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11月の旬 じねんじょ
新潟産の特徴
じねんじょは本来、野山に自生する山芋のことで、昔から滋養強壮の自然食として珍重されており、長芋とは種が異なります。
今では、中山間地域を中心に栽培されるようになり、生食用の他、ソバなどのつなぎとしても利用されています。
新潟産のじねんじょは「味、風味、ねばり」ともに優れています。
主な産地の紹介
主な産地は、新潟市、阿賀町、魚沼市等です。
各産地とも、自生するじねんじょの中から優れた品質のものを選び、各産地独自の品種として栽培しています。
県内の主な産地
栽培・収穫の様子
夏に白く細かい花が穂状に咲きます
新潟県のじねんじょの産地は自生地と同じ山間地にあります。
春、気温が上がってから芽出したイモを植え付け、葉が十分光が当たるよう支柱にからませ、降霜を受け葉が十分黄色くなった11月頃に堀り取ります。
じねんじょは、細長いことが特徴であるため、折れずにまた掘りやすいように無病の山土を入れたパイプや波板を埋め込み、そこにイモをはわせるように栽培しています。
おいしい食べ方
粘りが強いため、すりおろして「とろろ」として使うのが、一般的です。また、魚や肉のつみれなどのつなぎとして用いるとふんわり仕上がります。
知っていますか?ミニ知識
自然の恵み「自然薯(じねんじょ)」、食用として幅広く利用
じねんじょは日本原産で、古来から山野に自生しているものを採取したもので品種改良はほとんど行われていません。
古くは、神農本草経(中国最古の本草書)において「虚弱体質ヲ補ヒテ勢力ヲツケル、胃腸ノ調子ヲ良クシ、耳、目モ良クシ、暑サ寒サニ耐エ、長寿ヲ保ツコトガデキル」と述べられるなど、滋養強壮の薬用としても利用されてきました。
じねんじょ特有の強い粘りは、粘質の多糖類を多く含むことによるもので、繊維質も多いことから健康食品として人気があります。つなぎとしての加工食品や和菓子等にも利用されています。
「ムカゴ」の話(葉のつけねにもいもがつく)
じねんじょは土の中だけでなく、つるの葉えき(葉の付けね)には直径1cm位の多数の丸いものがつきます。
これを「ムカゴ」といい、ゆでるとおいしく食べられます。
じねんじょの増殖には、切りイモかムカゴを種イモとしておこないます。ムカゴからは多数のイモを作ることができますが、その分、長い年数がかかります。