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平成18年陳情第10号

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0003793 更新日:2019年1月17日更新

第10号 平成18年9月4日受理 厚生環境委員会 付託

肝炎問題の早期全面解決とウイルス性肝炎患者の早期救済を求める意見書提出に関する陳情

陳情者 薬害肝炎全国原告団 代表 山口美智子

(要旨)

 我が国にはC型肝炎患者がおよそ200万人、B型肝炎患者がおよそ150万人いると言われ、ウイルス性肝炎は正に国民病である。しかもその大半が、輸血、血液製剤の投与及び予防接種における針・筒の不交換などの不潔な医療行為による感染、すなわち医原性によるものと言われている。このように医原病と言われる肝炎に対し、平成18年3月、名古屋市会は肝炎問題解決推進の決議を行った。B型・C型肝炎は、慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんに移行する危険性の高い深刻な病気である。1年間の肝臓がんの年間死亡者数は約3万人超で、その9割近くはB型・C型肝炎患者である。
 B型肝炎については、集団予防接種によるB型肝炎ウイルス感染被害者が国を被告として損害賠償を求めた訴訟の最高裁判所による判決が本年6月16日に言い渡され、この判決では国の行政責任が断罪された。またC型肝炎についても、血液製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染被害者が国と製薬企業を被告として損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の大阪地方裁判所による判決が本年6月21日に、福岡地方裁判所による判決が本年8月30日に言い渡され、いずれの判決でも国の行政責任と製薬企業の不法行為責任を認めた。
 このように司法の場では、ウイルス性肝炎の医原性について、国の政策の過ちが明確に認定されている。このような事態をかんがみれば、政府は係争中の訴訟を直ちに終了させ、すべてのウイルス性肝炎患者の救済を実現するための諸施策に直ちに取りかかるべきである。また、このことが国民の総意であることは、大阪地方裁判所の判決の翌日、全国五大紙を含む34紙の社説において大阪地方裁判所の判決が取り上げられたことからも明らかである。
 また自治体においても、住民の健康を守り増進させる立場からウイルス性肝炎諸施策を拡充すべきものと考える。
 ついては、貴議会において、肝炎問題の早期全面解決とウイルス性肝炎患者の早期救済に関し、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。

  1. 薬害肝炎訴訟を直ちに終結し、適切な賠償を実施すること。
  2. フィブリノゲン製剤及び血液凝固第IX因子製剤を納入した全医療機関に対して、患者の追跡調査を指示し、特定された患者に対して投与事実の告知と感染検査の勧奨を指導し、その結果を速やかに公表すること。
  3. 集団予防接種の被害実態調査を行い、適切な対応を執ること。
  4. 以下の対策を実施すること。
    1. 肝炎ウイルス検診体制の拡充と検査費用の負担軽減をすること。
    2. ウイルス性肝炎の治療体制の整備、取り分け治療の地域格差の解消に努めること。
    3. ウイルス性肝炎治療の医療費援助及び治療中の生活支援策を実施すること。
    4. 肝炎ウイルスキャリアに対する偏見・差別を一掃すること。

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