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的確な雑草防除や排水対策などの高い技術で高収量・品質を実現 【農事組合法人ホクシン】

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0211000 更新日:2019年12月27日更新

(農)ホクシンの皆さん

 (農)ホクシンの皆さん

 

法人の概要

 「農事組合法人ホクシン」は、平成18年に基盤整備や品目横断的経営安定対策の制度施行を契機として設立した集落営農法人です。前身は、平成元年に水稲の作業受託や転作大豆の栽培を目的とした任意組織「ホクシン農産」です。
 平成28年度全国豆類経営改善共励会において農林水産大臣賞(大豆集団の部)を受賞しました。

経営面積・品種と内訳(平成30年産)

 
作目 品種

作付面積

(ha)

収量

(kg/10a)

品質

(%)

大豆 エンレイ 4.5 180 2等 82
里のほほえみ 5.1 230 2等 85
水稲 コシヒカリ、こしいぶき、つくばSd1号、新之助 等 約40 542 1等 92

 

大豆作の概要

 
工程 ポイント

ほ場準備

・集落の農地を4ブロックに分け、大豆1年+水稲3年のローテーション

・作付予定ほ場は、全筆でサブソイラによる心土破砕をJA委託で行っている他、片培土機により周囲明渠を作溝

耕起

播種

・耕起は、ロータリーを用い、播種までに2回実施し、砕土率を向上

・播種作業は、側条施肥により5月末から開始

防除

・病害虫防除は、予防効果の高い種子塗沫剤クルーザーMaxxを使用している他、ラジヘリによる本田防除を2回実施
・雑草防除体系は、播種後の土壌処理剤クリアターン乳剤の散布、2回の中耕・培土と大豆バサグラン液剤の散布

水管理

・干ばつ時の畦間かん水実施の判断材料等として利用するため、団地ごとに塩ビ管を設置して地下水位を確認

収穫

・晩生の「里のほほえみ」を導入することで、「エンレイ」と作期分散

インタビュー ~川崎 一敏 組合長にお話を伺いました~

― 地域における大豆生産の取り組みについて教えてください。

 「生産者間で活発に意見交換しながら、技術の向上を図っています。」

   当地区は、大豆種子生産組織があり、収量・品質の向上に向け、意識が高い地域です。JAの大豆部会においては、大豆の技術力アップに向けた研修会を定期的に開催し、施肥管理を徹底している種子生産組織の管理対策を参考にするなど、生産者間で生育状況や栽培技術等について、積極的に意見交換を行っています。その結果、当初は雑草の多発生等により収量・品質ともに低い水準でしたが、効果的な除草剤や培土技術などの有益な情報もいち早く入手することができ、収量・品質が飛躍的に向上しました。

 

大豆部会の現地巡回

▲大豆部会の現地巡回

 

― 多収・高品質な大豆を生産するために、工夫していることを教えてください。

 「排水対策・雑草防除の確実な実践、側条施肥の導入や晩生品種の導入による作期分散などです。」

   畑作物である大豆は、湿害対策が重要です。基本として、4年に1回の大豆作付けとなるようブロックローテーションによる団地化を行っています。また、作付予定のほ場では、春にサブソイラによる耕盤破砕を行っています。
    播種前の耕起は2回実施しており、苗立ちを良くするため、1回目の耕起は作業速度を落として特に丁寧に行い、土を細かくしています。
    側条施肥の導入も収量向上に効果がありました。導入当初は、過剰施肥により、青立ちとなったときもあったため、全層より減肥することが重要です。
    初期の雑草防除も非常に重要です。播種直後の土壌処理剤の散布、2回の中耕・培土、大豆バサグラン液剤散布の体系で、ほぼ防除することができています。
    干ばつのリスク管理として、地下水位を把握するための塩ビ管を埋設しています。農道からでも水位がある程度分かるよう、浮きをつけ、目立たせています。
   収穫が遅れると収量や品質に悪影響を及ぼすため、1品種2~3日で収穫できる体制をとっています。晩生の「里のほほえみ」を導入したため、この体制が可能となりました。さらに、収穫時の雑草の抜き取りも大切です。防除をしっかり行っても、タデが発生することがあり、そのようなほ場では、作業員が手作業でタデを抜く作業をコンバインと併走して行うことで、汚損を防いでいます。

 

培土の様子

水位把握のための塩ビ管埋設の様子

上:培土の様子 作業時期を逃さないため、複数台の機械で一気に実施

下:水位把握のための塩ビ管埋設の様子

 

※経営面積や品種情報については取材時のものです

 

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