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平成20年6月定例会(請願・陳情)
請願 第2号
第2号 平成20年6月13日受理 産業経済委員会 付託
ミニマムアクセス米の輸入停止を求める意見書提出に関する請願
請願者 農民運動新潟県連合会 代表者 町田 擴
紹介議員 竹島良子君
(要旨)
この間、とうもろこし、大豆、小麦などの輸入穀物を原料とする食品の値上がりや、飼料穀物が思うように確保できない事態が生まれ、食料自給率がカロリーで39パーセント、穀物で27パーセントという中で国民に大きな不安が広がっている。
米や穀物の価格高騰は、全世界に深刻な影響を及ぼし、国連のパン・ギムン事務総長は「かつては1日3食取れた家庭でも2食か1食に減らさざるをえなくなった」と、新たな飢餓の広がりに重大な懸念を示し、問題解決のための支援を呼びかけている。本年7月に北海道・洞爺湖で開催されるG8(主要国首脳会議)でも、環境問題と併せて食糧問題の解決が重要なテーマになる。
食糧価格の高騰の原因は、地球の気候変動による生産の不安定化、途上国の経済成長・人口増に伴う需要の急増、世界的なバイオ燃料ブームによるとうもろこしの爆発的な需要増、ヘッジファンドなど大量の投機資金が穀物市場に流れ込んで異常な高騰を引き起こしていることにある。
このように、原因が複合的で構造的であるだけに価格高騰の長期化は避けられず、今後、影響は更に深まることが懸念されている。
現在、国民が食べることを望まないミニマムアクセス米が毎年77万トンも輸入されている。政府は今年度、飼料用に70万トンを振り向ける計画と言われている。この量は、米不足に苦しむフィリピンが緊急に手当てを必要とする米の量に匹敵するもので、人道上も許されるものではない。
また、日本が不必要なミニマムアクセス米の輸入を継続することは、国際的な価格の高騰に加担することにならざるをえない。その一方で、国内では「生産過剰」が米価下落の原因であるとして生産調整が拡大・強化されており、矛盾は明らかである。
政府は、輸入があたかもWTO農業協定上の「義務」であるかのように言うが、本来、輸入は義務ではなく「輸入の機会を提供する」というものにすぎない(1999年11月の政府答弁)。
国際的に米や穀物の供給がひっぱくし、価格が高騰するという食糧事情の急変の下で、従来の枠組みにとらわれることのない対応が求められている。
ついては、貴議会において、ミニマムアクセス米の輸入を一時中止し、制度の見直しをWTO交渉の場で強力に働きかけることを内容とした意見書を国に提出されたい。