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学びいきいき中越第82号
道徳科の授業と評価の着実な実践を!
今年度より小学校で完全実施されている道徳科では、解決が困難な、答えが定まっていない問いを受け止め、他者と議論を重ね、「納得解」(自分が納得でき周囲の納得も得られる解)を得るための資質・能力の育成が求められています。その実現に向けた「考え、議論する道徳」の授業の展開をお願いします。具体的な授業展開については、「授業改善のポイント2018」の裏面に、道徳科授業の指導例を掲載しましたので、参考にしてください。
道徳科の評価について
(平成29年告示 『小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編』より)
道徳科で養う道徳性は、児童生徒が将来いかに人間としてよりよく生きるか、いかに諸問題に適切に対応するかといった人格全体に関わるものであり、数値などによって不用意に評価するものではありません。
また、道徳科で育むべき資質・能力は、他教科等で養う資質・能力3つの柱、(知識・技能、思考力・判断力、学びに向かう力や人間性等)の土台となるものです。さらに道徳性の諸様相である道徳的判断力、心情、実践意欲と態度は、児童生徒の人格そのものに働きかけて育むものです。したがって、それらをそれぞれに分節し、学習状況を分析的に捉える観点別評価を行うことは妥当ではありません。
道徳性の評価の基盤は、児童生徒に対する共感的理解です。児童生徒の成長を見守り、努力を認めたり励ましたりすることによって、児童生徒が自らの成長を実感し、さらに意欲的に取り組もうとするための評価になることを目指します。
新潟県教育支援システムで効率よく業務を!
4月より運用が開始された「新潟県教育支援システム」は利用者も増加しており、多くの投稿や情報交換が行われています。ここでは、システム導入の目的、便利な活用方法について説明します。
新潟県教育支援システム導入の目的
学校や教員を取り巻く環境は、急激な変化を見せています。ベテラン教員の大量退職に伴って若手教員が増加する中で、既に教育の専門性や指導方法の継承が困難になってきている現状があります。また、働き方改革の視点からも、効率よく業務を処理し時間を確保していく必要に迫られています。
こうした情勢を受け、新潟県では指導計画や指導案をデジタルデータで共有し、教材作成の時間を短縮したり、県内の教員と連絡をとり、校外の教員とも簡単にコミュニケーションや相談ができる場として『教育支援システム』を立ち上げ、その運用を開始しました。教育支援システムには、教師を支援するための様々な便利機能が用意されています。ぜひ活用ください。
便利な活用方法
(1) お知らせ機能
自分のメールアドレスを登録し、「お知らせ配信メール」を受け取る設定にすることで、自分へのメッセージが届いたことや、所属しているコミュニティに書き込みがあったことをメールで知らせてくれる機能です。アドレスを個人の携帯メールに登録することもできます。
(2) コミュニティ
中越教育事務所では、すでに平成30年度の「初任者研修コミュニティ」「ステップアップ研修コミュニティ」を作成し、運用を開始しています。コミュニティに登録することで、レポートの書式をダウンロードすることが可能ですし、メンバーに一斉に連絡することができます。コミュニティ外へ情報を公開せず、メンバーだけの情報交換が可能です。また、事前に投稿されたレポートを読んで研修に参加することで、より深まりのある研修の実現が期待できます。
(3) 指導計画・指導案のダウンロード
校内研修や公開授業時に、指導計画や指導案作成の参考として、法定研修等で作成し投稿された資料や教育センターで行われた研修の資料を閲覧することができます。デジタルデータで投稿された資料は、ダウンロードし加除修正することも可能です。対象学年や教科別に検索することもできます。
児童生徒の安全確保、交通事故防止 ~平成29年度 児童生徒に関わる事故発生状況~
29年度は76件の事故報告がありました。交通事故では、小学生の自転車乗車中の死亡事故が発生しました。信号のない交差点を横断中に軽乗用車が衝突しました。自転車乗車中の事故は重大事故につながることが多いので、ヘルメットの着用と共に、一時停止やスピードの出し過ぎに注意した乗車時の安全運転の指導をお願いします。
また、道路横断中の事故が増加しました。信号のある交差点でも事故が発生しており、青信号中の横断でも右左折車への注意が必要です。
負傷事故では、骨折の事故が多く報告されています。学校管理下で発生する事故では、転落事故、アレルギー事故も数件発生しています。事故へつながる危険性を見抜き、適切な予防対策をとることが学校の責務です。児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、各学校で再度の安全点検をお願いします。
自校の「いじめ防止基本方針」の取組の見直しを!
平成29年3月、文部科学省が「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定及び「いじめ重大事態の調査に関するガイドライン」を公表したことを受け、平成30年2月、新潟県いじめ防止基本方針が改訂されました。(右記参照)
いじめの問題については、チーム学校として組織的に対応し、解消まで複数で見届けることが必要です。また、インターネット上のいじめは、学校、家庭及び地域社会に多大なる被害を与える可能性があり、深刻な影響を及ぼすこと
から、学校、家庭及び地域が連携して対応していくことが大切です。
道徳教育、特別活動、人権教育、同和教育等を通じて、いじめをしない、許さない、命を大切にする意識を醸成していただきますようお願いいたします。
社会教育の窓
地域連携担当教員研修会スタート
5月14日(月曜日)に県立生涯学習推進センター、5月17日(木曜日)に魚沼市中央公民館で、地域連携担当教員研修会(担当教員研修)を開催しました。
2会場合わせて200名近い教員の参加がありました。前半の新潟市アグリパーク教育ファーム園長の真柄正幸様の講義に続き、後半は4~5名のグループに分かれて演習を行いました。
真柄様による講義
演習では「地域コーディネーターとの連携」や「地域の教育資源の活用」が話題になり、活発な意見交換が行われました。また「コミュニティ・スクール」や「地域学校協働活動」に関して、「持続可能な地域連携」といった新しい取組の視点を示したグループに注目が集まりました。
8月には管理職等研修会を開催します。地域連携担当教員研修会で得た知見や他地域の取組を基に校内研修を行い、地域の特色を生かし、地域とともに歩む学校づくりを推進してください。
グループワークでの活発な意見交換
管理手帳中越版 非違行為根絶に向けて取組の継続・強化を!
今年度4月からの事故報告件数は11件で、昨年度同時期より2件減となりました。昨年度に引き続き、安全確認不足による交通加害事故が発生しています。特に信号のない交差点では、しっかりと停止し、前後左右の確認を確実に行ってください。そして、「車は、人の命を奪う凶器にもなり得る」との認識を強くもち、自転車、歩行者などへ配慮した運転、危険への想像力を豊かにした「かもしれない運転」の励行に心がけてください。
次に、昨年度末に行われた体罰に関する調査では、体罰と判断された事例はありませんでした。しかし、不適切な指導と判断された事例が12件(小7件、中5件)報告され、一昨年度の6件(小1件、中5件)を大きく上回りました。多くの事案が児童生徒との対応の中で、教職員が冷静さを失い、感情的になってしまったために発生しています。また、トイレに行かせないといった肉体的苦痛を与えるものは、体罰に当たり許されるものではありません。全校体制で児童生徒の人格を尊重した指導を大切にし、体罰や不適切な指導を根絶するようお願いします。
今後も、非違行為根絶に向けた年間研修計画に工夫、改善を加え、県民、地域、保護者からの信頼を得るよう取組の継続・強化をお願いします。
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