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令和4(2022)年11月25日(金)に、気になる企業とのコラボセミナーVol.3「長岡高専発ベンチャー (株)雷神に学ぶ 高齢者向けスマホ教室で地域が活性化する仕組み」を、行政担当者を対象に開催しました。
(参考)募集チラシ
SNSでの連絡、お店での電子マネー支払い、マイナンバーカードの申請やワクチン接種の予約など、様々な場面でデジタル化が進みました。しかしながら、行政やコミュニティの担当者にとって、地域住民のほとんどは高齢者で連絡手段はアナログ。身近な住民がデジタルのメリットを受けていない現状にギャップを感じています。
長岡高専発ベンチャーの株式会社 雷神は、高齢者に寄り添い、スマホの使い方をサポートし、地域が活性化する仕組みを構築しようと、長岡市役所と一緒に進めています。
行政の皆様に、(株)雷神の代表取締役 細木 真歩 さんの事業立ち上げに対する思いと今後の事業展開を聞いていただき、コラボのきっかけとしていただければと考え、今回のセミナーを企画しました。
株式会社雷神 代表取締役 細木 真歩 氏、代表取締役 原 洋介 氏
(ごあいさつ)
(細木)株式会社雷神の細木真歩と申します。皆様お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。よろしくお願いします。
(原)共同代表の原と申します。前職は高専の特任教授をしていました。
スマホは本当に使いにくいですが、高専の学生に聞くと全部教えてくれます。これをシニアにもできないかと考えました。難しいことでなく、簡単なことを気軽に聞ける人が身近にいると良いです。
身内は絶対ダメ。自分のおじいちゃんおばあちゃんだと冷たくなる。なぜか分からないけど、他人のおじいちゃんおばあちゃんには優しく教えられる。これは多分人間の本性なのかもしれない。私たちは、シニアの人にスマホを使って楽しんでもらいたいと思って、取り組んでいます。
経営的なことは私(原)がやっていますが、基本的な方針は細木真歩(以下「真歩」)に任せています。社会貢献したいという気持ち。真歩は本当に優しい。シニアの人にスマホを役立てて欲しいという思い。そこになるべく沿っているので、ビジネスとしては成り立ちにくい。でも今、取組がすごく広がってきているので、もっと広げていければと考えております。あとは真歩が説明します。
(細木)株式会社雷神の自己紹介と、どのような取り組みをしてきて、何を目指しているかについて説明します。
私は今、長岡技術科学大学の学部3年に所属しています。会社は2年前に長岡高専に通っていた4年次に起業しました。その後、5年次を経て、長岡技科大に編入しました。
((株)雷神の変遷)
高齢者のIT支援をする会社を立ち上げることがアイデアとして出た時に、長岡市主催のビジネスモデルコンテストに会社の立ち上げメンバーで出場しました。そこで、会社立ち上げのノウハウや、ニーズを調査したりして、会社の原型を作っていきました。
その後、2020年10月に起業しました。市政だよりや新潟日報に掲載していただき、各地に活動を広げていきました。まちなかキャンパスやナデックベースという産学連携をしている場所で講座を持ったり、ケーブルテレビに出演したり。
2021年(去年)の夏から、総務省のデジタル活用支援推進事業に採択されて、その補助金を戴いて活動をしています。
(参考)「利用者向けデジタル活用支援推進事業」の実施団体として採択されました
https://risingkosen.com/information/3347/<外部リンク>
その他に、長岡市地域振興戦略部と一緒に企画した和島地域でのスマホ教室や、新潟県ICT推進課のデジタルデバイドについて考えるセミナーを共同で開催したりしました。
その後、ふるさと納税クラウドファンディングで集めた資金を元に、「スマホの教科書」を作りました。スマートフォンを持ったばかりで、電源の入れ方が分からないという高齢者の方に向けた教科書です。さらに、教科書と一緒に使える高齢者向けの動画も作りました。その教材をもとにして、現在、各地でスマホの講座を開催しています。
今年(2022年)6月には、信越情報通信懇談会から、高齢者のIT推進ということで、賞をいただきました。その後、最近は、和島地域での活動をテレビ(BSN)で取り上げていただき、今に至ります。
(高齢者のIT活用支援のはじまり)
そもそも、高齢者の方のIT活用を支援して地域モデルを作っていくことが、どのようにしてできあがったのかをご説明します。創業当時に作成した動画をご覧ください。
(株)雷神の紹介YouTube動画(約3分)
(新型コロナウィルス感染症の拡大)
創業した時期は、ちょうど新型コロナウィルス感染症が世界的に広がっていました。私も学校が休みになり、東京⇔長岡間を行き来する人が全くおらず、長岡駅には人が歩いていないという状況でした。
(高齢者のコミュニケーション機会の減少)
そんな中で、インターネットをうまく使えない高齢者の方や一人暮らしされている方は、ご家族と連絡を取る手段が少ない。顔を見て話したり、会って話したりする機会がほとんど無くなってしまっているという状況がありました。
(Amazon Alexaの活用)
緊急事態が起きたときに、日常できていないものは緊急時にもできないと思いますし、心の豊かさという点でオンラインで繋がることを、この機会に地域の高齢者の皆さんに導入していただこうという思いで、Amazon Alexaと言うAmazonが発売しているスマートスピーカー(画面も使えるタイプ)を使って、高齢者をオンラインで繋げないかということに取り組んでいました。
(参考)高齢者のAmazon Alexaの活用事例
地域の高齢者とそのご家族に安心を届ける。自治体とタッグで取り組むスマートスピーカーを活用した郵便局のみまもりサービス
https://youtu.be/nSCOVfen0g0<外部リンク>
弊社の最初の取組は、スマホ教室ではなくて、遠くに住んでいるご家族とテレビ電話で連絡を取れる人を増やそうという取組でした。
では、なぜAmazon Alexaに着目していたかというと、まずテレビ電話として使えること。声だけなら家電でもできますが、せっかくご家族、特に小さいお孫さんがいる方は、顔を見てお話ししたいと思う。そういう点で大きな画面が良いこと。また、タッチパネルをうまく使えなくて苦手意識があるという方に“声だけで操作ができる”という点。それらが、Amazon Alexaで可能なんです。
基本的な機能が入っていて、追加できる機能が限られているので、自分で何かする必要がなく安価である点。スマホは1台5万とか7万しますが、Amazon Alexaだけであれば1台1万円しないくらいで導入できるので、ハードルが低いと考え、やっていました。
(Amazon Alexa導入の課題)
テレビ電話ができて、声で操作できるAmazon Alexaですが、これを高齢者の方、特にご家族と離れていてオンラインが難しくて、という方に使って頂きたかったんです。ですが、使うこと自体は簡単でも、導入がどうしても難しいという問題がありました。
インターネット環境(Wi-Fi)を整えないといけないし、最初にパスワード設定やAmazonアカウントを作らなければいけない。さらに、ご自宅の機器との接続を離れた環境でしないといけない。そういったことがそもそも苦手な方には、とても難易度が高いものでした。
(学生が導入を支援する仕組みを発案)
逆に、それさえ乗り越えてしまえば、のちのちは声の入力だけで良くなる。だから、最初の難易度が高い部分を近所の学生がやってくれる仕組みを作れば良いのではないか?と考えて立ち上がったのが「雷神」という会社でした。
最初の面倒な設定、インターネットに繋ぐ、機器と繋ぐところは、ITに強い高専生がいるので、設定途中で不具合が起こったり、分からないことがあっても、学生がすぐにサポートができる。離れた家族がいたとしても、高専は各県一校はあるので、高専同士で連携できる。東京に家族が住んでいて、新潟で一人暮らししている方でも、東京高専と長岡高専の学生で連携をとって通信ができるようにするというサービスを考えていました。
(様々な活用方法を模索)
導入段階で、民生委員さんとコラボしたり、ヒアリングを進めていました。民生委員さんは、ご自宅に伺っている方が多いですが、そこもAlexaで繋ぐことができたら、民生委員さんの負担も減って、より良いサービスになるのではないかと考えて進めていました。
高齢者の方と離れているご家族だけではなくて、離れていて会えない人同士が顔を見て話ができるというものですので、声で操作するということは手元が不自由であったりする方(障害者)も使えるはずです。
また、会えない状況というのは、病院で面会ができないという方にも活用できるのではないかと、介護施設さんだったりケアマネージャーさんだったり活用の方法を提案させていただいたり、一緒に導入のテストをしたりして検討してきました。
Amazon Alexaやスマートスピーカーと言ってしまうと、(お年寄りにとって)知らないものになってしまう。そこで、テレビ電話サービスと言って説明していました。
新型コロナウィルスの感染があるからとか、病院に居るからとか、そういった理由でできないのではなくて、そこを技術で、遠くに住んでいるご家族、病院、民生委員さんと繋げられるようにしようという発想でした。
(「こまいぬ」について)
「こまいぬ」は、長岡工業高等専門学校の学生がシニア向けスマホ教室を開催している有志グループです。ITに関わる用語は難しい印象を与えるため、「こまいぬ」という名前は地域の守り神のように思ってほしいという想いから、
「こ」ころを
「ま」もる
「い」つもの
「ぬ」くもり
という頭文字をとって、いつもの暖かさだったり、人と話す穏やかな時間だったり、そういったものがどんな状況でも、いつもある。それが技術がないからとか、教えてくれる人がいないからとか、そんな理由で出来ないということがないようにするという思いで名前がついています。
(現在の(株)雷神の事業活動)
ここまで高齢者のAmazon Alexaの活用とこまいぬについて話してきましたが、今、弊社がやっていることは、Amazon Alexaやテレビ電話の導入をすることではなく、スマホ教室やIT相談です。
では、なぜそうなったかというと、そもそも家にインターネット環境がない方が多かったということです。一人暮らしされている方だと、スマートフォンを持っていれば、家にWi-Fiはいらない。Amazon Echoのテレビ電話を使うには、インターネット環境が必要ですが、それを入れるぐらいだったら、いらないと言われることが多かった。
また、スマートスピーカーは声で操作ができると言うと、その便利さ以上に得体の知れなさが勝ってしまうということが、高齢者へのヒアリング調査の結果でわかりました。
ではどうするか?
(高齢者のスマホ活用にシフト)
そもそもオンラインで繋がれるということが目的であったはずだという原点に立ち返って、持ってる人も増えてきているスマートフォンを上手く使おうという方向にシフトしました。
高齢者へのヒアリングの結果、高齢者の方は我々が思っているよりもスマートフォンやパソコンを使っている方が多い。ただそれをうまく活用できていなかったり、何か引っかかっていて、活用したい思いはあるけど、活用できていないということがわかりました。
(高齢者のIT相談)
ヒアリングで「何に困ってますか?」という聞き込み調査をしていた窓口がそのままIT相談になるといった形で、最初はIT相談をやっていました。
インターネット、スマートフォン、パソコンなど、困っていることがあれば何でも聞いてください、地元の学生がサポートします、という形で、簡単なスマートフォンの使い方であったり、スマートフォンやパソコンは何を買えばいいんだろうか、という困っている方にアドバイスしています。
「最近安いっていうけど、我が家の契約は高い気がする」、「マイナンバーカードを取得すると、マイナポイントがもらえるらしいけど、どうしたらいいかわからない」というご相談がほとんどでした。
(IT相談からスマホ教室へ)
IT相談の結果、スマートフォンに困っている方がやっぱり多い、ということになりました。
そこで、高齢者のためのスマホ教室と銘打ってスマホ教室を開始しました。それが弊社の今の皆さんのイメージになります。
学生がやっているので、土曜日の午前、場所は市民センターをお借りしてやっていました。
学生講師の謝金・交通費・資料作成費など合わせて一人当たり500円くらいで、安価なスマホ教室を毎週のように開催していました。
当時は何をするか決まっていたわけではなくて、何に困っているかを皆さんに聞きつつ全体で共有するというスマホ教室になっていました。「外出できない」「お孫さんに会えない」「コロナ対策で、人に会わずにオンラインでスマホを使ってみましょう」と説明していました。15~20名くらいの高齢者の方に来て頂いて、市民センター内のまちなかキャンパスで行なっていました。そして、この活動を長岡市政だよりや新潟日報に掲載させていただいたりしました。
最初のAmazon Alexaによるテレビ電話の導入をやっていた時期は、会社のかなり初期段階。スマホ教室をやり始めて、その後の悩み相談につなげていくということを、この1、2年の間に行っていました。
(行政との連携)
それから、行政との関りで、長岡市の地域振興戦略部、デジタル推進課、産業イノベーション課などと活動が出来ないかという話をしていました
弊社の学生が、直接お客様とお話をしてスマホ教室をすることは、もちろんやっていくんですが、それでもやはり学生の時間は平日が無かったり、人数的な面でももっともっと広げることを考えた時に限界がある。そういうことを考えた時に、私たちが直接解決することももちろん大事なんだけれども、私たちが地域の課題を解決してくれる人を増やせないかと考えました。その部分で特に長岡市地域振興戦略部と協力させていただいて進めています。
(地域での仕組みづくり)
長岡市地域振興戦略部と取り組む内容がどういうものかといいますと、弊社役員が、地域の集落支援員や民生委員、あるいは意欲のある地域の方や町内会の方とスマホ教室を開催して、スマホ教室で講座を受けた集落支援員さん等がその地域のスマホの相談窓口になってもらうという仕組みを作る内容です。
高齢者の方が困っていることを解決したいことというのは、結局のところプログラミングしたいとかではなくて、どこを押したらいいかわからないとか、家族と電話がしたいんだとか、ができるようになりたい。私たちもそういうところをサポートしたい。
なので、ちょっとした話を聞いてもらえる場所、すぐに相談に行ける場所が各地にできるという安心感の方がより大切。
それで、地元の学生が参加して、行政も関わって、そういう地域一体化のモデルができればと考えています。
地域の課題は、その地域の人同士がお互いに付き合って解決する。学生が高齢者の方に教えるだけではなく、高齢者の方が学生に良い影響を与えることもたくさんあると思います。そういった構造を作りたいということを考えています。
(原)これまでは、スマホ教室をどうするかを取り組んできましたが、これからは行政と長岡市地域振興戦略部と(株)雷神がどうやって地元に普及させていくのかを考えています。
真歩は学生なので、どうしても放課後や土日の活動になってしまいます。2021年からは、長岡市地域振興戦略部と一緒に行ってきた活動になります。地域振興戦略部は、中山間地域の独居老人とか、デジタルに置いて行かれた人をどうしようかと考える部署です。それであれば、我々と一回やってみようということで始まった。
(集落支援員向けスマホ教室)
栃尾や山古志に行くと、交通費もかかるし、何かと色々不便なんです。学生連れて行くのも土日しかダメだし、夕方行っても高齢者は来ない。それでどうしようかと考えた時に、地域の集落支援員さんが、少し知識をつけてくれればと考えました。
例えば、オンラインでつないで、我々はこちらにいて、山古志にはいかないんだけれども、スマートスピーカーさえあればいい。山古志で「これが分かんないだけれども」と言われた時に「それはね!」と言える。シニアの方は押すことすらできないですよね。だったら、集落支援員さんに横でこれですね、と押してあげればできるんじゃないか、ということで、集落支援員さん向けスマホ教室を始めました。
(高齢者のスマホ嫌いを克服する)
そもそもシニアの人ってスマホを持ちたくないんですよ。嫌なんですよ。もう持ちたくないんですよ。ガラケーがいいって言い切っていて、まずそのアイスブレイクをしなければいけない。
スマホなんて簡単ですよ、あなたたち車の運転できるじゃないですか、エンジンの構造分かんないしエアコンはどうやって効いているかわからないけど、アクセル踏めば前に進めるし、ブレーキ踏めば止まる。だからスマホも使う部分だけやれば、全部理解しなくてもいいよ、と説明しています。
(地域の協力)
それで、協力的な集落支援員さんを作ろうと考え、一年かけてそういう教育をして、授業もして、その後に私たちは行かなくてもいい。
よく考えたら高齢者の困ったって、LINEのスタンプが飛ばないとか、文字がカタカナになっちゃったとか、スマホを使える人だったら誰でも解決できることだったんです。
それであれば、中学生でもできるんじゃないか。わざわざ先生が出なくても、高専生は優秀すぎるから、そんなに優秀じゃなくても出来るんじゃないかと考えました。
(中学生によるスマホ講座を開催)
であれば、人材の地産地消というか、地元の問題を地元で解決させようということで、中学生にやってもらえばいいんじゃないかと!
例えば、土曜日にコミュニティセンター(以下「コミセン」)や学校でシニアを集めて、相談室をする。社会貢献になるし、地元の人たちの交流にもなる。そこに、オンラインで雷神が入れば、わざわざ山古志に行かなくてもいい。本当に困った質問は、集落支援員が入ってもらって、そうすれば一人の人件費に交通費もかからない。コミセンの体操教室や〇〇教室と同じです。
それを、北辰中学校で実際に10月に実施しました。それがすごくうまくいったんです。
僕たちのスマホ教室で「LINEをやりましょう!」って言った時に、「私はもうそれはできる。」とか、「私は Google マップがしたい!」とかシニアが言いたいこと言うわけです。
そうすると、コントロールがすごく難しい。文字を打ちたい人はこちらに入って、Googleマップしたい人はこちらにいて、というともうどうしようもなくなる。
私たちがスマホ教室をやる時は、15人で3人つくので、5人に1人ぐらい。出来ない人がいると時間がかかっちゃうんです。
そういうことも踏まえて、北辰中学校の校長先生がすごくいい校長先生だった。雷神で6人準備してくれって言うんです。6チーム作るから各テーブルに一人ずつ配置して欲しい、と。
なぜなら、中学生はコミュニケーション力が足りないから、どんなに頑張っても6人の喋れる中学生を見つける自信がない、と。できなかったら雷神さんがやってね、とそういう条件ならやってもいいよ、と。
当日は、BSNとNCTのTVカメラの取材が入りました。
結局、全部のテーブルに中学生をつけたんです。そしたらほぼ手放しでできた。雷神でやることは何もなかった。もちろん教え方は指導するんです。中学生を先に集めて教え方を先に教えて、さあ、シニアの人に入場してもらって、そこでやらせたらすごく上手く行ったんです。
なぜか、と言うと地域の人だから、誰々さんのおじいちゃんとか、誰々さんのお孫さんとか、あの子どこの子だねということで、既に関係性ができてるんですよね。
集落支援員さんが、優秀なところは、この人は今回やめようとか、この人はぜひ呼ぼうとか言って、ちゃんとスクリーニングをかけて、参加者を呼んでくれるわけです。どんな地域でもややこしい人っているんで、ややこしい人がいるときはその横に支援員さんがついてくれる。ちょっとソフトにしてくれたりとか、このモデルはやれるなと思ったんです。
(次年度の目標:コミセンの活用)
次年度(R5)は、地元の中学生とか、地域の人で解決する。オンラインがつながれば集落支援員やコミセンの人がフォローに入ってくれるならできる。それが次年度の目標になっています。
最初、スマホ教室を始めて、シニアの人たちの技術を上げようと思っていましたが、それをコミセンでやりましょう!と。コミセンでやれば、中学生でも教えられるからそこで解決できる。
けれども、先生の育成ですよね。何人先生を作れるか。先生と言ってもスマホが普通に使えるというレベルなので、そこぐらいを集落支援員とか、シニア同士とか、シニアの中でもすごくできる人がいて、長寿はつらつ会で平均80歳ぐらいのすごいしっかりした人たちがいて非常に優秀な人たちもいる。そういう人がフォローに入るだけで、十分わかるんじゃないか、と考えています。
(コミセンにWi-Fi導入)
次年度から、私たちはコミセンにまずWi-Fiを入れていく。オンラインにならないことには何も始まらないので。
一番初めに、スマートスピーカーを活用しようとしたら、各家庭にインターネットを入れるのに月5,000円ぐらいかかってしまう。スマートスピーカーを1万円で買っても、年間6万円かかるわけです。それはちょっと厳しい。
まず、コミセンにWi-Fiを入れれば、困ったらコミセンに来れば良い、と。中山間地域は、コンビニも無いので若い子たちがスマホを使える場所がないんです。
スマホは、彼らは自分のギガを使ってやるんですが、今、学校でパソコンが配られて、宿題を家でやって来いと言うんだけれども、家にネットがないからできない。母子家庭で入れられない。だから持って帰られない、という家庭もあるんです。
じゃあコミセンでやればいいじゃないか、と。コミセンに若い子もシニアも集まったら、北辰中学校の例でも分かるように、「Wi-Fi繋いで」って言ったら、〇〇ちゃんちのおじいちゃんだねって言って、繋いでくれると思う。
そうすると、コミセンというものが、昔の本当の意味のコミュニティのセンターになることができるんじゃないか。
Wi-Fiを入れることで、新しくコミセンを作り直すことで、長岡市のシニアたちは安心して暮らせる。ITを使って、スマホを使って暮らせるんじゃないかというのが、次年度の(株)雷神の動き。最初は、スマホ教室から入ったけれども、地域をITを使って良くするという方向に向かっていきます。
(長岡モデルの横展開)
学校帰りの地元の中学生がコミセンに寄ってくれて、お茶会の時に出来る人がちょっと一人入れば、じゃあ今日みんなでスタンプを押してみよう、グループ作ってみんな一言ずつ写真に入れてみようとか、そういうことをしながらITに親しんでもらう。
それで、本当に困ったらインターネットでスマートスピーカーでつないで、雷神に来てもらう。シニアのスマホ教室の先生用のスマホ教室というものを雷神でやることができれば、長岡モデルみたいなものができるんじゃないか、と。
これが一つできれば、東京は人が多すぎて無理かもしれないけれども、秋田と熊本と一緒にやろうと高専を使って言ってるんです。パッケージが一つできれば、そのまま同じ仕組みを少しカスタマイズすれば、各地方にも入れることができるということで、横展開も次年度に考えています。
(おわりに)
雷神は今、こういうことをしているという説明をさせていただきました。
コミセンの方には、スマホ講座に呼んでもらいたいし、導入をどうしたらいいかという相談をいただきたい。
基本は真歩のシニアをよくしてあげたいという純粋な気持ちで回ってきているところです。ちょうど、雷神は10月から三期に入りました。今まで、ほとんど役員報酬も取らずに、地域のためだけにやって来たんですけれども、少しずつビジネスモデルに寄せていこうと考えています。
(難病患者のICT活用支援について)
長岡保健所と今進めている取組について、追加説明します。
ちょうど二年前に始めた時に、スマートスピーカーが早すぎた。とにかくみんな怖がって、遠く離れた孫と話せるからやりませんかと30人くらい声かけたけど誰一人やらなかった。
怖いから。それで駄目だねってなって、じゃスマホだねってなった。
それが今ここにきて、長岡保健所の大井保健士から、ALSという難病の方にスマートスピーカーを使って、生活の質を向上できないかという相談を受け、難病患者のICT活用支援というテーマで一緒に進めています。
現実に社会に実装するためにどうすればいいか、スマートスピーカーっていう便利な仕組みをどうやって取り入れればみんなが使いやすい良い社会にできるかということを試しているところです。
本日はありがとうございました。
<(株)雷神に関連した参考URL>
【BSN新潟放送】デジタルデバイド解消に奔走する地元学生のベンチャー企業
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/194029?display=1<外部リンク>
(活発に質疑応答を行う参加者と講師陣)
<アンケート結果>
<まとめ>
今回の「気になる企業とのコラボセミナー」は、高齢者のスマホ教室を地域で展開する仕組みづくりに奔走する(株)雷神をテーマに行いました。
参加者の大半は、コミセンの職員でした。細木代表取締役の高齢者を支援したいという純粋な気持ちから始まった取組について、これまで試行錯誤しながら進めてきた経過を興味深く聞き入っていました。そして、行政と連携し、高齢者を支援する地域の仕組みとして、コミセンを拠点に進めていこうとしている構想について、イメージの湧く身近な取組として聞いている様子が印象深かったです。
意見交換では、Wi-Fiの導入や、スマホ教室の開催方法など、具体的な質問があり、活発な意見交換が行われました。終了後には、講師と参加者で名刺交換が行われ、高齢者のIT活用支援の広がりに期待がもてました。
今後も行政の皆さんの関心が高く、企業と行政がコラボレーションすると地域課題の解決に結びつくようなテーマや講師を選んでセミナーを開催していきたいと考えていますので、ご期待ください。
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