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酒米、米菓原料のもち米に加えて業務用米に取り組む 部会活動で新品種も収量・品質を安定確保 【JA越後さんとう】

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0211993 更新日:2019年12月27日更新

JA越後さんとう 常務理事 水島和夫氏

JA越後さんとう  常務理事 水島 和夫 氏                         

 『近年3カ年は、主食用米、コシヒカリとも1等米比率が90%以上。品質向上に力を入れています。』

 

JAの概要

  管内に日本酒と米菓の工場が立地しているため、以前から加工の実需と結びついた米づくりを行っています。また、米の品質向上に力を入れており、近年は主食用米、コシヒカリともに1等米比率90%以上という実績を上げています。

水稲経営面積・品種と内訳

平成29年作付面積 4,054ha
品種 作付面積(ha)
 こしいぶき   539
 コシヒカリ 2,204
 あきだわら    68
 その他うるち米※   240
 酒米計   592
 ゆきみのり   195
 その他もち米※   216

※その他うるち米には、ゆきん子舞やゆきの精など10品種以上含む

  その他もち米には、わたぼうしやこがねもち等を含む

 

「あきだわら」栽培面積 H27 H28 H29
6ha 14ha 68ha

インタビュー

 

― 業務用米等に取り組んだきっかけと経緯を教えてください。

 「実需側からの提案で取り扱いを始めました。」

  以前から、地元酒造メーカーと酒米の契約栽培を行っていましたが、その後、米菓業者と「わたぼうし」の契約栽培がはじまりました。しかし、病害に弱い「わたぼうし」に代わる品種として、米菓業者からの要望で平成23年から「ゆきみのり」の試験栽培を始め、倍々の勢いで拡大してきました。また「あきだわら」は米卸業者から提案があり、平成26年に初めて作付けし、とにかく量がほしいと言われており、面積は年々拡大しています。

 

― ニーズの把握や販売先の確保はどのようにしていますか?

 「取引先とは、頻繁に情報交換しています。」

  当JAでは、「五百万石部会」、「ゆきみのり研究会」、「あきだわら部会」といった生産者の部会を運営しています。その活動の一環でほ場巡回を行っていますが、取引先からも同行いただきながら、実需者懇談会を毎年開催しています。取引先からは年2~3回産地に来てほ場を見てもらい、情報交換してお互いの事情を話し合っています。
 「酒米」や「ゆきみのり」、「あきだわら」いずれの実需者からも、「新潟産(地元産)がもっと欲しい」と要望をいただいています。

 

― 生産・販売面で工夫していることはありますか?

 「ある程度大規模な生産者に推進し、部会活動で栽培技術を高めています。」

  業務用の新しい品種は一部の共乾施設でしか荷受けしていないので、個人で乾燥調製が出来て、作期分散を進めている規模の大きな生産者に勧めました。「ゆきみのり」はもち米なので、まず「わたぼうし」の契約栽培をしていた生産者に推進し、拡大するにつれて他の生産者にも推進しました。
    「酒米」、「ゆきみのり」、「あきだわら」とも、部会活動で研修会、多収共励会、生産数量調整などをしています。目標収量は、「ゆきみのり」10俵、「あきだわら」11俵です。「ゆきみのり」は品質向上が難しい品種ですが、昨年の「ゆきみのり」の1等米比率は57%(全県29%)で、活動の成果が表れています。
  全農が低コスト資材の供給を始めていますので、生産者にはこうした資材を利用して低コスト生産に取り組み、手取りを増やしてほしいと考えています。

 

― 業務用米等の取組においての課題はありますか?

 「集荷関連施設を効率的に運用することです。」

  さらに業務用米を拡大するためには、乾燥調製施設と倉庫を確保することが課題です。集荷期間が伸び、人件費もかかりますので、施設の運用に工夫が必要です。

 

― 今後の業務用米等生産の方向性を教えてください。

 「業務用米の需要にもっと応えていきたいです。」

 業務用米を含んだ品種構成の方針を決定して進めます。実需者からは、量の拡大を求められており、新潟産ということで有利な取引が期待できるのであれば、積極的に需要に応えていきたいと考えています。

 

― 業務用米等を導入・拡大する上での注意点はなんですか。

 「今のうちに品質を上げて需要のある米の枠を確保することです。」

 今のうちに業務用米の等級を上げて品質のばらつきをなくし、需要のある米の取引枠を確保していきたいです。そのため部会運営を中心に、技術指導に力を入れていきます。

 

研究会活動の実施 

△ 研究会活動の実施

   「あきだわら」及び「ゆきみのり」については研究会を設立し、大口需要への対応や技術向上等を図っています。

 

「あきだわら」の流し込み施肥

△ 「あきだわら」の流し込み施肥

   実証ほを活用し省力技術等を推進しています。

 

※経営面積や品種情報については取材時(平成29年9月時点)のものです

 

 

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