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県経済の現況’09
平成20年県内経済の概況
徐々に厳しさを増し、後退色を強めた県内経済
平成20年の県内経済を振り返ると、年前半は雇用情勢が徐々に厳しさを増す中、原油・原材料価格の高騰により生活必需品を中心に物価が大幅に上昇したことから、消費者の生活防衛意識が高まり、個人消費が低迷するなど家計部門に弱さがみられた。さらに、秋口から年末にかけて米国発の金融危機により世界経済が大混乱に陥ると、我が国経済をけん引していた輸出が世界規模で減少したこと等から、生産が過去最大級の落ち込みとなり、併せて雇用調整の動きが幅広い業種で進むなど、急速な景気悪化の影響が異例のスピードで本県にも波及した。県内経済は年間を通して徐々に厳しさを増し、後退色を強めた。
これを項目別にみると、個人消費・物価は、夏場にかけてガソリン、灯油、飲食料品等の価格が大幅に上昇したことや、世界的な景気悪化の影響から消費者マインドが著しく冷え込み、特に百貨店の売上が大幅に前年を下回ったほか、乗用車新規登録・届出台数は普通や軽乗用車で相応の新車投入効果がみられたものの、全体では年間を通して低調な販売が続いた。
住宅投資は、19年6月の改正建築基準法施行の影響などにより着工件数が激減した反動から前年を上回る動きもみられたが、中越沖地震の被災住宅建て替え需要がピークを過ぎたこと等から、総じて弱い動きが続いた。
公共投資は、中越沖地震の災害復旧工事や北陸新幹線整備工事等の大型工事が相次いだため増加傾向で推移したものの、年末にかけては災害復旧工事の一巡等から再び減少に転じた。
生産は、年前半は概ね横ばいで推移していたものの、秋以降、自動車、電気機械を始めとした輸出激減の影響から在庫が急速に積上がり、多くの業種で生産調整が行われたことから年末にかけては過去最大級の落ち込みとなった。これに伴い、企業収益が悪化し、生産設備の稼働率も低下したことから、企業の設備投資抑制姿勢が強まり、生産水準を更に押し下げる要因となった。
雇用は、減産や消費低迷を受けて幅広い業種で過剰感が高まり、求人数の大幅な減少が続いた上、年後半以降は解雇等による離職者を中心に求職者数が増加するなど、雇用情勢の悪化が進行した。
企業の景況感も悪化幅が拡大し、先行きについても厳しい見方が広がった。
景気の動きを新潟県景気動向指数(CI)の一致指数からみると、19年から既にピークを過ぎて下降を始めていたが、20年は当初から個人消費、企業活動、雇用情勢など幅広い指標が下降に寄与する動きがみられ、指数は年間を通して下がり続けた。特に、14年以降緩やかな景気拡大が続き上昇していたCI一致指数は、年後半の急速な景気の落ち込みにより短期間で近年にない低水準となった。
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