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森林研究所では、農林水産技術会議の審査により決定される研究課題を中心に、県事業や共同研究など、森林・林業・木材産業の関係者の研究要望を踏まえた試験研究に取り組んでいます。 また、令和8年度から概ね20年先を見据えた研究強化プランのプロジェクトが始まりました。令和8年度の試験研究19課題のうち新規7課題の概要を紹介します。
スギ人工林が成熟期を迎え、大径丸太の生産が増える一方、新築住宅市場は縮小しており、外構材など屋外用途での木材利用拡大が期待されています。そこで心材主体のスギ大径材を対象に、新潟県の自然環境下で耐久性や耐候性を検証し、保存処理や塗装方法、メンテナンス基準を整理してスギ外構材の利用拡大につなげます(写真1)。

写真1 屋外でのルーバーなど、耐候性試験
きのこ生産では、おが粉不足や生産コストの上昇が課題となっています。これまでの研究でナメコ菌床培地の一部をもみ殻に置き換えることで増収の可能性が示されました。培地組成や栽培条件を検証し、もみ殻を活用した菌床栽培技術を確立して、生産コストの低減と資源の有効利用をはかります(写真2)。
主伐・再造林の推進に伴い、下刈り面積の増加が見込まれます。下刈りは再造林経費の半分を占めるため、植生状況に応じた実施回数の見直しが求められています。積雪地域での適用性やスギの成長への影響を検証し、新潟県に適した判断基準を作成して再造林の低コスト化を目指します。
花粉症対策として林相転換が進められる中、広葉樹苗木への需要が高まっています。コンテナ苗は作業負担の軽減や植栽時期の拡大が期待されますが、広葉樹では知見が十分でなく本県での導入事例もありません。育苗と植栽試験を行い、有用な広葉樹コンテナ苗による再造林技術の確立により地域資源の充実を図ります(写真2)。

写真2 コナラの造林
松くい虫被害対策として、本県では令和六年度から抵抗性クロマツ苗木の供給を開始しました。後代実生の抵抗性評価や接ぎ木技術の向上により採種園を改良し、抵抗性の高いクロマツ種子の安定供給を目指します。
無花粉で高性能なスギの育種母材の交配を進め、有望系統の開発と効率的な苗木供給技術の確立を目指します。
海岸林に適したマツ以外の有望樹種を調査し、最適な樹種構成を検討、海岸林の保全と利用の両立を目指します。
森林・林業技術課 塚原 雅美