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43 夕ぐれの岡
概要・良寛とのゆかり
ことに夕映えが美しいことからも「夕ぐれの岡」との名にふさわしい。托鉢を終えた良寛が夕暮れに、ここで一息ついて五合庵への山道を登って行った。
「夕ぐれの岡」の碑が建立されている。
国上山の麓、石湊(港)は寺泊―弥彦、寺泊―地蔵堂への道の交わる地点である。ここ大河津分水路の堤防の傍らに老松の繁っている岡がある。
この岡の名の起こりは、国上寺中興の祖といわれる僧、万元が托鉢の帰りにここに錫を留めて湖面に映える夕日を眺め、身体の疲れを癒し、歌を詠んだ岡であったからだという。当時は大河津分水路はなく、付近に大きな円上寺潟があり、万元上人の歌はそこに映える湖面の夕日を詠んだものである。
そして後年良寛もこの岡で万元を偲んで詩を詠んでいる。