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万代テラスの柳(万代テラスの秘密1)
ちょっと邪魔な感じがしますが
一列に並んでいます
万代テラスに一列に並んでいる、8本の柳の木。
園路の中に立っていて、ちょっと邪魔だと思うかもしれませんが、これは元々ここに立ち並んでいた柳の木をそのまま残したもの。万代テラスができる前はここが川岸で、柳の木が11本、一列に並んでいました。
万代テラスは、全体的に0~70センチ、柳の木の立っているあたりは15~20センチほどかさ上げされました。
樹木のまわりをかさ上げすると、根が呼吸できなくなって木が弱ってしまい、枯れてしまうこともあります。そのため、当初の計画では、柳の木はすべて伐採することになっていました。
しかし、50年近く萬代橋を見守ってきた柳の木を何とか残したいと考え、樹勢の衰えていた3本を除く8本を残すために工夫しました。
実は、柳の木のまわりは直径1.5メートル、深さ15~20センチほどの穴になっていて、ドーナツ型の鉄の蓋でふさがれています。穴の底が元々の地面で、柳の木は園路よりも15~20センチほど下から生えているのです。
根元にはドーナツ型の蓋が
蓋のスリットから中を見ると
幹のまわりの酸素管(工事写真より)
幹のまわりには、酸素管というパイプが何本も巻き付けられ、幹から外に向かって広がっています。その上には、軽くて通気性・排水性のいい土壌改良材が詰められていて、これらにより、地中に酸素を供給して根から呼吸できるようにしています。
目に見えないところに、このような工夫をすることで、8本の柳の木を残したのです。