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【個別労働関係紛争のあっせん】人事に関する調整例

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0055993 更新日:2019年3月29日更新

配置転換に関する事例

申請までの経過

 G会社に勤務していた申請者が、専門職から一般職への配置転換を命じられた。その際に、申請者は配置転換に応じなければ退職するよう強要されたとも感じたことから、配置転換の撤回と退職強要の禁止を求めてあっせんを申請した。

あっせんの概要

 あっせんにおいて、申請者は、合理的な理由のない配置転換を命じられたのは退職を強要するためであると主張し、会社は、申請者が自己の主張に固執するために業務が円滑に進まないことから配置転換を命じたこと、会社が申請者に掛けた言葉を誤解して退職強要と解釈していることを主張した。
 双方の主張を受けてあっせん員が調整した結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。

あっせん案要旨

  1. 被申請者は、申請者に対し退職を強要しない。
  2. 配置転換に際し、申請者へは配置転換前の給与を支給する。

降格に関する事例

申請までの経過

 H会社に勤務していた申請者が、部長から店長への降格人事を受けたこと、及び雇用契約時に取り決めたとおりに賃金が支払われていないことから、降格人事の撤回と不払賃金の支払いを求めてあっせんを申請した。

あっせんの概要

 あっせんは3回行われた。
 第1回あっせんにおいて、申請者は、降格人事の撤回と雇用契約時に取り決めた賃金の支払いを求め、会社は、申請者の勤務成績が思わしくないこと、経営会議で申請者の賃金が高額すぎるとの指摘を受けたことから減額したことを主張した。同期日では、会社社長が不在であったために結論が出ず、第2回あっせんを設定し、その間に自主交渉を行うこととなった。
 第2回あっせんでは、会社側が申請者に退職してほしいとの意向を示し、その条件を提示した。これを受け、申請者は退職を受け入れるかどうか考えたいとの意向を示したため、第3回あっせんを設定した。
 第3回あっせんでは、申請者が退職する意向を示したため、退職の条件についてあっせん員が双方の主張を受けて調整した結果、下記の内容で合意が成立し、紛争は解決した。

あっせん案要旨

  1. 申請者は被申請者を依願退職する。
  2. 被申請者は、不払賃金に係る精算金を支払う。
  3. 被申請者は、申請者に対して慰労金を支払う。
  4. 当事者双方は、この確認書に定めるほか一切の債権債務が無いことを確認する。

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