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【個別労働関係紛争のあっせん】雇用に関する調整例
解雇に関する事例 1
申請までの経過
A会社に勤務していた申請者が、会社から突然解雇予告通知書を手渡されたため、加入していたB組合を通じて解雇撤回について会社と数回交渉を行ったが、合意に至らず、あっせんを申請した。
あっせんの概要
あっせんは2回行われた。
第1回あっせんにおいて、申請者は、間もなく定年を迎えることから雇用を継続するか、定年までの賃金保障をしてもらいたいと主張し、会社は、申請者の持つ技能を生かせる仕事がほとんどなく、そのような人を雇う余裕のないこと、退職金も借金をして払わなければならないほど経営難であることを主張した。会社の主張を受け、申請者が今後の方針について家族や弁護士と相談したいとの意向を示したことから、第2回あっせんを設定した。
第2回あっせんにおいても双方の主張に開きがあったが、あっせん員による調整の結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。
あっせん案要旨
- 被申請者は申請者に対し、退職金及び退職慰労金を支払う。
- 被申請者は、申請者の再就職あっせんについて努力する。
- 申請者と被申請者は、本件紛争が解決したことを確認する。
解雇に関する事例 2
申請までの経過
C法人に勤務していた申請者が、法人から解雇予告通知を受けたため、解雇理由に対する異議申立書を送付し、内容についての説明を行った。だが、その後法人からは何の回答も無かったことから、あっせんを申請した。
あっせんの概要
あっせんにおいて、申請者は、解雇理由が事実無根であることを強く主張し、法人は、解雇理由に不明確な部分がある点は認めるが、申請者の勤務態度が著しく不良であることから解雇することにしたと主張した。
双方の主張を受けてあっせん員が調整を行った結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。
あっせん案要旨
- 申請者に対する解雇を撤回し、復職を認める。
- 申請者に過去において就業規則に違反する行為があった場合は、被申請者はこれに対して正当な懲戒を加えることができる。
- 申請者は、被申請者に対し、従前の勤務態度に問題があったことを認めてこれを反省し、今後は誠実に勤務することを誓約する。
解雇に関する事例 3
申請までの経過
D会社にパートタイマーとして勤務していた申請者は、帰宅途中に交通事故に遭ったため、翌日から仕事を休んだ。
その後、休み始めてから1月程経過した時に、会社から業務終了に伴う人員整理のためとして解雇通知を受けたため、解雇撤回等を求めてあっせんを申請した。
あっせんの概要
あっせんにおいて、申請者は、解雇の理由は人員整理ではなく事故により休んでいるからであるとして解雇の撤回を主張し、会社は、解雇は人員余りの状況下での人員整理であり、時期的に申請者の事故が偶然重なったものであること、解雇の撤回はできないことを主張した。
双方の主張を受けてあっせん員が調整を行った結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。
あっせん案要旨
- 申請者の解雇理由を「交通事故により仕事に耐えられないから」とする。
- 被申請者は、申請者に対して慰労金を支払う。
- 被申請者は、申請者が休業していた期間の休業証明書を交付する。
- 以上により、申請者は解雇に異議を申し立てない。
雇用契約に関する事例
申請までの経過
申請者は、E会社との雇用契約時において、書面ではなく口頭で労働条件を示された。
その後、口頭で示された労働条件が守られなかったことから、労働条件の明示を求めてあっせんを申請した。
あっせんの概要
あっせんにおいて、申請者は、労働条件の明示と口頭で示された労働条件の遵守を求め、会社は、労働条件通知書は後日渡す予定であったが、申請者が出勤しなくなったために渡せなかったこと、口頭で示した条件について申請者が勘違いしていることを主張した。
双方の主張を受けてあっせん員が調整を行った結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。
あっせん案要旨
- 申請者の労働条件については、改めて書面で明示する。
- 双方の信頼回復に向け、よく話し合うこと。
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