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令和6年1月4日 新潟県知事 年頭記者会見
(記者会見の動画を新潟県公式Youtubeチャンネルでご覧になれます)<外部リンク>
1 日時 令和6年1月4日(木曜日) 11時01分~11時29分
2 場所 記者会見室
3 知事発表項目(11時01分~11時02分)
4 質疑項目(11時02分~11時29分)
知事発表
特にご挨拶することはありませんが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
質疑
Q 新潟日報
元日に、能登半島を震源とする大規模地震がありました。現状と、県としての今後の対応についてお聞かせください。
A 知事
発生後、直ちに災害対策本部を立ち上げて対応に当たってまいりました。14市町だと思いますけれども、災害救助法の適用も国と調整しまして、適用を決定しています。現在のところ、人命に関わるような被害は発生していません。ただ家屋の損害が、特に新潟市を中心とした液状化の影響で、どのくらい広がっているのか、まさに今、新潟市で調査を始めているところです。そこはどこまで広がるのか心配ではありますが、そうした災害対応は、進めてくることができたのかなと思っています。特に懸案になっているものがあるわけではないと思っていますが、被害を受けられた方々への対応、特に家屋被害等については、これから検討していくことになると思います。後は、国の方で作業していただいていますけれども、国道8号が止まっていますので、早期の復旧が急がれるところです。現在では、高速道路を迂回できるようにしていますので、直ちに物流に大きな影響が出てくるわけではないと思いますけれども、いずれにしても国道8号は大きな動脈ですので、復旧を急がなければ・・・。それは国において、今しっかりやっていただいていると認識しています。これまでのところそういうことで、繰り返しですけれども、災害対応そのものは、問題なく進められていると思っています。
Q 新潟日報
関連して、今年は中越地震から20年、新潟地震から60年という節目の年で、県も国とキャンペーンをすると思うのですけれども、改めて地震への備えというところは・・・。
A 知事
地震に限らないと思いますけれども、しっかり防災・減災対策を進めていかなければならないという思いを強くしています。また、こうした場で何度も申し上げていますが、やはりハード面だけでは対応できない、ソフト面での対応、特に県民の皆さんの防災意識の向上というところは、非常に重要なのだろうと思っています。そういうことで、国や報道機関の一部の皆さんとも一緒に、今年はある意味で節目の年ということで、過去の災害の記憶を繋いで、次の世代につないでいく。あるいは災害の教訓を忘れないように、県民の皆さんに認識してもらうということで、キャンペーンといいますか、運動を進めていきたいと思っています。
Q NST
今回、元日の(地震)発生ということで、まさかという声も多く聞かれるのですが、知事としてはどのような形で体験されて、受け止められたのか教えてください。
A 知事
当日、私は自宅にいましたので、(地震が)来たなというだけです。1月1日というのは確かに驚きではありましたけれども、災害はいつ来てもおかしくないということを、改めて実感しました。
Q NST
次第に被害も明らかになってきたと思いますが、今回の地震の被害を受けて、例えば、改めて国に何か支援などを要望する考えは・・・。
A 知事
新潟県内の被害の状況からすると、直ちに今、国の支援が必要なものというのは、ないと思いますが、一つ心配なのは液状化です。液状化による家屋への被害は、特に新潟市の影響が大きいと聞いています。調査が進んでいくと、全容が見えてくると思うのですが、そうしたものへの対処は、確か東日本大震災でも、千葉県の浦安で液状化の問題がありました。それから熊本地震でも、大変な液状化の問題があって、各地で液状化による被害への対処というのは、いろいろな知見も溜まっている部分があると思います。それらを確認しながら検討していかなければいけないと。当然、その過程で、国に対してどのような支援なり協力をお願いしていくかということは、課題になっていくと思っています。
Q NST
例えば予算編成の中で、この地震への対応なども組み込んで・・・。
A 知事
ただちに予算編成と結びつけて、この事業、あるいはこの政策をというものがあるわけではありません。
Q 共同通信
佐渡金山で地震の被害があったという話なのですけれども、現段階で県として確認している被害がどのくらいあったのか、後は(世界遺産)登録に影響があるのかどうかという見立てを伺います。
A 知事
私はまだ報告を受けてないので、担当部局に確認していただきたいと思います。佐渡市が一番情報を持っているかもしれません。登録作業に大きな影響があるとは思っていません。そうであれば、すぐに情報が来ると思いますので、そこまでではないのだろうと推測します。
Q 新潟日報
今年は知事の2期目の折り返しになると思います。1期目は財政再建に対応されましたし、2期目は新型コロナウイルス対応に追われたと思います。なかなか思うように施策がやれなかったと思うのですけれども、改めて今年は、どういう年にしたいかというところを・・・。
A 知事
一言で言えば、先ほど申し上げましたけれど、龍のように大きな成長・発展が享受できるような年にしたいと思います。財政再建の中にあっても、あるいは新型コロナウイルス感染症が蔓延した時期にあっても、やるべき事業をやってきたと思っていますし、新しい政策も打ち出してくることができたと思っています。1期目、あるいは2期目の前半で何もできなかったというわけでは決してないと思っています。これから今年の夏以降、2期目の後半ということになります。いろいろな課題がたくさんありますので、着実に前に動かしていく、そういう後半にしたいと思います。
Q 新潟日報
知事も折々仰っていますけれども、人口減少問題が深刻だと思います。他の県に比べても減るペースが大きくて、今年は早いうちに県の人口が210万人を割って、200万人台になることも確実なようです。改めて、人口減少問題への対応というのは・・・。
A 知事
これは長年にわたって新潟県が抱える深刻な課題ですけれども、いろいろな取り組みをしてきているのは事実です。しかし、なかなかこの歯車を押しとどめて、逆回転まで持っていくというのは、容易なことではないというのも現実です。いろいろな分析の中から若い世代、特に女性を中心に、仕事で社会に出るときに、県外に流出している。それが戻ってきていないというところをとらまえて、若い世代、あるいは女性を中心とした世代に、再び新潟を住む場所として、働く場所として、あるいは何かに挑戦する場所として選んでもらえるような環境づくりに力を入れていこうということです。昨年は、特に子育てというところを、国も本格的に子ども政策を中心に据えてということで、取り組みを始めているわけです。それに歩調を合わせるような形で、県も子育て支援というところに力を入れてきています。「(新潟県)こむすび定期」をスタートさせたのもその一つですけれども、引き続き、こうした子育てに優しい環境の整備というところを一つの切り口に、若い世代にも新潟を再び選んでもらうといいますか、新潟を意識してもらえるきっかけになればと考えているところです。
Q 新潟日報
昨年末に国立社会保障・人口問題研究所が、最新の推計値ということで、2050年の推計人口を発表しました。本県の人口は2050年時点で、2020年比3割減の152万人になるということで、30.7%の減少率になると見込まれています。全国では11番目に高い、悪いと言ってもいいのかもしれませんけれども、水準だと出ました。かなり大きな減少率ということで、知事の受け止めを改めて・・・。
A 知事
繰り返し申し上げている通り、深刻な課題だと受け止めています。ある意味で、危機感を持っています。打てる手は最大限打とうということで、これまで歴代の知事も努力されてきているところだと思います。私も就任以来、この問題が最も深刻な課題だと申し上げてきたところで、自然減、社会減のそれぞれに対応した手当て、政策を引き続き考えていきたいと思います。
Q 新潟日報
自治体によっては、人口が半数以上に減るようなところもあります。山間部であったり、65歳以上の高齢化率が、全県で43%まで高まるという推測も出ていて、本当に自治体の維持も難しくなるような状況も出てくるのではないかという、危機的な数字かと思います。特に中山間地、離島もそうですけれども、対策といいますか・・・。
A 知事
だからこそ危機感を持って、市町村としっかり連携しながら、対応を考えていくというところしかないのですけれども、そう簡単にこの歯車が変わるかというと、これは国全体の問題ですので、一地域、一市町村がどんなに頑張っても、できないものはたくさんあって、最終的に国の形としてどういう姿を描くかということは、国政にとって最大の課題でもあると思っています。
Q 新潟日報
予算編成は今後、本格的に詰めていくと思うのですけれども、本年度の当初予算では、脱炭素、デジタル化、分散型社会と・・・。
A 知事
3つの柱を・・・。
Q 新潟日報
来年度の編成方針は今のところ・・・。
A 知事
これからの議論です。ただ、今挙げていただいたことは、今年度予算を作る時の政策の柱で、今の3つの点は、引き続き重要だと思っています。そのまま同じ表現にするかどうかは別にしても、事柄の中心は変わらないと思います。
Q 新潟日報
新しい柱を増やすとか・・・。
A 知事
言い方は変わるかもしれませんけれども、中心的な事柄としては、変わらないのではないでしょうか。その3つ以外に、何か付け足すものがあるかというところ、あるいは表現を少し変えるかということはあるかもしれません。
Q 新潟日報
原発問題に関して、昨年末に原子力規制委員会が柏崎刈羽原発の(事実上の)運転禁止命令を解除しました。政府は原発活用方針を維持していて、今年は新潟県に対して、国から再稼働を要請する場面も想定されると思うのですけれども、改めてどう対応したいか・・・。
A 知事
まさに想定されるというだけで、まだ国から何らアクションもありませんので、そういうアクションがあってから考えることだと思います。
Q 新潟日報
今後、再稼働の議論が本格化すると思うのですけれども、先日ありました能登半島地震はかなり大きい地震で、揺れを感じたところですけれども、再稼働の判断に何か影響はありますか。
A 知事
まさにこうした大規模な地震にも対応できるように、安全対策が講じられているということでしょうから、国の(原子力)規制委員会が判断することだと思いますけれども、今回起きている志賀原発等での事象を見ても、特に何か、致命的な問題が起きているとは聞いていません。
Q 新潟日報
県民にとってみれば、やはりあれだけ大きい揺れがある中で、本当に大丈夫なのかという疑念は・・・。
A 知事
大丈夫だったということなのでしょうね。志賀原発を見れば・・・。
Q 新潟日報
今月末にトキエアが就航することになりました。期待が大変大きいと思うのですけれども、今年1年はどのような形で利用が広がっていってほしいとか、県にどのような・・・。
A 知事
それはまだ気の早い質問かもしれません。実際に飛び立つと思いますけれども、新潟空港を拠点とする航空会社ですので、非常にインパクトは大きいと思います。これからどういう形で利用促進の支援ができるか、具体的には会社や関係市町村との相談ですけれども、できるだけの支援をしてまいりたいと思います。
Q 新潟日報
今年は路線拡大も計画されています。PRやキャンペーンによる利用促進の支援を常々仰っているのですけれども、運航後の安定経営に向けて、PRやキャンペーンもあると思うのですけれども、それ以外の支援というのは・・・。
A 知事
それは会社経営という意味では、会社自身が考えるべきことです。県としては利用促進、それが地域の利便性の向上ですとか、地域経済に与える好影響をいかに広げるか、大きくするかという意味で、利用促進を考えていきたいと思います。
Q 新潟日報
年明けに羽田空港でも事故があって、航空機の安全という面では、すごく注目が高まっていると思うのですけれども、この事故によって就航への影響というのは今のところ・・・。
A 知事
それは特にないのではないでしょうか。
Q 新潟日報
やはり安全ということが一番なのだと・・・。
A 知事
それは常々申し上げています。安全運航こそ第一に考えてくださいということを申し上げてきた中で、トキエアとしては、地道に、着実にそういう体制づくりを進めてこられていると思います。だからこそ、時間がかかっているところもあるのだと思います。
Q 新潟日報
年明けにも地震がありまして、自然の驚異という話があったのですけれども、米坂線について、2022年の豪雨被災から2回年を越えて、まだ復旧の見通しが立っていない状況です。JRとのやりとりも続いていくかと思うのですが、どこかで合意するとか、今年どういう動きが進むのかという見通し、または目標のようなものがあれば・・・。
A 知事
テーブルができ上がっていますので、既に事務的にはいろいろな議論を、水面下も含めてしていると理解しています。どこかで合意点を見い出して、できるだけ早く地域の皆さんに、再び鉄道が利用できるように持っていきたいと思います。
Q 新潟日報
その合意点というのが、今年中でありたい・・・。
A 知事
そこは分かりません。関係者の合意をどのタイミングで取れるか、そのためにどういう結論を得るかというところは、まだ見通せません。
Q 新潟日報
こういった地震が各地で起きている中で、知事は前々から災害での復旧、鉄道の復旧について、国に支援をずっと求めていらっしゃったのですが、実際にこういう形で、いろいろなところで災害が起きている中で、新潟の他の路線についても、いつまた災害が起きて、復旧ができなくなるといったことがあるかと思います。そういった、国への制度の拡充を求めていることについて、進捗状況といいますか・・・。
A 知事
一日や二日で事が動くような類の問題ではなくて、これはやはり、まさに全国的な課題だと思います。いろいろな角度から意見を出していかないと動きませんので、私はいろいろな場所で、いろいろな切り口で発言しているつもりです。国も事柄としては、いろいろな意味で受け止めていただいていますが、やはり最終的には、財源やお金をどうするか、例えばどういう場合に国としても本格的な支援に乗り出すのか、そうしたところの考え方というのは、やはりかなり議論していかないと、軽々に事は動かないと思います。
Q 新潟日報
今年は「(新潟県)行財政改革行動計画」が終了して、年度が変われば「(新潟県)行財政基本方針」に切り替わる年です。県職員の給与削減なども一旦終了して、財政再建改革の、一定の節目になるのかなと思うのですけれども、まだ油断できない状況が続くということで、現状についての認識を改めてお尋ねできればと思います。
A 知事
平成30年に深刻な財政の状態が認識できて、手を打たなければいけないということで、令和元年に行財政改革行動計画を作りました。その時点から、本格的な歳出の見直しと、歳入を増やす努力を行ってまいりました。本当に、いろいろな人のご協力をいただいたと思います。何よりも、職員の皆さんは4年間にわたって、ボーナスも含めて年額で1割や5%など、カットしていたわけです。これはまさに異常な事態でしたので、行動計画が終わる時に終わらせたいと思っています。実際に収入を増やす努力も、いろいろな地方交付税の制度を、随分総務省に見直していただきました。税収自体も伸びていることもあって、財政状態は随分改善しました。歳出の見直し、合理化も、いろいろな業界団体等のご協力をいただいて見直す中で、結果としては、単年度の収支で見れば黒字化できているところです。皆さんご承知の通り、問題はこの先、過去の膨大な借金の返済が本格化する令和13年度がピークですけれども、このピークをいかにスムーズに乗り越えるか。ある年にボンと増えるものを、その年だけで吸収しようとすると大変で、予算は組めませんので、徐々に乗り越える準備をしていく作業が、もう数年続くということです。そこを乗り越えれば、新潟県は普通の健全な財政に戻っていける、そこまでの見通しが立つようになったと思っています。
Q 新潟日報
能登半島地震の関係で、防災・減災への思いを強くされたという話もありました。まだ財政再建の途上にある中で、一定の公共投資への制限といいますか、上限がまだ続くと思うのですけれども、12月議会でも少し話題になったと思うのですけれども、改めて防災・減災に対しての公共投資の必要性といいますか、どうやって確保していくかも含めて・・・。
A 知事
それは工夫しかないです。今言ったように、令和13年のピークを乗り越えるまで、最終的に起債許可団体を終えるまで、まだ10数年かかります。そこは守らざるを得ない中で、実質公債費比率の、実質負担分の上限を決めてコントロールしていくしかないので、与えられた状況の中で、最大限の防災・減災対策を進めるとしか言いようがないです。工夫の余地は、まだまだあると思っています。国もいろいろな支援制度を持っていますので、できるだけ地方自治体にとって有利な支援制度を活用していくことだと思っています。後は、引き続き歳入を増やす努力を行っていきます。そうした中で自然のリスク、危険に対して、県民の生命、財産、健康を守る取り組みは、やはり疎かにできない。充実させていかなければならないという、そのバランスを取っていくということだと思います。
Q 新潟日報
今回の地震では県内に津波も押し寄せて、最大で40センチではありましたけれども、関川の方で遡上なども確認されて、住宅への浸水被害のようなものも発生しています。まだ県の数字上は、上がっていないのかもしれませんけれども、報道ベースでは出ていると思うのですけども、津波の対策についてはどのように・・・。
A 知事
対策といいますか、そこは海岸事業ないし河川の、特に河口部で・・・。津波の特別事業というのはないと思うのですけれども、河川の改修は引き続き、計画通り進めていくということだと思います。ああいう遡りを、確かに私も一部の報道で見たような気がしますけれども、どのくらいの強さのものであったのか、私も詳しく分かりません。そうした津波の遡上対策のようなものが、特別に考えられるのかどうかは、担当部局にも話を聞いてみたいと思います。
※文中の( )内については、広報広聴課で加筆したものです。