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不作付地を利用し、県産小麦の生産拡大を目指す!【マルエイファーム株式会社】

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0292491 更新日:2020年6月25日更新

大谷勝男代表の写真

   大谷勝男 代表

法人の概要

   2012年10月に丸榮製粉(株)の子会社として小麦栽培に特化した法人として設立。(社員数3名。)新潟小麦の会に所属。砂丘地域のたばこ廃作地を中心に小麦の栽培を行っています。県内で小麦の作付けが少なくなった中、県産高品質小麦の生産拡大を目指して、栽培を行っています。

経営面積・品種と内訳(平成30年産)

 

作目
品種
作付面積

(ha)
収量

(kg/10a)
品質

(%)
小麦
ゆきちから 他
6.3
329
2等 100

小麦作の概要

 
工程 ポイント

ほ場

準備

・新潟市北区の砂丘地を中心に作付け。耐雪性が強い、ゆきちからを栽培
・砂丘地で排水性が良いため、排水対策は未実施

播種

・播種はドリル播種で播種量は約8kg/10a

防除

・雑草防除は耕耘前のラウンドアップ及び播種後のバサグラン液剤
・赤かび病の防除は開花期とその1週間後の2回実施

施肥

・基肥は窒素成分量で約6kgを全層施肥。追肥は秋期、消雪直後、茎立期、止葉抽出期・穂揃期に行い、窒素成分量で計15kg/10aを施肥

収穫

・自脱型コンバインで行い、6月中旬から開始し、1週間程度で終了
・乾燥調製は、所有の設備で実施。収穫物は全量丸榮製粉(株)へ出荷

ドリル播種と自脱型コンバインによる収穫風景

左:生育の安定するドリル播種

右:自脱型コンバインでの収穫

インタビュー ~大谷 勝男 代表にお話を伺いました~

― 法人を設立したきっかけと経緯について教えてください。

 「ニーズが高まっている県産小麦を確保するためです。

 県内では、平成5年の米の不作を受けて、小麦の作付けが大きく減少し、平成7年にはほとんど作付けがなくなりました。このような中、丸榮製粉は、県産小麦を確保するため、生産者へ小麦の作付けをお願いしていました。しかし、このような方法だけでは、十分な生産量が確保できないと考え、当法人を設立し、自ら生産に乗り出しました。
  以前、県内での小麦栽培は収穫時期が梅雨と重なり、収穫が遅れ、品質が悪くなることがありました。しかし、現在生産している品種「ゆきちから」は昔の品種「ユキチャボ」と比べて、早生であるため、比較的安定して生産できるようになったことも設立の後押しとなりました。
  作付1年目は、長岡市で30a程度の作付からスタートしました。農業経験がない素人でしたので、収量は百数十kg・全量等外でした。しかし、最近ではコツも分かってきて、収量・品質とも増加しています。

 

― 栽培でポイントとなる点について教えてください。

 「追肥によりタンパク質含有率を高めることなどです。」

  パン用小麦はタンパク質含有率が高いものが好まれます。そのため、タンパク質含有率12.5%を目標にしています。この目標は、粉にしたときのタンパク質含有率11~12%を確保するためです。タンパク質は、麦粒の外側に多いため、白い小麦粉を作るために表面を削ると、タンパク含有率はどうしても下がってしまいます。タンパク目標を達成するためには、穂揃期の追肥を十分に施用することがポイントです。
   また、播種時期と除草もポイントです。播種時期が遅れると、生育が遅くなり収量は減ります。また除草剤は、は種の前と後に散布し、初期に抑えておくことが大切です。

播種後の除草剤散布の様子播種後の除草剤散布の様子

 

今後の生産の方向性について教えてください 。

 「生産コストの削減と効果的な雑草防除体系を検討しています。」

  コンバインとブームスプレーヤを賃借しており、その賃借料がコストの大きな部分を占めています。この部分に着目して、中古農機の活用など、コスト削減方策について検討しています。
  また、雑草害が収量低下の大きな要因であるため、雑草の効果的な防除体系を検討しています。研究機関とも連携し、実証ほを設置するなど取組を進めているところです。そして、確立できた除草体系は、新潟小麦の会のネットワークを通じて、共有していきたいと考えています。

 

※経営面積や品種情報については取材時のものです

 

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