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平成17年請願第7号
第7号 平成17年9月22日受理 総務文教委員会 付託
所得税・住民税大増税と消費税大増税に反対する意見書提出に関する請願
請願者 新潟県商工団体連合会 会長 能登惣五郎 外13名
紹介議員 五十嵐完二君
(要旨)
長引く不況と雇用不安によって、県民・中小業者の暮らしや商売は、深刻な危機に直面している。一部で景気の回復と言われているが、県民・中小業者の実感からはほど遠い状況である。厚生労働省の国民生活基礎調査では、一世帯当たりの平均所得は7年連続減少し、過去最高の56パーセントが生活が苦しいと感じている。また、中小企業の倒産・廃業は依然として高水準を維持し、不況型倒産が7割を超え、暮らしや商売の困難さは一刻も放置できない事態となっている。そのうえ、新潟県では、昨年の7.13新潟豪雨災害や新潟県中越大震災で甚大な被害を受け、被災地の住民・中小業者はいまだ生活・商売再建の展望が持てない状態にある。それだけに、県民・中小業者の懐を温め、個人消費を拡大し、景気回復を図り、そして、すべての被災者の生活・事業再建ができる抜本的な復興支援が早急に求められている。
こうした中で、政府の税制調査会が6月に発表した個人所得課税に関する論点整理は、定率減税の全廃、給与所得控除の縮小や配偶者控除・扶養控除などの廃止・縮小を明記し、所得税・住民税の大増税を提言している。これは、戦後税制の民主的原則である応能負担・生活費非課税を根こそぎ破壊し、課税最低限を引き下げ、庶民の台所を直撃する大増税計画である。今後2年間で医療費・年金保険料の引上げや定率減税の半減など約7兆円もの負担増が計画され、毎年、家計収入が減っている中で、更に約12兆円もの大増税は、不況と災害で苦しんでいる県民・中小業者に冷や水を浴びせ、日本経済を縮小させるものである。県民生活と日本経済を破壊する所得税・住民税の大増税計画は今すぐ撤回すべきである。
また、年金・社会保障の財源や財政危機を口実に、2007年度には消費税率の大幅引上げが計画されている。消費税は、収入の少ない人ほど負担が重い不公平な税制である。消費税は、税率が高くなればなるほど、低所得者や高齢者の負担が大きくなり、社会保障・福祉の税源に最もふさわしくない税金である。導入以来、消費税収は大企業の法人税減税の穴埋めに使われ、社会保障・福祉に使われてこなかったことは明らかである。大企業・大金持ちの減税を元に戻し、無駄な税金の使い道を改め、国民・中小業者の暮らしや営業を応援し、社会保障・福祉を予算の中心に据えれば、充実した社会保障制度の確立は十分に可能である。年金・社会保障の財源や財政危機を理由にした消費税率引上げはキッパリとやめるべきである。
ついては、貴議会において、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。
- 所得税・住民税の大増税はやめること。
- 消費税率の引上げはやめること。