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新潟市中央区にある新潟大学旭町学術資料展示館で、『日本酒学展』が開催されました。8月22日で会期は終了となりましたが、この展覧会の鑑賞リポートを本日お送りします!!残念ながら「行けなかった…」という方も、この記事を見て展覧会の雰囲気を感じてくださいね。
「そもそも日本酒学とはなんぞや?」と思われた方は、よろしければこちらをご覧ください!
日本酒学とは当サイトでもご紹介しているように、多岐にわたる分野から日本酒をひも解く新潟発&世界初の学問です。新潟大学・新潟県酒造組合・新潟県が連携協定を締結して、2017年から取り組んでいます。
今回はその日本酒学に焦点を当てた企画展です。
坂道を上り、新潟大学医歯学総合病院の塀に沿っていくと、レンガ造りの重厚な建物が目に入ります。この旭町学術資料展示館は今年の12月で20周年を迎えるのを前に、昨年からの改修工事が終わり6月にリニューアルオープンしたばかり。建物自体は昭和初期に建てられ、国の登録有形文化財にも指定されているんですよ。
『日本酒学展』は、このリニューアルオープンを記念した企画展示です。早速2階の展示室へ行ってみると…
酒蔵の正装?!法被がお出迎え!!
展示室に入ってすぐに目に入ったのは県内にある酒蔵の法被!こうやって並べてみると、色やデザインに個性があっておもしろいですよね。それぞれにどのような意味が込められているのか気になります。
茶色のお米が精米前のもの、いわゆる玄米です!ここから酒造りのためにどんどん削っていきます
清酒を造る過程でまず最初に、酒米の余計な部分を削る「精米」を行うのですが、玄米から精米していく過程のお米の実物も展示されていました。磨けば磨くほど、香りが良く雑味のない清酒になるのだそうです。
精米歩合とは、削られて残っているお米の割合を表したものです!
磨かれたお米が、右に行くほど丸くなっているのが分かりますか?実物を見たのが初めてだったので、「本で読んだとおりだ!」と謎の感動がありました!
ちなみにこの展示の前に立つと、センサーが反応して大きな升の中のお米が渦状に動く仕掛けがあったのですが、最初それを見た時に突然のお米の動きに驚き過ぎて変な声が出てしまいました…。
新潟大学に設置されている、日本酒学センターには醸造ユニット、社会・文化ユニット、健康ユニットがあり、それぞれに対応する学術研究が行われています。
展示では、酒米の細胞壁の違いが日本酒造りにどのような影響を及ぼすのかという研究や、酵母や酒かすの健康への効果などの研究、物語や絵画に描かれた飲食物を歴史・社会・思想などの多角的な視点から見る研究などが紹介されていました。
全く異なる色や形をした品種を掛け合わせ、品種改良を進めます!浮世絵にはお酒が擬人化されて描かれていました
絵の中に描かれているもの(中心の人物が持っているもの)と同じ形の銚子(酒器の1つ)が、実際に展示されていました
当サイトでもしばしば取り上げている日本酒学ですが、その学術的な研究内容の説明や具体例を実際に展示で見ることができ、私自身非常に勉強になりました!学問領域の幅広さを改めて実感…。色々な角度から日本酒を見ることができる、とても面白い展示でした。
県内の酒蔵の清酒ラベルを用いて、学生さんが制作したインスタレーション作品もありました!
今後も、日本酒学に関するニュース等をみなさんにご紹介していきます!!
企画展示の他に、この展示館には常設展示もあります。
発掘された土器、歯車などの工学的資料、貝殻の標本など!他にも医学や科学に関するものなども展示されていました。(※展示内容については訪問時のものをご紹介しています。)
既に日本酒学展は終了していますが、近くを訪れた際は是非足を運んでみてください!
**施設情報**
旭町学術資料展示館 (公式サイト)<外部リンク>
住 所 :新潟市中央区旭町通2番町746
【JR越後線】白山駅下車 徒歩15分
【新潟交通バス】東中通下車 徒歩5分
市役所前下車 徒歩7分
開館時間:10:00~12:00,13:00~16:30
休館日 :毎週月・火曜日、12月29日~1月3日
その他臨時休館する場合もあり
入館料 :無料
【こちらもどうぞ!】
日本酒学センター公式サイト<外部リンク>