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むらかみ・いわふね珍風景(珍風景番号77)
茂助地蔵の言い伝え(珍風景番号77)
国道345号沿いにポツンとお地蔵様が
村上市街から笹川流れへと続く国道345号。市街から三面川(みおもてかわ)を渡り、峠道を登っていくと、道路の脇にポツンと地蔵堂が建っています。「茂助(もすけ)地蔵」と呼ばれるこのお地蔵様には少し恐い言い伝えがあります。
昔、茂助地蔵の付近は海と山に挟まれた寂しい峠道でした。ある秋の夕暮れのこと、小間物(日用品)売りの女がこの峠道にさしかかると、少し先を老僧が歩いていました。
いつもお金に困っていた女は、老僧の後ろ姿を見ているうちに、「この坊さんは大金を持っていそうだ」と、悪い気を起こしてしまいます。
女は、老僧が一服している隙に背後に回り、手ぬぐいで老僧の首を力一杯締め付けました。「ウーッ!」とうめいて老僧が倒れると、女は素早くお金を抜き取って、老僧を谷底へ突き落とし、何食わぬ顔で帰路につきました。
翌年、女は男の子を産み「茂助」と名付けます。茂助は元気に成長しますが、5歳になっても一言もしゃべりません。
ある秋の晩、女に連れられて小便に向かった茂助は、突然「今夜はわしが殺された日だ!」と不気味な声で叫び、歯をむいて倒れてしまいます。
女は、自分への罰が息子に降りかかったことを悟り、せめてもの罪滅ぼしにと、峠道にお地蔵様を建てたのでした。
ちなみに、お金が原因で殺された老僧を供養するため、茂助地蔵にはお金ではなく物を備えなくてはいけないとか。今も茂助地蔵にはお供え物が絶えず、地元の方に親しまれているようです。
帽子を被っていらっしゃいます
今もお供え物が絶えません
これまでの珍風景
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