令和4年度(第40回)土砂災害防止「全国の集い」にて、糸魚川市来海沢区が国土交通大臣表彰を受賞しました。
国土交通省では「土砂災害防止月間」の行事の一環として、土砂災害防止に関して顕著な功績があった個人・団体に対して国土交通大臣表彰を行うこととしています。
令和4年6月1日、和歌山県田辺市「紀南文化会館大ホール」にて土砂災害防止「全国の集い」が開催されました。
その中で、令和4年度土砂災害功労者表彰があり、新潟県糸魚川市来海沢区が国土交通大臣表彰を受賞しました。
令和4年度土砂災害防止功労者表彰には個人表彰と団体表彰がありますが、令和4年度の団体表彰では全国で唯一の受賞でした。
表彰状を受け取る神喰(かみじき)区長さん
来海沢区の功績
新潟県糸魚川市大字来海沢地内において令和3年3月3日の夜遅く、融雪を主因とする地すべりが発生しました。地すべりにより流出した土砂は、翌日4日朝には約1km下流まで到達し、来海沢集落の家屋6棟が全半壊する大きな災害になりました。
4日未明、市から地すべり発生の電話連絡により来海沢区長と役員9名は参集し、午前3時に西側地区の避難勧告が発令されたことから、寝静まっている地区住民を個別に回って避難を呼びかけ、高齢者を自家用車で避難誘導しました。地すべりに伴う地区全域停電による暗闇の中、迫り来る土砂が把握できない状況下でも自らの危険を顧みずに避難を呼びかけたことで、土砂が人家に到達する前に全員の避難が完了することができました。
来海沢区は過去の地すべり災害等の経験から毎年、糸魚川市の防災訓練に合わせて「声を掛け合って避難する訓練」を実施してます。特に耳が不自由な一人暮らしの高齢者については、住宅内のどの部屋で寝ているかも事前に把握しており、今回は、部屋の窓から直接呼びかけることができました。またどの役員が誰を自家用車で迎えに行くかが事前に決められていることもスムーズな避難に繋がりました。
今回のような未曾有の大災害の中、死者・けが人が地域から一人も出なかった事は、これらの訓練が今回の地区住民全体の迅速な避難行動に繋がったもので、区長をはじめとして住民の連携と普段からの防災意識の高さが今回評価されました。