上の写真は、刈谷田川ダムの建設中に撮影した写真です。
造りかけているダムの上、空中にバケツのようなものが浮かんでいるのがわかるでしょうか?ここでは、「空飛ぶバケツ」とよびます。
ダム周辺の木々が葉を落とした時期にしか見られない「空飛ぶバケツの名残」を紹介します。
空飛ぶバケツの名残
上の写真は、ダム管理所からダム越しに右岸斜面を撮影したものです。2箇所の丸く囲った箇所が、今回紹介する「空飛ぶバケツの名残」です。
ダムが緑に囲まれている時期には、見えない人工構造物です。
空飛ぶバケツとその名残の正体
刈谷田川ダムはコンクリートでできていますが、一度に打ち込む量に合わせて分割し、下から順に積み上げて造りました。
上の図では、建設中の写真を撮影した時点でコンクリートの打ち込みが完了していない箇所を緑色で示しています。
上下左右に変わるコンクリート打ち込み箇所に対して、コンクリートバケットと呼ばれる大きな容器を空中で移動させ、効率よく作業を進めました。このバケットが、「空飛ぶバケツ」の正体です。
ダムの上下流・両岸をまたぐ形でケーブルを張り、「空飛ぶバケツ」をケーブルにつり下げ、空中移動させることにより、所定の位置にコンクリートを運びました。
ケーブルを固定するおもりとなったのが、「空飛ぶバケツの名残」、コンクリートアンカーです。
上記のコンクリート空中運搬方法は、ケーブルクレーン工法と呼ばれるダム建設現場では一般的な方法です。
今年度のダム見学会では、ダム管理所職員が試行錯誤で自作した模型を用いて、再現して説明を行いました。
今回は、ダム建設時のコンクリート運搬設備跡を紹介しました。
実際にご自身の目で見られる場合、融雪期や落葉期といったダム周辺の木々が繁茂していない時期がおすすめです。
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