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令和5年9月13日 新潟県知事 定例記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和5年9月13日(水曜日) 10時02分~10時45分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(10時02分~10時12分)
・横澤夏子さん「子育てに優しい新潟県」アンバサダー就任について
・「にいがた出会いサポートセンター」成婚200組記念キャンペーンについて
4 質疑項目(10時12分~10時45分)
知事発表
一つ目は福島第一原発事故に関する3つの検証の総括ということで、これは県の方で総括する作業、取りまとめる作業を進めてきましたが、このたびまとまりましたので、概要についてお伝えしたいと思います。お手元に2つの大きな冊子があるかと思いますが、そのうちの総括報告書(「福島第一原発事故に関する3つの検証~総括報告書~」)の方ですけれども、目次をご覧いただきますと、序文は別にして、第2章が各報告書の概要となっています。これは3つの検証委員会で、合計4つの報告書が出ていますけれども、この4つの報告書を、一般の方にもできるだけ分かりやすく説明する、要約をしたものです。理解を助けるために用語の解説ですとか、図表なども加えています。そして、第3章がいわゆる総括に当たるところで、4つの報告書でそれぞれ論じている内容に関連するもの、あるいは重なるといいますか、同じ内容、テーマについて論じている部分があります。こうした重なりや関連するものを、事柄ごとに抜き出して比較・整理をしました。ここにありますように、情報伝達という事柄、住民への周知・普及啓発、安定ヨウ素剤、こうした9つの事柄ごとに4つの報告書を整理して、取りまとめたものです。結果的には、それぞれの事柄について、報告書の間に矛盾や齟齬はないことを確認しています。以上で取りまとめが終わりましたので、今後は県として、柏崎刈羽原発に関する議論を進めていくことになります。その際に、この総括も含めて、これまでの検証の報告書というのは重要な材料になっていく、重要な材料として活かしていきたいと思っています。もう一つお配りした冊子も大部なものですが、一つは原子力発電所の安全規制は、国が一元的に責任と権限を有していますので、原子力規制委員会において安全審査が進められるわけですけれども、県では独自に平成15年から技術委員会(新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会)を設置していますけれども、この技術委員会で安全対策の確認を進めています。原子力規制委員会が審査した内容について、疑問が残る点等について、言うなれば独自に安全対策の確認を進めてきています。目次の第2章にありますように、22項目余りの項目立てをしまして、それについて順次議論をしてきているということです。現在までの議論の進捗の状況、あるいは既に議論が終わっているもの、確認が済んでいるものもあるわけですけれども、それが大半なのですけれども、そうしたものを取りまとめて、改めて県民の皆様にお伝えしたいと思っています。第3章が原子力防災の取組ということで、これは皆さんご存知の通り、福島第一原子力発電所の事故を受けまして、国は原子力防災の取り組みを充実させてきています。原子力災害対策特別措置法を改正し、原子力災害対策指針を定め、それを受けて県も地域防災計画を定め、広域避難計画を定めてきて、防災対策の充実を図ってきているところです。今回、避難委員会(新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会)において、避難に関する検証報告書が出されたこともありまして、それも踏まえて県の防災対策、これはある意味で、充実させる作業に終わりはないと言えば終わりはないのですけれども、これまで充実に努めてきている最新の状況をとりまとめて、県民の皆様にお伝えするものです。最後に、今話題にしました避難委員会の報告書に456の論点が示されていましたが、それを性格で分類しまして、いわゆる課題として認識できるものは238あると整理していますが、そのほか留意点や委員個人のご意見といったものもあると思っています。こうしたものにつきまして、現在の県の取組状況について説明する資料を参考に添付しています。いずれにせよ、こうしたものも活用していただいて、これから柏崎刈羽原発に関する議論を進めていくことにしたいと思います。内容については、詳しくは担当部局からのブリーフィングを確認していただきたいと思います。また、この検証の総括につきましては、これまでの報告書もそうでしたけれども、説明会等を開催する、あるいは新聞の広告、広報誌、県のホームページなどを通じて、広く県民の皆様に情報提供、共有を図っていきたいと思っています。
【資料1】福島第一原発事故に関する3つの検証の総括について [PDFファイル/72KB]
【別冊1】福島第一原発事故に関する3つの検証 総括報告書 [PDFファイル/2.16MB]
【別冊2】柏崎刈羽原子力発電所に関する安全対策の確認と原子力防災の取組の状況 [PDFファイル/6.25MB]
(横澤夏子さん「子育てに優しい新潟県」アンバサダー就任について)
二つ目は「子育てに優しい新潟県」アンバサダーに、このたび横澤夏子さんに就任していただくことになりました。「子育てに優しい新潟県」の実現を目指していく中で、結婚支援から始まって、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援を行っていこうということで、例えば経済的支援は、定期預金を活用した応援、支援の事業も始めようとしていますけれども、様々な場面で子育てを後押しする取り組みを、さらに進めていきたいと思っています。そんな中で、新潟県出身で大変多くのファンがいる、そしてご自身も3人のお子さんを子育て中という横澤夏子さんに、「子育てに優しい新潟県」アンバサダーに就任いただきまして、新潟県の子育て環境の魅力を、首都圏をはじめ全国的に幅広く発信していただきたいと考えています。横澤さんからは、後でコメントなどもいただいていますので、この後、担当部局がブリーフィングする中で披露できると思います。いずれにしても、少子高齢化、人口減少という大きな課題を抱えていく中で、若い世代に新潟県を選んでいただけるように、住む場所として、移住先としても選んでいただけるように、新潟県の子育て環境の魅力を発信していきたいと思っています。
【資料2】横澤夏子さん「子育てに優しい新潟県」アンバサダー就任について [PDFファイル/651KB]
(「にいがた出会いサポートセンター」成婚200組記念キャンペーンについて)
7年前の平成28年10月に「にいがた出会いサポートセンター」、結婚支援のためのセンターを新潟県が設置しまして、個別のマッチングシステム「ハートマッチにいがた」と言っていますが、これを進めてきました。このたび、成婚された方が合計200組に達したということで、それを記念していろいろなキャンペーンを行いたいと思っています。ここにありますように、プロフィール写真を無料でプロに撮影してもらうとか、お試し的に半年間会員になっていただくといったキャンペーンを導入して、この出会いサポートセンター「ハートマッチにいがた」にさらなる関心を持っていただき、登録していただいて、結婚の支援をさらに後押ししていくということのお知らせです。私からは以上です。
【資料3】「にいがた出会いサポートセンター」成婚200組記念キャンペーンについて [PDFファイル/310KB]
質疑
Q 代表幹事(朝日新聞)
3つの検証に関して3点ほどお伺いしたいのですけれども、1つずつお伺いします。福島の事故の検証を新潟県で独自にやった意義というのを、改めて・・・。
A 知事
まさに柏崎刈羽の議論を進める上で、大事な材料を得たということだと思っています。
Q 代表幹事(朝日新聞)
これからKK(柏崎刈羽原子力発電所)の方の議論に入っていくということですけれども、以前示された県民等の意見を聞くなど、そういうことを仰っているのかなと思いますけれども、具体的なスケジュール・・・。
A 知事
議論を、県民の様々な声を聞いていくことになると思います。
Q 代表幹事(朝日新聞)
スケジュール感などはいかがでしょうか。
A 知事
スケジュール感は特にないです。
Q 代表幹事(朝日新聞)
国の規制委員会の議論や結論を待たずに進めていくという・・・。
A 知事
議論は進めたいと思いますが、当然国の追加検査がまだ行われている最中です。また県が要望してきた、東京電力の原子炉の事業を適確に遂行するに足りる技術的能力があるのかという点についての国の審査も、再評価も、いわゆる適格性の議論ということで呼んでいますけれども、それもこれから始まるところですし、そうしたものの進捗や結果なども踏まえての議論になっていくと思います。
Q 代表幹事(朝日新聞)
特に県民等の意見を聞くというところについては、それを待って・・・。
A 知事
これから具体的に、例えばセミナーをやるとか、説明会をやるとか、あるいは公聴会のようなものをやるとか、そうしたいろいろな手段はあると思いますので、順次詰めて考えていきたいと思います。
Q 代表幹事(朝日新聞)
もともとは専門家による総括を想定していたところを、県独自に取りまとめたということで、専門家から県独自に方法を変えたことによって、今回の検証で何かできなかったことなどがあるのかどうか、いかがでしょうか。
A 知事
取りまとめるということの意味は、ここに成果としてお渡しをしていますけれども、各報告書の中に重なるものについて、あるいは関連するものについて、矛盾や齟齬等がないかということを確認する。それがコアでありまして、全体として取りまとめるということをお願いしたものが、なかなかご理解いただけずに実現できなかったというところは、残念ではあります。しかし事務的に精力的に取りまとめ作業をやった結果として、成果物を出すことができましたので、特にこの検証作業の中で、何か失ったりということはないと思っています。
Q 代表幹事(朝日新聞)
意地の悪い聞き方をしてしまうと、もともと県だけでできることであれば、専門家の方にもそもそもお願いするということ自体がどうだったのかなという気もしますけれど・・・。
A 知事
そうですね。当時そういう議論もあり得たのではないでしょうか。
Q 代表幹事(朝日新聞)
知事としては、そこはもともと県単独でできる作業であったと・・・。
A 知事
いえ、専門家といっても、うち6人はもともと各検証委員会のメンバーであり、報告書の作成に携わった方ですから、内容を熟知しているということです。そこに1人別な専門家といいますか、原子力に関する有識者を1人入れて、それで議論すれば、ひょっとすると重なり具合や関連具合をより違う角度で議論できたかもしれない。これは、たらればですから分かりませんけれども、そういうこともあるかもしれませんが、県の担当部局が総力を挙げて、しっかり各報告書の内容を精査し、取りまとめたものですので、それはそれで私はしっかり一定レベルの作業ができたと思います。
Q 新潟日報
知事も含めて3代の知事が関わって、11年かけてまとまった検証ということですけれども、先ほどの結果を受けて知事の方からは柏崎刈羽の議論について進めるというご発言があったと思います。正確なことを少しお伺いしたいのですけれど、何の議論について進めるということを・・・。
A 知事
柏崎刈羽について、最終的に地元としてどういう対応を取っていくか、端的には稼働、再稼働、あるいは再稼働の問題と言えばいいのかもしれません。それについて信頼するかなど、そうしたことについての議論ということです。
Q 新潟日報
3つの検証、報告書としては4つですけれども、今回まとまりましたが、個別としては3月までに既に出揃っていた状況かと思います。知事もそれぞれの段階で個別の内容については、じっくりご覧になられたと思うのですけれども、改めてそれぞれの報告書を受けての所感といいますか、どう感じられたのかという点と、現時点での再稼働に関する知事のお考えをお尋ねしたいのですけれども。
A 知事
各検証報告書が出るたびに、検証を取りまとめ報告書を作っていただきました各委員の皆様には、そのご努力、ご尽力に感謝申し上げてきました。丁寧に客観的にご議論いただいた成果として、これは福島第一原発の事故に関するものですけれども、大変な情報提供をしていただいたと思っています。再稼働については、これから議論をする中で、いろいろな声を伺いながら、私自身の判断も考えていきたいと思います。
Q 新潟日報
今知事のお考えとしては、フラットといいますか・・・。
A 知事
考えは今ありません。結論はありません。
Q 新潟日報
先ほどから、これから議論という言葉があったのですけれど、議論ということについてはどういったことを想定されて・・・。
A 知事
先ほどお答えしましたけれども、声を聞いていくということでもある。いろいろな人が、これまでもはっきりといろいろな声はあるのですけれども、それを県として本格的に声を集めていくということだと思っています。
Q 新潟日報
それは一般の県民、あるいは県議会や、具体的にどういったところという・・・。
A 知事
やり方はいろいろとあるので、それはこれから詰めていきます。
Q 新潟日報
もう1冊の方で、最後避難委員会からの課題の対応状況ということもありましたけれども、まだ全部見られているわけではないのですけれども、今現在まだ解消できていない課題というのは、国や東電に要請中の項目も多くあると思うのですけれども、この課題が解消されないと、なかなか安全な避難ができると言い切れない状況かと思うのですけれども、その状態であっても・・・。
A 知事
課題の性格によるのではないでしょうか。ある意味で終わりのないものがあるので、どこまで進んでいるのかというところを見ながらの判断になると思うのです。
Q 新潟日報
再稼働の判断の是非をどうするかについて、最終的には、知事は県民に信を問うという言葉を使われてきたかと思うのですけれど・・・。
A 知事
県民の意思を確認すると。
Q 新潟日報
その意思の確認の仕方については、現時点ではどのように・・・。
A 知事
決めているものはありません。
Q 新潟日報
県知事選や、あるいは県民投票などいろいろな手法があると思うのですけれど・・・。
A 知事
意思を確認する方法は、いろいろな手法があるでしょう。これは県議会でも繰り返し繰り返しお答えしているので、その繰り返しになりますけれど、決めているものはない。意思を確認しなければいけないと思うけれども、そのやり方について決めているものはないが、信を問う方法は最も明確で重い方法だと思っているということに尽きます。
Q 新潟日報
3つの検証総括に関係して伺います。先ほどの説明会など、以前配られた資料にある説明会、公聴会、シンポジウム・・・。
A 知事
そうですね。シンポジウム、セミナーと、いろいろなやり方があると思います。
Q 新潟日報
今回の総括報告書の公表を受けて、現時点でそういったものを開くお考えはないですか。
A 知事
開くつもりです。ただ時期、やり方、どこの場所でやるかなど、それはまだこれからです。
Q 新潟日報
原発を巡っては、規制委員会の検査ですとか、技術委員会での確認が続いておりますけれども、そういったものは待たずに、まずは・・・。
A 知事
先ほどもお答えしたと思いますけれど、そうしたものの進捗を見ながらの判断になるでしょう。
Q 新潟日報
進捗を見ながら、いろいろな手法で・・・。
A 知事
例えばそういうものが出てからやったほうがいいセミナーなどもあるかもしれませんし、この報告書だけの説明であればすぐにでもやれるでしょうし・・・。
Q 新潟日報
そこは知事としては、まずはすぐに住民に説明するような場を設けたほうが・・・。
A 知事
報告書はこれまでもやってきていますので、報告書が出されるたびに。この取りまとめも説明会のようなものは比較的早くやれると思うのですけれども、今言った議論が国でなされている最中であれば、それが終わってからの方が良いという議論もあるかもしれません。そこはこれから検討していきたいと思います。
Q 新潟日報
その上で、県民の意思を確認する時期についてなのですけれども、繰り返しになりますが、規制委員会の検査ですとか、技術委員会の確認が続いていますけれども、それが終わった段階で確認をするという・・・。
A 知事
そこは出てこないと、私ども少なくとも技術的能力、適確に遂行するに足りる技術的能力があるのかということの再評価を求めていますので、その結果はいただかないと結論にはいかないと思います。
Q 新潟日報
総括に関係して、この間、5月に知事が県が取りまとめを行うと表明されてから、様々な団体が記者会見を開いて、検証総括委員会の再開を求めたりですとか、県による総括では総括ではありえないという意見書を県に送ったりということをやってきたと思います。改めてこういったことに対して、知事はどういうふうにお答えに・・・。
A 知事
県がまとめたものを見てご評価いただければと思います。
Q 新潟日報
当初、有識者といいますか、専門家の皆さんによる検証総括委員会が県に対して報告書を出すというような形だったと思うのです。結局はその報告書を受け取る側の県が総括するということになったのですけれども、この報告書に対して客観性だったり、公平性だったり、そこはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
A 知事
問題ないと思います。あくまでもコアは各報告書なので、その報告書の重なりや関連を整理したということであるので、客観性などという議論とは次元が違うと思います。
Q 新潟日報
そこまで県としての意思が入っている報告書・・・。
A 知事
県の意思があるとしたら、報告書を要約していますので、そこはひょっとしたら県の要約間違いのようなものがあるかもしれませんけれども、それ以外で重なりや、あるいは関連というところでの整理に誤りがあるというのであれば、逆にこれからご指摘をいただくことになると思います。担当部局としてはベストを尽くしていると思います。
Q 新潟日報
先ほど公聴会ですとか、報告書に関する説明会はすぐにでも開けるのではないかというご発言がありましたが・・・・。
A 知事
物理的にはやれると思うのですけれど、国の方の作業が動いている中で、それを待った方がより良いのではないかなど、いろいろな考え方はあると思いますので、これからその時期ですとか、場所等については、内部で詰めていきたいと思います。
Q 新潟日報
立地自治体を優先して開いていくとか、そういった・・・。
A 知事
これまでも柏崎刈羽で、あるいは新潟市内で開いたりですとか、いろいろと場所は選んでいます。オンラインでもやったり、いろいろなことをやっていますし、もちろん情報共有、県民の皆さんに知っていただくという意味では、ホームページを始め、雑誌や新聞、そうしたもので発信しています。
Q 新潟日報
5月に県で取りまとめると意思を表明されたときに、会見の中で、再稼働の判断材料にエネルギー情勢ですとか、電力需給の状況、脱炭素に向けた動きも含めるとお話を・・・
A 知事
背景にありますと。
Q 新潟日報
そういったものは、どのように議論に絡んで・・・。
A 知事
これから論じる方が、どのようにその背景と結びつけて議論なさるかです。議論するという意味は、意見の表明のようなことだと思いますけれども、エネルギーに関する世界情勢や、現状の足元の需給の状況や、これからの見通しなど、そういったものを様々踏まえながら、おそらくいろいろな意見が出てくるのだろうと思っています。
Q 新潟日報
論じる方というのは、対象としてはどういう・・・。
A 知事
それぞれの県民一人一人が、どういう意思、意見をお持ちになるかです。
Q NHK
今回の総括を発表されたことは、どういった節目になったのかと、今回の取りまとめの位置付けというのは、どういったものなのか教えていただけますでしょうか。
A 知事
これで県独自の検証は一つの区切りが付いて、これから福島ではなくて、柏崎刈羽の議論を始める重要な材料が出来上がったということだと思っています。
Q NHK
その上で、今後議論を進めていくという段階に入ったという節目になったと・・・。
A 知事
そうです。
Q NHK
具体的な議論というのは、説明会であったり、公聴会等を開いて、まず県民の意見を聞くというのが最初の具体的な議論のスタートになるということですか。
A 知事
最初というかそれが全てです。最後に私はリーダーとして、結論を得たいと思います。
Q NHK
また別に、例えば有識者委員会を設置するという・・・。
A 知事
それはないのではないでしょうか。
Q NHK
確認なのですけれども、11年間でいいのですよね。始まりは・・・。
A 知事
初めて福島第一原発事故の原因を検証して欲しいと、県が技術委員会に対して依頼したのが、事故のあった翌年の夏ですから、そこから数えると11年目です。
Q NHK
この報告書、3つの検証の中では、柏崎刈羽原発の再稼働の良い悪いというようなことに関しては言及してないということで、改めて・・・。
A 知事
何が・・・。
Q NHK
再稼働が良い悪いというようなことに関して、この検証報告書の中で・・・。
A 知事
誤解されていませんか。そもそも検証の目的が、福島第一原発事故の原因であったり、健康や生活に与えた影響を検証することで、柏崎刈羽のこれからの議論の材料を得るということだったわけですので、再稼働の是非について触れることは考えられないです。
Q 朝日新聞
これから県民の声を聞いていく場に、知事ご自身が出席される意向は・・・。
A 知事
出席といいますか、いろいろな形で情報は得たいと思います。
Q 朝日新聞
例えばシンポジウム、セミナー、説明会を開かれて・・・。
A 知事
そういうものは一つのやり方ですので、そういったところでの状況というのは、当然私は情報を得ていきたいと思います。
Q 朝日新聞
実際にその場に出て直接質問に答えたり、議論など・・・。
A 知事
私は専門家ではないので、例えばセミナーや知識を持った人間として何かを披露したりなど、そういうことはなかなか難しいです。
Q 朝日新聞
今回3つの検証が終わったということで、総括ではなくて、3つの検証全体を見た評価・・・。
A 知事
何の評価ですか。
Q 朝日新聞
3つの検証全体としての評価をお聞きしたいのですけれども、前米山知事は、最初の総括委員会の議事録を見ると、1つの県としてあの福島事故を振り返るのは、非常に歴史的意義が深いものだと仰いました。今(3つの検証が)終わって、花角知事として、この3つの検証というものを、あの福島事故を1つの県でやったということについての意義、受け止めは・・・。
A 知事
いろいろな評価はあると思います。もう既に、例えば事故原因の調査というところで言えば、民間もあったし、政府もあったし、国会もあったり、様々にやられている中で、また何をやるのといった冷めた声もあったかもしれません。しかし新潟県として、これから柏崎刈羽に向き合う上で、やはり県民がある意味で得心できる、納得できるような作業をしておくべきだという中で、例えば事故原因についての検証を始めたわけで、そのことは私は意義があると思います。
Q 朝日新聞
これから再稼働について議論を始め、最終的に知事のご判断になると思いますけれども、今回の3つの検証をご判断する時に、どういう位置付けで・・・。
A 知事
材料ですよね。
Q 朝日新聞
どの程度の重みを持って・・・。
A 知事
どの程度というのは、それは表現できません。重要な材料だと思います。
Q 新潟日報
公聴会のイメージなのですけれども、例えば衆議院などがやっている地方公聴会ですけれども、各団体の代表者が出てきて意見を述べるということがあるのですけれども、そういうイメージなのでしょうか。
A 知事
やり方はいろいろありますし、世の中で公聴会と言われるものはいろいろなものがあるので、それらを見ながら調べながら考えていくことになると思います。
Q 新潟日報
まだ決めているものはない。
A 知事
はい。事柄として公聴会のようなものは1つの意見を聞く、情報集める1つのやり方だと思っています。
Q 新潟日報
県内でいわゆる報道機関が世論調査をすると、再稼働に慎重な姿勢の意見の方が、やはり今も多いわけです。こういった意見は、あまり大きい声になっていないと思うのですけれど、どうやって汲み取っていく・・・。
A 知事
丁寧に情報を集めるということだと思います。
Q 新潟日報
それがシンポジウムであったり・・・。
A 知事
そうですね。セミナーであったり、いろいろなお声はいろいろな場面で多分お聞きすることになる。私一人の問題ということよりも、県民の皆さんはどうお考えになっていくかです。それは相互に影響し合うと思いますし、どういうふうに県民の意思が収斂するのか、場合によっては発散するのか分かりませんけれども、そこは言うなれば県政のリーダーとして、しっかり見極めていく必要があると思っています。
Q 新潟日報
そういう中で、直接知事が県民なり代表なりと意見を、直接対話というような場面というのは想定されていますか。
A 知事
対話というか声を聞くということは必要だと思います。
Q 新潟日報
5月に今後の流れの背景で、エネルギー情勢ですとか、電力需給のことですとか、脱炭素という要素も背景にあるとお話されたと思うのですけれど、こういう話というのはまさに政府が言っている話で、どちらかと言えば原発再稼働の必要性を訴えるような話だと思うのですけれど。
A 知事
それは違うのではないですか。議論をするにあたって、現実世界の動向やエネルギーに関わる動きなどを無視して議論はできないです。そういう意味で背景と書いています。
Q 新潟日報
判断材料の一つになる・・・。
A 知事
判断材料といいますか、意見のベースになるはずです。どなたがどういう意見を持とうと思っても、その現実世界をどう見たかというのは、当然その意見を表明する、あるいは表明しなくても、持つに当たって、そこをどう考えたかというのは、常識的に問われることになるのではないですか。
Q 新潟日報
いろいろな県民の意見があるのは当然なのですけれども、柏崎刈羽の原発自体は仮に再稼働して発電した場合は、供給先というのは新潟ではなくて首都圏になると思うのです。現状で見ると首都圏や東京都から、柏崎刈羽を再稼働してくれというのは表立っては出ていないと思うのですけれども、電力消費地の声なり、そういうところは何か判断に影響するのでしょうか。
A 知事
分かりません。そうした声が出るのか出ないのかも分かりませんし、それはこれからです。
Q 新潟日報
基本的には県民の声を最優先するというところ・・・。
A 知事
リーダーとして責任を持ってこの新潟県を運営していく上で、何が最適かということは当然考えなければいけないと思っています。
Q 新潟日報
それはエネルギー需給にも関係するし・・・。
A 知事
エネルギー需給だけではないです。例えば不安感というのも大事な大きな要素ですし、信頼に足る組織なのかなど、これも大きな要素ですし、様々考えないと、あることだけを考慮してあることを考慮しなかったら、それは最適な新潟県の運営とは言えないのではないでしょうか。
Q 新潟日報
最終的な結論というのは、県民の納得感を得るということ・・・。
A 知事
100人が100人納得するかどうか分かりません。それはまさにリーダーとしての責任だと思っています。
Q 新潟日報
先ほどから県民の声、意見を聞くというお話が・・・。
A 知事
県民だけではないです。いろいろな有識者といわれる人たちがいると思います。
Q 新潟日報
手法、やり方についてのお話もいろいろ出てきましたけれども、パブリックコメントというやり方についてのご検討というのはありますでしょうか。
A 知事
パブコメは普通、計画などの案を示して、それについて意見を求めるということです。
Q 新潟日報
そうだとは思うのですけれども、県民の関心も非常に高い今回の総括だと思いますし、広い意味で本当に拾い集めるという意味ではそういった手法もありなのかなと・・・。
A 知事
拾い集めるのは、むしろ結論を出した時に県民の意思を確認するということだと思います。
Q 新潟日報
この計画に対しては・・・。
A 知事
もちろんいろいろなところで、いろいろな説明なりセミナーなり、このことだけについての評価というのは、考えにくいですけれども、そういう声をいただく可能性は十分あります。
Q 新潟日報
一番先にパブコメをやるというようなことは・・・。
A 知事
パブコメというのは今までやっていないです。報告書は県民と情報共有してきたところです。これも情報共有して、県が10年余りかけてやってきたこの作業が、一つ区切りを迎えたので、その成果物について、ぜひ県民に知っていただいて理解していただいて、次の柏崎刈羽の議論の中で生かしていくということだと思っています。
Q 代表幹事(朝日新聞)
県産米、お米のことについて伺うのですけれども、収穫作業が本格化してきて、等級の低下のようなものも徐々に明らかになっているところで、一方で流通の方では、物価高のようなところが、県産米の販売に少し悪影響を与えているという声も聞かれています。知事として、今年産の新潟県産米の流通に関する現状であるとか、見通しの認識をお伺いしたいなと、県として何か対策や支援策があればお聞かせください。
A 知事
今年産のお米については、(本格的な)収穫はこれからです。どうなるのか、しっかり状況を見ていかなければならないと思います。(収穫が)始まったところで、一等級比率が低いのではないかという心配が出てきています。等級というのは外観で判断していくものであり、最終的に精米時の量に関係してくるので、これはこれで流通段階では大事なのですけれども、ただ消費者にとってみれば、大事なのは食味、味なのです。これは実は等級とは直接関係がないということで、ぜひ消費者の皆さんには新潟米の美味しさというものを、きちんと信頼していただけるようなお米になっていることを期待したいと思っています。
Q 代表幹事(朝日新聞)
(9月11日)月曜日のJAからの要望の中でも、等級自体、この仕組み自体がどうなのかという・・・。
A 知事
流通にとっては必要なものとして、これまで長年にわたって使われているわけです。ただ消費者との関係では、誤解されますよね。何かランキングのように思われてしまうので、そこは少し誤解されて、今年の新潟米の出来が悪いのではないかというような風評被害を心配しています。これから収穫が本格化する中で、状況をしっかり見極めて、必要な対応は検討していきたいと思います。それからもう1点仰った、昨年の米のこれまでの流通を見たときに、物価高騰の中で節約志向のようなものが多少働いて、魚沼コシヒカリをはじめとする高価格帯米が売れ行きが悪いのではないかというのは、これは確かに在庫等を見ていると、そういう傾向はあります。むしろ低価格帯米といいますか、普及するボリュームゾーンのお米がしっかり出ている、売れているという中にあって、新潟県、高価格帯米も幅広く品揃えしていますけれども、その高価格帯米の売れ行きというところは、確かに心配の部分でありまして、しっかりもう少し状況をよく見ていかなければいけない。来年の作付等にどう対応するかということも、その状況を見ながら、関係者と相談していかなければいけない思います。
Q 新潟日報
明日(9月14日)、明後日(9月15日)と知事は三重県の方に行かれると思います。初めての三重県知事との懇談かと思うのですけれども、そのきっかけと意図のようなところについて、改めて聞かせていただければ・・・。
A 知事
先般、兵庫県知事とも意見交換する機会を持ちましたけれども、これまで隣接する県とは枠組みがありまして、大体共通の課題も多いということから、定期的に続けてきていますが、実は離れたところも共通する課題があったり、あるいはいろいろな自分たちにはないノウハウや知見を持っていることがあると思っていまして、それを学びたいという思いがあります。直接のきっかけは、三重県知事と知事会議の場だったでしょうか、お話をした時に意見交換しませんかというお話をいただいたのがきっかけであります。なかなか新潟県にとっては知らないことの多い県ではあるのですけれども、逆にどんな行政政策、事業を進めているのかというところは、お互いに知り合うことでプラスになることが多々あるのではないかと期待しています。
Q 新潟日報
現地視察もされるご予定ということで・・・。
A 知事
そうですね。非常に進んだスマート農業をやっている現場があるそうで、ぜひそこは見たいと思っています。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。
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