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魚沼米産地で品種構成を最適化 作期分散でコストダウンをめざす 【株式会社 千手】

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0211991 更新日:2019年12月27日更新

株式会社千手 代表取締役 櫃間英樹 氏

株式会社千手  代表取締役 櫃間 英樹 氏                         

『売れるかどうかわからないものよりも、買いたいと言っていただけるものを僕らは作っていくべきです。』

法人の概要

  十日町市旧川西町地区で、5つの機械共同利用組合を母体として平成17年に設立されました。水稲耕作と大規模な作業受託を行っており、有機栽培や5割減減栽培等環境保全型農業に積極的に取り組んでいます。

水稲経営面積・品種と内訳

 平成30年水稲経営面積 101ha

品種 作付面積(ha)
 つきあかり 16.9
 コシヒカリ 57.4
 あきだわら 19.5
 いただき(飼料用)  4.5

 

インタビュー

 

― 多収性品種を導入したきっかけと経緯を教えてください。

 「米卸業者からの誘いで作付を始めました。」

   「あきだわら」は、以前から取引のある米卸業者から、値頃感のある魚沼産主食用米がほしいという話があり、作期分散と需要に応じた米づくりという考え方から始めました。50aから始まり、5年目の今年は9㏊になりました。この位は絶対買いますから、と量を提示されて年々増やしてきました。その量にまだ足りていないので、さらに増やしていきたいです。

 

― ニーズの把握や販売先の確保はどのようにしていますか?

 「取引先は、長いお付き合いのある会社です。」

  私たちは、法人化する以前から餅の加工製造を行ってきたので、お付き合いのある米卸業者がありました。アグリフードExpoなどの各種商談会でも販路開拓しています。

 

― 生産面で工夫していることはありますか?

 「早生・中生・晩生と作期が分散すると、機械と人間が楽になります。」

   「あきだわら」は晩生品種ですが、この辺りでは9月に適度に雨が降り、用水の心配はあまりありません。収量は低い所でも10俵以上、平成28年は14俵近い所もありました。多収でも味が落ちない特徴があります。「あきだわら」には、基肥一発肥料を使い、データに基づき収量が少ないほ場だけを追肥することで、人件費を抑えています。コーティング肥料を使用していますが、納入ロットをまとめることで、納得できる値段で購入しています。
   来年は、早生の「つきあかり」を作付けしようと思っています。
   作期が分散すると作業が楽です。溝切りにしても穂肥散布にしても、適期作業が可能となります。早生から晩生品種で作期分散すると、作業ピークの山が小さくなって、機械と人間が無理をしなくて良くなります。無理をすると、結局経費になります。
   新品種や新技術は会社で試験し、生育調査をしてデータを取ります。「つきあかり」も試作し、このあたりでもできそうだという実感がつかめたので平成30年から作付しています。

 

― 多収性品種等の生産拡大において課題はありますか?

 「生産協力者と取引先の開拓です。」

  「あきだわら」も「つきあかり」も、たまたま米卸業者さんからの提案がありました。今後はこちらから提案できるように取引先を見つけて、計画販売で進めていくことが課題です。
   また、私たちの会社だけでは生産できる数量は限られているので、生産拡大に協力していただける生産者を見つけることも重要と考えます。

 

― 多収性品種等を導入・拡大する上での注意点はなんですか?

 「低価格の米でも、どうせなら美味しいものをつくりたいですよね。」

  連作して味が落ちるとよくないので、リン酸、カリや微量要素を入れることもあります。品質に関しては、「コシヒカリ」ほど言われませんが、できれば品質を上げたいと思っています。

 

― 今後の法人における米生産の方向性を教えてください。

 「4~5品種構成とし、作期分散させたいです。」

  規模が大きくなってきて、品種によって作期を分散させないと、機械コストと人件費がかかりすぎます。弊社は中山間地で作業の効率化が難しいこともあり、「コシヒカリ」は適正割合に抑えたいと考えています。また、価格が高いからといって「コシヒカリ」ばかり作っていては、結局供給過剰で在庫が増え、価格が下がります。価格帯が低くても、多収で補えるのであれば、そちらに向かうべきです。

あきだわら栽培ほ場 

△ あきだわら栽培ほ場

 

現地指導会の様子

△ 現地指導会の様子

 

 

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