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昨年の『林業にいがた5月号』でキクラゲの試験等について紹介しましたが、その際予告(?)した『栽培技術指針』が完成しました。と言っても、この記事が載る頃には、既に発行から1年近くになっているので、ちょっと新鮮味に欠けた話題になってしまいましたが……。
今回は、この『栽培技術指針』を紹介したいと思います。
栽培技術指針の紹介チラシ
この『栽培技術指針』は、名前からも分かるとおり、シイタケ生産者を念頭に「既存の栽培に加えて、アラゲキクラゲも栽培してみませんか?」という提案をするために作成しました。シイタケに限定しているのは、前回の林業にいがたでも少し触れましたが、シイタケの資材や施設等が利用できるため、初めてでも取り組みやすいからです。かといって、他のきのこ生産者が栽培できないかというと、決してそんなことはないのですが、まずは、ハードルの低いシイタケ生産者から普及を進めていこうと考えています。
最終目標は、アラゲキクラゲの栽培により、夏季の収入を少しでも増やし、生産者の経営を安定させることです。
『栽培技術指針』では、まず、キクラゲの基礎的な知識や全国及び県内の生産の現状等を紹介しています。また、栽培にあたっての注意点やおおまかなスケジュール感を示し、自身の栽培サイクルに組み込めるかどうかイメージしやすくしています。
メインの栽培技術については、工程別にポイントを紹介しています。既存の知識だけでなく、研究所や生産現場での試験結果をもとにした新たな知見も加えました。また、主な害菌・害虫とその対処法も掲載しています。この1冊で全てを網羅!とまではいきませんが、導入編としては、そこそこお役に立てるものに仕上がったと思います。
『栽培技術指針』を作る際に、現地試験栽培に協力していただいた生産者の中には、今年度から本格的にアラゲキクラゲ栽培を開始した方もいらっしゃいます。出だしはまずまずなようで、今後、人気商品の一端を担ってくれることを期待しています。
今回作成した『栽培技術指針』は、各地域振興局のきのこ担当にお声がけいただければ手に入ります。ご興味を持たれた方は、いつでも最寄りの振興局にお声がけください。
試験栽培中のアラゲキクラゲ
きのこ・特産課 武田綾子