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森林研究所たより 森林・林業の動きと研究について(林業にいがた2025年01月号記事)

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:1952202501 更新日:2025年1月6日更新

会員の皆様、あけましておめでとうございます。
森林研究所では、本県が取り組む森林・林業基本戦略や、災害を防ぐ健全な森林の造成、更に、国が推進する花粉症対策などに貢献できるよう、(1)木材の利用促進や、(2)きのこ生産の振興、(3)健全な森林の造成・管理など幅広い研究課題に取り組んでいるところです。

さて、全国の都道府県の林業関係の研究機関が取り組んでいる研究課題を見ると、「育種や造林・保育技術などの森林造成」の分野が最も多く、次いで、「木材加工などの木材利用」、「きのこや特用樹などの特用林産振興」が続き、これら3つの分野で課題数全体の約6割を占めています。
課題数が最も多い森林造成の分野の研究内容を見ると、約四割を占めるのが、優良品種の開発や苗木の生産技術など林木育種であり、国では、花粉症対策として花粉の少ない苗木の生産拡大を進めていますが、それが研究にも反映していると思われます。

また、約2割が再造林などの低コスト化技術となっており、主伐から再造林・保育に至る収支のプラス転換を図る「新しい林業」へ対応するための研究も全国で取組まれていると思われます。昨年夏に開催された国や県の研究機関の会議では、成長の早い苗木導入や、植栽本数や下刈り回数の減による省力効果など再造林の低コスト化に関連する発言が多く、これらの研究の関心が高いことがうかがわれました。
本県においても、林木育種では、無花粉スギや抵抗性クロマツの品種開発、効率的な種子生産技術などの研究に取り組んでいるほか、再造林の低コスト化技術では、主伐から再造林までの一貫作業システムによるコスト縮減や、コンテナ苗を使った低密度植栽による省力化など地域の特性に合わせた研究に取り組んでいるところです。

植栽された県産抵抗性クロマツ  コンテナ苗の低密度植栽

 植栽された県産抵抗性クロマツ(新潟市)    コンテナ苗の低密度植栽(阿賀町)

機械地拵えによる一貫作業

 機械地拵えによる一貫作業(糸魚川市)

森林研究所としては、今後とも林業振興への重要性や緊急性の高い研究に率先して取り組み、得られた成果を分かりやすく皆様にお伝えできるよう努力してまいりますので、今後とも皆様からは研究課題の要望やフィールド調査などへのご協力をお願いいたします。
最後に、会員の皆様のご健勝とご多幸を心から祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。

                                       所長 五十嵐 勝幸

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