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平成18年度から、県農林水産研究推進構想が改正され、当所の試験研究の推進方向、課題についても、林業行政の推進方向に対応しつつ、見直しが行われた。重点的に取り組む部門・課題として、「県産材の利用拡大のための技術開発」と「えのきたけ等の新品種の開発」を取り上げ、試験研究を推進することとしている。
18年度の試験研究課題数は、受託調査、事業を除き、22課題となっている。そのうち、新規課題は3課題、残りは継続課題である。ここでは新規課題を中心に研究内容を紹介する。
写真1 県産スギ材の人工乾燥
県産材の利用拡大をすすめるためには、品質性能の明確な県産材を供給する必要があり、木材乾燥が不可欠となっている。しかし、木材乾燥の歴史は浅く、乾燥方法も数種にわたることから、個々の乾燥方法に対応した技術マニュアルの作成と割れ、材色の改善など乾燥材の高品質化技術を開発する。
間伐材製品の利活用拡大を図るためには、強度計算などが行える信頼性の高い製品として利活用の展開を図る必要がある。そこで、現地での適用条件、大径防腐処理材の経過使用期間と劣化状況及び強度性能などの解明を図り、仕様基準と維持管理基準を作成する。
近年、多くのきのこの価格は下落傾向にあり、また生産コストが上昇していることから、きのこ生産農家の経営安定を図るためには、より一層の生産コストの低減と高品質、多収量の技術開発が必要となっている。えのきたけ、なめこ等を対象にコスト低減等の技術開発を図る。
写真2 ナメコ菌床栽培の収穫作業
林木育種関係では、花粉症対策として無花粉のスギ品種の育成、マツノザイセンチュウ抵抗性品種の育成等に取り組む。
森林保護関係では、近年被害量が急増しているナラ枯れやヒノキ漏脂病被害対策の確立に取り組んでいる。
林業機械関係では、間伐用、育林用の高性能林業機械関係の調査研究を進めている。
きのこ関係では、エノキタケ「雪ぼうし2号」とナメコ「新潟森研Pn1号」が開発されており、普及定着への協力をすすめるとともに、次期品種の開発に取り組む。
3月末に、研究報告第47号が発刊となり、試験研究の成果として九編が報告されているので、是非活用していただきたい。また、例年のとおり7月には研究成果発表会、10月には一般公開を実施する計画であり、多数の参加をお願いしたい。
きのこ・特産課 篠田 茂