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県経済の現況’10~’11
平成22年県内経済の概況
持ち直しの動きが続いたものの厳しい状況が続いた1年
平成22年の県内経済は、持ち直しの動きが続いたものの、足踏みもみられるなど、厳しい状況が続いた1年であった。
年前半は、海外需要が20年秋以降の世界的な景気後退から回復してきたことなどを受けて、生産の回復基調が続いたほか、家電エコポイントなどにけん引されて個人消費や景況感も改善した。さらに、設備投資でリーマン・ショック以降は控えられていた新規出店や製造工場の建設などの動きがみられた。しかし、年央以降、急激な円高の進行やデフレの影響等により、企業の先行きへの不安が高まり、生産や景況感が足踏み状態となった。公共工事の減少を受けた建設業などでは厳しい状況が続いたが、一方で政府の緊急保証制度等の経済対策が倒産抑制に一定の効果を上げたため、企業倒産は低水準で推移した。雇用情勢は有効求人倍率が緩やかな改善を続けるなど持ち直してきたものの、依然としてその水準は低く、厳しい状況にあった。
これを項目別に見ると、個人消費・物価では、政府の経済対策効果で大幅な増加が続いていた乗用車新規登録・届出台数が、9月のエコカー補助金の終了により秋以降は大幅な減少に転じたのに加えて、物価の下落が続くなど、弱さがみられたものの、大型小売店販売額では、百貨店の閉店セールや記録的な猛暑の影響もあり、衣料品や飲食料品で持ち直しの動きとなった。また、住宅投資は政府の経済対策や金利優遇政策等により、持家で前年を上回る動きもみられたが、貸家の減少が大きかったため、全体では前年を下回った。
公共投資は、北陸新幹線関連工事等で大規模工事が行われたものの、経済対策による公共工事の前倒し発注の効果が薄れ、国や県を中心に前年を下回った。
生産は、アジア向け輸出や自動車関連の品目を中心に持ち直しの動きが続いたものの、急激な円高の進行等により輸出が鈍化し、経済対策終了により自動車関連品目の生産も落ち込むなど、足踏み状態もみられた。企業の動向では、製造業を中心に受注・売上が増加したため、収益は前年度をわずかに上回った。景況感も緩やかに改善し、倒産件数も減少した。設備投資は、前年が低調だった反動もあり、前年を上回った。
雇用面では、製造業を中心に求人数が増加したが、学卒の未就職者や在職中の求職者なども増加したため、有効求人倍率の上昇幅は小さくなり、持ち直してきているものの、引き続き厳しい状況となっている。
景気の動きを新潟県景気動向指数(CI)の一致指数からみると、22年前半は生産、耐久消費財出荷指数に支えられ上昇傾向であったが、生産指数が6~10月に落ち込んだことに加え、建築着工床面積が減少傾向にあることにより、動きが一服した。しかし、年後半は生産、出荷指数の上昇により再び上昇傾向に戻った。
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