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動物愛護センターから2頭目の猫を迎えるにあたって【新潟県動物愛護センター】
2頭目の猫を迎えるにあたって
猫を飼っていて、「1頭だけではなく2頭目も飼ってみたい!」「1頭だと遊び友達がいなくてさみしそうだから。」と思う方は多いのではないでしょうか。猫の複数飼いは良いこともあれば、注意が必要なこともあります。そんなメリット、デメリットを知った上で2頭目を迎えましょう。
大切なことは、猫同士の相性と対面のさせ方です。
複数飼育のメリット
・飼い主にとっては、様々な個性を持った猫に囲まれた楽しい生活が送れるようになる。
・猫にとっては、猫同士で遊べるので運動不足解消や退屈しなくてもすむようになる。
・子猫であれば、他の猫と過ごすことで猫や人に対して社交的になる。
複数飼育のデメリット
・フード代などの飼育費用、不妊去勢手術費用、ワクチン代などの治療費などがそれぞれの頭数分かかり、出費(経済的負担)が増える。
・マッチングを失敗したり相性が悪いと、ケンカをしたり、互いにストレスを感じてしまい病気や問題行動が現れたりする。
・猫はもともと単独生活をする動物なので、1頭だけの方が良い猫もいる。(1匹で可哀想だと思っているのは飼い主だけの可能性もある。)
・猫同士が仲良くなってしまい、飼い主に対しては一定
の距離を置いてしまうこともある。
・どちらかが猫エイズなどの感染症を持っていた場合、
感染してしまう危険性がある。
2頭目を迎えるにあたり、猫同士の相性判断はとても大切です。相性が悪いと、同じ空間にいることが難しくなり、別々に飼育しなければならなくなってしまうこともあります。飼い主が思い描いた生活とはかけ離れ、人も猫も生活しにくくなってしまうかもしれません。迎え入れるかどうかは先住猫の気持ちを最優先に考えて下さい。また、実際に迎え入れるときには猫同士の会わせ方にも注意し、段階を経て会わせるようにしましょう。
※いずれの組み合わせにしても、避妊去勢手術は必ず行ってください。
比較的相性の良い組み合わせ
・成猫 × 子猫
先住猫が成猫、2頭目が子猫だった場合は上手くいくことが多いと言われています。オスの成猫でも子猫の面倒をみてくれる子は多いです。ただし、去勢手術をしてないと子猫を襲ってしまうこともあります。
・成猫(メス)× 成猫(メス)
メス猫同士だと、縄張り意識がそれほど強くないので仲良くなりやすいと言われています。
・成猫(オス)× 成猫(メス)
先住猫がオス猫の場合は、2頭目がメス猫であれば受け入れやすいと言われています。避妊去勢手術は必ず行ってください。
トラブルが起こりやすい組み合わせ
・成猫(オス)× 成猫(オス)
オスは去勢手術をしていても縄張り意識が強く、ケンカに発展したり、気の弱い子だとストレスを感じてしまったりすることもあります。ただし、性格によっては良き遊び相手になることもあります。
・高齢猫 × 子猫
お年寄りに小さいお子さんの世話をしてもらうことは大変ではありませんか?手加減も知らずに暴れまわる子猫の相手をすることはストレスになってしまいます。ただし、今まで同居していた猫が亡くなってしまい寂しがっているときなどは、穏やかな性格の猫を2頭目として迎えてあげてください。
2頭目の猫を迎えるにあたり、先住猫と会わせる前に下記を参考にして準備をしてください。家に連れてきて、いきなり猫たちを会わせてはいけません。仲良くなってもらうために、飼い主は万端の状態にして新しい子を迎えましょう。また、どちらの猫も既往症、混合ワクチン接種、血液検査等の基本的な体調管理をしておくことをおすすめします。
猫用段付きケージ
2頭目の猫を環境に慣れさせるために猫用のケージを準備してください。いきなり、広い部屋の中に放してしまうと、猫が落ち着かずにパニックになってしまいます。猫は上下運動をする動物なので、ケージは段付きのタイプを用意してください。3段ケージがおすすめです。
・トイレ
猫のトイレの数は、頭数+1個と言われています。+1個は後日でも問題ありませんが、新しい猫が入るケージ内に収まるタイプのものは、必ず1個用意してください。
・エサ・水入れ
新しい猫用の食器をそれぞれ用意してあげましょう。
・フード
いずれは先住猫と同じフードに切り替えてもらって問題ありませんが、最初だけはその時に食べていたフードを用意しましょう。いきなり環境が変わりフードも変わってしまうと、ストレスに弱い猫は体調を崩してしまうことがあります。
・ベッド・ハンモック
猫が落ち着ける寝床を用意してあげましょう。怖がりな性格であれば、段ボールや覆いがついているベッドを用意して隠れる場所を作ってあげてください。
先住猫と2頭目の猫の対面のさせ方
先住猫と2頭目の猫をいきなり会わせてしまうと、お互いの第一印象が悪くなってしまうことがあります。その後、仲良くなれないこともあるので、会わせ方には十分注意して下さい。
2頭目の猫を環境に慣れさせるために猫用のケージが必要です。絶対に初日から
2頭目の猫を家の中で自由にはさせないで下さい。いきなり先住猫と会わせるとケンカになってしまったり、猫自身がどうしたらいいのか分からずに、すき間などに隠れてしまうので必ずケージに入れましょう。初めての環境で怖がっている様子があればケージの全面を布などで覆ってあげて下さい。可能であれば、ケージは先住猫が入れない落ち着ける部屋や場所に置きましょう
数日間は、猫たちの様子を見守りましょう。先住猫が2頭目の猫がいる場所に行きたそうな様子をみせたり、威嚇行動をせず猫たちがお互いに興味をもっていそうだったら、いよいよ対面です。
実際に猫たちを会わせてみましょう。この時、2頭目の猫のケージが置いてある部屋や場所を開放し、先住猫が自由に入れるようにしてください。ケージ越しに、扉は閉めたままでお見合いをさせて様子をみます。くれぐれも猫たちだけにしないようにしてください。飼い主は見守りましょう。威嚇したり怖がっている様子があれば無理はせずに、もう一度ポイント2からやり直してください。仲良く出来そうな様子だったら、静かにケージの入り口を開けて猫たちを直接対面させてみてください。この時に、お互いのにおいを嗅ぎ合ったり、なめてあげたりといったしぐさをしてくれれば対面は成功です。おめでとうございます
*直接会わせるのは、どちらの猫とも感染性の病気に感染していないか検査をしてからにしましょう。どちらかが感染している場合は、もう一匹に感染しないようにワクチン等で予防してあげましょう。
もう大丈夫と油断はしないで下さい。猫はとても気まぐれな動物です。最初から長時間一緒にはさせないで、徐々に時間を延ばしていくようにしてください。飼い主さんが見ている状態で対面させるようにしましょう。対面時間を終わらせるときや、飼い主さんがその場から離れるときには、2頭目の猫は必ずケージに戻しましょう。
先住猫を最優先に考えてあげてください。先住猫が一番という意思表示が大切です。2頭目の猫ばかり可愛がってしまうと、先住猫がストレスを感じ、最悪な事態になってしまうとケンカ、拒食、トイレの失敗等の問題行動を起こしてしまいます。
すべての猫が、他の猫を受け入れるわけではありません。それでも、お互いに距離を保ちながら共生していくことは可能です。「相性が悪ければすぐにセンターに返せば良い。」といった安易な気持ちで猫を迎えることはしないで下さい。猫にも感情があり、環境の変化でかなりのストレスを感じます。数日であきらめたりせずに、じっくりと時間をかける必要があります。飼い主さんの努力と愛情が最大の鍵となります。一人で悩まずに、何か質問があればいつでもセンターに相談してください。
愛護センターから2頭目を迎えるにあたり [PDFファイル/1.32MB]
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