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あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたことと思います。学校では、子どもの明るい声が響き、新年特有の華やいだ雰囲気の中、今年度を締めくくる3か月がスタートしました。それぞれの立場において、子どもの進級や進学など次のステップに向け、一人一人に寄り添った教育活動の推進を引き続きお願いします。
先日、雪が10cm 程積もった際、近所の子どもたちが雪遊びをしていました。「誰も歩いていない所に跡を付けよう」「雪だるまを作ろう」「次はそりをしよう」などと話しながら遊んでいました。こんな少ない雪でも楽しそうです。その
ような中、子どもたちは、そりをしながら様々な気付きを口にしていました。「青いそりの方が遠くまで行くよ」「足を伸ばすといいよ」「息を止めると記録が伸びる」…。本当なのかどうかは分かりませんが、子どもならではの発見です。各自の考えを基に、もっと速く、もっと遠くへ行くにはどうしたらよいか探究を続けていました。子どもは元来「主体的・対話的で深い学び」ができるようです。
小学校低学年に生活科という授業があります。直接体験を重視した学習を行い、社会環境や自然環境を自分自身との関わりでとらえさせることによって、生活上必要な習慣や技能を身に付けることをねらいとしています。この生活科の授業づくりのポイントは、「気付きの質を高める」ことです。「気付きの質を高める」とは、
ことです。先程のそり遊びを例にすれば、繰り返し体験することをとおして、「色」や「乗り方」、「呼吸法」などに遠くまで行く秘密があると自覚((1))し、それならば、「青いそりで足を伸ばし、息を止めると遠くまで行けそうだ」と関連
付けられ((2))、「やっぱりそうだった。嬉しい」「また、みんなでそり遊びをしたい」と成就感や仲間意識が育つ((3))ことが気付きの質を高めることになります。つまり、近所の子どもの遊びが生活科の授業として行われていたら、すばらしい内容であったということです。
しかし、実際には、そう上手くはいきません。一人一人の子どもが何を考えているのか、ほかの人と関わりたいと思っているのか、自信をもって活動できているのかなど、学習集団の興味・関心や理解度等、様々な要素が把握できないことが多いからです。
そこで教師は、子どもの気付きの質の高まりを促す意図した「声掛け」を上手に使っていきます。「今、何を考えているの」「何でそうしたの」と聞いたり、「〇〇さんも同じ考えだったよ」「〇〇さんに聞いてごらん」などと話したり、「すごい発見だね」「先生もそう思うよ」と称賛や共感したりすることが適宜必要です。直接教えたり過保護にしたりするのではなく、本人が気付くような絶妙な「声掛け」です。これは、生活科の授業だけに言えることではありません。各教科をはじめ、様々な教育活動では同様の「声掛け」が重要です。子どもは無意識に、あるいは目的から逸れて活動を進めていることがあるので、教師が子どもの様子をよく観察し、適切なタイミングで学びの本質に迫る支援が必要となります。教員の皆さんには、自分の専門教科・領域又は研究する教科・領域等があるはずです。どのような「声掛け」を行えば、教科・領域等の本質に迫ることができるのか、目の前の子どもの状況に合わせて考えていきたいものですね。
さて、先程話題にした近所の子どもたちは、バーチャルリアリティーが身近にあふれる中、自ら考え、自身の感覚を精一杯使って新潟の冬に学んでいました。このような五感で四季を感じる体験は、感性を磨くとともに、鮮明な記憶が残ります。郷土愛の醸成にもつながるでしょう。学校や家庭、地域での様々な体験をとおして自ら考え、自分や仲間の力で、そして取り巻く大人の意図した「声掛け」で、生きる力を一層育んでほしいと思います。
教科教育専門監事業は実施2年目になりました。今年度は、下記のとおり、管内に7名の教科教育専門監が配置されました。
教科教育専門監は、勤務校にいながら、特定の曜日を中心に、地域の教科教育の発展のために支援や研修会開催等をとおして、各学校や先生方の教科指導をサポートしています。
例えば、外国語・英語では、中学校教育研究会の授業研修会等で、2名の専門監が小学校と中学校の連携による英語の学力向上について講義を行う等、様々なニーズに応じた支援を行うことができました。
サポートを受けた先生方や訪問校からは「単元構想図や教材、資料等をとおして、授業の見通しをもつことができました。」「来年度も支援をいただきたい。」等の感想がありました。本事業が、授業力向上及び学力向上に役立っています。
県教育委員会は、今後も計画的に教科教育専門監を配置していきます。ぜひ御活用ください。
〇4月に、受講・訪問希望を募集するチラシが配付されます。積極的に御検討ください。
〇専門監が、受講希望者・訪問希望校と連絡をとり、支援内容や訪問期日、回数等について打合せを行い、確定次第、 支援を開始します。
今年度11月までの管内における非行事故報告件数は106件で、昨年同時期に比べて3件減少しています。
種別でみると「自殺企図・自傷行為」が依然として多く、37件報告されています。養護教諭や担任が手首や腕の傷に気付く、児童生徒から悩みを打ち明けられるなど、丁寧な見とりや気持ちに寄り添いながら話を聴く中で分かったケースが多くありました。引き続き、アンケート調査や教育相談の場を生かし、悩みを抱えている児童生徒を早期に発見し、全教職員で支える校内体制の推進をお願いします。
「いじめ」は、8件報告されています。その多くは、いじめ認知後、迅速に校内いじめ対策会議を開催し、組織的な対応により解決に努めています。しかし一方で、保護者や児童生徒からの「新潟県の相談窓口」への相談数が増加しています。児童生徒や保護者が、学校のいじめ対応に納得せず、つらい思いのまま過ごしていることの現れと捉えています。そのため、
など、丁寧で誠意ある対応をお願いします。
長期休業明けは、心身の不調を訴える児童生徒が増える傾向にあります。家庭問題など学校だけでは見えにくい背景が考えられる場合は、スクールソーシャルワーカーの積極的な活用も御検討ください。
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