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旧軍毒ガス弾等の全国フォローアップ調査について
環境省は、茨城県神栖町などで旧軍毒ガス弾が原因とみられる被害が連続して発生していることから、昭和48年の「旧軍毒ガス弾等の全国調査」の結果や関連資料を活用してフォローアップを行い、旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止を図るための基礎資料を得ることを目的として調査を実施し、その結果を平成15年11月28日に公表しました。
全国における毒ガス弾等に関する状況が138事案にとりまとめられ報告されましたが、県内では、「五泉市内に第六陸軍技術研究所の分室(ガス性状・検知体系を研究)があったこと」と「妙高村の旧陸軍演習場で毒ガスの演習が行われたこと等」の2つの事案が明らかとなりました。また、環境省では、毒ガス弾等の存在について、情報の確かさ等を勘案して次の4つに類型化していますが、五泉市の事案はC、妙高村の事案はDに分類されています。
- 分類A:情報の確実性が高く、かつ、地域も特定されている事案
未然防止の観点から環境調査及び安全確保の措置が必要 - 分類B:情報の確実性が高いものの、地域が特定されていない事案
地域特定のための積極的な情報収集と必要に応じた地下水等の調査が必要 - 分類C:地域は特定されているものの、情報の確実性が不十分である事案
ただちに環境調査は必要ないが、事実確認の情報収集が必要 - 分類D:前記以外の事案
継続して関連情報の提供を受けつける。
県は、関連情報を継続して収集しています。情報をお持ちの方はご連絡いただきますようお願いします。
旧軍毒ガス弾等の全国フォローアップ調査における県の対応について
報道資料
平成15年11月28日
県民生活・環境部
本日、環境省は「旧軍毒ガス弾等の全国調査」のフォローアップ調査の結果を公表しました。調査結果中に本県の五泉市と妙高村の事案が記載されていますが、県としては、住民の健康保護の観点から、以下のとおり対応しました。
なお、旧軍毒ガス弾等の問題については、原則国が対応するものですが、今後、県としても、国の対応方針を踏まえ、必要な対応について検討・実施してまいりたいと考えています。
記
- 本フォローアップ調査は、昭和48年の国による「旧軍毒ガス弾等の全国調査」のフォローアップとして、全国一斉に実施されたものです。
県としては、環境省の依頼を受けて、新聞紙上やホームページにより関連情報についての提供を依頼するとともに、市町村の広報誌等を通じて情報収集に努めてきました。 - 県は、公表事案について、提供された情報の内容を精査するための聞き取り調査や、現地の周辺状況を調査しましたが、間接的な情報であることや50~60年の歳月を経ていることなど、いづれも毒ガス弾等の存在との関連を確定できる情報は得られませんでした。
- しかし、地域住民の健康保護の観点から、県独自に、市町村の協力を得て周辺の近傍地点における井戸水の水質調査を実施しましたが、調査の結果、すべての地点において、毒ガス成分とされる砒素及びシアンは検出されませんでした。
地点名 | 調査日 | 全シアン(mg/l) | 砒素(mg/l) | 水素イオン濃度指数 | 電気伝導度(mS/m) |
---|---|---|---|---|---|
五泉市NO.1 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.2pH | 8mS/m |
五泉市NO.2 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.1pH | 9mS/m |
五泉市NO.3 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 7.3pH | 8mS/m |
五泉市NO.4 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.2pH | 9mS/m |
五泉市NO.5 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.2pH | 9mS/m |
五泉市NO.6 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.2pH | 9mS/m |
五泉市NO.7 | 平成15年11月12日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.3pH | 9mS/m |
妙高村NO.1 | 平成15年11月11日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.5pH | 10mS/m |
妙高村NO.2 | 平成15年11月11日 | 0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 | 6.8pH | 17mS/m |
環境基準(国) | 検出されないこと (0.01mg/l未満) |
0.01mg/l以下 | 無し | 無し | |
14年度の県内の地下水調査 (概況)結果における範囲 |
0.01mg/l未満 | 0.005mg/l未満 ~0.037mg/l |
5.5pH~7.5pH | 9mS/m~160mS/m |
* 測定項目の全シアン及び砒素は毒ガスの成分として、又水素イオン濃度指数及び電気伝導度は地下水の一般的指標として選定したもの。
- 注1)全シアン:水中のシアン化合物の総量を測定したもの。
シアン化合物は通常、自然水に含まれることはない。旧軍が製造・保有した毒ガス剤にはシアン化合物を成分とするものがある。 - 注2)砒素:水中の砒素化合物の総量を測定したもの。
- 砒素は地核構成元素の1つであり、自然水に含有される場合がある。
- 旧軍が製造・保有した毒ガス剤には砒素化合物を成分とするものがある。
- 注3)水素イオン濃度指数(pH):水の酸性とアルカリ性の度合いを示す指標で、中性の水は7、7より小さいものは酸性、7より大きいものはアルカリ性である。
- 注4)電気伝導度(EC):水が電気を通す能力で、水中の電解質(イオンになって溶ける塩類)濃度を一括して推定できる指標。
旧軍毒ガス弾等に関する情報提供のお願い(新潟県環境対策課) [PDFファイル/66KB]
関連サイトリンク
国内における旧軍毒ガス弾等に関する取組(環境省)<外部リンク>
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