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珍しい魚(平成29年8月7日) ミヤビイバラモエビ

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0060032 更新日:2019年9月2日更新

ミヤビイバラモエビ(十脚目コエビ下目モエビ科)

ミヤビイバラモエビの画像
ミヤビイバラモエビ

背面の画像
背面

水産海洋研究所撮影
体長:56.5mm 頭胸甲長14.6mm

特徴

学名:Lebbeus elegans

  • 額角の長さは中庸で、頭胸甲長の61~80%。
  • 額角上縁の棘は4~7本でやや小さい。額角下縁には上縁の棘の前方に1~2本の棘がある。
  • 頭胸甲の前側約8割まで正中隆起がある。
  • 殻は透明で、体全体は淡桃色を呈するが、腹部に特徴的な細い7本の黄色の帯を持つ(第1,4,5腹節に各1本、第2,3腹節に各2本の黄色帯があり、第3腹節前方の帯は短く背部のみ)。

採捕の状況

日時:平成29年8月7日
場所:佐渡沖高山海域 水深419~429m
状況:ホッコクアカエビ稚エビ分布調査において越路丸のソリつき桁網によって採捕された

分布

日本海;石川県の水深300~400m(Komai et al. 2004)、新潟県の水深419~429m(本報告)

その他

  • 本標本は、第1,2歩脚指部の形状や1本の眼上棘をもつ、腹節の背面が丸いなどの特徴からモエビ科のイバラモエビ属(Lebbeus)に属する。さらに、上記の特徴をもつことで、Komai et al. (2004)が日本海に生息するとしたイバラエモエビ属13種のうち、ミヤビイバラモエビL. elegansと一致する。その他、尾節の棘など多くの特徴がミヤビイバラモエビとよく一致することから、本標本をミヤビイバラモエビと同定した。
  • 本種は、Komai et al. (2004)により石川県能登半島西岸の富来沖で採集された標本に基づき新種として報告され、その後の記録は本尾・山口(2009)が富来沖のエビかごで採集された1個体を報告しているのみである。日本海産エビ類の種リストを示した本尾(2008)でも本種の石川県以外からの報告は無いことから、これが新潟県からの初めての記録と考えられる。

(池田 怜、河村智志)

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