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むらかみ・いわふね珍風景(珍風景番号115)
酒屋のふね(珍風景番号115)
酒造りに使われていた酒槽(さかぶね)
大町の益甚(ますじん)酒店には、店の奥に木製の大きな浴槽(ゆぶね)のようなものが置かれています。厚さ10センチもある丈夫な板を組み合わせて作られていて、幅3メートル、奥行1メートル、高さ1メートルもあります。これを見つけて「なぜここに浴槽があるんですか」などと尋ねるお客様も多いとか。
これは、いったい何でしょう?
正解は、酒槽(さかぶね)。
酒造りの工程において、もろみ(蒸した酒米に麹を加え発酵させたもの)を搾って酒にするための道具です。
搾りたての酒が出てくる、槽口(ふなぐち)
底面には、槽口に向かって溝が付けられています
益甚酒店は、昭和20年(1945)までは造り酒屋を営んでいました。この酒槽は、酒造りを始めた明治30年ころに作られたもので、酒造りの上槽(しぼり)と呼ばれる工程で使われていました。
上槽では、酒槽の中に酒袋(もろみが3~5升ほど入る木綿の袋)を何段にも敷き詰め、上から圧力をかけて酒を搾りました。ここの酒槽の内側は、幅198センチ、奥行75センチ、高さ90センチなので、容量は1,336リットル(一升びん742本分)にもなります。
搾られた酒は、底面横の穴から外へ流れ出てきます。これが、槽口(ふなぐち)です。
ここから出てくる搾りたてのお酒が、いわゆる「ふなぐちの酒」です。
酒槽の底には、槽口に向かって溝が付けられていて、最後まで酒が槽口へ向かって流れるようになっています。
ちなみに、酒を搾った後に酒袋に残るものが、酒粕(さけかす)です。
5合または1升入ります
かつては、お酒は量り売りでした。お酒を買うときは、このような徳利(とっくり)を持ってきて、お酒を詰めてもらいました。
お酒の銘柄が入ったこの徳利は通い徳利(かよいどっくり)と呼ばれていましたが、通いすぎるとお金がどんどん無くなることから「貧乏徳利」ともいいます。
村上の町屋には、珍しいものやちょっと面白いものなど、見所がたくさんあります。ぜひ探してみてください。
かつて酒造りに使われていた酒槽を身近に見られる珍風景でした。
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