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5 新井郷川排水機場の役割

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0058254 更新日:2019年3月29日更新

平成7年から稼働した現在の新井郷川排水機場の画像
平成7年から稼働した現在の新井郷川排水機場

 新井郷川は福島潟を水源とし、新潟市北区を流下し、日本海に注いでいる全長約14kmの一級河川です。河川が改修される以前は、流れが濁っていたため、下流付近では新井郷川のことを「濁川」とも呼んでいたました。
 新井郷川周辺地域は、福島潟を中心とした土地標高0mから3mの新潟県内有数の低湿地帯のひとつで、少しの降雨でも河川が氾濫し、宅地や農地への湛水被害が多く発生していました。周辺の人々は、この溜まった悪水を日本海にポンプの力でくみ出すことを戦前から熱望し、国営事業により工事が始まり、昭和29年に旧新井郷川排水機場の一部が稼働し、昭和36年に完成しました。

左側:福島潟水位EL-0.4m 右側:日本海潮位EL+0.6mで、常時排水ポンプの運転が必要の画像
左側:福島潟水位EL-0.4m 右側:日本海潮位EL+0.6mで、常時排水ポンプの運転が必要

その当時建設された排水機場は、φ2200mmの縦軸軸流ポンプ9台で計画排水量99立法メートル/s、当時は東洋一と言われました。その後、機場左岸側に昭和45年、福島潟干拓事業によるφ2200mm のチューブラポンプ1台、計画排水量11立法メートル/sの機場が併設されました。
 それからは、湛水被害も軽減し、この地域の人々が安心して暮らせるようになり、また、農作業もしやすくなりました。
 しかし、旧機場は供用開始から40年余りが経過し、老朽化によるポンプ機能の低下が著しかったことから、平成2年、総排水量110立法メートル/sの排水機場として全面改修し、平成7年2月から新機場の運転を始め、現在に至っています。

口径3200mmのポンプ
とても大きい口径3200mmのポンプ

 現在の新井郷川排水機場には1号機から5号機まで同形5台(口径3200mm×5)のポンプで、1台当たり22立法メートル/sの排水量を担っています。通常時は2号機と3号機を運転しています。そして大雨が降り、福島潟の水位が高くなるとポンプの運転台数を増やして排水します。洪水用ポンプ3台のうち、2台は停電時も使用できるよう、重油を燃料とするガスタービンエンジンを使用しています。

ゴミを掻き上げるための除塵機の様子
ゴミを掻き上げるための除塵機

 排水機場では、新井郷川や福島潟の水位、周辺の雨量など各種データを監視しながら、昼夜ポンプを動かしているため、操作員が常駐しています。
 ポンプ吸い込み口側には、新井郷川上流から排水機場に流れてきたゴミを掻き上げる除塵機が設置されていますが、これが無いとポンプがゴミを吸い込んでしまい、壊れてしまいます。草や木のほか、空き缶や古タイヤ、自転車などいろいろなゴミが流れてきます。特に大雨の時は、たくさんのゴミが流れてきて、その分別処理、搬出に苦慮しています。
 この排水機場の管理は、国から新潟県が管理委託を受け、24時間365日休むことなく稼働しています。この運転により、周辺に住む人々の安心・安全が守られています。
 しかし、毎日昼夜の運転で、ポンプや電気設備が老朽化してきており、その維持管理費は毎年約3億円程度の費用を要しています。この負担は国や県、市、地元農家等が負担しています。

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