちろん市町村や農業団体、農業者等とよく相談しながら対応策を考えていく必要があると思います。それから高温障害の方は、地域を問わず起きている課題だと思います。特に数年前に発生したフェーン現象等で、数日間ものすごい高温が続いた、しかもそれがちょうど稲が実る登熟の時に重なって大きな被害、品質の劣化等の被害があったという部分なども踏まえて、高温耐性の強い、特にお米、コシヒカリについて品種改良を進める。それはもう取り組みを進めています。あるいはコシヒカリとは違う時期の早生ないし晩生、新之助はその一つの例ですけれども、登熟する時期を少しずらせるような品種の栽培を進めるなど、そうした技術面での対応策はやってきていますし、これからもしっかりやっていかなければいけないとは思います。米以外の園芸品目などで、高温障害の部分というのは、私自身は今、具体的にこんな研究が進められていますということは部局から聞いていませんけれども、物によってはそういうものも必要になるかもしれないなとは思います。
Q UX
この事業(農作物等への渇水被害応急対策支援)の財源は、補正を新たに・・・。
A 知事
そうですね。次の9月(県)議会(定例会)でお諮りすることになると思います。
Q UX
事業規模は現時点でどのくらい・・・。
A 知事
それはまだ、これから被害の程度がどれだけ広がるかにもよりますし、現にまだ自治体や農業団体等からヒアリングをしている最中ですので、今の時点では分かりませんが、平成30年の時がどのくらいの事業規模であったかということは、一つの参考になるだろうとは思います。
Q UX
ちなみにその時は・・・。
A 知事
私の記憶が誤っているかもしれないので部局に聞いていただきたいのですが、確か事業としては1億円強だったのではないかと思います。そのうち県費で出したものはたぶん数千万円だったと思います。
Q UX
三つ事業があって、二つは拡充とあって、一つ目は新規という理解でいいのでしょうか。
A 知事
県単農業農村整備事業の拡充という整理をしているものが下の二つだと思いますが、上はそれに該当する既存のものがないということだと思います。
Q BSN
予算のところで9月議会でということでしたけれども、専決は選択肢としては・・・。
A 知事
まだ被害の状況がオンゴーイングで見えないので、ある程度固まらないと、何度も繰り返すことになってしまいますよね。
Q BSN
被害も、9月議会が終わるとたぶん10月になると思うのですが、スピード感が必要なものもあるのかなと思うのですけれど・・・。
A 知事
市町村が既に農業者等に支援をしているものが、いつまで続くか分からないわけです。明日までなのか、明後日までなのか、はたまた月末までなのか。端的には雨が降って、十分な水が供給できるようになるまでポンプは使うでしょうから、そういう意味では事業額が分からないのです。だから今はやりようがないのです。今日までの分だけやりますかという話ですけれども、農業者の負担は、多面的機能支払交付金で対応できるようにしていますので、お金がなくて今作業が止まってしまうということはないと思います。
Q 共同通信
収穫ができないという意味では、数百ヘクタール規模というお話だったのですが・・・。
A 知事
いわゆる被害として認識できているのは、500~600ヘクタールくらいだと思います。
Q 共同通信
収穫ができないような状態という・・・。
A 知事
正確な定義が分からないのですけれども、そういう意味では(部局に)確認してもらいたいのですが、いわゆる被害があった、例えば枯れてしまってもう収穫できない、生育不良でまだ収穫できないといった面積は、現状で600ヘクタールぐらいだと。
Q 共同通信
今のところ把握がこのくらいというのは、棚田のような天水田や中小河川といった、貯水などがされていない、大規模河川ではない周辺の所が影響を受けているからこれくらいの面積だと・・・。
A 知事
そうだと思います。まずはそういうところから被害が確実になってきているのだと思います。
Q 共同通信
先日も「新潟えだまめ盛」の命名式で、知事は県外への安定供給の話で意欲を示されていましたけれども、戦略上の問題というのは・・・。
A 知事
今、新潟のえだまめがほとんど収穫できなくなったということではないです。
Q 新潟日報
東京電力福島第一原発の処理水について、政府は明日にも海洋放出を始めるという方針を昨日明らかにしました。それを受けて、香港が新潟など10都県の水産物の輸入を禁止する措置を取るということを公表していますけれども、知事としての受け止めや政府に求めることは・・・。
A 知事
処理水の放出そのものについては、新潟県としてお答えすることではないので、一般的には国において、まさに責任を持って適切に対応してもらいたいと思います。ただ、それを受けての香港や中国の対応というところについては、これは現在でもまだ、新潟のお米だけは解除されましたけれど、それ以外はいまだに輸入規制をされている。それについては科学的な議論、科学的見地からきちんと議論をしていただきたいということを我々もずっと要望していますし、中国の答えもこれまでそうなのです。そういった要望で、実際に私が4年前に北京に行って規制当局に会った時も、科学的見地から議論するのだと仰っていたのですけれども、今回、例えば香港の輸入規制の10都県の中に新潟が入っています。それはどういうふうに科学的に理解したらいいのか、非常に苦しみますよね。日本海側まで、もちろん海洋は繋がっていますけれども、例えば放出する場所から新潟に到達するまでの間には、仮に繋がっていたとしても青森からずっと回ってくるわけで、ないしは太平洋側を回ってくるわけです。なぜ新潟の水産物になるのかというところは、いずれにしても科学的根拠に基づいた、冷静な議論が必要だとは思います。
Q 新潟日報
そういった科学的根拠に基づく説明というのは、県としても・・・。
A 知事
もちろん県としてやれる場面があればやりますけれども、基本的にはまず国において、きちんとやっておられるとは思いますけれども、引き続き丁寧にしっかり対応してもらいたいと思います。
Q 新潟日報
漁業関係者からは風評への懸念、不安の声も聞かれるのですけれども、風評被害という点に関しては・・・。
A 知事
風評というところは、まさに科学的議論ではない。訳語が正しいのかどうか分かりませんけれども、メディアの皆さんの、例えば韓国で怪談話のような言葉が使われていたように思いますけれども、そうした科学的根拠がない非論理的な話には、丁寧に毅然と対応していくべきだと思います。
Q 共同通信
日本海側で新潟だけになっていることが非科学的だと、先ほどお話されていましたけれども・・・。
A 知事
科学的な議論をしましょうと言った時に、それをどういうふうに説明するのですかと。私も理解できないですと言いたかっただけです。
Q 共同通信
今後関係する10都県の知事と、国に対して要望といったような、何か決まっているものはあるのでしょうか。国に対して是正の要望を出したりということは・・・。
A 知事
既に輸入規制をしている中国にはずっと要望していますし、それは国もやっていただいています。
Q 新潟日報
上海線について、今週末からいよいよ再開される・・・。
A 知事
そうですね。(8月)26日からです。
Q 新潟日報
期待について・・・。
A 知事
ようやく復便ということで、基本的には交流が拡大していくことを期待したいと思います。ただ、上海線に限って言うと、比較的ビジネス需要が多いのだろうと思います。中国は団体旅行の解禁ということですけれども、直ちに団体の観光部分が増えるかどうかはまだ見通せませんけれども、ビジネスでの往来は非常に便利になるというところで歓迎したいと思います。
Q 新潟日報
路線の維持に向けて、アウトバウンドが重要になると思うのですけれど、日本からはなかなかビザの問題などでハードルも高いのかなと・・・。
A 知事
ビザの問題ももちろんありますが、それ以上にそもそも日本人のアウトバウンドが減っています。よく皆さんも耳にすると思いますけれど、本当に日本人の海外旅行は減っています。パスポートの取得率もそうですし、まず、どこの国に行っても日本人の姿は見かけないというような、日本人を相手にビジネスをしていた人たちが困っているといった話をよく聞くと思います。特に若い世代の内向き志向のようなところは、私が役人であった時代の15~16年以上前から、この若い世代の内向き志向といった議論をした記憶があるのですけれども、総じて日本人のアウトバウンドが減っているところにどう対応していくか。単に観光旅行だけではなくて、例えば海外留学もこの2~3年は変わってきたかもしれませんが、もう20年来、海外留学が減っているなど、非常にそうした外向きの活動が弱くなっているのではないかというところの、漠然とした言い方ですけれども、懸念・心配はあります。いずれにせよ、航空路線の維持のためには、イン・アウトの両方が必要なことはその通りで、航空会社あるいは旅行会社等と連携しながら、路線の維持のためにもアウトというところを取り組んでいく必要があると思っています。
Q 新潟日報
有機農業の推進についてお伺いします。国が「みどりの食料システム戦略」を策定して、その中で有機農業の大幅な増加ということも掲げています。県としてもこの春に計画(みどりの食料システム法に基づく新潟県基本計画)を策定して、令和10年度までに特別栽培を含めて35%(面積を)伸ばしていくということで、今取り組んでいるところだと思います。知事としてはこの有機農業を本県で推進していくことの意義や重要性について・・・。
A 知事
意義や重要性は、もちろん頭の世界で言えば環境と調和したまさに持続可能な農業、これは国全体あるいは世界の潮流ということだと思いますけれども、それを目指していく上で有機農業あるいは減農薬、減化学肥料、特別栽培というところは力を入れていかなければいけないと思います。同時に脱炭素の取り組みにおいても、化学肥料を減らしていくというところで、CO2を減らしていくというところにも意義があると思っています。ただ、これは頭では理解していても実際は手間暇がかかる、手間暇をかける割には付加価値に見合う収益が得られにくいという現実がある中で、これをどう広げていくかということは大きな課題だと思っています。県内でも減減栽培や特別栽培、有機栽培の取り組みというのはずっと歴史がありますけれども、目に見えて広がっていくというところは、今でもなかなか繋がっていないのが現実です。それをどうてこ入れしていくか、そのために国もみどりの食料システムというところで、戦略交付金のようなものを設けて、金銭面での支援というところも踏み込んでいます。オーガニックビレッジも県内では佐渡市と新発田市で取り組みが始まっていまして、一定の財政支援もしています。地域の皆さんの意識も上がってきているところはあると思いますが、そうした取り組みを地道に、着実に後押ししていくということかなと思います。
Q 新潟日報
本県は稼げる農業ということで、農業者がきちんとした所得を得ていく体制づくりも重視されていると思うのですが、そういった場合に化学肥料の高騰等もありましたけれども、潜在的には有機農業の経営的なメリットや長所も考えられますでしょうか。
A 知事
メリットが得られるようにしないと広がらないですよね。それは消費者の意識の問題にも繋がっています。やはり農薬の方が楽なわけですが、あえてそれを使わないということは、手間暇がかかっている。そうした価値を、その品物の価格というところで、消費者が喜んで払うというような社会環境にしていかなければならない部分がありますよね。そうすれば、まさに儲かる農業に繋がっていく。有機栽培でも十分利益を出せる、あるいはかけた手間以上に利益が返ってくるという環境になれば、農業者の皆さんもより意欲を持って取り組んでいただけると思います。
Q 新潟日報
全国知事会会長の人事の関係で、明日(8月)24日に、新しい会長に宮城県の村井知事が就任する見通しになっています。花角知事も推薦人になられたと思うのですけれども、改めて明日就任することについて・・・。
A 知事
この場でもお答えした気がしますが、村井さんは個人的にも北海道東北ブロック、新潟はそのブロックに入っていますのでお会いする機会も多いですし、非常にしっかりとしたリーダーシップを持っていて、適任だと思っています。5期お務めになられて知事としての実績もありますし、東日本大震災からの復興というところで、リーダーシップを発揮された方だと思います。この2年はブロックの中で、副会長という形で平井会長を支えてこられて、いろいろな意味で実績をお持ちだと思いますので、まさに適任者だと理解しています。
Q 新潟日報
推薦人になられたということで、内定した時に何かご本人から・・・。
A 知事
メールでのやりとりだけです。
Q 新潟日報
どのような言葉を・・・。
A 知事
推薦ありがとうございましたということです。
Q 新潟日報
新型コロナウイルスが落ち着いてきて、いろいろな状況が変わる中で、地方を取り巻く環境も変わっていると思います。全国知事会として、課題はたくさんあると思うのですけれども、期待することについて・・・。
A 知事
課題はたくさんありますので、知事会の役割というのは、地域の様々な課題を丁寧に拾い上げ、集約をして国に届ける、国にぶつけるという役割が中心だと思います。村井知事は、北海道東北ブロックの一員でもありましたので、この地域の悩みや課題というものは、ご理解いただいていると思います。それを全国、津々浦々といいますか、多くの都道府県が抱えている悩みといったものを丁寧に集約していただいて、国の理解と対応を求めていただきたいと思います。
Q 新潟日報
特に人口減少ですとか・・・。
A 知事
そうですね。一番多くの地方自治体に共通する悩みは、高齢化あるいは少子化、人口減少への対応として、新潟県もずっと言っている、若い世代に選ばれるようにするための社会づくり、例えば子育て支援といったことに、もっとリソースを割いてもらえるように取り組んでいただきたいと思います。
Q 新潟日報
一方で、退任される平井知事について・・・。
A 知事
5年前に県が財政危機に陥った時、地方のそうした財政が厳しい実態、特に交付税の部分で当時、国からの交付税が減少していたのです。新潟県、鳥取県などもそうだったのですけれども、あの時に地方の財政を考える知事の会を結成しまして、その時に平井知事から声を掛けていただいたこともあって、お付き合いいただいています。総務省の出身ということもあり、非常に地方財政、地方自治に詳しい方で、行動力も非常にある方とお見受けしていましたし、個人的には非常に尊敬できる方だと思っていました。コロナウイルスでこれまでにない対応を迫られた2年間であったと思いますけれども、丁寧に各都道府県の意見を集約し、整理していただいて、リードしていただいたと思っています。
Q 新潟日報
脱炭素の関係で、もともと新潟県から国の方に要望している中で、再エネの電源を持っている地域が発電したとしても、首都圏や他県で脱炭素の実績がカウントされる・・・。
A 知事
そうです。消費地でカウントされるのです。CO2の削減というところをどの局面で捉えるかというと、電力に関して言えば発電の段階ではなくて、それを使っているところでCO2を減らしたという実績になるのです。
Q 新潟日報
その関係で、国に何年も前から要望をしていても、なかなか動かなくて・・・。
A 知事
3~4年くらいになりますか。こんな問題があるのですと。エネルギーを生み出しているところに、もう少しインセンティブをもらえないだろうかと。そうすることで、より再生可能エネルギーに取り組みやすくなるということを言ってきました。
Q 新潟日報
その関係で、昨日(新潟県再エネ電力等移出地域評価モデル)研究会ができたのですけれども・・・。
A 知事
期待しています。こういった問題があるよと抽象的に言ってきたわけです。再生可能エネルギーを生産する場にもっとメリットを、そうすればもっと再生可能エネルギーに取り組みやすくなるという問題を、抽象的には訴えてきたのです。そういうこともあるよねということは抽象的には理解されても、なかなか具体的な行動にならないもどかしさがあった中で、もう少し踏み込んで、こういう制度を作ったらどうだというところまで、新潟県で提案しようかということで学識経験者等を集めて、緻密な議論をやっていただける状況になりました。
Q 新潟日報
モデルができたということで、例えば新潟県だけではなくて・・・。
A 知事
もちろん全国同じような再生可能エネルギーの生産県がありますので、当然理解を広げていかなければいけない。どういったものができ上がるかまだ分かりませんが、仮に良いモデルといいますか、考え方が整理できたら仲間を増やしていきたいです。そして、実現させていきたいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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