ユウレイイカ(ツツイカ目ユウレイイカ科)

ユウレイイカ(背側)

ユウレイイカ(腹側)
水産海洋研究所撮影
体長:792mm 套背長399mm 体重575.3g
特徴
学名:Chiroteuthis(Chirothauma)picteti
- 全身寒天質で軟らかい。
- 外套膜は細長い円錐型。鰭は円形で、後方は長い尾状になる。
- 頭・頸部は円筒形で長い。眼の周縁に3列に並ぶ発光器がある。
- 腕は、第4腕が著しく太く長い。吸盤は2列に並び、第4腕には発光器がある。
- 触腕は著しく細く長く、その上に発光器がある。
- 腕吸盤の角質環は四角い歯があるが、基部寄りは平滑。

眼の周縁の発光器

第4腕の2列の吸盤と発光器

第4腕先端部の吸盤角質環
採捕の状況
採捕日時:平成26年6月8日
採捕場所:新潟市沖 水深120m
漁業種類:小型底びき網(新潟漁業協同組合新潟支所所属)
分布
- 太平洋西部(日本近海~南シナ海、インドネシア外洋域、インド洋西部)の中・深層にすむ。
- 日本では、太平洋側では館山湾、相模湾、駿河湾から記録がある。日本海側では山陰(山口、兵庫)、富山、新潟、秋田沖の定置網や底びき網(水深100m~500m)の報告がある。
- 新潟県では、2010年の5月2日と17日、2014年の3月7日と4月17日にいずれも佐渡で採捕されている。このほか、2014年は3月8日に富山、5月29日に秋田で採捕されたことが報道された。
その他
- 上記の特徴が、これまで知られているユウレイイカの特徴(奥谷ほか1987,奥谷2005など)と一致すること、奥谷(2005)が掲載した世界のユウレイイカ科の他種とは尾部の形状などが異なることから、本標本をユウレイイカと判断した。
- 日本近海における本種の外套長は、太平洋側では最大26cm程度だが(Kubota et al., 1981)、近年日本海で報告されているユウレイイカは33cm~40cm程度が多く、本標本は中でも大型のサイズである。
- 本種はダイオウイカと同様に塩化アンモニウムを多く含み、食用には向かないと考えられる。
2010年に佐渡で採捕されたユウレイイカの情報はこちら
「持ち込まれた魚の一覧」へ戻る