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平成26年12月定例会(第35号発議案)
平成26年12月定例会で上程された発議案
教育環境の充実・強化を求める意見書
第35号発議案
教育環境の充実・強化を求める意見書
上記議案を別紙のとおり提出します。
平成26年12月18日
提出者
総務文教委員長 小林 一大
新潟県議会議長 柄沢 正三 様
教育環境の充実・強化を求める意見書
少人数学級については、教育界が最重要課題として長年訴え続け、平成23年度からようやく公立小学校1年生で35人学級が実現した経緯があるが、財務省においては、教員定数を減らし、義務教育予算の抑制につなげる狙いから、40人学級に戻すべきとの方針を打ち出している。
削減の根拠として、学級規模が小さくなるのに比例して増加した学級分についての教員補充に要する人件費の抑制という財政規律の視点のほか、小学校1年生の35人学級の適用前後では、不登校はわずかに減少したものの、いじめは増加し、暴力行為も微増したことを挙げ、35人学級に明確な効果があったとは認められないとしている。しかし、いじめと暴力行為は発生件数ではなく認知件数であり、認知件数の増加は、35人学級の導入により、いじめ等が教師の目にとまりやすくなったことを意味するとも考えられる。また、少人数学級の先行実施県における学力向上との相関を示すデータや学習意欲の向上に効果があったとする調査結果も報告されており、拙速に40人学級に戻すとの判断を行うべきではない。
財務省の財政制度等審議会では、義務教育予算編成に関連して文部科学省の指針を踏まえて学校規模を適正化し、小・中学校数を現行よりも約5,000校削減する方向を提示しているが、中山間地域などでは学校を地域づくりの核と位置付けている現状があり、政府の推進する「地方創生」に逆行するものである。教育は、国家百年の大計とも言われるように、将来の我が国を背負う子どもたちを育成する国の根幹をなす重要な施策であり、資源が少なく人材が資源ともいえる我が国にあって、このように乱暴かつ短絡的に効率化を求めるべきものではない。
よって国会並びに政府におかれては、教育が国の根幹をなす重要な施策であることを踏まえ、義務教育に関する経費削減だけを目的とする拙速な予算削減を行うことなく、教育環境の充実・強化に資する取組を推進するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年12月18日
新潟県議会議長 柄沢 正三
衆議院議長 様
参議院議長 山崎 正昭 様
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
文部科学大臣 下村 博文 様