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いちご「越後姫」の採苗を行いました!
7月6日・7日の両日、当センターが育成したいちご「越後姫」の試験用の株を育成するための苗採りを関係者総出で行いましたので、その概要をご紹介します。
苗採りは毎年7月上~中旬に行っており、大量の苗を効率的に処理するため関係する研究員をはじめ農耕技術員、会計年度任用職員他十数名が共同で作業に当たります。
苗は、苗採り専用のハウスにおいて「空中採苗方式」と呼ばれる方法で栽培しています。
直管パイプを組んで作った高さ2メートルほどのベンチ上に市販のプランターを設置し、そこに親株が植えられています。
親株からは1株当たり10~20本ほどのランナー(ほふく茎)が発生して垂れ下がり、うっそうとした森のようです。
直管パイプを組んで作った高さ2メートルほどのベンチ上に市販のプランターを設置し、そこに親株が植えられています。
親株からは1株当たり10~20本ほどのランナー(ほふく茎)が発生して垂れ下がり、うっそうとした森のようです。
ランナーは2メートルほどの長さになり(画像左上)、そこに苗が3~5個着生しますので、それを一つづつハサミで切り離し、古葉などを取り除いて調整します。もうこの時点で苗の株元から根が出かかっているのがわかります(画像右下)。
温湯処理後流水中で冷却中のいちご苗
このまま鉢上げしてもよいのですが、園芸研究センターではもう一工夫「温湯浸漬」を実施しています。
越後姫の栽培では、葉や果実に白い粉が付いたようになる「うどんこ病」という病気が発生することがありますが、採苗直後の苗を50℃の温湯に3分間浸漬することにより、育苗期以降のうどんこ病の発生を大きく抑制することができます(処理後は水道水等で1分間の冷却が必要です。詳細は、平成24年度研究成果『いちご「越後姫」の苗の温湯浸漬によるうどんこ病防除技術』を参照ください。)。
いよいよ鉢上げです。
親株側のランナーの切れ端を土に差し込むようにして、1本づつていねいにポリポットに植え付けていきます。
親株側のランナーの切れ端を土に差し込むようにして、1本づつていねいにポリポットに植え付けていきます。
およそ1日半の作業で予定していた4,000株の鉢上げが終了しました。暑い中、作業に当たった皆さん、大変おつかれさまでした。
鉢上げが終わった苗は、しっかり根が張るまでの間、遮光した場所で乾かないよう定期的にかん水しながら管理します。
鉢上げが終わった苗は、しっかり根が張るまでの間、遮光した場所で乾かないよう定期的にかん水しながら管理します。
十分に発根した苗は戸外に出し、よく日光に当てて丈夫な苗に育成していきます(上の画像は昨年7月28日に撮影したのものです。)。
今年も良い研究成績が残せるよう、元気な苗づくりに向けて適正管理に取り組んでいきます。
今年も良い研究成績が残せるよう、元気な苗づくりに向けて適正管理に取り組んでいきます。
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