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学びいきいき中越第84号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0123278 更新日:2019年6月29日更新

着実な授業改善に向けて ~学校訪問から~

1 平成30年度の様子

  1. 中学校区訪問
     本年度から希望制とし、授業改善への支援を中心に中学校区訪問を行いました。公開授業での子供の学びの姿を通して、明日からの授業づくりに向けて熱心に研修を深める先生方の姿がありました。
     多くの学校で、「『主体的・対話的で深い学び』が実現されていたか」「その実現に向けた教師の役割や手立ては有効だったか」が真剣に協議されていました。
     新学習指導要領では、3つの柱に整理された「資質・能力」の育成が求められています。今後研修を深めていくに当たり、子供の学びがどのような「資質・能力」の育成につながったのかという視点を一層意識していくことが大切です。
  2. 重点教科訪問
     2年目を迎えた重点教科訪問では、教科の専門性や指導力を高めるという趣旨を踏まえ、指定教科の授業改善委員や部員だけで協議・検討する時間を十分確保したグループがありました。教科に特化したからこそ、「久しぶりに教科の話ができておもしろかった。」と満面の笑顔でつぶやくなど、同一教科の教師が集まって協議・情報交換することの喜び・充実感を口にする先生方が多く見られました。

  1 平成30年度の様子の画像

2 平成31年度の予定

 本年度の成果と課題を受け、平成31年度の学校訪問を右記のとおり予定しています。(太字:主な変更点)
 詳細は追って連絡します。各学校等の実態・課題やニーズに応じた積極的な活用をお願いします。

  2 平成31年度の予定の画像

各学校で生徒指導体制の点検を!

 11月末現在、いじめ問題が管内の非行事故件数の中で最も多く、そのほとんどはズボン下ろしです。また、初期対応が不適切で、問題が深刻化している事例があります。生徒指導体制が十分に機能しているか、以下の視点から各学校で確認をお願いします。

1 児童生徒が感じる被害性に着目したいじめ認知

 教職員一人一人が、「いじめ見逃しゼロ、いじめの未然防止」に向けて、児童生徒をしっかり観察することが大切です。けんかやふざけ合いに見える行為でも、見えない場所で被害が発生している場合があります。日頃から、児童生徒の表情や態度、言動などの変化を感じ取る感性が求められます。いじめの兆候や懸念がある場合は、児童生徒が感じる被害性に着目した丁寧な見取りや聞き取りなど、親身な対応をお願いします。

2 組織での対応と関係機関との連携

 各学校では、問題を発見したら、「組織で対応すること」が必要です。問題が発生したことを誰にも相談せずに、一人で抱え込み解決しようとして、問題が深刻化する事案が散見されます。学校として、問題につながる芽を気軽に相談できる同僚性をつくり上げていくことが求められています。また、問題が深刻化・複雑化する前に市町村教育委員会の指示を受けるとともに、関係機関と連携して適切なアドバイスを受けることが大切です。そのためにも、管理職をはじめ、生徒指導担当者が日常的に関係機関と情報交換を密にして、信頼関係を築いていくことが必要不可欠です。文部科学省では、「いじめ対策に係る事例集」を9月末にホームページに掲載しています。生徒指導体制の点検等に御活用ください。

食物アレルギー事故(誤食)の防止について

 中越管内では、10月末時点で学校給食に起因する食物アレルギー事故が20件発生しています。そのうち、誤食による事故が4件となっています。学校給食の提供にあたっては、安全・安心の確保に努めることが最優先です。そのためには、食物アレルギーを持つ児童生徒の視点に立って対応するとともに、食物アレルギーやアナフィラキシーについて、正しく理解し、リスク管理や緊急対応を行うことが求められます。誤食を防ぐ体制づくりと緊急時の適切な対応について再度確認をお願いします。

1 誤食を防ぐ体制づくり

 給食の時間の中で誤食が起きないよう下記の点についてルールを決め、そのルールに基づいて確実に確認することが大切です。日々の繰り返しの中で、確認作業が形骸化しないように注意してください。

  • 献立内容の確認
  • 給食当番の役割確認
  • 配膳時の注意
  • おかわり等を含む喫食時の注意
  • 片付け時の注意
  • その他交流給食などの注意等

2 緊急時の適切な対応

 万全を期していても児童生徒が誤食し、症状が出現した場合の緊急対応について、職員間で共通認識の下、具体的・確実に対応できる体制を整えておくことが求められています。
 食物アレルギーは、既往症のある児童生徒のみに発症するとは限りません。学校給食が初発である例の方が多くなっています。食物アレルギーを有する児童生徒がいない場合でも、体制整備は必要となります。
〈参考〉学校給食における食物アレルギー対応指針(文科省)、学校における食物アレルギー対応指針(新潟県)

社会教育の窓

1 「文部科学大臣表彰校」の紹介 「うまし里・中条」に生きる~異文化都市間交流・国宝火焔型土器の里・中条小学校は地域とともに~

1 「文部科学大臣表彰校」の紹介 「うまし里・中条」に生きる~異文化都市間交流・国宝火焔型土器の里・中条小学校は地域とともにの画像1

 十日町市立中条小学校の「やまて十日町市中条交流・笹山じょうもん市」の取組が、平成30年度の「地域学校協働活動」推進に係る文部科学大臣表彰を受賞しました。
 中条小学校では、平成9年2月から岡山県総社市(旧山手村)山手小学校と相互交流事業を実施しています。毎年夏に6年生が総社市を訪問し、冬に山手小6年生を受け入れ、互いの地域を学ぶ活動やホームステイを通じて故郷への愛着と誇りを育んでいます。保護者や地域の協賛団体などで設立した「虹の会」、民俗文化「ちんころ」づくりと販売を行っている「中条ちんころ伝承会」などの地域団体、PTA、公民館、地区振興会が連携して、この事業を支えています。

1 「文部科学大臣表彰校」の紹介 「うまし里・中条」に生きる~異文化都市間交流・国宝火焔型土器の里・中条小学校は地域とともにの画像2

 また、地域行事「笹山じょうもん市」には、国宝火焔型土器出土地としての縄文学習の成果発表、大の坂や天神ばやしの音頭とりなどで全校児童が参加しています。「NPO笹山縄文の里」による事前学習やワークショップで、縄文時代や火焔型土器などの認識を深め、児童自身が社会の一員として地域づくりに参加する意識が醸成されています。学校はコミュニティ・スクールとして地域から助けられ、地域に打って出、共に活動をつくっています。
 中条小学校は、今後も家庭・地域と手を携えて、人材育成と地域活性化に寄与できるよう「うまし里(美しい故郷)・中条づくり」に取り組みます。

2 子供読書活動の推進 平成30年度子ども読書レベルアップ研修会

2 子供読書活動の推進 平成30年度子ども読書レベルアップ研修会の画像

 県教育委員会では、「子ども読書活動推進事業」として、昨年度に引き続き「子ども読書レベルアップ研修会」を開催しました。この研修会は、地域や学校で子供読書活動を推進する人を対象に、読書に関する総合的な知識と実践的な技術の習得や、子供読書活動を推進する関係者のネットワークづくりが目的です。
 中越地区は長岡市立中央図書館と南魚沼市図書館を会場とし、それぞれ4回の開催で延べ233人が参加しました(講師・テーマは左下枠参照)。教職員の参加は少なかったですが、学校司書の参加が25%を占めました。「障がいがある子供への読書についてとても勉強になった」「子供たちと取り組んでみたい」などの感想が寄せられ、参加者から高い評価をいただきました。

新学習指導要領の理念を踏まえキャリア教育の充実を

 キャリア教育の理念が浸透してきている一方で、「職場体験」「進路指導」がキャリア教育そのものであるという誤ったとらえや、「夢を描く」だけで終わってしまい「働くこと」の現実や必要な資質・能力の育成につなげていく指導が不十分であるとの課題が指摘されています。文部科学省はこうした現状を受けて、学習指導要領改定に伴いキャリア教育を次のように方向付けました。

  1. 学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら
  2. 社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう
  3. 特別活動を要としつつ各教科の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること

 特別活動を要としながら、総合的な学習の時間や学校行事、道徳科や各教科における学習、個別指導としての教育相談等の機会を生かしつつ、学校の教育活動全体を通じて必要な資質・能力の育成を図っていく取組が重要になってきます。
そのためには校長のリーダーシップのもと、校内の指導体制を整備し、学年や学校全体の教師が共通の認識に立って、それぞれの役割や立場において協力しながら指導を行うことが大切です。また、将来の生活や社会などとの関連を意識させる機会の確保が不可欠であることから、地域住民等と連携・協働して児童生徒を育てていくことも求められます。将来の変化を予測することが困難な時代を前に、児童生徒が社会の中で自分の役割を果たしながら、同時に自分らしい生き方を実現していけるよう、より一層キャリア教育を充実させていくことが求められます。各校において指導体制を今一度確認し、キャリア教育の充実をお願いします。

管理手帳中越版 「飲酒・酒気帯び運転事案」発生

管理手帳中越版 「飲酒・酒気帯び運転事案」発生の画像

飲酒・酒気帯び運転根絶のための取組の強化・徹底を

 大変残念なことに、10月末に「飲酒・酒気帯び運転事案」が発生してしまいました。教育の信頼を大きく損なう事態となり、児童生徒、保護者の不安は計り知れません。数人での私的な飲酒の会を終えた後、代行で帰宅する予定でしたが、しばらくして、大丈夫だろうと安易に判断し、ハンドルを握ってしまいました。飲酒運転根絶の取組を推進してきたにもかかわらず、なぜ、適切な判断ができなかったのでしょうか。どの学校にも誰にでも起きうる問題であるという危機意識を高め、代行で帰る職員を確実に最後まで見届けるなど、各校での取組の強化・徹底をお願いします。いよいよ師走に入り、公的にも私的にも飲酒の機会が多くなる時期になりました。飲酒翌日の運転にも十分注意してください。

教員免許更新の確実な手続きを

 今年も申請の締切り(1月31日)が迫ってきました。昨年度末から新免許状所持者の更新も始まっています。チェックリストを活用し、所属教員の免許状の有効期限、更新講習の受講、申請状況の確認をお願いします。

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