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26 西生寺
概要・良寛とのゆかり
長岡市寺泊野積にある真言宗の古刹。天平5年(733)行基が開いたと言われる。日本最古の弘智法印の即身仏が安置されていることで知られる。
良寛は五合庵に定住していた約20年に間に、分水や寺泊の寺院を転々とした時期があった。西生寺に一時仮住まいしたのは享和3年(1803)、良寛が46歳の時だった。西生寺に半年ほど仮住まいし、「弘智法印の像に題す」という詩を残している。
ほかにも、この寺が舞台の梅の木の花盗人の長歌を詠んで書にかいた芭蕉の句碑もある。
良寛の敬愛する芭蕉も訪れた西生寺。境内の展望台からの眺めは景勝百選にも選ばれた絶景である。
※弘智法印即身物のご開帳は拝観料が必要。
大人500円、小中学生300円
駐車場あり
全景写真
詩歌碑・像
良寛の詩(弘智法印の像に題す)
逸話
宝物堂にある長歌は良寛が、分水の親友「原田鵲斎」に贈ったもの。
原田鵲斎は梅の木を好み、ほうぼうから梅の木を譲ってもらっていた。
野積の西生寺に「梅の古木」があると聞き譲ってほしいと頼み込んだが、断わられてしまう。
あろうことか鵲斎は、こっそりと西生寺の梅の古木を盗みに行くという計画を実行した。
しかし途中で、野積の村人に見つかってしまい、村中が大騒ぎとなり、ついに梅の古木を手に入れることはできなかった。
この話を聞いた良寛は大変面白がり、梅盗人の様子を想像してこの長唄を詠んで、盗人当人である原田鵲斎に贈った。
良寛の長歌(梅の木の花盗人)※遺墨が宝物堂に展示