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令和5年6月8日(木)に、気になる企業とのコラボセミナーVol.4 CONNECTIONが考える「ニート・ひきこもり」働き方の新たな視点を、行政担当者を対象に開催しました。
(参考)募集チラシ
ニートやひきこもりの増加は地域社会が抱える深刻な問題です。
その理由・原因は人それぞれで、発達障害に起因することもあり、解決方法も異なります。行政においても相談窓口を開設するなど、地域住民の悩み解決に担当者は日々取り組んでいることと思います。
三条市の民間企業Connection コネクションは、悩みの相談や仕事の仲介を通じてニートや引きこもりの方々の多様な働き方を支援しています。ビジネスで社会問題を解決するという独自のアプローチで展開する企業の『新たな視点』を知っていただきたいと考え、今回のセミナーを企画しました。
コネクション 代表 結城靖博 氏
◎Connectionとは
結城靖博といいます。コネクションという会社をやっています。生まれは新潟県三条市です。料亭やまちづくりみたいなこともやっています。
コネクションは小さな会社で、私、永井、樋口という3人でやっています。すべての人に働きやすさを提供するという理念のもと、内職あっせんを業務としている会社です
メンバー3人とも経歴が変わっていて、社長の私は高校を3日で中退して27歳で大学を卒業しています。マネージャー永井はニート歴10年。熱血営業マンの樋口は現在もうつ病とともに働いています。
◎業務内容
〇内職あっせん
燕三条はものづくりが盛んな地域で小さな仕事がたくさんあります。いろいろな会社からシール貼り、化粧箱組み立て、といった仕事を受注します。このほか、イラストレーターを使ったチラシ作り、動画編集などのデザイン系の仕事、出荷管理や伝票管理の仕事、イベントの会場設営の仕事があります。
〇ニート支援
ニート・ひきこもりの相談はお電話いただければ、基本的に話は聞こうと思っていますので、そういった相談を受け付けています。
YOUTUBEでニート支援チャンネルのほか、樋口が運営している「ぐっさんのメンタル向上チャンネル」<外部リンク>といううつ病に関するチャンネルもやっています。
このほか、空き家ニートというニートの自立支援施設を運営しています。ニートが親元から離れて共同生活をしながら、自分たちで生活をするシェアハウス、ニートシェアハウスです。
◎創業の経緯
コネクションをなぜ私が創業したのかという経緯を話させていただきます。三つ理由がありました。
〇更生保護のボランティア
一つ目は、私は20代前半ぐらいから少年少女の社会復帰を手助けする更生保護のボランティアを行っています。全国的に非行少年の数が減りボランティアの仕事が減る中、子供のニート、ひきこもり、不登校に関する相談を多く受けるようになり、そういう子供たちと多く接することがあった、というのが一つ目の理由です。
〇知り合いの会社が倒産
二つ目は、三条の商工会議所青年部で一緒に活動していた先輩の会社が倒産したことです。その会社は内職屋で、倒産で業務が浮いてしまうのでやらないかと言われました。
〇幼馴染が10年ニート
三つ目の理由はマネージャーで幼馴染の永井で、彼は20歳から30歳ぐらいまでニートで30歳くらいから就職活動をしたけどうまくいかなかったということで、一緒に内職屋の業務を引き継いで、ニートやひきこもりとか一度社会から挫折した人たちに仕事を出せる会社にしないかと声をかけてコネクションがスタートしました。
というのがコネクションの創業の経緯です。
◎創業期
2人でコネクションを立ち上げて、内職あっせんを始めた当初、彼らに社会がもう少し歩み寄れば生産性が上がるのではないかと考え、内職屋とニートの問題をかけ合わせてスタートしました。
◎3年目以降
3年ぐらいやっていく中で、ニートやひきこもりには、様々な問題が関わっており、彼らは決して怠けているのではないと思いました。
ニートやひきこもり大きな社会問題ですが、社会問題はどれも非常に複雑で、何か一つに取組んだからといって解決するものではないというのを痛感させられました。
8年前の調査で全国で働けない人は100万人、怠けている以外の理由で働けない人がこれだけいることは本当に個人の問題なのかなと思うようになりました。
◎現在
〇働き易さのお手伝い
働き方改革と言われていますが、月曜日から金曜日まで9時から17時に働くことへの価値観はいまだに高いです。一方、結婚に興味がないけれど家はある。だから1ヶ月に10日間働いて10万円稼げばいいという人がいるとします。世間はこれを聞くと、怠け者、不真面目な人と思います。でも本当にそうなのでしょうか。
〇自分らしい働き方を一緒に模索する
ニートの方に対して、行政ではどうやって就職させよう、会社とマッチングさせようと考えると思いますが、コネクションではニートの相談者にあなたはどういう働き方をしたくて、月にいくらほしいのかを尋ねます。
そして、その額に対してこのぐらい働けば稼げる、例えば週に2日間8時間働いてあとの5日間はずっと好きな動画見ていてもいい、という提案をします。
そういった働き方を私たちは一緒に考えて、提案して、仕事を提供しています。
〇空き家ニート
空き家ニートは、生活コストを下げて共同生活をすることで、親元から独立して生きていくということをテーマにした事業です。
JR東三条駅から徒歩3分ぐらいのところに4部屋にリビング、ダイニング、バストイレがついて家賃は2万円です。利用していたうちの何人かは就職して出ていきました。
◎これから
〇児童養護施設 卒業者の生活基盤確保
コネクションがこれから行いたいと思っているのが、児童養護施設卒業者の生活基盤確保です。児童養護施設を卒業した人たちは、住み込みで就職することが多いのですが、そこを辞めると住むところも無くなってしまうので、児童養護施設を卒業した人が住むところと仕事を切り離して生活していけることを支援して行きたいと考えています。
〇LGBTの働き方
もう一つはLGBTです。LGBTの働き方を良くしていこうという啓発を今後して行きたいと考えています。
<CONNECTION(コネクション)ホームページ>
https://connection-sanjo.com/<外部リンク>
(活発に質疑応答を行う参加者と講師)
<アンケート結果>
<まとめ>
今回の「気になる企業とのコラボセミナー」は、ニートやひきこもりの多様な働き方を支援するConnectionコネクションの結城社長を講師に迎えて開催しました。
ニートやひきこもりの相談や支援を行っている行政・関係機関の方から参加いただき、ビジネスで社会問題を解決するというコネクション独自のアプローチについて真剣に聞き入っていました。
講演後の質疑応答では、ニートやひきこもりの働き方と雇用する側の求める働き方とにギャップがあることについて、参加者からも双方のマッチングが難しいことや、月~金9時~5時の勤務を普通だと考えていたという感想が出されるなど、就労支援が難しい問題であることが浮き彫りになりました。ほかにも参加者から質問・意見が次々と出され、質疑応答終了後にもさらに話をする方がいるなど、結城社長と参加者の間で熱心に意見交換が行われました。
今後も行政の皆さんの関心が高く、企業と行政のコラボレーションが地域課題の解決に結びつくようなテーマや講師を選んでセミナーを開催していきたいと考えておりますので、御期待ください。
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