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平成23年6月定例会(請願第6号)
第6号 平成23年6月24日受理 厚生環境委員会 付託
福島第一原発の事故対策の強化、原子力政策の転換、自然エネルギーの研究開発・普及等を求める意見書提出に関する請願
請願者 新潟県平和運動センター 議長 渡辺英明
紹介議員 長部 登君 小山芳元君 竹島良子君 佐藤浩雄君 若月 仁君
(要旨)
3月11日に東日本を襲った巨大地震と津波は、約2万4,000人を超える死者・行方不明者を出し、今も救援・捜索活動や避難所での被災者の苦難の生活が続いている。亡くなられたかたがたに対しご冥福(めいふく)をお祈りするとともに、被災されたかたがたにお見舞いを申し上げる。
福島第一原発事故は、放射性物質の飛散により広範囲にわたる放射能汚染を拡大させ、現在も放射性物質の放出は止まらず、避難者がふるさとへ帰れる見通しが全く立たない事態となっている。
被災した原発は、炉心融解(メルトダウン)や原子炉圧力容器・格納容器の破損という最悪の事態にあり、今後、再水素爆発(場合によっては水蒸気爆発)による高濃度の放射性物質の広範囲飛散という最悪のケースも否定できない状態である。
このたびの福島第一原発事故は、核分裂エネルギーは人間には制御できないことが図らずも実証され、日本の原発事故を受け、ドイツやイタリア等では、国の意思として脱原発政策に転換するなど、今後の日本のエネルギー政策の在り方について根源的な課題を投げかけている。
よって、全国の原発の安全審査を根本からやり直すとともに、新たな原発の建設を中止させて、原子力に頼るエネルギー構造を根本的に見直し、早急に再生可能な自然エネルギー開発と普及促進を図り、脱原発社会へと大きく政策転換を図るべきである。
ついては、貴議会において、次の事項を内容とした意見書を国に提出されたい。
- これ以上放射能被害が拡大することのないようあらゆる対策を講じ、あらゆるデータ・情報の迅速な開示と、大気、海水、土壌、食品などへの放射能測定体制を一層強化すること。
- 避難生活の長期化に対応した健康保持と精神的ケア対策などの対策を強化すること。
- 妊産婦や乳幼児、小中学生などへの放射能被害を防ぐために、安定ヨウ素剤の確保、配布・服用方法などの徹底を図ること。
- 柏崎刈羽原発については、新たな津波対策のみでは不十分であり、「真殿坂断層」、「細越断層」及び炉心直下断層等の再評価を行い、それまでは全号機の運転を停止すること。
- 首相の要請を受け停止した浜岡原発は、地震対策完了後に運転再開させることなく廃炉にすると同時に、全国に計画されている新規の原発建設・増設計画は凍結すること。
- 原発の安全審査指針の大幅な見直しを行い、稼働中のすべての原発に対し、地震・津波対策などを含む新しい安全審査指針での審査をやり直すこと。
- 原子力安全・保安院を経済産業省から切り離し、原子力安全委員会も含む、独立性の高い安全規制機関に改組するなど、安全審査体制を大幅に強化すること。
- 原発から100キロメートル圏内も視野に、都道府県や市町村「地域防災計画」の原子力防災対策重点地域(EPZ)の大幅な見直しを行うこと。